450 :鶏肉 ◆KXdf4vT3Ls :2009/07/29(水) 00:32:42.56 ID:huLFgmsyO
ここは、どこだろう。
目を覚ました私は、見知らぬ場所にいた。
全裸のまま、両手両足を縛られ、口には猿轡。
辺りを照らすものは、月光しかなく、私は、そのわずかな明かりを頼りに、ここがどこか確認しようとした。
屋内なのは間違いない、広さはあまりなく、よく見るとあちこちが傷んでいる。おそらく、どこかの廃墟の一室なのだろう。
何故、私はこんな所にいるのだろう?
記憶を辿ってみる。
私は、いつものように部活を終え、澪と一緒に帰っていた。
そうだ、その帰り道で、気を失ったのだ。
ということは、気を失っている間に、私はここへ連れてこられたわけか。
しかし、誰が、何のために?
「目を覚ましたんだな、律」
聞き覚えのある声、澪の声だ。
だが、その声の調子は、今までに私が聞いたことのないものだった。
451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:34:35.94 ID:huLFgmsyO
私は、その声の中に、常軌を逸した、何かただならぬものを感じ取る。
それは、私の中にある、声の主のイメージとは、全く符合しなかった。
「律」
声の主が、私の前に、姿を現す。
その瞬間、私は、全身から血の気が引いて行くのを感じた。
その目にあるものを、何と言えばいいだろうか。
狂気――
その言葉だけでは、片付かないものが、そこにはある。
私とこいつの付き合いは長い。
私は、こいつの色々な姿を知っている。
だが、私は、こいつのこんな目を知らない、こんな姿を知らない。
逃げろ――
反射的に、そんな考えが頭をよぎり、私は、縛られていることも忘れ、走り出そうとした。
当然、私は、無様に倒れてしまった。

454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:37:03.33 ID:huLFgmsyO
「ひどいなあ。逃げようとするなんて」
澪が私に体を重ねてきた。
「律、好きだ。どこにも行かないで」
澪が私の体中を撫で回す。
ねっとりとした手つきで、隅々まで、丹念に。
心の底から、恐怖が溢れ出した。
涙が止まらない。
もし、口を塞がれていなければ、私はひたすら絶叫していたであろう。
「律、何で泣いてるんだ?」
澪の顔が私の顔に近づく。
恐怖のあまり、私は失禁してしまった。
「律、漏らしたのか?」
澪は、一旦私の体から離れ、私の股間に、顔を押しあてた。
「駄目だよ。律は綺麗じゃないと」
澪が私の股間を舐め始めた。

464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:41:37.68 ID:huLFgmsyO
澪の手が、私の股間に伸びてきた。
「気持ち良くしてやるよ」
そう言って、私の股間をいじり始める。
猿轡の間から、私は微かに声を漏らしてしまった。
「どう気持ち良い?」
間違いなく、気持ち良い。
だが、澪と目が合った瞬間、恐怖がそれを越えてしまう。
私は、また、泣き出してしまった。
「大丈夫。律の純潔を奪ったりしないよ。律はずっと清らかでいなきゃ駄目なんだ」
再び、舌を動かし始める。
その間も、股間をまさぐる手は休めない。
押し寄せる快感の波、それを凌駕する恐怖。
私は、もう、訳が分からなくなっていた。


466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/29(水) 00:43:05.38 ID:huLFgmsyO
どれだけの時間が経ったのであろう。
全身を舐めまわし、澪はようやく舐めるのをやめた。
「律は私だけのもの。これからもずっと一緒だよ」
どうやら、この地獄は、まだまだ続くらしい。



終わり

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最終更新:2009年08月12日 08:15