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428 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 17:50:17.33 ID:MEbuWlxSO 今年の文化祭も大成功だった。 まあ、軽音部は唯のおかげで色々立て込んでたけど。 そういえば、軽音部のライブの時、あの人が来てたわね。 巡回ついでに探してみようかしら。 そんな事を考えていると。 「よう、真鍋」 男の人が呼び止める声を聞き、私は振り返る。 「お久しぶりですね、先輩」 「久しぶりだな。お前ここでも生徒会やってんのか」 彼は中学の頃、生徒会でお世話になった先輩だ。 「好きでやってる事ですから」 「ふ~ん、感心感心。ところで…平沢のやつ、いつの間にギター始めたんだ?やけに上手いけど」 「まだ始めて1年半ぐらいですよ。始めた頃は覚えたり忘れたりで大変だったみたいですけど」 「ははっ!あいつらしーや」 彼は、いつも私と一緒にいた唯の世話まで焼く程の世話好きで、唯を何度も生徒会室に呼び出し、 「部活の代わりだと思って遊んでけ」と言って、毎日トランプ等で唯と遊んでいた。 440 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 18:45:32.78 ID:MEbuWlxSO 「そういえば、先輩ってなんであんなに唯に構ってたんですか?」 「決まってんだろ?ウマが合うから。まあ、それでも恋人にはならなかったけどな」 「それは、私が一緒にいたから、とかですか?」 「ん?別にそんなんじゃねーよ。」 先輩はあさっての方を見ながら言う。 相変わらず、ごまかすのが下手な人ね。 「お~い、和ちゃ~ん!」 そこへ、ギターを抱えた唯が駆け寄ってくる。 「あっ!かっちゃん先輩!久しぶり~!」 「よう平沢。って、ギターしまってから来いよ」 「ああ、そうか!どうりで肩が重いわけだよ~」 全くこの子ったら、普通気付くでしょうに。 「ついでに部室連れてってくれよ。かわいい子ばっかだよな~、誰か紹介してくれよ、軽音部の子。」 「ぶ~、私は可愛くないの~?」 「はいはい、お前が一番可愛いよ」 「えへへ~そんな事ないよ~」 458 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 19:34:21.29 ID:MEbuWlxSO 音楽室に向かう2人を見送り、巡回を交代してもらって、私も音楽室に向かう。 音楽室の扉を開けると、みんなが先輩と唯への尋問タイムを始めていた。 「もったいねーな~。それってもう付き合ってるようなもんなのに」 「結局、何もなかったんですか?せめて、ほっぺにチューとか!」 「恋人ってか友達だな、完全に」 「唯先輩はかっちゃんさんの事、好きじゃないんですか?」 「う~ん、好きには好きだけど、そういう好きとは違うかも。あ、和ちゃんいらっしゃ~い」 「みんな、お疲れ様。今回もすごかったわ」 「あ、ありがとう!…なあ和、本当にこの2人、恋人として付き合ってなかったのか?」 言わずもがなってやつだけど、一応言っておこう。 「本人達が言ってるんだし、普通に友達だったんじゃない?」 「う~ん、そうか~…まあ、そんな気してたけど」 459 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 19:53:30.36 ID:MEbuWlxSO 「よーし唯!お前のギターテクをかっちゃんに見せつけてやれ!」 「任せてりっちゃん!」 「アンプがないと迫力ないですよ?」 「あう~残念。またいつかね、かっちゃん先輩」 「おう、楽しみにしとくよ。じゃあな」 そういうと先輩は、音楽室を出て行く。 「え~もう帰っちゃうの~!?」 「いや、こう女の子ばっかだと、なんか肩身狭くてさ。またどっかのライブハウスあたりで会おうぜ」 「うん!じゃあね~!」 「見送ってくわ」 「噂されても知らねーぞ?」 私と先輩は校門の前まで来た。 「そういやさっき、お前がいたから、俺が平沢と付き合わなかったんじゃないかって聞いてきたよな?」 「それが何か?」 「ホントはさ、それの逆だったんだ。…平沢からお前を取っちまうのが嫌だった」 「……え?」 462 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 20:15:43.40 ID:MEbuWlxSO それ…どういう…。 「俺がいつも平沢呼んでたのはさ。なんか、お前が寂しそうに見えたから。平沢がいると、お前が笑顔でいてくれるから」 …………。 「最初は平沢狙いだったんだけどさ…お前の笑顔に惚れちまって。でも、言えなかった。2人の仲を引き裂きたくなかった」 …………! 「あの時の俺は、真鍋が好きだったんだ。もちろん、今でもその気持ちは変わってない」 ……!! 「…って、何を今更って話だよな?…ああ、まあ、忘れてくれ」 「ズルいですよ…こんなタイミングで言われたら、忘れにくいじゃないですか!」 私だって、好きだったんだから! …とは、何故か怖くて言えなかった。 「ん。一応、携帯の番号とメアド渡しとくな。返事はいつでもいいぜ?んじゃ、またな」 そう言って私にメモを渡すと、先輩は去っていった。 463 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/09/26(土) 20:37:36.04 ID:MEbuWlxSO その日の夜、私は先輩にメールで返事をした。 本当は声を聞きたかったけど、そうしたらまた揺らいでしまう気がして。 数日後 「えっ!?和ちゃん、かっちゃん先輩に告白されたの!?」 「うん。でも断っちゃった」 「うわ、もったいねー!結構イケメンだったじゃんか!」 「どうして断っちゃったの?」 「もうちょっと、みんなとの時間を楽しみたいかなって」 「和…ごめんな、ありがとう」 「あんたやっぱええ人や~!」 「そうだ。唯にも番号とメアド教えとけって言われたんだった。はいこれ」 「おお、ありがと~。これで約束が果たせるよ~!」 今はまだ、みんなといたい。 この時間を大切にしたい。 でも、もし先輩が、この先ずっと私を好きでいてくれるなら、その時は…。 私から、会いに行きます。 その時まで、待っていてください。 大好きな、私の先輩。 終わり

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