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ぺるそな!第2話 「目覚める力」」(2009/12/17 (木) 02:23:27) の最新版変更点

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580 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo [第2話投下]:2009/12/09(水) 23:05:43.47 ID:n8CcEsAO  どこかの一室のベッドの上で目を覚ます私。……あれ?私、何してたんだっけ?  え~と……確か。真っ黒な化け物に舞ちゃんがやらそうになって……それで、舞ちゃんを助けようとして、それで……。 弓子「おはようございます」 唯「ほえ? あ、え~と、おはよ~ございます」  気がつくと、私のそばに微笑む女の人がいた。ていうか、ここどこ? 弓子「ここは私の家です。貴女はあの時、『ペルソナ』を召還してシャドウを倒したんですが、その後気を失ってしまったんですよ」 唯「そっかあ、それで私をここまで運んでくれたんですね」 弓子「ええ、あの子がね」  ドタドタと誰かが走ってくる音がする。音が止むのとほぼ同時に、この部屋のドアが勢いよく開かれる。 舞「唯先輩!目が覚めたんですね!」 弓子「もう少し、静かに行動しましょうね?」 舞「だってさあ、いてもたってもいられなくて!」 弓子「……もう少し、静 か に 行動しましょうね?」 舞「はい、スイマセンでした」  おお……舞ちゃん地獄耳……ていうか、あの人なんか怖い……。 581 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:08:08.52 ID:n8CcEsAO 弓子「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私は菱守弓子。以後、お見知り置きを」  私の方を向き直り、自己紹介をする弓子さん。言葉遣いが丁寧な人だなあ。 唯「あっ、私は……」 弓子「舞から聞いていますよ。平沢唯さん、ですよね?」 唯「はい。よろしくお願いします」  私は手を差し出す。弓子さんはその意味を察してくれたみたいで、私の手を取って握手をした。 舞「唯先輩、体なんともないですか? 唯「あはは、大丈夫だよ~、舞ちゃんは心配性だなあ。って、舞ちゃんこそ大丈夫なの?シャドウに吹っ飛ばされてたけど」 舞「大丈夫です!鍛えてますから!」  えっへんと言わんばかりに胸を張る舞ちゃん。それを見た弓子さんが呆れ顔で言う。 弓子「全く、どこが大丈夫なのかしら?」 舞「むう……弓子にはお見通しか……」  舞ちゃんはバレたか、と言いたげに苦笑いをしながら左腕を出す。うわあ、凄い青あざ!痛そう……。 舞「とっさに腕で庇ったから肋骨は大丈夫だと思うけどね。左腕の感覚ないや」  ニコニコ笑いながら言う舞ちゃん。 582 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:11:35.35 ID:n8CcEsAO 唯「舞ちゃん病院行かないと!腕折れてるかもよ!?」 舞「へーきへーき。寝て起きれば治りますから」 唯「ほえ?そうなの?」 弓子「ええ。彼女のペルソナは治療が専門ですから」  舞ちゃんのペルソナ、アスクレピオスは医術の神様。そのおかげか、舞ちゃん自身の自己治癒力も凄くなってるみたいなんだって。  う~ん、病院いらずなんてうらやましいなあ。 唯「あ、そう言えば、私のペルソナってどんな人なんですか?」 弓子「キュプリス……アプロディーテともいう、愛の女神ですね」 唯「愛……ですか。なんか分かんないけど、愛の力って凄いんですね!シャドウ倒しちゃったし!」 弓子「愛の力……かどうかは分かりませんが、キュプリスは炎の魔法を操るようです」  私はあの世界やシャドウ、ペルソナについて教えてもらった。……けど……難しくて、よく分かりません……。 舞「あ~、えっと、弓子さん?唯先輩、頭からケムリ噴いてるんですけど」 弓子「さすがに理解出来なかったかしら?……まあ、追々説明していきましょうか」 舞「んだね」 583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/09(水) 23:13:39.90 ID:iH.UrfYo 久々に見た気がスルー 584 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:15:12.30 ID:n8CcEsAO 弓子「平沢さん、ひとつお願いがあるんですが」 唯「ほえ?なんですか?」 弓子「私達は《領域》の調査を行いたいのですが、2人だけでは戦力不足でして……出来れば平沢さんに協力して頂きたいのですが……」  あれ?やっぱり握手だけじゃ伝わらなかったかあ……うん、ちゃんと言わなきゃダメだよね。 唯「もちろん!むしろ手伝わせてください!せっかく力を手に入れたんだもん、この力で誰かを助けられるならそうしたい!」 弓子「本当に!?……ありがとう!」  こうして私は、《領域》調査隊に加わっる事になっのだった。 