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69:なめたん :07/16(木) 23:22:50.74 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
学食へ行こう!

お昼ご飯。軽音部のクラスメートといつものようにお弁当タイム。
「うはー!相変わらずうまそうだなー!」
律が感嘆の声を上げる。
「すごいよねー、おいしそうだよねー」
唯も興味深く弁当を覗き込む。
「そうかしら…うふふ♪」
紬は2人に軽く返答し、はぁ…と何故かため息を漏らした。
「ムギちゃんどーしたの?」
紬のため息に唯がちょっと心配そうな視線を向ける。
「うん…毎日美味しいお弁当が食べられるし嬉しいんだけどね…飽きちゃった」
琴吹家の絢爛豪華弁当を前に贅沢な悩みである。しかし普通が好きな紬にとっては由々しき問題なのかもしれない。

73:なめたん :07/16(木) 23:27:30.98 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
「ん~だったら明日学食行くかー!たまには温かいご飯も食べたいし!」
「えー、こんでるし並ぶのメンドーだよお」
律の提案に難色を示す唯は、憂お手製の弁当を小鳥みたいにせわしくつっつき食事を進めている。
「じゃー教室で一人寂しくお昼してればー。ムギは行くだろー?」
あまりにあっさりハブられた唯は「んな殺生な~」と律にしがみつく。どうやら、面倒とは言ってみただけでハナから一緒にくる気だったらしい。
これで紬が答えるべき言葉は自ずと決まった。

82:なめたん :07/16(木) 23:35:15.58 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
前日の予定通り3人は学食を目指す。
「私学食はじめてだから緊張しちゃうなぁ~♪」
うきうき気分の紬を先頭に4時間目の数学が異国の言葉に聞こえ辟易した唯、カツ丼を口の中で想像している律と続く。
「あ、先輩こんにちは。」
3人の前に小さなツインテール少女梓が現れる。その手には可愛らしいお財布が握られていた。
「あずにゃんだー!」
だきっ!なんて擬音を発しながら唯がスキンシップと称した抱き付き攻撃を繰り出す。

91:なめたん :07/16(木) 23:44:22.29 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
「梓ちゃん1人?一緒に学食行く?」
紬のにこにこスマイルを一身に浴びる梓は
「あ、私購買に…」
「はいはーい!中野さん一名追加入りましたーー!」
強制的にパーティご一行へ追加された。
「りっ律先輩!!憂が待っ…」
「唯ー!憂ちゃんにはー」
「もうメールしといたよー」
なかなか息の合うコンビが梓の退路を断つ。
「はあ…」
これは梓のため息である。

98:なめたん :07/16(木) 23:48:50.29 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
「自動販売機もあるわね~♪」
紬が学食の広さ、人の多さ、食券式の便利さに驚いた後の言葉である。
「ムギ先輩、もしかして学食初めてですか?」
紬の反応を見ていた梓が尋ねる。
「うん!だから楽しみにしてたの♪」
満天の笑顔で答える紬はわくわくという単語がぴったりな雰囲気に包まれていた。
「ほらほら!みんな食券買ったら並ぶぞー!」
律の一声にそれぞれが列をなす群衆に吸い込まれていく。

104:なめたん :07/16(木) 23:54:14.93 ID:vy7W3Y2LO (9) ID AA
「あずにゃんもたらこ?」
パスタの列に並ぶ唯は「待て」のまま忘れ去られた犬みたいにまだかまだかと食堂のおばちゃん(CV.くじら)と巨大な鍋を交互に見ている。
梓はナポリタンですと答え隣の列に目を向ける。
ご飯ものの列は流れが早い。先頭の律は「唐揚げ丼大盛のタレ多めで!」と颯爽と注文を済ませ席の確保へ向かっていた。

113:なめたん :07/17(金) 00:00:55.00 ID:m0Kw3zZNO (72) ID AA
「おーパスタもいいなぁ」
量が少ないからとパスタを避けた律に
「あげませんからねっ!」
とあらかじめ釘を差す梓。
「ムギちゃんまだかなぁ」
2人の攻防に水を差す形で唯がきょろきょろと辺りを見回す。
「もう先に食べようぜー。私お腹ペコペコ」
律が唐揚げを箸でつまむ。
「あ!ダメですよ!」
梓が澪みたいに口うるさくなったのは誰のせいだなどと律が考えていると
「お待たせー♪」
ようやく紬がやってきた。


みなが、絶句した。

ラーメン
カツ丼(沢庵付き)
サラダ
麦茶
ミニパンケーキ

紬のトレーに溢れんばかりの食材を確認できた。

119:なめたん :07/17(金) 00:05:49.32 ID:m0Kw3zZNO (72) ID AA

「嬉しくってついつい頼みすぎちゃった♪」
うふふと席につきトレーを机に乗せる。

がしゃ

重い、音がした。


周りの心配をよそに紬はあれよあれよと皿を空にしていく。普段は食べないようにしているだけで意外とイケるクチらしい。

「おいしかったわ♪また来ましょうね♪」

満足した様子の紬は
「あ、今日のケーキはチーズケーキだからー☆」
と早くも部活のメニューに言及していた。

128:なめたん :07/17(金) 00:15:13.29 ID:m0Kw3zZNO (72) ID AA
放課後
「今日は行って良かったな!ムギも満足したみたいだしー」
紬が幸せそうな顔をしているので企画してよかったと律は思い
「ムギちゃんたのしそうだったもんねー」
唯も楽しかったと笑顔で答え
「今度はあらかじめ誘ってくださいよね!」
と語調だけ見れば怒っているように見えるが口調は優しい梓が笑顔で言った。

「うふふ~食堂~おいしかったな~♪今度もまたみんなで行こうね♪」
こんなかわいい笑顔と雰囲気の紬を見たら、みんな自然と笑顔になった。

132:なめたん :07/17(金) 00:21:15.40 ID:m0Kw3zZNO (72) ID AA
そう、みんな笑顔だった…1人を除いては。


さて、その1人の不自然さに律がからむ。それはもうわざとらしく。

「おや~、どうしたのかな~~。」
「別に」
興味なさげにお茶をすする彼女はお昼休みに隣のクラスでお食事中であった。
「ハブハブで淋しかったのかなぁ~澪ちゅわんは♪」
そっそんなことない!と過剰に反応した澪を見れば彼女の本心は明白だ。
「澪ちゃん…」と理不尽な子どもを見守る親のような眼差しを唯から向けられた澪に
「今度は澪ちゃんも一緒に行こっ♪学食もおいしいよ♪」
と優しく語りかける紬はさながら慈愛に満ちた聖母のようだ。

「もっもう練習するぞっ!」
本意がバレバレの気恥ずかしさからベースを手に持ち場へ付いた澪をニヤニヤ見つめる律とニコニコ見つめる他のメンバー。

お茶会をいつもより早く切り上げた軽音部のバンドとしての活動が今日も始まった。


おしまい