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ぺるそな!第1話 転校生と異世界と ◆PzD3ftv2xo」(2009/12/17 (木) 02:04:13) の最新版変更点

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141 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:04:58.69 ID:Sgb6b.AO  桜が丘高校。  今日から通う事になった、私の新しい学舎だ。  ……私の名前?まあ、もうちょっと待とうか。どうせすぐに名乗るんだし。 教師(さっきから小声で何を言ってるんだこの子は……) 教師「という訳で、今日からうちのクラスの一員になる……」  教師が何か喋ってるうちに黒板に名前を書き終え、ナイスタイミングで振り返り。 舞「布津木 舞(ふつき まい)です。今後ともヨロシク」  朝のホームルームが終了した途端に。……うわあ。囲まれた。さあ、質疑応答タイムだ。何でも答えてやろうじゃないか。 生徒A「前はどこの学校にいたの?」 舞「え~と……あそこって何県?富士山あるとこ」 生徒B「静岡か山梨どっち?」 舞「あれだ。お茶の方」 生徒C「素直に静岡って言おうよ」 生徒B「で、なんで転校してきたの?」 舞「親が死んだから。で、親戚を頼ってこっち来たの」  静まり返る一同。お~い、空気重いよ~。……ああ、今の冗談が原因か。 142 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:10:59.29 ID:Sgb6b.AO 舞「というのは嘘。本当は父の海外出張に母が付いてくって言うんで、親戚に預けられた訳なのです」 生徒A「……ビックリした~」 生徒C「縁起でもない冗談言わないでよ~!」  その後、何事もなかったかのように質疑応答タイムが続く。しばらくすると、真ん中辺りの席のおさげ2つ(一部ではツインテールと言うらしい)の子が声を上げる。 梓「そろそろ終わりにしないと、先生来ちゃうよ?」 生徒A「うわっそうだった!一限目シマちゃんじゃん!」 生徒B「しゃ~ない、また後でね~」  ようやく質問隊から解放された。が、いきなり人がいなくなるとちょっち寂しい。  昼休み。  かばんから取り出した弁当を喰らい始めると。私の席に、おさげ2つの子とその友達らしい2人が近づいてくる。 梓「布津木さん。一緒に食べよう?」 舞「もっふぇ~。れわろもりふらわん」 純「飲み込んでから喋りなよ……」  周りの空いてる机を借りて弁当を喰らい始める一同。 143 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:15:52.59 ID:Sgb6b.AO  自己紹介しつつ、雑談を始める私達。 憂「布津木さんは、入る部活もう決めてあるの?」 舞「ん~……まだ特には」 純「だったらさ、軽音部に入ってあげなよ。来年梓1人になっちゃうかも知れないから」 梓「そう思うなら純も入ってよ」 純「今年の学祭ライブ次第かな~」 舞「ふ~ん、軽音楽部か~。……何故私がベース持ちだとバレた!?」 梓「いや、初耳だから」 純「てか自爆じゃん、今の」  やべえ、これは恥ずかしい。まじで。 憂「そうなると、私と梓ちゃんがギターで純ちゃんがドラムだね~」ニコニコ 梓「それいいかもね~」ニヤニヤ 純「いやいや!入るなんて言ってないし!」  慌てて入部を否定する純。そんなに必死だと入れてくれって言ってるようなモノですぞ?  放課後。  梓に軽音部の部室へと案内される。なんかもう入部させる気満々みたいです。入部する気満々だからいいけど。  THE 音楽室……だよね?食器棚やら何やらがありますけど。 144 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:19:24.15 ID:Sgb6b.AO 律「お~、君が噂の転校生か!ようこそ軽音部へ!あたしが部長の田井中律だ!よろしく!」  部室に入るなり、煌めくデコの人が駆け寄って来て、無理矢理握手しながら自己紹介をしてきた。 唯「早速転校生ちゃんを勧誘してくるなんて、さっすがあずにゃん!ご褒美のはぐ~」 梓「ちょっ!もう……それより舞に自己紹介してください!」 唯「私は平沢唯!よろしくね~、布津木さん」 舞「舞でいいですよ、唯先輩」  『先輩』と呼ばれて恍惚の表情を浮かべる平沢先輩。天然ちゃんですか? 紬「私は琴吹紬ですわ。ムギって呼んでね」  なんと凛々しい太眉をお持ちだ。良家のおぜうさまってところかしら。なんかほわほわした人だなあ。 