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今はちょうど、0時になるかならないかぐらいの時間。  帆船」(2009/09/07 (月) 01:07:04) の最新版変更点

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3 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:06:10.67 ID:N88hisTOO 今はちょうど、0時になるかならないかぐらいの時間。 今日も一日、楽しかった。授業中のことはあんまり覚えてないけど。 昼休みはみんなでお弁当を食べて、放課後はみんなでお茶を飲んでお菓子を食べて、それから練習をして。 夕方から雨が降ったけどみんな傘を持ってきてなかったと思ったら、ムギちゃんのお家の使用人さんがすごく長い車でムギちゃんを迎えに来て。 ムギちゃんの優しさに甘えて、乗せてもらって帰った。 その後は、あずにゃんに教えてもらったやり方でギー太を手入れして。 ご飯を食べて、お風呂に入って、寝っ転がりながらテレビを見て、アイスを食べて。 憂はもう寝てる。毎朝早起きしてお弁当を作るから、憂は早寝だ。いつもありがとう、憂。 明日は学校があるから。私もそろそろ寝ようと思って、テレビの電源を切った。 4 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:07:45.51 ID:N88hisTOO あれ、おかしい。立ち上がって、テレビから背を向けてから気付く。 さっき確かにぷつんって音がしてテレビの電源は切れたのに、後ろから聞こえるこの砂嵐みたいな音はなんだろう? 振り返ってもう一度テレビを見る。そこには、やっぱり砂嵐が移っていた。 間違いだったのかな?そう思って、今度はリモコンじゃなく主電源を切ろうとテレビに近付こうとしたその時、 砂嵐が徐々に晴れていき、見知った顔がテレビに映し出された。 「うそ、なんで…律っちゃん?」 毎日見てるんだから、間違えようがなかった。 律っちゃんが、テレビに映ってる。 「グループ名、何にしようか」 「放課後ティータイムでええんちゃう?」 「ホッ○ペッパー団にしよ!」 時間が、止まった気がした。 6 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:09:31.63 ID:N88hisTOO 「放課後ティータイム最後の曲は、田井中が歌います『喫茶店の思い出』」 「お前レモンティー飲みたいんやったら自分で頼め!レモン泥棒!!」 ノリノリで叫ぶ律っちゃんと盛り上がるお客さんを映した後、テレビ画面は白くなっていき、そのまま消えた。 …うん、きっと私、疲れていたんだね。今のはちょっと寝ぼけた私が見た夢だよね。 明日、律っちゃんに話してみよう。きっとまた呆れられるか、笑われると思うけど。 そう、明日は学校だからもう寝るんだった。12時すぎたから明日じゃなくてもう今日だけど。おやすみなさい。 その日の夢は、軽音部のみんなが関西弁になってた気がする。 7 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:11:33.06 ID:N88hisTOO 翌朝、今日も天気は雨だった。 「えっ、律っちゃんお休みなの?」 「そうなの。それも、親御さんから学校へも連絡が来てないんですって」 教室には、律っちゃんがいなかった。 …あんな変な夢を見たからかな、すごく、嫌な感じがするのは。 「唯ちゃん、大丈夫?…律っちゃんのことが心配?」 「だ、大丈夫だよー!ちょっと寝不足なだけ…」 やっぱりムギちゃんは優しい。こういうちょっとした不安を、すぐに気遣ってくれる。 「澪ちゃんなら、何か聞いてるかもしれないわ。休み時間になったら1組の教室に行きましょう」 8 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:13:23.35 ID:N88hisTOO 休み時間、私たちが1組に行くことはなかった。澪ちゃんの方から、私の教室に来たから。 「なあ唯、ムギ。…今日、やっぱり律来てないのか?」 「そうなの。学校にも連絡が来てないみたい。澪ちゃんは、何か聞いてないの?」 「私、私は…」 澪ちゃんの声が震えてる。 「昨日、律のお母さんから電話があって…律、家に居ないって…」 声に嗚咽が混ざりはじめる。 「部屋から出てこなくなったと思ったら、ヒック、いつの間にか、ヒック…居なくなってたって…」 「澪ちゃん、無理しないで」 「そうね、気持ちは分かるけど、落ち着いて…はい、これでも飲んで」 ムギちゃんがポットからお弁当用のお茶を注いで渡して、澪ちゃんは震える手でそれを受けとる。 「ありがと、ムギ…ん、おいしい…」 澪ちゃんは、少し落ち着いたみたい。 「今日は、部活はお休みしましょう。唯ちゃん、梓ちゃんに伝えてくれる? 