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31 :魂魄 ◆vBi.9w9dS6 :2009/10/03(土) 04:56:29.82 ID:kRNsL9qr0 【宇宙を飛ぶ澪】 その壱 それは律の一言で始まった 「あれ? 唯と梓は宇宙船に乗ってなかったっけ?」 「は?」 という顔になったのは、近くにいたさわ子である。 二人がいるのは、火星にある『コテ兵団』本部の第23号待合室の左隅にある自動販売機の近くであった。 火星に置かれている『コテ兵団』本部は、地球から脱出してきたコテ達が一度は戻って来るところであり、地球から脱出した一般の人々は金星にむかい金星に来ることは無い。 「え? 私は知らないけど、唯ちゃんと梓ちゃん乗ってなかったっけ?」 さわ子は律達が脱出する時は、ここにいて知るはずもない。律の顔が青ざめていく。 「おいおい、もしかして二人共置いてきちゃったかな・・・もう、一般の人たちは全員地球から、脱出しちゃったから、脱出艦は飛んでないよな・・」 「澪ちゃんとムギちゃんは、任務があるから今はいないし・・・」 顔を青ざめて、頭をクシャクシャとかく律の横でさわ子も考える。このままでは、唯と梓が『巨大コロニー』墜落に巻き込まれてしまう。二人が頭を悩ませていると、不意に横から誰かが話しかけてきた。 「大丈夫ですよ」 二人がその声の主の方を向くとそこには、背の低いどこかの高校らしき制服を着た少女が立っていた。ただ背の低いというよりも、制服ではない服をきると小学生に間違えられてしまうくらいの少女である。 その少女は、落ち着いたように続ける 「地球からの救難信号を感知して、今なのはと大河が地球に向かっています、あと数時間ぐらいでここに、唯さんと梓さんはおいでになると思います」 「ほ・・本当か!?」 思わず声を上げる律に少女は「はい」と答えて 「では・・・私はこれで」 と、静かに二人から去って行った 少女の名前は『ひろゆき』 コテ達の一部からは『神』と崇められ、『コテ兵団』の総司令官を務める女性である。 ~続く~

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