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『扇風鬼!』第2話 謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo」(2009/09/22 (火) 00:12:42) の最新版変更点

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582 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 19:51:08.96 ID:Ft9Z/ioMO これまでの『扇風鬼!』 突如街に現れ出した、『音』を奪う怪物-デコーダ-。 ある日、1人家路を急ぐ澪はデコーダに襲われる。 そこに現れた鬼によって、澪は救われるのだった。 『扇風鬼!』第2話 この後すぐ! 607 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 20:39:12.94 ID:Ft9Z/ioMO 律「さ~て、そろそろ帰ろうぜ~。」 律のその言葉を合図に、私達は帰り支度を始める。 私はチラチラと扇先生を見る。 …やっぱり格好いいなあ…。 告白…しちゃおうかな。 いやいや、ダメだ! 教師と生徒なのに、恋愛なんて…! 律「よーし!帰るぞ澪!」 律が私の手を掴んで無理やり引っ張っていく。 澪「あっおい!まだベースが…。」 律「ほれ、あたしが持ってるよ!」 律の肩には、いつの間にか私のベースが担がれていた。 帰り道、律が昨日の事を聞いてきた。 律「なあ、澪は鬼に助けて貰ったんだったよな?」 澪「またからかう気か?」 律「いや、そーじゃなくてさ。ウチのクラスの子達が言ってたんだけどな。なんでも、怪物を倒して回ってる奴がいるらしいんだ。」 澪「自衛隊じゃないのか?」 律「それがそうじゃないんだと。…どうも、そいつが怪物と戦ってるとこを見たらしいんだ、その子達。」 611 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 21:09:58.10 ID:Ft9Z/ioMO 律「あたしの予想だと、そいつが澪を助けてくれた鬼なんじゃねーかと思うんだ。」 澪「うん、そうかもな。…でも、どうして怪物を倒して回ってるんだろう?」 律「恋人が怪物にさらわれたから、助ける為の手がかり探しとかじゃね?」 澪「だったら倒しちゃダメだろ。」 律「あ、そっか。」 律はしばらく考え込むが、何も思いつかなかったのか、考えるのを止めると私を見て言う。 律「ま、なんにせよ、明日からもお前が嫌がったって無理やり一緒に帰るからな!」 やっぱりこうなったか。 まあ、頼もしい限りだよ。 澪「ああ、よろしくな。」 その頃、職員室 もう外も暗くなり始めた頃、講師2人がなにやら話し合っている。 講師A「見つかった?さわ子の声、とったやつ。」 ファン太「いや、まだだ。…ごめんな。ミユキさんにまで迷惑かけちゃって。」 講師A-ミユキ-は首を横に振って言う。 ミユキ「大事な、友達の事だから。わたしも、出来る限り、協力する。」 656 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 22:16:00.95 ID:Ft9Z/ioMO 次の日 私は律に引っ張られ、大慌てで登校した。 まさか私が寝坊するなんて思わなかった。 律「まったく、ま~たファン太の事でも考えて眠れなかったのかあ?」 澪「へっ!?そ、そんなんじゃ…ないよ。」 昨晩私は、一昨日の事を…デコーダに襲われた時の事を思い出していた。 あの鬼の声、扇先生に似てた。 でも、彼があの鬼な訳ないよな…。 律「なあ、今日は部活やめにして、さわちゃんのお見舞いいこーぜ!吹奏楽部の子達が昨日行ったら会えたって言ってたし。」 澪「そうなんだ。じゃあ、そうするか。」 放課後 さわ子先生が入院している病院に来た私達。 唯「さわちゃん先生~!お見舞いに来ました!」 さわ子先生は笑顔で答える。 梓「思ったより元気そうですね。なんの病気なんですか?」 さわ子先生は、悲しげな笑顔を見せ、手元のスケッチブックに何かを書く。 671 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 23:48:33.37 ID:Ft9Z/ioMO 書き終わったさわ子先生は、スケッチブックを見せる。 『声が出ないのよ』 スケッチブックには、そう書かれていた。 梓「ど、どうして!?なんでそんな事に!?」 さわ子先生は俯いた。 紬「もしかして、怪物に襲われたんですか?」 しばらく間を置いて頷くさわ子先生。 やっぱり…デコーダに声を奪われたんだ。 きっと、襲われたのがトラウマになって外に出られないんだろうな。 律「よし!怪物からさわちゃんの声を取り戻そうぜ!」 唯「で、でも、危ないよ!自衛隊さんに任せようよ?」 梓「そうですよ!だいたい、どいつが先生を襲ったのかも分からないじゃないですか!」 律「だからってほっとけねーよ!あたしはやるからな!」 …まったく。 相変わらず、こうなると言っても聞かないな、律は。 685 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 00:12:00.10 ID:E60cF5+hO 澪「私も、手伝うからな。お前まで襲われたら目も当てられないし。」 紬「私も手伝わせて!うちのSP達にも捜させるわ!」 律「おお、頼もしいぜ!…てか、澪は無理すんなって。こないだ襲われたばっかだろ?」 澪「…確かに、怖いけどさ。だからって、律だけを危ない目に合わせる訳にいかないだろ?」 律(みおしゃん…!) 唯「そうだよね。それに、みんな一緒なら怖くないもんね!やっぱり、私もやるよりっちゃん!あずにゃんもやるよね?」 梓「もう…仕方ないですね。皆さんだけにいいカッコさせませんよ!」 そんなこんなで、桜高軽音部そして琴吹家SP隊による、怪物捜索隊が結成される事になった。 さわ子先生、待ってて下さい! 必ず先生の声を取り戻しますから!
