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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253346269/l50 882 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 01:17:02 ID:RyO2xnNS 「トリック、オア、トリート!」  今日はハロウィン。  「相手に食べさせたいお菓子をひとつ、持ってきて、二人で食べよう!」とあずにゃんを誘ったのが二日前。 会場となる私の家の扉を開けたあずにゃんに、私はハロウィンらしいあいさつをした。それが、今さっき。 当のあずにゃんは、豆鉄砲でも食らったようにポカンとしている。 「お菓子くれなきゃ、いたずらしちゃうぞー!」  しょうがないから和訳してみる。 「いや、別に二回も言わなくていいですから」  大事なことなので。 「大事って……」 「まま、とりあえず入って入って」 「あ、お邪魔します」  丁寧に自分の靴(ありがたいことに私の脱ぎ散らかしちゃった靴も)を揃えて、あずにゃんが我が家に入る。 両親はハロウィンにかこつけて二人でスイーツ巡り。憂はほかの友達と遊びに。 要するに、今、この家には私とあずにゃんだけってこと。  ……ふふふー、たーのしいなあー♪ 「なんですか、突然ニヤニヤして」 「しーてなーいーよぉー♪」 「……やれやれ」  ホントはリビングとか、なんか飾ったりしたかったけど、カボチャのくり抜きなんてできないし、仮装もしたいけど服がないので、結局いつも通り。 それでもあずにゃんは、「別に構いませんよ」といつものクールな反応。 「よし、それじゃあお菓子ターイム♪」  今日はハロウィン。ハロウィンといえばお菓子。お菓子といえば女の子の主食。 「唯先輩は、お菓子食べたいだけでしょう」 「えー、そんなことないよー。私は、あずにゃんともおいしさを分け合いたい!!」 「……。ありがとうございます」 「どーいたしましてー♪ てわけで、私のオススメお菓子はこちら!じゃん!」  ずらりと出しましたは、いつでもおいしい棒状のアレ!!  …………。 「……なんで、う○い棒?」 「え?おいしーじゃんう○い棒。しかもコーンポタージュ味!!うわあーいきいろーい!!」 「コーンなんだから、黄色いのは当たり前でしょう」  今日もあずにゃんのツッコミがきらりと光ります。 「まーまー♪まろやかでおいしいから、食べてみなって。はいっ!」  10本以上あるうま○棒コーンのうち、1本をあずにゃんにフォーユーする。 なにか納得いかないのか、あずにゃんは渋々と袋を開け、○まい棒をガブリと一噛み。  ……と、あずにゃんの頭上に猫耳がピコン、と立った。気がした。 「おいしい……」 「でしょ!おいしーよね。さすがう○い棒!!」 「おいしいですけど、でも……」 「でも?」  何か変なこと言ったかな、そう思いながらも、あずにゃんの伏せてる両目を見つめて、言葉を待つ。 「同じ味ばっか、買ってくるのは……。このお菓子、バリエーションが多いのも売り?なんですから」 「飽きちゃう?」 「……てゆうか、こんなには買い過ぎですよ、先輩」 「あう」  だって、好きなんだもん……。安いんだもん……。お得なんだもん……。だからあずにゃんにも、それを知ってもらいたくて……。 …………てゆうか、『食べさせたいお菓子を“ひとつ”』だよね。種類は確かにひとつだけど、量的には……。あずにゃん、ごめん。 「あっ、でも、本当においしいですから。新発見でした。こういうの、あんま食べないんで」 「そう?……えへへ。ありがと」  あずにゃんの言葉は、お世辞も何もない、ホントの気持ち。ホントの心。だから、注意されても、怒られても、あまり苦痛とは思わない。そこには『愛』があるから。 ……まぁ、本当に嫌いだったら、怒ったりはしないと思うけどね。  あずにゃんの優しさにしばらくぽわぽわしてると、ふと、あずにゃんのそばにある、見慣れない小さな紙袋に気付く。 「あずにゃん、それなーに?」 「へ?ああ……。お菓子ですよ。私も、持ってきました。ごめんなさい、今まで忘れちゃって」 「んーん、いいよ。