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438 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 17:59:05.09 ID:gn4F95/CO 古びた家に近所の住人が集まって、この家の住人の噂話をしている。 「この家の人はなんで出てこないのかしら?」 「っていうか、人の気配しないわよねえ、この家。」 「もしかしたら幽霊屋敷かもよ?」 「嫌だ、やめてよ。そういうの苦手なんだから。」 すると、玄関の扉が開き、その家の住人が出てくる。 深々とニット帽を被り、サングラスにマスク、マフラーに手袋までつけた、異様な格好で。 「で、出たわ!お化け太郎よ!」 突然住人が出てきたので、集まった人々が騒ぎ出す。 そこに、ツインテールの小柄な少女が現れ、騒ぐ人々に怒鳴りつける。 「あの人はお化けなんかじゃありません!用がないなら帰って下さい!」 「用ならあるわよ。」 群集の中の1人が、少女に言う。 「この家から変な臭いがするのよ。それが気になってこんなに人が集まってるのよ。ゴミでも溜め込んでるんじゃないの?」 「…分かりました。私から良く言い聞かせておきますから、皆さんは帰って下さい!」 440 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 18:21:13.69 ID:gn4F95/CO 人々が家から離れた後、少女は住人に話しかけた。 「もう、またそんな格好して!そんなだからお化けなんて言われるんですよ?」 「仕方ないじゃない。『この世アレルギー』なんだから。梓も私なんかに構わなくていいよ。」 「そうはいきません!そんな病気、いい加減治さなきゃダメですよ!それに、家の掃除もしないと。」 そう言うと少女-梓-は家の中に入っていく。 数時間後 家の中は、まるで新築かと思えるほどに綺麗になっていた。 「はい、お掃除完了です!じゃあ、私はゴミ捨てに行ってきますね。」 「…構わなくていいって言ってるのに。」 『この世アレルギー』対策グッズを無理矢理取られたた住人は、膨れっ面で梓に愚痴る。 「はいはい、唯さんは早くお風呂入って下さいね。」 梓に背中を押され、渋々お風呂へと向かう住人-唯-。 446 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 19:02:46.89 ID:gn4F95/CO 膨れっ面でお風呂に入り、1人愚痴る唯。 「もう、梓ったら…なんであんなに私に構うんだろ?いいって言ってるのに。」 「よっぽど唯が好きなんだよ。いいお嫁さんになってくれるよ、梓ちゃんは。」 お風呂に入って来たコウモリが唯に話しかける。 「もう、憂ったら…。からかわないでよ。」 定食屋 「焼き魚定食!」 カチューシャでオデコ全開な少女が大声で注文する。 数分後、少女の前に焼き魚定食が運ばれてくる。 「んふふ~♪そんじゃ、いっただっき…。」 突然、机の下から割箸が伸び、焼き魚が奪われる。 「ああー!あたしの焼き魚!」 焼き魚を奪った唯(無論この世アレルギー対策装備)は、急いでその場から離れる。 が、すぐにカチューシャ少女に追いつかれる。 「あたしの焼き魚返せ!大事な昼食のメインなんだよ!」 454 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 19:28:17.76 ID:gn4F95/CO 定食屋に連れ戻された唯。 「なんであたしの焼き魚取ったんだ?」 「ニスの材料にしようと思って…。」 焼き魚がニスの材料になるか!と突っ込みたい気持ちを抑え、会った時から気になっていた事を聞いた。 「ていうかその格好なんなんだよ。マスクとサングラス取れよ。」 「嫌です。『この世アレルギー』ですから。」 「はあ?なんだそりゃ…。」 『この世アレルギー』という耳慣れない言葉を聞き、呆れてしまうカチューシャ少女。 「この世のあらゆるものに対して拒絶反応が起こるんです。だから、取れません。」 「本当かあ?それ!」 そう言うとカチューシャ少女は唯のマスクとサングラスを取る。 「なんだよ、何ともねーじゃん。てか、結構可愛い顔してんのな。隠してたらもったいねーよ。」 464 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 19:52:13.48 ID:gn4F95/CO とりあえず許してもらえた唯は、一旦家に帰る事にした。 その時。 家に飾られたバイオリンがひとりでに鳴り響く。 その音を聴いた唯は、どこへともなく走り出した。 同じ頃、カチューシャ少女の元に連絡が入る。 『りっちゃん!ファンガイアが出たわ!』 カチューシャ少女-律-は現場へと向かった。 町外れ 女性がステンドグラスのように輝く怪物-ファンガイア-に襲われていた。 ファンガイアは、女性からライフエナジーを吸い出そうと牙を剥く。 そこに現れた唯によって、女性は間一髪救われ、一目散に逃げていく。 「行くよ、憂!」 飛び寄ってきた憂を掴む唯。 「キバって行くよ!ガブッ!」 憂は唯の手に噛みつく。 すると、唯の顔には奇妙な模様が浮かび上がり、腰には鎖が巻きつき、それがベルトになる。 「変身!」 叫びながら憂をバックル部分にセットする唯。 その体がガラスのようになり、姿が変化する。 466 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 20:17:10.53 ID:gn4F95/CO ファンガイアと対峙する唯。 その姿は、コウモリを模した顔に、見るからに強固な鎧を身に纏っている。 右脚には、何かを封印するかのように鎖で固定された足甲がある。 「とりゃ!」 唯はファンガイアに攻撃を仕掛ける。 圧倒的な攻撃に怯むファンガイア。 「てーい!」 唯はファンガイアを吹き飛ばし、ベルトから不思議なホイッスル-フエッスル-を取り出し、憂にくわえさせる。 「ウェイク・アーップ!」ピーロピロピロピー フエッスルの音に呼応するように、足甲の鎖が解き放たれる。 それと同時に、辺りが夜の闇に包まれる。 コウモリの翼のように広がった足甲を掲げ、空に飛び上がる唯。 そしてファンガイアを右脚で蹴り倒す。 足下に、コウモリを模した紋章が現れた。 その直後、ファンガイアが輝き、ガラスが割れるように爆散した。 468 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 20:24:37.71 ID:gn4F95/CO 戦闘を終えて、改めて帰路につく唯。 その時、背後に誰かの気配を感じ取る。 そこにいるのは、ファンガイア出現の報を受けた律だった。 「キバ!覚悟!」 律は、唯に向けて発砲する。 その弾丸は、真っ直ぐに唯を捉えて…! 続くかどうかは気分次第

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