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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ』というスレに投下されたものです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1246808256/


89 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2009/07/17(金) 12:18:31 ID:UY+r9Z3t
放課後の音楽室。部屋の外ではセミが大合唱。
午前中からこれでもかという程に気温を押し上げてくれた日差しは、この時間になってもまだ衰えることを知らないみたい。
「暑い…ですね」
「だよねぇ…なんでこんなに暑いんだろ」
「夏だから、じゃないですか…」
「そうだねー…夏だもんね」
私の隣に座っている唯先輩は、べたーと机に突っ伏していた。いつもの私ならだれてないで練習しましょうとでも言うところだけど。
確かに今日は暑すぎる。窓を全開にしているって言うのに、風一つ入ってこないし。部屋の温度は上がる一方。
さすがに唯先輩みたいにあからさまにだらけたりはしないけど…全員揃うまで休んでいよう、なんて思ってしまってる。
と、むくりと唯先輩が起き上がった。ひょっとして練習を、なんて一瞬びっくりしたけど。
その体はギターの方じゃなくて私へと…あー…つまりは。
「…あずにゃん分が不足してきたよ」
のそのそって近付いてきた唯先輩は、私の予想通りぎゅっと抱きついてくると、そのままぐったりともたれかかってきた。
「不足って、さっき抱きついてきたばかりじゃないですか。と言うか、重いです」
最初は肩に抱きついてきた唯先輩は、ずるずるずり落ちて、膝の上で安定。私の腰に抱きつく形になってる。
ちょうど膝枕をしているみたい。そんな先輩は不覚にもかわいく見えて、そのせいか無意識のうちに私の手はその頭を撫でていた。
「暑くて力が入らないんだぁ…」
撫でられたことに驚きもせず、いかにも補給中なんていう満足そうな笑顔を浮かべた唯先輩はそんなことを言ってくる。
それなら抱きつかなければいいのに、なんて思うけど。でも、口にしたりはしない。
「あずにゃん、あったかい~」
「唯先輩も、あったかいですよ」
そう、あったかい。ぴっとりくっつかれて暑いのは確かなんだけど、でも何だかあったかい。
だからもう暫くは、出来るだけ長い間こうしていたい、なんて思っているから。
「あずにゃん、いい匂い~」
「もう、変なこと言わないで下さい」
それを言うなら、先輩のほうがいい匂いですよ。さすがにそう続けたりはしないけど。
まるで甘えん坊の子猫みたいな、そんな唯先輩をひたすら撫で続ける。そうしていると、いつの間にか先輩は寝息を立てていた。
こんな暑い中よく眠れますね、なんて思ったけど、その睡魔は私のほうにも移って来ているみたい。
「アルファー波、出しすぎです…よ」
って、それは私もだ。いいや、私も少し寝てしまおう…先輩方が来るまで、まだ時間ありそうだし。
体を倒して、私の太腿を枕にしている唯先輩の腰の辺りにきゅっと抱きつく。膝枕、とまではいかないけど、これも十分に暖かくて、柔らかい。
例えて言うなら、抱き枕…なのかな。
さっきよりも接地面が増えた体は少し暑かったけど。でもさっきよりもずっとあったかくなったから。
私の意識はあっという間に夢の中へと沈んで行った。
おやすみなさい、唯先輩…



すばらしい作品をありがとう