私は放課後、澪ちゃんを送ってから律っちゃんのお家にお邪魔してくるわ」 「わ、わかったよムギちゃんっ」 ほんとは私もついていきたかったけど、そしたらきっと澪ちゃんもあずにゃんもついてくるんだろう。 大勢でいくと迷惑になりそうだから、やめておくことにした。 10 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:15:44.72 ID:N88hisTOO 放課後、あずにゃんに事情を伝えてから家にまっすぐ帰る。 午後のお菓子は食べてないけど、喫茶店に寄り道する気にもなれなかった。 夜、ムギちゃんから電話がかかってきた。 『もしもし、唯ちゃん?あのね、今日律っちゃんのお母さまにお話を伺ったんだけど…』 ムギちゃんの声は暗い。 『律っちゃん、やっぱり居ないって。昨日、確かにお家には帰ってきてたのに、いつの間にか居なくなってたって…』 『律っちゃんのお母さまもね、昨日の内はどこか友達の家にでも泊まりに行ったんだろうって。 困った子だけど、そんなに心配する事じゃないだろうって。 今日私たちが学校から帰ってから、警察と学校に連絡したって。言ってたわ、もっと早く、連絡すべきだったって…』 電話越しにもわかる、すごく辛そうな声だった。 「だ、大丈夫だよっ、ムギちゃん!まだ何か事件とかに巻き込まれたって決まったわけじゃないんだしっ!律っちゃんなら、大丈夫っ!」 正直、私もすごく辛かった。けど、このままじゃムギちゃんまで泣き出しちゃいそうで。 『…ありがとう、唯ちゃん。…私、ちょっと疲れてるみたい。ごめんなさい、今日はもう、休むね?』 「うん。おやすみ、ムギちゃん。また明日」 律っちゃん、今、どこにいるの…? 11 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:17:12.59 ID:N88hisTOO もう、手がかりは一つしかなかった。 夢だと思った、昨日のテレビ。だれにも話さなかった、あの0時のホット○ッパーのパロディ。 今でもあれは夢だったような気がしてる。だけど、もうそれしかすがるものはない。 深夜0時前、憂はもう寝てる。 黒い画面に、砂嵐が、映った。 「鍋の名前でしりとりしようか」 「キムチ」 「ち…ちー…チョコカレー」 「そんな鍋無いよね!?」 「あります!!」 「えっあるの!?クーポン使える?」 律っちゃん、もう、いい加減にして。 12 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:19:24.08 ID:N88hisTOO 真夜中のテレビは、夢じゃなかった。 相変わらず、律っちゃんはノリノリでホットペッ○ーごっこをしてる。 「ほんとに、いい加減にしてよ…律っちゃぁん!!」 律っちゃんの映る画面に、手が触れ、 なかった。 「…?」 私の手が、テレビの画面に、すり抜けていた。 今、私は『テレビの中』にいる。 なにかの例えとかじゃなく、文字通りテレビの中に。 テレビの中の世界は、赤とか青とかそんなチカチカする色や、なんだかよくわからない絵で飾られている。 なぜか分からないけど、私は確信してた。 この先に、律っちゃんはいる。 なんの根拠もなくそう思いながら、私は歩を進めた。 13 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:21:24.68 ID:N88hisTOO 「ここは…?」 私の前に現れたのは、横開きの扉。 見覚えがある、これって… 「桜高、体育館…」 手をかけ、ゆっくりと開く。鍵はかかってない。 カーテンが閉められ、薄暗い体育館。 並べられたパイプ椅子に、観客の姿はない。 唯一ライトアップされたステージ上には人影が2つ。 1人は、制服を着た律っちゃん、もう1人は…ジャージを着た律っちゃんだった。 「律っちゃん!!」 私が大声で呼ぶと、制服を着た方の律っちゃんが振り向く。 「唯!良かった、私ここから出られなくて…」 律っちゃんは思っていたより元気そうだ、良かった… 「何が、良かったってのさ。田井中律さん?」 全く同じ、だけど冷たい声が聞こえた。 声の主は、ジャージを着た方の律っちゃんだった。 14 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:24:11.16 ID:N88hisTOO 「いい友達を持ったねえ、そう、唯はアンタを助けに来てくれたんだよ、律」 「だけど、アンタは自分の気持ちに気付いてるはずだ。アンタはいつか、軽音部が自分の居場所じゃなくなると思ってる」 ジャージの律っちゃんの声には、どこか口を挟めない威圧感があった。 「幼なじみだから知ってるだろ?勉強ができて、ベースも上手くて、可愛い。 それでも友達でいてくれる、澪。 こいつには、絶対勝てないって」 「優しくて気遣いができて、皆から頼られる人格者のムギ。初心者だけど才能があって、天然だけど場の空気を和ませる唯。 年下でも物怖じせず、熱心に練習する梓」 「どいつもこいつも、一生かけたって追いつけやしない。