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【くずのは!】 第2話 少女達の秘密 ◆PzD3ftv2xo」(2009/08/25 (火) 16:35:19) の最新版変更点

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172 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/11(火) 23:05:30.11 ID:mbBw2SoUO 第2話投下開始 先の一件から3日後、ぼくはそれまで練習していたギターの腕前を披露する事になった。 …………… 澪「す…すごいな…本当にちょっとしか練習してないのか?」 梓「ま、まだまだです!唯先輩に比べたら!」 唯「ええ~!?いやいや、あずにゃんのが上手いよ!」 あれ?…何か…拙い事をしてしまったのだろうか? 此が世に言う、『地雷を踏んだ』というやつなのか? 律「もしかして、プロのミュージシャンが知り合いにいるとか!?」 律が身を乗り出して聞いてくる。 凪「いや、プロじゃなくて事務所の先輩だよ。」 ジョーは意外と芸達者で、ギターだけでなく、楽器なら何でも出来てしまうし、家事も仕事もテキパキこなす、尊敬すべき先輩なのである。 180 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/11(火) 23:29:30.57 ID:mbBw2SoUO 律(ハイスペック過ぎるだろ、凪の先輩…。) 凪「ま、まあ、でも、ぼくはあくまでもサブメンバーだからさ、やっぱり、皆があっての放課後ティータイムだからさ、その…。」 流石に焦り過ぎて、自分でも弁解になってないのが分かってしまって、かえって情けないやら、申し訳ないやら…。 唯「せっかくだからさ!ボーカルやりなよ!ボーカル!」ゆいはこんらんしてきた! 梓「いいですね!私も賛成です!」あずさもこんらんしてきた! 澪「そ、そうだよな!それがいいよ!(これで歌わなくて済む!)」みおはよろこんでいるようだ! ああ…皆、何か、ゴメンナサイ。 紬「あらあら。ウフフ。」 律「お前ら、帰ってこ~い。」 398 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 20:34:41.26 ID:qg16SviXO 気を取り戻したぼく達は、何時も通りにティータイムを開始する。 唯「でさ~、結局ボーカル誰がやるんだっけ?」ゆいはまだこんらんしている! 律(ダメだコイツ…早く何とかしないと…!) 紬「そう言えば。この間はお疲れ様、凪ちゃん。」 凪「まあ、今回は律のお手柄だけどね。」 澪「そうなんだ。律がなあ…。」 律「あたしだってやる時はやるんだよ!」 梓「そのやる気を少しは練習に回して下さいよ…。」 ……ん? 紬さんは何故依頼の事を知っているんだろう? 律は黙ってくれていた筈だが…? ぼくの考え込む風な様子を見て、澪が小声で話し掛けてきた。 澪「ムギは結構勘が鋭いんだ。」ボソッ 404 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 21:11:24.60 ID:qg16SviXO 大瀧探偵事務所 ジョー「ギター講座、役に立ったか?」 凪「ええ…凄く…。」 それはもう、メンバーを激しく狼狽させる程に…皆、本当にゴメンナサイ。 ジョー「そうそう、ハヅキに、お客さん。」 凪「お客さん?」 大瀧「おう、帰ったか。」 所長が桜高の生徒-真鍋和さん-を連れて応接室から出て来た。 和「あれ、細野さん?そっか、ここに勤めてたんだ。」 凪「真鍋さん。どうしてここに?」 大瀧「もちろん、依頼だよ。学校絡みだから、調査を君に頼もうと思ってね。」 凪「そうですか。…ゴメン。待たせちゃったみたいだね。」 和「気にしないで。私もついさっき来たとこだから。」 凪「それで…依頼について、詳しく聞かせてくれないか?」 413 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 21:45:29.38 ID:qg16SviXO 翌日早朝、校門前 真鍋さんからの依頼によれば、この時間帯のこの場所に、何かの大群がここを通るという。 その時に立つ音が五月蝿いと、周辺住民から苦情が出ている、という話を教師がしているのを、彼女は偶然聞いてしまったらしい。 無論、生徒である筈がないし、暴走族が来るにしてもおかしな時間帯だ。 真鍋さんも何度か確認しに来たが、その時は何も見なかったそうだ。 この間、音楽室で幽霊騒ぎがあったので、もしかしてまた…と思い、依頼に来たとの事だ。 …しかし、こういう事は教師が対応すべきなんじゃないのか? …まあ、どの道依頼されたんだろうから、どちらでも構わないが。 