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【俺のねーちゃんがこんなに可愛いわけがない】  ギー助」(2009/10/04 (日) 18:48:49) の最新版変更点

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40 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 10:48:46.41 ID:6RBzMakK0 【俺のねーちゃんがこんなに可愛いわけがない】  学校から帰宅すると、ねーちゃんがリビングで電話をしていいるところだった。  ねーちゃんの名前は田井中律。現在十七歳。  家からそんなに遠くない高校に通っている女子高校生だ。  ライトブラウンに染めた髪の毛、黄色いカチューシャを着け、自慢のおでこが痛いほど目立つ。  まぁ今時の高校生とでも言えばいいのだろうか。  そんなねーちゃんは高校に入ってから『けいおんぶ』なんて部活を始めた。  なんでもねーちゃんの友達である秋山澪さんも『けいおんぶ』らしい。  あぁ、そうそう。澪さんは近所に住んでるねーちゃんの幼馴染。  今ねーちゃんが電話で話しているのが澪さんだ。  だけどこの2人は幼馴染というのにどうにも俺からは仲が悪く見える。  まぁねーちゃんのおバカ騒ぎに澪さんが嫌々付き合ってやってるようにしか見えないからな。  そんな澪さんと俺との関係は――まぁ言ってしまえば先生と生徒のようなもの。  勉強を時々教えてもらってる。これがなかなか分かりやすい。  という訳で、もともとは勉強嫌いな俺も、学校ではまぁそれなりの成績を維持しているって訳だ。 「あはっ! それでね、澪――」  ねーちゃんは相変わらず澪さんと楽しく話している。  そうそう、俺だけでなくねーちゃんも澪さんに勉強のお世話になっている。  自分でも言うのは何だが、澪さんがいなくなったら俺達2人の成績は大暴落間違い無しだ。  だから、俺は澪さんにいつも精一杯気を使って向こうが絶対気を悪くしないようにしてる。  でも、ねーちゃんと澪さんのやり取りを見てると、そんなこと必要無いのかなと思ったりもする。 41 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 10:50:12.45 ID:6RBzMakK0 「じゃ、今から行くねっ!」  そう言って電話を切ると、そのまま近くで麦茶を飲んでいた俺を見てくる。   「丁度いい所に聡発見♪」 「おいおい、いたのに気付かなかったのかよ?」  女子高生というは電話をしていると周りに盲目になるらしい。 「今気付いた。ほら、仕度して」 「は? 仕度?」  突然何を言い出すかと思えば『仕度』だと?  もしかして今の電話の内容を聞く限り、一緒に出かけろということなのだろうか。 「澪もいるからさ。ほら、お願い」  そう言って上目づかいで見てくるねーちゃんには何の魅力も感じない。  これは姉がいる弟ならみんな分かると思う。そういうもんなのだ。  だが、澪さんがいるとなると別だ。  黒髪でストレート。色白の肌に物静かな性格。  そして何より……大人びた体。おっとこれ以上は言わずもがなだな。  そう言う訳でねーちゃんの甘言に釣られたような気もしたが、俺はねーちゃんについて行くことにした。  ……もしかして弱み握られてんのかな。俺。 [つづくのか?]
40 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 10:48:46.41 ID:6RBzMakK0 【俺のねーちゃんがこんなに可愛いわけがない】  学校から帰宅すると、ねーちゃんがリビングで電話をしていいるところだった。  ねーちゃんの名前は田井中律。現在十七歳。  家からそんなに遠くない高校に通っている女子高校生だ。  ライトブラウンに染めた髪の毛、黄色いカチューシャを着け、自慢のおでこが痛いほど目立つ。  まぁ今時の高校生とでも言えばいいのだろうか。  そんなねーちゃんは高校に入ってから『けいおんぶ』なんて部活を始めた。  なんでもねーちゃんの友達である秋山澪さんも『けいおんぶ』らしい。  あぁ、そうそう。澪さんは近所に住んでるねーちゃんの幼馴染。  今ねーちゃんが電話で話しているのが澪さんだ。  だけどこの2人は幼馴染というのにどうにも俺からは仲が悪く見える。  まぁねーちゃんのおバカ騒ぎに澪さんが嫌々付き合ってやってるようにしか見えないからな。  そんな澪さんと俺との関係は――まぁ言ってしまえば先生と生徒のようなもの。  勉強を時々教えてもらってる。これがなかなか分かりやすい。  という訳で、もともとは勉強嫌いな俺も、学校ではまぁそれなりの成績を維持しているって訳だ。 「あはっ! それでね、澪――」  ねーちゃんは相変わらず澪さんと楽しく話している。  そうそう、俺だけでなくねーちゃんも澪さんに勉強のお世話になっている。  自分でも言うのは何だが、澪さんがいなくなったら俺達2人の成績は大暴落間違い無しだ。  だから、俺は澪さんにいつも精一杯気を使って向こうが絶対気を悪くしないようにしてる。  でも、ねーちゃんと澪さんのやり取りを見てると、そんなこと必要無いのかなと思ったりもする。 41 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 10:50:12.45 ID:6RBzMakK0 「じゃ、今から行くねっ!」  