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611 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/28(金) 20:11:22.43 ID:HZ6IYHLM0
【引いて寄って】
「捕まえたっ!あずにゃん♪」
突然、唯先輩が私に抱きついてきた。
いつもいつも…嫌じゃないんだけど、なんだか恥ずかしい…
「あれっ、あずにゃんどうしたの?痛かった?」
あっ、もしかして恥ずかしくて泣いてる?そんな、もっと恥ずかしい…
なんか言い訳考えないと。そうだ、あくび、あくびだ。
「あ、あくびですぅ!私はそんなに泣き虫じゃないですぅ」
「あくびかぁ。よかった!」
そう言って唯先輩はさらに抱きついてくる。
もう…ちょっと突き放しますよ。
614 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/28(金) 20:13:58.89 ID:HZ6IYHLM0
「もう、いい加減にしてほしいですぅ!」
そう言って私は唯先輩を軽く突き放した。
少しの間、唯先輩はあっけに取られて、立ち尽くしていた。
「唯…先輩?」
あんまり立ち尽くしているものだから、私は不安になって声をかけた。
「あず…にゃぁん…」
「ど、どうしたんですか?」
「私のこと、嫌いになっちゃった?」
「え…」
唯先輩の訴えるような眼。だめ、見たら変になっちゃう。
617 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/28(金) 20:16:23.11 ID:HZ6IYHLM0
きっと、憂もこんな感じで唯先輩の言いなりに…
私はなんとか目をそらして言った。
「甘えても、無駄ですぅ。私に抱きつく前に練習したら…」
だが、遅かった。言葉を言い終える前に私は唯先輩の胸の中にいた。
「甘えちゃ、ダメ…?」
ささやきかけるような甘い声。なんだか心も安らかになってくる。
619 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/28(金) 20:20:19.10 ID:HZ6IYHLM0
「ちょっとだけなら…いいですよ」
「ホントっ!?大好きあずにゃん!」
全く…この人にはどこにこんな不思議な魅力があるんだろう…
「終わったら、練習ですからねっ」
私は再び捕まった唯先輩の腕の中でつぶやいた。
「おっけぃ!」
優しく、それでいて元気な返事が返ってくる。
もうしばらく、こうしていよう。
Fin