416 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 22:11:30.60 ID:qg16SviXO 澪「あれ?凪じゃないか。」 聞いた声に振り返ると、そこに澪が立っていた。 凪「澪。どうしたの?こんな早くに。」 澪「ん。ちょっと、作詞のアイデア練ろうと思ってな。凪はまた調査か?」 凪「まあね。」 澪「ホント仕事熱心なんだな。律に凪の爪の垢煎じて飲ませてやりたいよ。」 凪「はは…。」 律はああ見えて結構しっかりした所は有ると思う。 まあ、澪も冗談で言ってるのは分かるが。 凪「澪は本当に律が好きなんだな。」 澪「へっ!?」カアァ みるみるうちに真っ赤になっていく澪。 ぼくは何か…拙い事を言ったのだろうか? 澪「べっ別に私は!律の事、そんな風には!だ、だって、その…女の子同士だし…いやでも、嫌いって訳じゃなくて…。」 432 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 23:20:07.18 ID:qg16SviXO 凪「え~と…も、勿論、友達として、という事だよ?」 澪「わ、分かってるよ!ちょっと凪をからかったみったっだけなんだからな!」 噛んでるうえに顔真っ赤なままじゃ、説得力が全く無いですよ?澪さん。 …律が澪をからかいたくなる気持ちが、少しだけ分かった気がする。 澪「もお!ニヤニヤするなあ!」 話し込んでいるうちに朝日が登って来た。結局何事も起こらなかったな。 まさか、もっと早い時間?それとも、曜日限定? 詳しい事は近隣住民に聞き込みをするしかないか。 凪「日も登って来たし、そろそろ学校の準備をしに戻るかな。」 澪「…だな。じゃあ、またあとで。」 451 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/12(水) 23:53:08.60 ID:qg16SviXO 放課後 日直の仕事を済ませ、音楽室へと向かう途中、和がぼくを呼び止める。 和「ゴメン。昨日言い忘れてた事があって。実は、例の騒音が発生するの、どうも金曜日が多いみたいなの。」 凪「金曜日、か。今日聞き込みに行こうかと思ってたけど、手間が省けたよ。ありがとう。」 和「どういたしまして。これから部活?頑張ってね。」 凪「ああ。」 …まあ、また何時も通りかも知れないが。 音楽室 ぼくが入って来るなり、律が駆け寄ってきた。 律「また学校絡みの依頼受けたんだな。なんだったら、あたしが手伝ってやってもいいぜ!」 澪「こら律、凪が困ってるだろ?…ゴメンな。律の奴、すぐ調子に乗るから。」 684 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 21:55:39.53 ID:7SUrDB8lO 律「冗談だよ冗談。本気にすんなって。」 澪「どうだか。ま、どっちにせよ、あんまり凪に迷惑かけるなよ?」 律「分かってますよーだ!」 まあ、一応今後首を突っ込まない様にと釘は刺したし、そもそも律があんなに朝早くから起きてる様な子だとは思えないから大丈夫だろう。 遭遇のチャンスは明後日の早朝。 一体何者かは知らないが、騒音を出すのは何としても止めさせたい所だ。 唯「ねえねえ、ボーカル…じゃなくて凪ちゃん、今度はどんな依頼なの?」ゆいのこんらんがとけた! 凪「簡単に言うと騒音調査かな。」 唯「やっぱり幽霊絡み?」 凪「…多分ね。でも、現段階では人間の仕業って可能性も捨てきれないんだよね。」 690 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 22:21:57.86 ID:7SUrDB8lO 唯「ふ~ん。そ~なんだ~。でも、何が起こるかわかんないし、気をつけてね?凪ちゃんはうちのメンバーなんだから。」 凪「うん。肝に銘じておくよ。」 2日後早朝、校門前 金曜早朝。 この時間帯に、騒音の原因が現れる。何故定期的に現れるのかも、今日分かる筈だ。 澪「凪。また会ったな。」 凪「お早う、澪。またアイデア作り?」 澪「うん。そんなとこ。」 澪(言えない…実は依頼の事が気になったなんて、口が裂けても言えない!…律にバレたら相当愚痴られるだろうなあ…。) 突然、辺りが騒がしくなってくる。 凪「…どうやら、お出ましの様だ。」 澪「え゛!?な、なにが!?」キョロキョロ 692 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 22:35:29.85 ID:7SUrDB8lO 凪「音だけか。という事は、やはり幽霊…。」 澪「うわあああああ聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない!」 幽霊、という単語を聞いた途端に澪まで騒ぎ出した。そんなに駄目なのか。 