いや、むしろどんどん離されてくんじゃないか?」 「…何なんだよ、お前。さっきから、知ったふうにさ! だからどうしたんだよ!そんな事、知ってる!けど別にそれに劣等感を感じたりとかはしてない!」 「知ってるさ、アンタは私だもん。 それに、どうかな?」 本物っぽい制服律っちゃんの激昂にも、偽物っぽいジャージ律っちゃんはぜんぜん動じない。 15 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:27:46.33 ID:N88hisTOO 「コンプレックスを抱くのが悪いことじゃないさ。けどアンタは悔さをバネにしない。努力をしない。 問題に対して何の解決も目指さない自分が嫌いなのに、変えようとしてない。 自分の弱さを認めようとしない」 「本当は女の子らしく着飾ってみたいとか思ってても自分から道化役を演じるのは、自分の限界を知ってて諦めてるから そうやって、自分の弱さを隠すんだ」 「今はいいさ、皆との差は大したもんじゃない。だけど、1年、2年、3年、5年…歳を重ねて、やがてその差を思い知る」 「…っ!」 「その時、皆はなんて言うと思う? 皆は優しいからねえ、アンタのことも受け入れてくれるかもな。 だけど、皆に気を遣われる不相応な部長さん。そこはアンタの居場所なのか?」 「だから、アンタは帰れない。唯に連れ戻されるその先は、いずれアンタの居場所なんかじゃなくなるから」 「そんな…!わ、私は…!!」 本物律っちゃんは、もう泣きそうだった。 18 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:30:26.81 ID:N88hisTOO 「なんなら唯に聞いてみようか?なあ唯、私は、『田井中律』は、どうしようもない、お前らに釣り合わない弱いやつだろ?」 「ち、違うよ!そんな事ない!」 もちろん私はそんな事、思ったことない。 「なあ律、唯はすごいよなあ。どう思った?きっと唯の言葉は本心さ。それでもお前は心のどこかで、唯が気を遣ってくれてるんじゃないかと思ったはずだ。 自分の弱さで自爆して、あまつさえ友達の真摯な言葉を疑うなんてケッサクだよなぁ、あはは!!」 「…止めろよ。もう、止めろ」 本物律っちゃんなのに律っちゃんじゃないみたいに、静かで怒りの篭もった声が。 まるでマイクを使ったみたいに、体育館に響く。 「私はそんなこと思ってない!!私は!皆を疑ったりしない!!弱くなんかない!!! だいたい何なんだお前!!?さっきから聞いてりゃ人の事を自分の事みたいに!!! どんなに姿形が似てたって認めるもんか!!!お前なんか………」 顔を真っ赤にして一気にそこまでまくしたてた律っちゃんは、大きく息を吸って… 「お前なんか、私じゃない!!!」 19 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:32:45.34 ID:N88hisTOO 「あはははははは!!!言っちゃったな?否定したな!?これで…」 偽律っちゃんの顔に。 醜悪な笑いと、涙が同時に浮かぶ。 「私は、私だ!!!」 偽律っちゃんの影が伸び、影に合わせるかのように本人の身体も大きくなっていく。 ジャージが同じ色の鎧に変質し、首から上までも覆う。 変身中に落ちたカチューシャがムクムクと動きながら影を伸ばし、巨大な鳥獣の姿へと変わっていく。 そこに現れたのは、グリフォンに跨りどこから出したのか槍を構えた、青い鎧の悪魔だった。 20 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:35:41.50 ID:N88hisTOO なぜ自分の口からこんな言葉が出たのか分からない。けれど。 「律っちゃん、下がってて。こいつは、私が倒すから」 今律っちゃんを助けられるのは自分だけなんだろう。そして、何とかなる、そんな気もした。 昨日の夜、真夜中のテレビを見た時からうっすらと感じていた。 そして今、爆発するみたいに大きくなった、私の中のなにか。 身体が、熱くなる。 頭の中に、声が響く。 『我は汝、汝は我。我は汝の心の海より出でし者』 「ペルソナ」 『呼べ、我が名は…』 『「ジャアクフロスト!!!」ホー!!!』 21 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:38:44.71 ID:N88hisTOO 結論だけいうと、私はもう一人の律っちゃんを倒した。 私のジャアクフロストの氷は、もう一人の律っちゃんにはよく効いたみたいで。実は、全然相手になってなかったりする。 もう一人の律っちゃんはもう戦うだけの力をなくして、元のジャージ姿に戻ってる。 でも、なぜか分かった。まだ終わったわけじゃないんだって。 「唯…」 もう一人の律っちゃんはもう、怖くないけれど。何も言ってこないけど。 律っちゃんの目は、真っ赤だった。 「律っちゃん」 23 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:43:58.33 ID:N88hisTOO 「なあ唯、私…」 律っちゃんは、とてもばつが悪そうだ。 