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193 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/24(月) 23:32:53.92 ID:gUC3Czsj0 【会いたい】 ふと、思った。 最近のどかちゃんとあんまり話さなくなった気がする。 「はぁ…」 同じお幼馴染のりっちゃんとか澪ちゃんは今でも仲よくしてるのに。 別に、喧嘩とかした訳じゃない。和ちゃんは生徒会で忙しいし、私にも部活があるし。 「でも…」 でも、どことなく寂しい。心のどこかにポッカリと穴があいた感じ、ってこういう気持なのかな。 「和ちゃんに会いたいな…」 憂でもあずにゃんでもりっちゃんでも澪ちゃんでもムギちゃんでもない。 今は和ちゃんに会いたい。 204 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/24(月) 23:44:17.07 ID:gUC3Czsj0 「そうだ、今会いに行こう」 ちょうど今日の授業も終わり、これから放課後。今すぐ行けば、和ちゃんは教室にいるはず。 「のどかちゃーん」 私は和ちゃんのいるクラスのドアの所に立っていた。 教室の中を見回してみる。だけど、和ちゃんの姿は見当たらない。 私の呼びかけには、澪ちゃんが応えてくれた。 「あ、和ならさっき帰ったぞ」 「生徒会室に行ったんじゃなくて?」 「今日は生徒会活動ないんだってさ」 「ありがと、みおちゃん!」 私はすぐに廊下を走りだした。今ならまだ間に合う、そんな気がしたから。 206 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/24(月) 23:48:06.27 ID:gUC3Czsj0 「ハァ…ハァ…」 昇降口までノンストップで駆け抜けた。さすがにちょびっと辛い。 「のどか…ちゃん…」 私は靴を履き替えていた和ちゃんの背中に呼びかけた。 和ちゃんは私の声に気付いて振り返る。 「あら、唯じゃない。どうしたの?」 和ちゃんの声だ。いつも聞いていたはずなのに、今日はなんだか久しぶりな気がした。 「一緒に…帰ろう?」 私は自分の気持ちを率直に伝えた。 207 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/25(火) 00:01:08.11 ID:tv/ceLOS0 「いいわよ。けど、部活はいいの?」 ふと、さっきの澪ちゃんの姿が頭の中に思い浮かぶ。 「あ…」 今日は、今日は部活じゃない。和ちゃんなんだ。 私は頭の中で何度も繰り返した。 「き、今日は部活無いんだ!だから、大丈夫」 「ならいいんだけど」 私はそそくさと靴を履き替えると、和ちゃんといっしょに昇降口を出た。 210 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/25(火) 00:09:32.44 ID:tv/ceLOS0 「こうやって唯と2人で帰るのって、久しぶりね」 「そうだよね」 自然と私は和ちゃんの手を握る。 やわらくて気持ちいい。 「唯、練習で手とかケガしたりしてない?」 「大丈夫だよ」 和ちゃんはいつも私のことを気遣ってくれる。その優しさは今でも変わらない。 「和ちゃんは生徒会の仕事どう?」 「相変わらずね。今は結構ヒマなんだけど」 赤い眼鏡を指で直しながら、和ちゃんは答えた。 212 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/25(火) 00:21:31.51 ID:tv/ceLOS0 突然、心の中で渦巻く気持ちが私の口から問いかける。 「寂しかったよね…?」 私の質問に和ちゃんは少し間を置いて答えた。 「うん。まぁ…」 その表情はどことなく寂しげだった。 「ごめんね…部活ばっかりで」 「私は唯の頑張る姿が見れて、とても嬉しいわ」 「でも…」 でも…私は、私は… 213 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/25(火) 00:24:56.72 ID:tv/ceLOS0 気付いたら、和ちゃんに抱きついていた。 「ど、どうしたの唯?」 「好きだよ…和ちゃん…」 和ちゃんのぬくもりに私は顔をうずめる。 「私もよ…」 和ちゃんは私の頭を両手で包みこみながら言った。 「少し、このままでいさせて…」 私は和ちゃんに身を任せていた。 215 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/25(火) 00:29:43.56 ID:tv/ceLOS0 「小さいころから、唯と一緒にいるけど」 和ちゃんの声が頭の上から聞こえる。 「やっぱり唯は唯だね」 とっても優しい声だった。 「のどかちゃん、ずっと一緒だよ」 「うん。もちろん」 これからも、これからも。 Fin

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