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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです
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87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 03:36:59 ID:SJIo5OdF
梓「こんにちはー」
唯「あっ…さて、ギー太の手入れやらなきゃな~!」
――最近、どういうわけか唯先輩が私から距離を置いている。
唯先輩に話しかけても、まともに相手をしてくれなくなったのだ。
ある日
梓「唯先輩、ここなんですけど…」
唯「ひっ!み、澪ちゃんここ教えて!」
またある日
梓「唯先輩、このお菓子どうですか?」
唯「きゃあ!り、りっちゃんお菓子どう!?うんまいよう!」
さらにまたある日
梓「唯先輩、お疲れさまです」
唯「あひぃ!む、ムギちゃん!今日もいいたくあん眉毛だね!」
紬「えっ…」
こんな調子で、唯先輩は私と話すのを徹底的に避けるのだ。
しばらくはふざけているだけだと気にしていなかったけど、
1週間、2週間と過ぎていくにつれて、だんだんと不安な気持ちになってきた。
こんなことは考えたくないけど…私のことが、嫌いになってしまったのだろうか。
無理もない。日頃の先輩に対する態度を考えれば、生意気な後輩だと思われても仕方ないだろう。
まあ、部活に専念するなら、これくらいの関係でちょうどいい。
…そう思おうとしても、胸にポッカリと穴が空いたような感覚は、どうしても消えなかった。
88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 03:37:56 ID:SJIo5OdF
そんなある日
梓「こんにちはー…あ…」
唯「う…」
二人きりの音楽室に、気まずい沈黙が流れた。
その雰囲気から逃げるように、唯先輩は無言で部屋を出ようとする。
そして私は衝動的に、すれ違う唯先輩の腕を掴むと、そのまま抱きしめた。
唯「きゃあ!な、なな…」
梓「…どうして、ですか」
唯「え?」
次の瞬間、堰を切ったかのように涙が溢れ出す。溜まっていた感情が、とめどなく溢れ出す。
梓「うっ…う…うぅ…うえ…」
唯「あ、あずにゃん!?」
梓「どうして…私としゃべってくれないの?
どうして、私と目を合わせてくれないの?答えてよ先輩…」
唯「……」
私は唯先輩を離してその目を見つめた。
しかし先輩はただ黙ってうつむくだけだ。そんな先輩を見て、私は確信した。
梓「先輩は…私のことが嫌いなんですね」
唯「ええ?」
梓「私が生意気だから…だから、私と話すのが嫌になったんですね」
唯「ち、違うよあずにゃん!」
梓「違わない!先輩は私と話したくないくらい嫌いなんだ!だから…」
私が言い終わらないうちに、今度は唯先輩が私を抱きしめた。
突然のことに、私は訳が分からなくなる。
89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 03:39:29 ID:SJIo5OdF
梓「唯先輩…?なんで…」
唯「…きだから…」
梓「え?」
唯「好きだから!」
梓「は?す、好き…って…?」
先輩は確かに「好きだから」と言った。でも、好きって?なにそれ?どういう意味なの?
疑問符で埋め尽くされた脳内を整理できないでいると、唯先輩はぼそぼそと話し出した。
唯「…私、少し前からあずにゃんのことが頭から離れなくなっちゃったの…
それであずにゃんと顔を合わせると、頭が真っ白になって、
何も考えられなくなっちゃって…それで…」
梓「それで私と話をしなくなったんですね…」
唯「…うん」
唯先輩の話を聞いて、私はほっとしていた。
よかった。先輩は私を嫌いになったわけじゃなかったんだ。
梓「…先輩の、バカ」
唯「ええ?ば、バカ?」
梓「はい、バカです。先輩のせいで私…すごく寂しくて、すごく悲しい思いしたんです」
唯「うぅ…ごめんなさい」
唯先輩の申し訳なさそうな顔を見ていると、とてもいとおしい気持ちになる。
――そうか、私は唯先輩のこと…
90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/24(木) 03:40:56 ID:SJIo5OdF
梓「埋め合わせ、してください。そしたら許してあげます」
唯「埋め合わせ?って、なにすればいいの?」
梓「私に…好きって言ってください」
唯「ええ!?な、なな…」
梓「嫌ならいいです。もう二度と口聞きません」
唯「わ、わかったよぉ!もう…」
唯先輩は顔を真っ赤にして、おずおずと言った。
唯「あずにゃん…す、好き…だよ」
梓「先輩」
唯「な…なに?」
梓「私も…好きです」
唯「…!」
唯先輩は驚いたように目を見開く。そんな唯先輩に、私は続けて言う。
梓「これで私たちは両想いですね。だから…」
唯「だから…?」
梓「私たちは恋人同士です」
唯「ええ!?」
梓「嫌ですか?」
唯「嫌じゃ…ないけど…」
梓「じゃあ決定です!改めてよろしく、唯先輩♪」
唯「う…うん…」
梓「あ、先輩は変かな。唯、でいいですか?先輩もちゃんと名前で呼んでください」
唯「あ…あず、さ…」
梓「聞こえないな~?」
唯「もう!梓!私も大好きだよ!」
梓「きゃあ!」
思い切り抱きつく先輩の胸の中で、私はとびきりの幸せを噛みしめていた。
ありがとう唯先輩…じゃない、ありがとう、唯♪
すばらしい作品をありがとう