思わずにやけてしまいそうになるのを抑えつつ、騒音の発生源を探す。 いや、探す迄もない様だ。騒音が此方へと近付いてくる。 澪「聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえない聞こえ」 凪「澪、落ち着いて。大丈夫だよ、ぼくがいるから。」 騒音はぼく達の直ぐ傍まで来た時、ピタリと止んだ。 ???「やっと会えたヒホー!」 ヒホ?この口癖は、確か…。 698 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 22:55:48.13 ID:7SUrDB8lO 澪「へ?あ…君、もしかしてあの時のフロスト君?」 フロスト「覚えててくれて嬉しいヒホ!」 …知り合い? 澪「どうしてまたここに来たんだ?…というか、その足に付けた空き缶は一体何なんだ?」 騒音の元はこれか…。 というか、悪魔と…知り合い…だと…! フロスト「こうして歩いてればいつか澪チャンが気づいてくれると思ってやってたヒホ!でも、さすがに毎日じゃゴキンジョメーワクだから、週に一回だけにしてたヒホ!」 澪「…学校の中で待つ方が早いとは思わなかったのか?」 フロスト「…………………!その手があったヒホ!」 澪「いや、気づけよ。」 律といい澪といい、サマナーは兎も角、悪魔とは浅からぬ縁が有ると見た。 700 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 23:24:55.89 ID:7SUrDB8lO 澪「な、凪?どうした?なんか、目が据わってるけど…。」 凪「…否、何でもないよ。気にしないで。」ニコオ 澪(目が笑ってないよ…怖いよ…!)ガタガタ やはりあの時、律に問い質しておくべきだったか。何故悪魔を知っているのかを。 一般人が悪魔の存在を知る方法はただひとつ。悪魔が作り出した異界に呑まれる事だ。 もしかしたらそれ以外の方法も有るかも知れないが、調べてみない事には分からない。 何にせよ、だ。 放課後、必ず聞かなければ。 凪「じゃあね、澪。またあとで。」 澪「え!?ちょ、この子はどうするんだ!?」 凪「澪が連れて行くといいよ。流石に、君の友達を傷付ける訳にはいかないからね。」ニヤア 澪(笑顔が怖いよ…凪…!) 703 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/13(木) 23:50:46.11 ID:7SUrDB8lO 放課後、音楽室 唯「わ~、フロスト君久しぶり~!」 フロスト「唯チャンご無沙汰ヒホー!」 律「澪、今朝早くに凪と会わなかったか?」 澪「うん。会った。」ガタガタ 律「なんで震えてんの?何かあった?ははーん、さては例の騒音お化けにも会ったんだろ?」 澪「律…幽霊よりも人間の方が怖いよ…。」ガタガタ 律「だからどうし…!」 律(はっ!殺気!) ガチャ…ギギギ… 凪「やあ皆。遅れて済まないね。」ニコオ 唯梓(ビクッ) 紬「どうしたの凪ちゃん?そんなに怖い顔をして。」 ふむ。平静を装っているつもりだが、まだ顔に出ている様だな。 精進しなければ…。 凪「律…否。君達に、是が非でも聞きたい事があるんだ…。」 706 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/14(金) 00:19:49.61 ID:GI4WLqtJO 律「…なんとなく聞きたい事が分かったぜ…あたし達が悪魔を知ってる理由が知りたいんだろ?」 凪「御 明 察 !」ニヤア 律「分かった!話すからその顔やめろ!みんなが怯えてるから!怖いから!」 律は、数ヶ月前自分達の身に降りかかった出来事を語った。 凪「そんな事があったのか…。全く気付かなかった。」 律「まあ、ほとんど誰も気付かないうちに起こって終わったからな。」 凪「あの~。はなしがぶっとびすぎててりかいがおいつかないんですけど。」プシュー 澪「大丈夫、私達も未だにあんまり理解出来てないから。」 唯「まさか、太陽に行く事になるとは思わなかったよね~。」 707 :【くずのは!】 ◆PzD3ftv2xo :2009/08/14(金) 00:39:45.30 ID:GI4WLqtJO なんだか、あたまがくらくらするなあ。 ああ、そうだ。あたまをつかうときは、あまいものをたべるといいって、どこかのめいたんていがいってたっけ。 凪「みんなあ。おちゃにしよおかあ。きょうは、もう、れんし…う…。」バタッ 梓「な、凪先輩!」 澪「気絶した!?」 律「た、大変だ!救護班、救護班!早く凪を保健室へ運ぶんだ!」 唯紬「イエスマム!」 数十分後、目を覚ましたぼくは、メンバー達にこの度の非礼を土下座せんばかりの勢いで謝り倒したのだった。 第2話 少女達の秘密 終

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