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97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:07:04.80 ID:ajjypj+a0 あとおい! 男「おい澪、いつまで寝てるんだよ」 俺は寝ている澪に向かって呟く。 澪が眠りはじめてもう3日以上たっていた。 しかし起きる気配はなく、 澪は幸せそうに眠っている。 男「そろそろ起きてもいいんじゃないのか?」 頭を、さらさらな髪を撫でながら言う。 返事はない。 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:08:06.58 ID:ajjypj+a0 男「ほら、今日クリスマスだろ?」 男「だから俺さ、お前にプレゼント持ってきたんだ」 俺は紙袋の中から小さい箱を取り出し、開けた。 箱なの中には小さいペアリングが2つ。 蛍光灯の光が反射し、銀色に美しく輝いた。 男「結構高かったんだぜ? バイト代が飛んだわ」 1つ掴んで、澪の左の薬指に嵌める。 近くで「金属は入れないで下さい」 という声が聞こえたが、気に留めなかった。 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:09:43.46 ID:ajjypj+a0 男「前にあのバンドのライブ行きたいって言ってたよな?」 男「チケット貰ったからさ、また行こうぜ」 鞄から封筒に入ってる紙切れを2枚取り出した。 俺も澪もこのバンドが好きで、これがきっかけで仲良くなった。 懐かしい。 しかし澪からは相変わらず返事はない。 律「おい男、もうやめろよ……」 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:10:46.86 ID:ajjypj+a0 律が俺の肩を叩きそういった。 振り向くと目は真っ赤に腫れ、充血している。 律「分かってるだろ? 澪はもう……」 男「何言ってんだよ律? 澪はもうすぐ起きるよ」 きっと疲れてるんだ。 そういって俺はまた澪に視線を戻した。 相変わらず澪は目を閉じたまま。 顔はいつもより白く、触れると雪のように冷たかった。 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:11:33.15 ID:ajjypj+a0 律「澪はもう死んでるのに、いつまで話しかけてるんだよ?!」 律の目からは涙が溢れている。 その真剣な眼差しに、俺は疑問を持った。 何故律は泣いてる?  澪は生きてるのに? 何故澪は起きない? もう3日立つのに? 何故息をしてない? 生きてるはずだろ? 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:13:13.18 ID:ajjypj+a0 ああ……今、やっと分かった。 澪は、死んだのか。 律が泣いてるのは澪が死んだから。 澪が起きないのは澪が死んだから。 息をしてないのは澪が死んだから。 男「そっか……澪はもう居ないのか」 俺は出口に向かって歩き出した。 後ろから呼び止める声が聞こえた気がした。 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:14:47.04 ID:ajjypj+a0 気がつくと学校の屋上にいた。 桜ヶ丘高校の屋上。 ここでたくさんの事を話した。 笑いあったりもしたし、時には喧嘩をした。 昼休みはいつも2人で弁当を食べた。 でもその澪はもうこの世にいない。 俺に生きる意味はない。 澪に出会った日から澪は俺の世界であり命だった。 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/10/07(水) 17:16:11.10 ID:ajjypj+a0 澪がいなきゃ何も出来ない。 弱い奴だったんだな、俺は。 人が落ちない用にしてある柵を乗り越えて手を広げる。 少し寒いが、風が心地よい。 空は晴れていて、星がいくつも輝き、綺麗だった。 男「……澪、今から会いに行くからな」 数秒後、俺の意識は途絶えた。

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