292 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/22(土) 23:26:10.12 ID:II/RIJOO0
【ちっちゃな手】
その日、梓は唯の家に来ていた。2人でギターの特訓をするためだ。
「あっ、唯先輩。そこはこう押さえてくださいっ」
「ありゃりゃ、間違えちゃった」
中々うまく押さえられない唯にうずうずした梓は、思わず手を出していた。
「ほら、こうやって押さえてみてください」
「あずにゃん…」
「何ですか?」
気がつくと、唯は梓の手をつかんでいた。
293 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/22(土) 23:29:58.05 ID:II/RIJOO0
「あずにゃんの手、ちっちゃいね」
「そうですか?」
「うん。ちっちゃくて可愛い」
そう言って唯は手を絡めてきた。
「せ、先輩、何するんですかっ?」
「…きもちいこと」
「れ、練習しないと…」
「ちょっとだけ休憩♪」
いつの間にか梓は唯に押し倒されていた。
294 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/22(土) 23:32:59.59 ID:II/RIJOO0
「ちょっとだけ、キスしよっ」
「ちょっとですよ…」
2人はそっと口を重ねた。
しばらく、2人はそのままでいた。
「うんっ…」
「んッ…ぷはぁ」
梓は苦しくなって唯から口を離した。
「だ、大丈夫!?あずにゃんっ」
「だ、大丈夫です」
2人の口の間からは細い糸が垂れていた。
298 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/22(土) 23:35:28.49 ID:II/RIJOO0
「気持ち…よかったんだね」
唯の言葉に、梓がうなずく。
「はい…こんな気持ち初めてですっ。唯先輩ってやっぱり凄いですっ」
唯に手をひかれ、梓は起き上った。
「練習、始めよっか」
「はいっ」
2人はギターパートの合わせを始めた。
301 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/08/22(土) 23:39:15.31 ID:II/RIJOO0
「さっきより、合ってますね!」
「キスしたのが、よかったのかなぁ」
唯は唇に手を当てて、つぶやいた。
「そうかも…しれませんね」
梓はほんのりと顔を赤らめた。
「この練習、2人だけの秘密にしようね」
「はいっ」
2人は再び合わせを始めた。
Fin
最終更新:2009年08月23日 06:57