そう言って電話を切ると、そのまま近くで麦茶を飲んでいた俺を見てくる。   「丁度いい所に聡発見♪」 「おいおい、いたのに気付かなかったのかよ?」  女子高生というは電話をしていると周りに盲目になるらしい。 「今気付いた。ほら、仕度して」 「は? 仕度?」  突然何を言い出すかと思えば『仕度』だと?  もしかして今の電話の内容を聞く限り、一緒に出かけろということなのだろうか。 「澪もいるからさ。ほら、お願い」  そう言って上目づかいで見てくるねーちゃんには何の魅力も感じない。  これは姉がいる弟ならみんな分かると思う。そういうもんなのだ。  だが、澪さんがいるとなると別だ。  黒髪でストレート。色白の肌に物静かな性格。  そして何より……大人びた体。おっとこれ以上は言わずもがなだな。  そう言う訳でねーちゃんの甘言に釣られたような気もしたが、俺はねーちゃんについて行くことにした。  ……もしかして弱み握られてんのかな。俺。 109 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 22:19:23.57 ID:gsQWQ6oH0  そうそう、俺は誰かって思っている奴もそろそろ出てくるだろう。  俺は田井中聡。言うまでもなくねーちゃんである田井中律の弟だ。  まごうこと無き中学生。  えっ? 何年生までなんて言えるわけないだろ。  そこは個人情報保護法的なプライバシーの尊重ってやつだ。  俺はいつもねーちゃんのことはねーちゃんって呼んでる。  間違っても、神に誓っても『律』とか『りっちゃん』なんて呼んでないからな。  そんな言葉が俺の口から出た日には、俺は自らの手で己の人生に終止符を打つだろう―― 「――聡?」 「うぉっ!」    やべやべ。  二人で歩いてて特に話すこともないから、頭の中でエターナルな独り言を呟いてしまっていたようだ…… 「先入るよ」  そう言ってねーちゃんはガストに入って行った。  俺は慌ててその後を追う。 「やっほ! りっちゃん!」    店内に入るなり聞こえてきたのは、聞き覚えのない声。  どうやらテーブルには先客がいたみたいだ。 110 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 22:20:28.22 ID:gsQWQ6oH0 「やっほ! あれっ、澪はまだ来てないの?」 「うん、ちょっと遅れるって」 「えっ!」  しまった! 思わず心の中のホンネを口に出しちまった…… 「あらあら、りっちゃんの弟さん?」  椅子に座るなり突然声をかけられ、俺は顔を上げる。  ――やっべぇ。こんなに眉毛が太い女子高生なんて今時いたのかよ。  昼にたまにやってるドラマの再放送でしか見ねぇぞこんなの。   「はい、田井中聡です」  俺は最高のポーカーフェイスで目の前の極太マユゲに会釈した。 「私は琴吹紬。ムギでいいわよ」 「姉がお世話になってます。ムギさん」  なんかお嬢様みたいな語尾だな……  いや、それよりもムギってあだ名!  これから麦茶を飲むときに、あの極太マユゲを毎回思い出しそうだよ……トホホ  あぁ、なんでもいいから早く澪さん来ないかなぁ。 112 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 22:33:12.66 ID:gsQWQ6oH0 「えっと、私は平沢唯だよ! よろしくっ!」  ムギさんと入れ替わりに、俺は自発的な自己紹介を突き付けられた。 「田井中聡です。よろしくお願いします」  なんだか髪の毛がふわふわしてるな……  まぁ俺の好みはストレートだけど、こっちもいいかもな。  それにしても、何だかもじもじしてるように見えるのは気のせいか? 「えっと……りっちゃんの彼氏?」 「なっ!!」  おいおいおいおい! 今の会話のどこからそんな答えが導き出されるんだよ!  あ~、ねーちゃんに殺される…… 「ちょっと唯!」 「あれっ? 違った?」 「弟だよっ!」  あぁ、普段はおちゃらけ天然のねーちゃんが物凄く真面目な聖人のように見える…… 「てへへ! 間違えちゃった!」 「き、気にしないでください。あははは……」  あぁ、こんなにもド天然な人間が世の中にはもっと沢山いるのか?  俺は少し世界を旅してみたいと思ったのだった。 113 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/10/03(土) 22:46:12.47 ID:gsQWQ6oH0 「ほらっ、あずにゃんもあいさつあいさつ!」  あずにゃんと呼ばれたこの中では小柄な女の子が、唯さんに半ば強引に自己紹介を強制されていた。 「え、えっと、中野梓です。梓ってよ――」 「あずにゃんでいいよっ!」 「は、はぁ……」  なんか可哀想な女の子だ。  とりあえず俺は3度目だが名乗ることにした。 「田井中聡です、よろしくお願いします」 「よ、よろしくお願いしますぅ……」  唯さんに押さえつけられていたからだろうか、妙な上目づかいに思わず俺はドキッとする。  ……かわいい。  と、ちょっと思った。 「あれっ? 梓、顔が赤いぞ~」 「ふぇっ!?」    ねーちゃんの突っ込みに元から赤かった顔をさらに赤らめる梓さん。 「だって……」    もじもじと指をいじくる梓さん。照れ隠しだろうか。  ――って、え? もしかして惚れてんの? 俺に? [つづく]

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