持ってきてくれたんだ。ありがとう!」 「そりゃあ、誘ってもらいましたし、約束ですし。当り前ですよ」 883 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/10/31(土) 01:21:47 ID:RyO2xnNS 「えへへ、そだね」  私の言葉に微笑んでくれたあずにゃんは、そのまま袋の中からまたまた小さな袋を出す。 頭をオレンジ色の紐で結ばれているその袋は、中を見ると星やら音符やら様々な形のクッキーが、「やぁ」という風に顔を出した。 それは、見てるだけでこちらまで楽しくなってくるようで。 「クッキー、焼いてきました。パンプキンと、ココア味です」  もうひとつ、今度は茶色の紐で結ばれている袋を出す。 「わー、おいしそう!食べていい?食べていい?」 「ふふ、もちろん。どうぞ」 「わーい!」  紐を解き、クッキーを掴んで口に運ぶ。その過程がもやもやもどかしい。   アムッ  もぐもぐ    ……うまーい!! 「ホントですか?よかった」 「すごいあずにゃん!パティシエ!パティシエなれるよ!……いや、女の子だからパティシエール?パティシール?」 「大袈裟ですよ、唯先輩」  あずにゃんの笑顔が花咲く。 「……でも、持ってきてくれちゃったんだねぇ」 「え、な、何かマズかったですか?」 「ううん、そうじゃなくて」  つと、あずにゃんのそばに腰かける。 肩と肩が触れ合うと、あずにゃんは少し強張った顔をした。 「お菓子くれなかったら、いたずらしようと思ったのに―」  小悪魔っぽい笑顔であずにゃんに話しかける。 「……それを言うなら、唯先輩だって。お菓子、忘れると思ったのに」 「ふふん、甘いねあずにゃん!言いだしたのは私なんだから、忘れるわけないよ!それに、ハロウィンは大好きだしね!」 「大好き、ですか」 「うん!だって、お菓子もらえるし~」 「……そんなことだろうと思いましたよ」  やれやれ。あずにゃんは呆れたように首を振る。いや、実際呆れてるのかも。 「むぅ。……だけど、だからこそ、あずにゃんと一緒に過ごせて、すごく嬉しい。ありがとっ、あずにゃん」  私はいつものようにあずにゃんに笑いかけた。そうすると、あずにゃんはいつも、照れたのか顔をそらす。う~ん。かわいい。 このままいつものようにぎゅ~ってしちゃおうか……。 「と、ところで唯先輩」  急にあずにゃんが振り向く。 「うぇい!?」  抱きつこうと手をわきわきさせてた私は、素早くその手を後ろに隠す。 「……まぁ、いいです。ところで、ここに来るまでにお店とかチラ見してきたんですけど、なんか意外と、ハロウィンフェアとかやってるみたいですよ」 「へぇ!ハロウィンフェアか~。いいね、楽しそう」 「でしょう?お菓子を食べれるかは分かりませんが、一度見に行ってみるのも、おもしろいと思いますよ」 「そだね~」  おもしろい、とは思うが、それにあずにゃんを付き合わせるのは、どうにも……。楽しいの、私だけかもだし。 でもでも、今年のハロウィンは今年しかない。それはもったいない。うーん。どうしよう。うーん…………。 「……デート、なのに。行かないんですか」  一瞬耳を疑ったが、確かに、私の絶対音感と名高い耳はそのセリフを聞き逃さなかった。 ……ああ、そっか。なるほど。 「あずにゃん、デートしたいんだ?」 「なぁ!?ち、ちちちち違っ……」 「んもう、それならそうと、言ってくれればいいのに~」 「だ、だから……!」  赤くなりながらも必死に否定するその様は、まさしくトンデレ。……タンデレ?あれ、りっちゃんに教えてもらったのに忘れちゃった。……まぁ、いいや。 「よし!じゃあ早速行こう!デート!!」 「も、だからデートなんて……、って唯先輩!手ぶらで行くんですか!?あと上着!!今日、寒いですよーー!!」  あずにゃんの声が、リビングに響いた。 ――― 「ハロウィンデート、だね」 「……そ、そうですね」 「まぁ、ハロウィンじゃなくても、あずにゃんとのデートならいつでも大歓迎だけどね~」 「……っ。は、はい……」 おわり すばらしい作品をありがとう

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