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16 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 20:52:06.37 ID:92cq8qRMO 【栄光に近道なし】 夏休みのある日。軽音部の5人は学校に来て音楽室で練習していた 「あ、りっちゃん、雨降ってきたよ」 「あちゃ~、さっきまで晴れてたんだけどなぁ」 「夕立だな。こりゃ」 澪は窓を閉めた 「傘、持ってきてないですぅ」 「あたしもっ。困ったなぁ」 「まぁ、夕立だし少し経てばやむだろ。ほら、練習再開っ」 澪はベースを構えた 他の4人も窓のそばから自分の元いた場所に戻っていった 「よっし!もう少し頑張るかぁっ!」 18 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 20:55:39.59 ID:92cq8qRMO その時、閃光が走った ピカッ! 「うわっ!まぶしっ!」 「うぁああああああああああああああ」 澪はベースの弦に指をかけていた そのため、雷からの電流をモロに受けてしまった 「みおちゃんっ!」 「澪先輩っ!あっ!」 澪の体が一瞬光った 「うぁああああああっ!」 澪の体が数回跳ねる その後、その場にへたり込んでしまった 「はぁ・・・はぁ・・・」 「大丈夫?」 「特に見た感じは問題なさそうだけど・・・」 ムギが澪の体をサッと見渡す 19 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 20:58:05.34 ID:92cq8qRMO 「うん、だいじょう・・・あっ!!」 喋りかけた澪が突然声を上げた 「これは・・・・!」 他の4人には何が起きたのか全く分からない だが、澪自体には大きな変化が生じていた 「すごい・・・頭の中から色々溢れ出てくる感覚だ・・・!」 気づけば澪は一人上を向いて仁王立ちしながら、そうつぶやいていた 他の4人は澪を取り囲み唖然としてその様子を見ていた 「どうしたんだ?澪」 「雷に、打たれた」 「ビリビリしたっ?」 「うん・・・でも、今はすごく気分がいい」 「あら、それは素晴らしいですわ」 「ちょっと、1曲合わせてみないか」 「はい、澪先輩」 梓は感じていた。澪から発せられる、オーラのようなものを (なんだろう・・・凄いパワーを感じる・・・) 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:58:39.90 ID:xXLTCTmD0 見た目だけじゃ安心できない! 服を脱がさないと! 21 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 21:00:10.18 ID:92cq8qRMO 曲が始まり、澪がベースを弾き始めた。すぐさま4人は澪が『異常に』上達した ことに気づいた 「みおちゃん、プロみたい・・・」 最初に唯が抜け、梓が抜け、ムギが抜け、そして最後に律のドラムが止まった みんな、澪のベースに聞き惚れていた (ベースなのに、ここまで惹かれるって、一体・・・) 律も、幼馴染である澪の異変に気づき、戸惑い始めた 澪はベースを弾き切った 「はぁはぁ・・・なんだろう、呼吸するように弾けるようになった気分だ」 「すごいっ!楽器が体の一部になったんだね!サイボーグだっ!」 「ちょ、ちょっと違うぞ唯・・・」 律が唯に突っ込んでいる間に、梓が澪に尋ねた 「澪先輩、私と握手してもらってもいいですか?」 「握手?いいよ」 澪は梓の小さな手を少し大きめの手でぎゅっと握った (あぁ・・・やっぱ私の手ってでかいのかな・・・・) 22 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 21:03:08.90 ID:92cq8qRMO 心の中で悲しみに暮れていると、梓が叫び始めた 「すごいっ!何か凄い力をもらってる感じですっ!」 「あ、あずにゃんまでっ?」 「ハンドパワーだな」 「そうですね。私にもぜひいただきたいわ」 「あ、あたしも」 結局全員が澪から『力』を受け取った それからは恐ろしいほどハイレベルな演奏が続いたのである 「これなら武道館も夢じゃないなっ!」 「自分が思ったようにギターが弾ける・・・嬉し過ぎて涙が出てきますっ」 「指が気持ち悪いほど良く動くんですけど・・・なんなんでしょう」 「やべぇ、ドラムがあたしで、あたしがドラムにあwdfんbfdbdbd」 5人は歓喜していた、が・・・そんなにうまい話は無いわけで・・・ 23 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 21:06:58.15 ID:92cq8qRMO 次の日 「ありゃ!?」 唯は珍しく朝早く起きてギー太を抱きかかえていたが・・・ 「昨日みたいに弾けない・・・うっ・・・」 音楽室で5人は一同にそのことばかり話した 「何だったんですかねぇ」 「私が雷に打たれて、何かが起きたんだろうな」 「あの感覚、今思い出してもゾクゾクしますわ」 「結局、地道に練習するのが上達への道、って訳だな」 「りっちゃん、何かさびしい気もするよね・・・」 「まぁ、唯。私たちだっていつかはああいう感覚に    なれるって事だけでも、可能性があるってことじゃないか」 澪が紅茶をテーブルに置きながらつぶやいた 24 :ギー助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/14(金) 21:09:29.69 ID:92cq8qRMO 「鹿も四つ足、馬も四つ足・・・だな」 「どういう意味?」 「プロだって私たちと同じ5本の指、2本の腕で楽器を演奏してるんだ。    私たちがそれと同じ事を出来ない訳はない。練習をしよう。っていう格言」 「澪、いい言葉知ってるんだな」 「栄光に近道なし。これも同じような意味ですよね」 「あずにゃん、それって毎日ちゃんと練習することが大切って意味でしょ?」 「そうです。唯先輩、これからは毎日ちゃんと練習しましょうねっ」 「りょーかいっ!」 「じゃぁ、ティータイムはここまでにして、練習始めましょうか」 ムギはテーブルの上を片付け始めた 「がんばるぞぉ!」 唯は一番に練習を始めた 「あっ、唯先輩、抜け駆けはずるいですぅ!」 Fin

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