憂「お帰りなさい、お姉ちゃん」  弓子さんちの車で送ってもらい、家に着く。 弓子「話があります。お邪魔していいかしら?」  私と一緒に家に入ってくる弓子さん達。 憂「えっ、は、はい。いいです、けど……」 舞「まずは名を名乗れ、話はそれからだ」 弓子「そうだった。……初めまして。私は菱守弓子と言います。以後お見知り置きを」 憂「唯の妹の憂です。こちらこそよろしくお願いします」  2人は握手を交わした。 585 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:17:09.23 ID:n8CcEsAO 憂「それで、話ってなんですか?」  家に上がった弓子さん達をリビングに通してお茶を出す憂。それを受け取って微笑む弓子さん。 弓子「ありがとうございます。お姉さん……唯さんの事なのですが……」  弓子さんは昨日私達に起こった事、これからの事を憂に話し始める。 憂「……それで、お姉ちゃんが手伝うって言ったんですね?」 舞「んだよ~。……やっぱ、心配だよね?」 憂「確かに、心配だけど……お姉ちゃんがやるって決めたんなら、私はお姉ちゃんを応援するよ!」 唯「憂……ありがと~!」だきっ 憂「えへへ。……お姉ちゃんを、よろしくお願いします」  弓子さん達は静かに頷いた。 次の日 律「おーっす唯!風邪大丈夫かー?」 唯「まだ治りかけだから、近づいたら移しちゃうぞ~!」 律「おいおい、やめろよ~!」 澪「じゃれ合ってないで、練習始めるぞ!」  久しぶりの朝練で澪ちゃん気合い入ってるな~。私も頑張るぞ! 紬「そう言えば唯ちゃん、昨日部活の後、どこに行ってたの?」 唯「ほえ?え~と、実はりょうい……」 586 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:19:57.79 ID:n8CcEsAO  おっといけない!コレは言わない約束だった!……え~と……。 唯「料理の本買いに行ってたの。憂に頼まれてたのすっかり忘れててさあ」 梓「相変わらず忘れっぽいですね……ギターの弾き方まで忘れてないといいですけど」  う~、相変わらずあずにゃんは厳しいなあ。  放課後。  ひと通り練習を終えて帰路につく私達。りっちゃんと澪ちゃんは今日も一緒に帰るみたい。 唯「ラブラブですな~ひゅ~ひゅ~!」 澪「か、からかうなあ!」カアア 律「帰り道が一緒なだけだっての!」カアア 紬「私はそういう関係もいいと思うわ!」キラキラ 梓舞(この人は何を言ってるんだろう……)  一旦自分の家に帰った後、弓子さんの家に来た私。ていうか、こんなに大きい家だったんだ……! 弓子「いらっしゃい、平沢さん」 舞「おいでやす~」 唯「お邪魔しま~す。……ねえねえ弓子さん」 弓子「何かしら?」 唯「せっかく仲間になったんだし、もうちょっと気軽に呼び合おうよ」 弓子「では……唯さん、でいいかしら?」 唯「うん!私はゆみちゃんって呼ぶね!」 587 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:23:31.36 ID:n8CcEsAO  その頃。  私と律は、いつも通り他愛のない話をしながら家路を行く。  もし男女なら、恋人同士に見えるんだろうな、私達。……一部の人が見れば、女の子同士の私達でも恋人同士に見えるんだろうけど。 律「しっかし唯のやつ、変な事言いやがって。……ちょっと意識しちまったじゃねーか」 澪「へっ!?」カアア 律「あはは、冗談だよ冗談!本気にしちゃったのかな~澪ちゃん?」 澪「うっ……バ~カ~り~つ~!」 律「うわ~澪が怒った~逃げろ~!」 澪「待てー!」  こんなバカみたいなやり取りをする、本当に他愛のない、でも愛おしい日常。こんな日がずっと続くと思っていた……その時までは。  律が急に立ち止まる。どうしたんだろう? 律「なあ澪……ここ、どこだか分かるか?」 澪「何言ってんだよ。もうすぐ家に……あれ?」  おかしい。  道を間違えたハズはない。まっすぐ家に向かってたハズだ。なのに……見た事のない街並みが、目の前に広がっていた。 澪「嘘……何、コレ……一体、何がどうなってるんだよ!?ここはどこだよ!?」 588 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:26:53.80 ID:n8CcEsAO 律「と、とりあえず、落ち着けよ澪。元来た道を引き返しゃあ……」  そう言いながら振り返った律が硬直する。今度は、何……?私もゆっくりと振り返る。  そこには、夕闇よりも真っ黒な、影みたいな怪物が存在していた! 律「逃げるぞ澪!」  律が私の手を掴んで走り出した!  どれだけ走っただろう。何とか怪物を振り切った私達は、物影に隠れながら息をつく。 澪「何なんだよアイツは!?」 律「あたしが知るかよ!……でも、なんとなく分かったぜ。あたし達は……」 澪「言うな!……分かってる……私だって、そうとしか思えない……けど!」  そう……分かってるんだ……頭では。でも、心のどこかで、その事実を信じたくない自分がいる。  《神隠し》。  昨今世間で騒がれているそれに、私達が巻き込まれてしまったのだという事を。  ……とにかく、何とかして脱出しなくちゃ。この、《神隠し》の世界から。 シャドウ「ヴォオオオオ!」  !!  ふと周りを見回すと、私達はたくさんの怪物達に囲まれていた! 律「いつの間に……くそ!」 589 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:29:30.52 ID:n8CcEsAO 律「澪……あたしがアイツ等の注意を引きつける。そのうちに逃げろ!」 澪「何言ってるんだよ!一緒に逃げようよ!」 律「大丈夫だって。アイツ等撒いたら、すぐ追いつくからさ」 澪「カッコつけるな!律にもしもの事があったら……」 律「澪!……頼む、逃げてくれ!」  律は物影から飛び出し、怪物達の注意を引きつける。 澪(律……ゴメン!)  私は振り返らずに走り出した!  どれだけ走っただろう?まだ律は来ない。本当に、大丈夫かな?……いや。大丈夫な訳、無いよ……。  律だって怖いはずだ。なのに、私を逃がす為に、あんな事……。  ……情けない。いつもいつも、危ない事は律に押し付けて、私は逃げてばかり……もう、そんなのは嫌だ!  さっきの場所まで戻る私。そこで私は、信じがたい光景を見た。律の頭上に、不思議な人物が浮かんでいる! 律「へへ……さすがに数が多いや……悪いけど、もうちょっと踏ん張ってくれよ、オリオン」  律は、頭上の人物-オリオン-にそう言う。オリオンは律の言葉に応える様に、静かに頷く。 590 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:31:59.64 ID:n8CcEsAO  見ると、怪物達はまだまだいるようだ。その時、律の背後の怪物が律に襲いかかる! 律「うわっ!」  何とか攻撃をかわすも、へたり込んでしまう律。オリオンも消えてしまった。そこに怪物が追い討ちをかける! 澪「律ーーー!!」  私は近くにあった鉄パイプを握りしめ、怪物と律の間に割って入り、怪物に一撃を叩き込む! 律「澪!なんで逃げてないんだよ!」 澪「馬鹿!親友を……律を置いて逃げるなんて出来るか!」  怖い。凄く怖い。酷く震えて、涙が止まらなくて、腰が抜けそう。今すぐ逃げたい。でも……戦わなきゃ!今、律を守れるのは、私だけなんだ!  その時。 -我は汝……汝は我……-  頭の中に声が響く。 -我……汝が心の光に導かれ、顕現せり……-  あなたは誰?……いや。分かってるよ、あなたの名前。そう、その名は……! -我が名を呼べ……さすれば我、汝が力とならん……-  一枚の薄青く輝くカードが、私の目の前に現れる。私はカードを掴む。手の中でカードが砕けると同時に、その名を叫ぶ! 澪「アルテミス!」 591 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:35:47.25 ID:n8CcEsAO 律「澪……お前……」  驚いて私を見上げる律。……もう、大丈夫だよ。 澪「律は休んでて。後は……私がやる!」 律「冗談……まだやれるっての!オリオン!」  律は立ち上がると、再びオリオンを喚び出す。 澪「だったら……行くぞ、律!」 律「おう!」  私達は怪物達に向かっていく! …………… ………… ………  何とか怪物達を一掃した私達。 澪「ふう。……怖かったよ~律う~」だきっ 律「うわっちょっ!……よく頑張ったな、澪」  急に泣きついた私を慰めてくれる律。こういう時、やっぱり律は優しい奴だって実感する。  気分が落ち着いてから、気になってた事を律に尋ねる。 澪「そう言えば、律。お前のあの力……いつ身についたんだ?」 律「ん? ああ、あいつはな……昨日の夜、《神隠し》にあった時に出てきたんだ」 澪「えっ!? 昨日も《神隠し》にあってたのか!? 何で言わなかったんだよ!」 律「言っても信じてもらえねーと思ったからさ。黙ってたんだ」 澪「まあ、確かにそうかも……」 律「お互い、無事でよかったな」 592 :ぺるそな! ◆PzD3ftv2xo :2009/12/09(水) 23:39:42.30 ID:n8CcEsAO  次の日。  私達は普段通りに登校する。しばらく歩いていると、唯が駆け寄って来る。 唯「2人とも!良かったあ~、無事だったんだね~!」 澪「ん? 何の話?」 律「無事に決まってるだろ?なにしろペル痛っ」  私は律の耳を引っ張って言う。 澪「その事は内緒にしとこうって言っただろ?」ボソボソ 律「そ、そうだったな。ゴメン」ボソボソ 唯「おやおや、デートのお約束ですかお2人さん?」ニヤニヤ 澪「なっ……!」カアア 律「そ、そんな訳あるかあ!」カアア 紬「あらあら。うふふ」 舞「ムギ先輩……鼻血が……」 梓「大丈夫、いつもの事だから……」  また、他愛のない日常が始まった。いや、もしかしたら束の間の休息ってやつなのかも知れない。これからもきっと私達は、あの怪物達と戦う事になるんだろう。 だったら、この他愛のない日常を、こういう時間を大事にしていかなくちゃ。 舞「……むう。あの時のペルソナの反応、澪先輩達じゃなかったのかな?」ボソボソ 律「……ん?」 第2話「目覚める力」 終

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