582 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 19:51:08.96 ID:Ft9Z/ioMO これまでの『扇風鬼!』 突如街に現れ出した、『音』を奪う怪物-デコーダ-。 ある日、1人家路を急ぐ澪はデコーダに襲われる。 そこに現れた鬼によって、澪は救われるのだった。 『扇風鬼!』第2話 この後すぐ! 607 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 20:39:12.94 ID:Ft9Z/ioMO 律「さ~て、そろそろ帰ろうぜ~。」 律のその言葉を合図に、私達は帰り支度を始める。 私はチラチラと扇先生を見る。 …やっぱり格好いいなあ…。 告白…しちゃおうかな。 いやいや、ダメだ! 教師と生徒なのに、恋愛なんて…! 律「よーし!帰るぞ澪!」 律が私の手を掴んで無理やり引っ張っていく。 澪「あっおい!まだベースが…。」 律「ほれ、あたしが持ってるよ!」 律の肩には、いつの間にか私のベースが担がれていた。 帰り道、律が昨日の事を聞いてきた。 律「なあ、澪は鬼に助けて貰ったんだったよな?」 澪「またからかう気か?」 律「いや、そーじゃなくてさ。ウチのクラスの子達が言ってたんだけどな。なんでも、怪物を倒して回ってる奴がいるらしいんだ。」 澪「自衛隊じゃないのか?」 律「それがそうじゃないんだと。…どうも、そいつが怪物と戦ってるとこを見たらしいんだ、その子達。」 611 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 21:09:58.10 ID:Ft9Z/ioMO 律「あたしの予想だと、そいつが澪を助けてくれた鬼なんじゃねーかと思うんだ。」 澪「うん、そうかもな。…でも、どうして怪物を倒して回ってるんだろう?」 律「恋人が怪物にさらわれたから、助ける為の手がかり探しとかじゃね?」 澪「だったら倒しちゃダメだろ。」 律「あ、そっか。」 律はしばらく考え込むが、何も思いつかなかったのか、考えるのを止めると私を見て言う。 律「ま、なんにせよ、明日からもお前が嫌がったって無理やり一緒に帰るからな!」 やっぱりこうなったか。 まあ、頼もしい限りだよ。 澪「ああ、よろしくな。」 その頃、職員室 もう外も暗くなり始めた頃、講師2人がなにやら話し合っている。 講師A「見つかった?さわ子の声、とったやつ。」 ファン太「いや、まだだ。…ごめんな。ミユキさんにまで迷惑かけちゃって。」 講師A-ミユキ-は首を横に振って言う。 ミユキ「大事な、友達の事だから。わたしも、出来る限り、協力する。」 656 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 22:16:00.95 ID:Ft9Z/ioMO 次の日 私は律に引っ張られ、大慌てで登校した。 まさか私が寝坊するなんて思わなかった。 律「まったく、ま~たファン太の事でも考えて眠れなかったのかあ?」 澪「へっ!?そ、そんなんじゃ…ないよ。」 昨晩私は、一昨日の事を…デコーダに襲われた時の事を思い出していた。 あの鬼の声、扇先生に似てた。 でも、彼があの鬼な訳ないよな…。 律「なあ、今日は部活やめにして、さわちゃんのお見舞いいこーぜ!吹奏楽部の子達が昨日行ったら会えたって言ってたし。」 澪「そうなんだ。じゃあ、そうするか。」 放課後 さわ子先生が入院している病院に来た私達。 唯「さわちゃん先生~!お見舞いに来ました!」 さわ子先生は笑顔で答える。 梓「思ったより元気そうですね。なんの病気なんですか?」 さわ子先生は、悲しげな笑顔を見せ、手元のスケッチブックに何かを書く。 671 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/20(日) 23:48:33.37 ID:Ft9Z/ioMO 書き終わったさわ子先生は、スケッチブックを見せる。 『声が出ないのよ』 スケッチブックには、そう書かれていた。 梓「ど、どうして!?なんでそんな事に!?」 さわ子先生は俯いた。 紬「もしかして、怪物に襲われたんですか?」 しばらく間を置いて頷くさわ子先生。 やっぱり…デコーダに声を奪われたんだ。 きっと、襲われたのがトラウマになって外に出られないんだろうな。 律「よし!怪物からさわちゃんの声を取り戻そうぜ!」 唯「で、でも、危ないよ!自衛隊さんに任せようよ?」 梓「そうですよ!だいたい、どいつが先生を襲ったのかも分からないじゃないですか!」 律「だからってほっとけねーよ!あたしはやるからな!」 …まったく。 相変わらず、こうなると言っても聞かないな、律は。 685 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 00:12:00.10 ID:E60cF5+hO 澪「私も、手伝うからな。お前まで襲われたら目も当てられないし。」 紬「私も手伝わせて!うちのSP達にも捜させるわ!」 