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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ』というスレに投下されたものです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1246808256/

76 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2009/07/16(木) 03:01:07 ID:7qLP3AQo
んん…あれ…なんか寒い…
…掛け布団、どこ?
変だな…確かにちゃんと被って寝たはずなのに。
「ん~…むにゃむにゃ…」
「あ…先輩…」
掛け布団、抱きかかえて眠ってる…
いくら夏でも、何にもないと夜はちょっと冷えるのに…
あーもう、しっかり抱きかかえちゃってる…
「あずにゃ~ん…むちゅ~…」
…掛け布団にキスしてる…ひょっとして、私と間違えてるのかな。
「むー…あずにゃん、はんのうないよ…むにゃあ…」
当たり前です、それ、私じゃなくて布団ですから。
さて、どうしよう。取り替えそうにも…ちょっとやそっとじゃ離してくれそうもない。
「違いますよ…先輩。私はこっちです」
先輩は満足なんでしょうけど…私は寂しいんですよ。それに、なんか寒いし。
それに…なんか、もやもやする。掛け布団に嫉妬なんて…我ながら末期だと思うけど。
「すぴー…」
「もう…!いいです、そっちから来ないのなら、こっちから行きますから」
きゅっと背中から唯先輩を抱きしめる。そういえばこちらから抱きつくのは初めてだったと気付いて、少し恥ずかしくなったけど。
そんなことより今は、いつものあたたかくて柔らかな感触が欲しいと思ったから。
「唯先輩…こっち向いてくださいよ…」
でもやっぱり背中越しの感触はいつもとは違ってて。きゅっと優しく包み込んでくれるような、いつもの唯先輩とは近いけど遠くて。
何かとても悲しくなってしまう。でも、ここで泣いたら変な子だし。我慢…でもいつまで我慢できるのかな。
「んぅ…?あずにゃんのけはい…」
「…え?」
「あずにゃんほかくぅ…」
不意にグルっと唯先輩の体が反転して、ぎゅーっと強く抱きしめられる。
「く、苦しいです…!」
「あずにゃん、あずにゃ~ん…すぴー…」
力いっぱい抱きしめられるのはさすがに苦しかったけど、すぐに唯先輩の体からはふんにゃりと力が抜けて、いつもの程よい力加減へと戻っていた。
すぴーと安らかに寝息を立てながら、満足そうな笑みを浮かべて眠ってる。
私をあんなに翻弄してたことなんて、知りもしないで。
「もう…ずるいですよ、唯先輩は」
少し腹が立ったりもしたけど、でもすぐにそんなのはどうでも良くなった。いつだってそう。唯先輩にきゅっと抱きしめられると、少しくらいの辛いことや苦しいことなんてすぐどこかに飛んで行ってしまう。
「ほんとに、ずるいです」
そう呟きながら、唯先輩の背中に手を回すと、きゅっと強く抱き返した。先輩の感触を、もっと感じられるように。
「でも、大好きですよ…ふふ」
うん…一時はどうなるかと思ったけど、今日はいい夢見られそう…おやすみなさい、唯先輩。



すばらしい作品をありがとう