澪「私は秋山澪。よろしくな」  言いながら手を差し出す大和撫子な秋山先輩。もちろんしましたとも、握手を。 律「よーし、これより新入部員歓迎会を開始致します!」 梓「……まあ、いつものお茶会なんですけどね……」 145 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:22:02.51 ID:Sgb6b.AO  軽音部の諸先輩方とお茶会を楽しんだり、皆さんの演奏を鑑賞して感心したりと、有意義な歓迎会となったのでした。  そんなこんなで下校時間。私は軽音部の面々に別れを告げると、足早にある場所へと向かう。  最近世間を騒がせている、《神隠し》のあった現場である。と言っても、今までいた世界とは異相の世界だけど。 舞『着いたよ~弓子。指示ヨロシク』  私は念じる様に仲間に話し掛ける。すると、それに応える様に脳裏に声が響く。 弓子『はーい。早速で悪いけど、《領域》内部に人がいないか調べて下さい。気をつけてね』 舞『了解』  ……ふむ。今回は《領域》に入り込んでしまった人はないようだ。しばらく周囲を見て回り、本当に人がいないかどうかを確認する。 舞『今回は異常なし。そろそろ出るね~』 弓子『了解です。お疲れ様でした』  私が《領域》から出ると、そこに仲間-菱守 弓子(ひしもり ゆみこ)-が立っていた。 146 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:26:03.64 ID:Sgb6b.AO 弓子「今日もパトロールご苦労様。はい」  そう言って弓子が缶コーヒーを手渡してくる。 舞「ありがと……しっかし、今度は京都か。なんで《領域》が発生するんだろうね?」 弓子「う~ん、分からないわ。けど……なんにしても、被害を最小限に食い止めるのが私達の仕事ですから」 舞「……んだね」  まあ、調査は人が増えてから、かな。  つっても、《適合者》がそうホイホイ現れる訳がないし……ハテサテ、調査開始はいつになる事やら。  次の日。学校にやって来ると、フラフラした足取りで憂が教室に向かうのが見えた。 舞「オハヨー。どしたの憂?元気ないみたいだけど」  私の声に反応し、ゆっくり振り返る憂。何やら瞼を腫らしている。本当にどうしたんだろう? 憂「舞ちゃん……お姉ちゃんが、お姉ちゃんが……!うう……うわああああん!!」 舞「なんとお!?」  突然その場に泣き崩れてしまう憂。と、とりあえず落ち着くんだ、憂! 147 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:28:39.10 ID:Sgb6b.AO  そこにナイスいやバッドタイミングで梓がやって来る。 梓「う、憂!ちょっと舞、憂に何したの!?」 舞「ご、誤解だよ!私は何も……」 憂「違……の……ヒック……お姉……ちゃ……が……ヒック……いなく……なっちゃ……ヒック」 梓「ええっ!?唯先輩がいなくなった!?」  とりあえず、私と梓は憂を保健室に連れて行く。しばらくして落ち着いた憂は、昨日の事を話し始める。 憂「昨日お姉ちゃん、忘れ物をしたって言って、学校へ取りに行ったの。でも、いつまで経っても戻って来なくて……」 梓「憂の家から学校までは結構近いし、ましてや通い慣れた道だから迷う事はないだろうし……」 舞「《神隠し》……かもね」  ……あ~、この沈黙は何だい?私、何か変な事言った?……言ったな、《神隠し》って。しばらくすると、憂が口を開く。 憂「……私も、もしかしたらそうかもって思ったんだ……」 梓「最近、結構騒がれてるよね、《神隠し》……」 148 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:33:50.54 ID:Sgb6b.AO  ふむ。昼休みに校内を調べてみるか。《領域》に呑まれたのなら、急いで見つけてやらないとだし。  という訳で昼休み。パパッと弁当を喰らい終え、唯先輩捜索を開始する。  まずは《領域》に入って、と。……む?人の気配がする。……音楽室かな?  私は音楽室へ向かう。そして、音楽室の中に唯先輩の存在を確認する。  机に伏せ、憔悴しきった様子の唯先輩。そりゃそうだ。私だって《領域》に半日もいたら疲れるし、普通の人は存在を保っていられなくなるし。  ……ん?でも唯先輩ははっきりと存在を保っている。という事は、唯先輩は《適合者》の可能性があるのかしら?  なんにせよ、早く《領域》から出してあげないと。疲れてるんだろうし。  ……って、寝てるし!めちゃくちゃ《領域》に順応してるよこの人!こりゃもう《適合者》で間違いナシだね! 舞「起きて下さい、唯先輩。帰りましょう」 唯「ん~……ほえ?舞ちゃん?……ああ!