律「おお、頼もしいぜ!…てか、澪は無理すんなって。こないだ襲われたばっかだろ?」 澪「…確かに、怖いけどさ。だからって、律だけを危ない目に合わせる訳にいかないだろ?」 律(みおしゃん…!) 唯「そうだよね。それに、みんな一緒なら怖くないもんね!やっぱり、私もやるよりっちゃん!あずにゃんもやるよね?」 梓「もう…仕方ないですね。皆さんだけにいいカッコさせませんよ!」 そんなこんなで、桜高軽音部そして琴吹家SP隊による、怪物捜索隊が結成される事になった。 さわ子先生、待ってて下さい! 必ず先生の声を取り戻しますから! 186 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 21:28:56.41 ID:E60cF5+hO 私達は、とりあえず街の人通りの少ない場所に行き、デコーダを探してみた。 律「ああいう連中って、だいたいこういう場所にいるもんだよな?」 唯「なんかドキドキするね!」 澪「あのなあ、遊びでやってるんじゃないんだからな?」 梓「澪先輩の言うとおりです!気をつけないとですよ?」 律「分かってるよ。」 紬「皆さん、ちょっと来て!」 ムギが路地裏に私達を呼び寄せる。 ムギが指し示した場所に、怪物の物らしい足跡があった。 澪「まだ、近くにいるって事か。」 律「うし!あたしが様子見てくる!」 そう言うと律は、足跡の向かう方へ進む。 澪「あっおい律!…もう!」 私は慌てて律を追いかける。 律は路地裏を抜けた先の電柱の影に隠れていた。 澪「おい、り…。」 律「静かに!」 後から来たみんなも、私達の様子を見て、声を出さず静かに近寄ってくる。 187 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 21:48:08.16 ID:E60cF5+hO 私達の視線の先には、一体のデコーダが突っ立っていた。 私を襲った奴とは、見た目が少し違っていた。 私を襲った奴は犬みたいな奴だったけど、目の前の奴はトカゲに似ている。 突然、デコーダが喋りだした。 デコーダ「そこにいるんでしょ?出てきなよ。」 !!…この声、さわ子先生!? まさか、あいつがさわ子先生の声を…! 律「ちぇっ、バレバレかよ。…盗んだ声で喋れるんだな。」 デコーダ「人聞きの悪い言い方だね。借りてるだけだよ。次の『音』を取るまでね。」 澪「次を取ったら、前の『音』はちゃんと元の持ち主に帰るんだろうな?」 デコーダ「さあ?どうだか。興味ないなあ。」 梓「どうして、そんな事を…?」 デコーダ「そういう生き物だからさ。…そこの黒ロングの子、いい『音』してるねえ。…決めた。次は君だ。」 そう言うとデコーダは、私めがけて飛びかかってきた。 190 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 22:03:35.80 ID:E60cF5+hO 律「させるかよ!」 とっさに律が私を突き飛ばしてかばい、デコーダにかぶりつかれた。 澪「律!!」 デコーダは律を乱暴に振り払う。 デコーダ「ざ~んねん。」 私は急いで律に駆け寄る。 そんな…心臓が…鳴ってない! 澪「うわあああああ!!」 私は近くに落ちていた鉄パイプを握ると、デコーダに向かっていった。 だが、あっけなく返り討ちにされて、私は捕まってしまう。 紬「澪ちゃん!」 唯「澪ちゃんを離せ!」 デコーダは、みんなの叫びを無視して私に話しかけてくる。 デコーダ「わざわざご苦労様。最後に言っておきたい事…ある?」 澪「返せ…律の『音』を…返して…!」 デコーダ「や~だね。それじゃ、いただき…。」 その時、風が吹く。 その風は、私を守るように、デコーダから私を引き離す。 デコーダ「ちっ!誰だ!」 もしかして、あの時の…! 194 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/21(月) 22:24:55.70 ID:E60cF5+hO ???「ったく。やっと見つけたと思ったら、今度はうちの生徒を狙いやがるとはな。」 そこに現れたのは扇先生だった。 唯「ファン太先生!りっちゃんが…りっちゃんが!」 扇先生は律を見る。 『音』を奪われた事を悟ると、デコーダを睨んで言う。 ファン太「やってくれたな、デコーダ。よりにもよって軽音部の子に手をだしやがって。」 デコーダ「お前…何者?」 ファン太「…みんなの前だけど…しょうがないか。」 扇先生の周りに風が集まり、風の渦になる。 風の渦が割れ、中から現れたのは-。 あの時の鬼だった! 澪「せん…せい?」 唯紬梓「うそ…!」 デコーダ「お前、まさか…扇風鬼!?」 ファン太「ふ~ん。お前らの間じゃそう呼んでるのか。ま、どうでもいいけどな。なんにせよ…。」 扇先生…いや…扇風鬼は、デコーダを指差し宣言する。 「『音』は返して貰うぜ!デコーダ!」 『扇風鬼!』第2話 完

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