「ねえ律っちゃん、怒らずに聞いて」 「私ね、さっきこの力、ペルソナっていうみたいなんだけど。 この力に目覚めたからだと思う、何となく分かる気がするんだ」 「きっとね、その子も、律っちゃんなんだよ。 その子の言ってたことも、間違いなく、本物の律っちゃんの本当の気持ちの一部なんだよ」 もう一人の律っちゃんは戦う前、泣いてた。 きっとこの子も、自分に否定されて悲しかったんだ。 「唯…私は、唯、そんな、こと…」 律っちゃんは戸惑ってるみたいだけど、私は続ける。 「強そうな鳥に乗っかって、痛そうな槍を持って、硬そうな鎧を着て。でも、冷たいと倒れちゃって、弱さを隠しきれない。 その子の姿は自分の弱さを隠したい、律っちゃんのこころの鏡なんじゃないかな」 24 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:47:26.12 ID:N88hisTOO 「もちろん、それだけが律っちゃんの全てじゃない。私のよく知ってる、誰より行動力があって、みんなの事大切に思ってる、 そういう律っちゃんだって、本物の律っちゃん。全部ひっくるめて、律っちゃんなんだよ」 「……」 律っちゃんは、まだうつむいてる。 「お願い、律っちゃん。その子を受け入れてあげて。本人に認めてもらえなきゃ、その子は苦しんで、暴走するしかできないよ。 その子も律っちゃんなの。その子も、私の友達なの!」 律っちゃんが顔を上げた。 その目にはまだ少し、迷いがあったけど。 もう涙は、浮かんでなかった。 「分かったよ、唯」 25 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:49:26.49 ID:N88hisTOO 「ごめんな、私。ホントは、分かってたんだ。お前は私だって」 「だけど、認めたくなかった。唯の前で、私の汚い所。 唯は、大事な友達だから。嫌われたくなかった。」 「私、頑張るから。ごまかすやり方、止められるように。 皆と一緒に、肩並べて歩けるような人になる為に。だから…」 「私と、一緒に来てくれよ…」 頷くもう一人の律っちゃんは、私が知ってる、律っちゃんが時々見せるすごく優しい笑顔と、同じ顔をしてた。 27 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:54:59.42 ID:N88hisTOO 「あー、もう、無断欠席一回で反省文なんて今どき無いよなー!!」 「まあまあ…謹慎とかにならなくて良かったと思わなきゃ」 翌日、本当はすごく疲れてるはずなんだけど、律っちゃんは登校してきた。 律っちゃんによると、私が来るまで体育館の扉は一切開かなかったらしい。 あの後私たちは、体育館のステージ隅に転がるテレビを見つけ。 来るときと同じように入ってみると、そこは私のうちのテレビの前だった。 家族や学校には、プチ家出って言ってごまかしたみたい。テレビの中にいたなんていっても信じてもらえるはずないからって。 当然お父さんやお母さんには登校までにこってりしぼられて、学校からは反省文5枚を今週中に提出するようにいわれたらしい。 「でも律っちゃん、朝のHR前まで使って反省文書かなくてもいいんじゃない?」 「いーや、私は少しでも早くコイツを終わらせるんだいっ! 生活指導の先生がさ、書き終えるまで部活も出ちゃダメとか言い出すんだぜ!?」 もちろん、自分のせいじゃないことでこんなに怒られて、律っちゃんは不満そうな事ばかり言う。 けれど─── 28 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:57:46.54 ID:N88hisTOO 「律ぅぅぅぅぅ!!!」 「がほっ!!」 澪ちゃん隕石が、律っちゃん星に飛来した。 「バカ律!心配かけて!!どこほっつき歩いてたんだ!!」 「痛たた、母親かよ…その事に関してはほんとマジで反省してますってごめんっ!!…なあ、澪」 「本当に…グスッ、もう、絶対勝手に居なくなるなよな、グスッ…何よ?」 「…私さ、これからもっと頑張るから。今はこの反省文書かなきゃいけないけど。 これが終わったら、すぐに部室に行って、いっぱい練習したい。皆と、澪と一緒に、いつまでも一緒に居られるようにって。 だからさ、その、これからもよろしくな、…親友」 言った律っちゃんも、言われた澪ちゃんも、なぜかムギちゃんも、みんな真っ赤だった。 「ってなわけで、早く書き終えるために手伝ってくだせえー!」 「反省の意を示せ、バカっ!!」 ケロッとした律っちゃんを、真っ赤な澪ちゃんがげんこつしてた。 30 :帆船 ◆tldiGIUDLs :2009/09/07(月) 00:59:09.19 ID:N88hisTOO ───けれどそんな律っちゃんは、なんだかいつもより、生き生きしてるように見えた。 おしまい

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