もうお昼!?きっと憂が心配してるよ~!」 149 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:36:34.26 ID:Sgb6b.AO  私は唯先輩と共に平沢家へ向かい、そこから《領域》を出る。さすがに学校で出る訳にはいかんからね。思いっきり私服だし。 唯「じゃ~ね~舞ちゃ~ん。また明日~」  《神隠し》に遭ったってのに、すごく呑気な人だ。やっぱり天然ちゃんだな、あの人は。  放課後。物凄い勢いで家に帰って行った憂から姉帰還の知らせを受けて、ホッと胸をなで下ろす梓。 梓「舞が何かしてくれたんだよね?ありがとう」 舞「ハテサテ、ナンノコトヤラ~」  次の日。元気に登校して来る平沢姉妹。昨日はどうやら憂が唯先輩は病欠だと先生に伝えたらしい。 澪「全く、体調管理はしっかりしとけよ。また去年の学祭前みたいな事になったりしたら……」クドクド  放課後、部室にて。澪先輩からお叱りを受ける唯先輩。本当は病欠じゃないんだけど。  真実を伝えても言い訳にしかならない事は分かってる様で、黙ってお叱りを受けている。う~ん、ちょっち可哀想だなあ。 150 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:38:42.95 ID:Sgb6b.AO 律「澪~。そろそろ練習始めよ~ぜ~?」 澪「……そうだな、このくらいにしといてやるか」  その日の唯先輩は、先輩達曰わく、いつもより凄い演奏をしてみせたのだそうな。そりゃもう別人かって思う程に。  そして下校後。再び《領域》パトロールに精を出す私。今回は弓子も一緒だ。 弓子「2人で入るのも久しぶりですね」 舞「んだね~。あっ」 弓子「どうしました?」  私は前方に人影を見つける。あれは……唯先輩じゃないか!また《領域》に呑まれたのかしら。 弓子「あの子がさっき言ってた先輩さん?」 舞「うん。ちょっち話してくる」  私は唯先輩に近づいて話し掛ける。 舞「また入り込んじゃいました?」 唯「あ、舞ちゃん!昨日はありがとね!お礼言いたくて探しに来ちゃった」  そう言って頭を掻きながら微笑む唯先輩。  ……まさかとは思ったけど。自力で入ったんだ。だとしたら、まじで《適合者》な訳で。ちょっち嬉しい。 151 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:41:10.89 ID:Sgb6b.AO 弓子『舞!大変よ!《シャドウ》が来るわ!』  弓子の声が脳裏に響く。とうとうお出ましか。  《シャドウ》。  《領域》内部に存在する、読んで字のごとく影の化け物である。個人的には、人の心のネガティブ面が具現化した存在だと思っている。  私は周囲に睨みをきかせつつ、隠し持っていた木刀を取り出す。唯先輩はといえば、私の様子を見て何事かを察したのか、震えながら周囲を見渡す。 弓子『舞!後ろよ!』  その声が聞こえたのとほぼ同時に後ろを向く。するとそこには、人間の3倍はあろうかと思える巨躯を持つシャドウが佇んでいた。  シャドウは腕を振りかぶり、唯先輩に襲い掛かる! 舞「先輩!」  私は唯先輩の腕を引っ張って避けさせ、シャドウの腕を木刀で受け止める。 唯「……ま、舞ちゃん!」 舞「大丈夫です……私の事はいいから、先輩は早く《領域》から出て下さい……!」 唯「そんな、置いてくなんて出来ないよ!」 152 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [sage]:2009/11/14(土) 04:43:24.07 ID:Sgb6b.AO 舞「早く……うあっ!」  私はシャドウのもう片方の腕で吹っ飛ばされる! 唯「舞ちゃん!」  舞ちゃんは壁に叩きつけられて気絶してしまう。シャドウは舞ちゃんに追い討ちを仕掛けようと、ゆっくりと腕を振り上げる。  舞ちゃんを助けないと! その時。 -我は汝……汝は我……-  私の脳裏に声が響く。誰なの? ―我は汝の心の海より出でし、汝のもうひとつの姿……-  心の海?もうひとりの私? -我を求めよ……さすれば、力を授けん……-  力……力が欲しい。舞ちゃんを助ける為の力が……!  私は空に手をかざす。そこに、1枚の薄青く輝くカードが現れる。 唯「ペ・・・ル・・・ソ・・・ナ・・・!!」  私がカードを掴むと、カードはガラスの様に砕け散る。そして、光に包まれる私の頭上に、不思議な人物が姿を現す。  私は何故かその人の名前を知っている。……そう、その名は……。 唯「キュプリス!」 第1話 転校生と異世界と 終

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