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570 :ア・ベル(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 16:29:48.06 ID:Rspf/vXbO
唯「もうひとりの私?」



昼休み。
梓はギターの練習をする為、音楽室へと向かっていた。
梓「あっ唯先輩。」
3階で唯を見かけ、声をかける梓。
梓「唯先輩も練習ですか?」
唯「うん。まあね~。梓ちゃんもなんだ。」
梓はその呼ばれ方に違和感を覚えた。
以前にも、普通に呼ばれて変だと思って問いただしたら、実は唯に変装(といっても髪型を変えただけだが)憂だったという事があったからだ。
梓「2度も同じ手には引っかからないわよ、憂。」
唯「え?…なる程、こっちの私は呼び方違うのか…。」
梓「ごまかそうったってそうは…。」
憂「梓ちゃん。どうしたの?」
梓「え?」
振り返ると、そこには憂がいた。
梓「あれ?憂?じゃあこっちにいるのは…。」
再び唯?のいる方を向いた梓だが、そこに彼女の姿はなかった。
梓「あれ?どこ行ったんだろう?」
憂「誰かと話してたの?」
梓「う、うん。…まあ、いっか。」
練習をする気もなくなってしまったので、梓は憂とともに教室へと戻る事にした。

643 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 19:53:44.15 ID:Rspf/vXbO
こんばんわ
昼間になんか投下したのを思い出したぜ



放課後、音楽室

昼休みの唯の行動が気になっていた梓は、唯に聞いてみる事にした。
梓「唯先輩。お昼に音楽室来る途中で会いましたよね?」
唯「ほえ?お昼は音楽室来てないよ?」
律「学食でずっとあたしとしゃべってたもんな。」
梓「えっ、でも……いえ、何でもないです。」
梓の納得できていないような様子が気になったのか、澪が梓に話しかけた。
澪「どうしたんだ?なんかあったのか?」
梓「いえ、本当に何でもないですから。」

夜、梓宅

梓は考えていた。
梓「放課後に会った唯先輩はいつもの唯先輩だった。けど、昼休みに会った唯先輩にはどこか違和感があった。」
梓を普通に名前で呼んだこともそうだが、何よりも彼女が発した「こっちの私」という言葉が引っかかっていた。
梓「もしかして…でも、そんな事が…。」

667 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 20:47:15.24 ID:Rspf/vXbO
翌日

憂「おはよう、梓ちゃん。」
梓「おはよう。ねえ憂、昨日はどうして学食に行ったの?」
憂「実は、うっかり寝坊しちゃって、お弁当作れなかったの。」
憂「そしたらお姉ちゃんが『たまには家事をお休みしなさいって、神様が憂を休ませてくれたんだよ!』って言ってくれたの。」
梓「それで学食に行く事にしたんだ。でも、珍しいね。憂が寝坊なんて。」
憂「私もビックリしたよ。目が覚めたらもう7時前なんだもん。」
その後、梓は憂と談笑しつつ、授業の準備をした。

昼休み

突然、律が息を荒げて梓達の教室に来た。
律「梓!憂ちゃん!ちょっといいか?!」
梓「律先輩?」
憂「どうしたんですか?」
律「とにかく来てくれ!」
ただならぬ様子の律に気圧されて、2人は律について音楽室へと向かう。

677 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 21:18:43.41 ID:Rspf/vXbO
音楽室の扉を開く律。
そこには唯がいた。
憂「律さん、お姉ちゃんがどうかしたんですか?」
梓「別に、変わった様子は…。」
梓(いえ、違う!)
梓はすぐに直感した。
姿こそ同じであれ、この唯は自分の知っている唯ではない、と。
律の狼狽した態度が、その考えに真実味を与えていた。
その直後、澪がやって来た…唯を連れて。
澪「どうしたんだよ律?血相変えて唯連れてこいなんて…へ!?」
唯「どうしたの澪ちゃん?」
唯はそう言いながら、澪の後ろから音楽室を覗き込んだ。
ゆい「はじめまして、こっちの私。」
梓「唯先輩が…。」
澪「唯が…。」
憂「お姉ちゃんが…。」
梓澪憂「2人!?」
唯「もうひとりの私?」
ゆい「そ。パラレルワールドのあなた、それが私。」

689 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 21:48:31.69 ID:Rspf/vXbO
ゆい「もう、そんなに驚かなくてもいいでしょ?みんな。」
澪「…………!!」パクパク
ショックのあまり声が出ない澪。
憂「え?お姉ちゃん…?と…お姉…ちゃん…え?」オロオロ
目の前の状況に理解が追いつかない憂。
律「なんで唯が2人いるんだよ!お前何者だよ?!」
ゆい「そそっかしいなあ律は。今言ったでしょ?パラレルワールドの唯だって。」
梓「パラレルワールドの住人…確かに、そう考えれば納得出来なくはないです。」
唯「ドッペルゲンガーだ!」
澪「…!…………!」パクパク
律「いやいや!パラレルワールドのお前だって!と、澪は言ってるぜ唯。」
ゆい「こっちでも律と澪は仲いいんだね。私の世界での2人は恋人同士だし。」
律「んなっ!!」カアア
澪「!!!!!!」シュー…
紬「あらあら、大変。」ニコニコ

710 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/23(日) 22:32:43.91 ID:Rspf/vXbO
ゆい「あははっ!こっちの2人もからかいがいあるなあ。」
律「へ、変な冗談言うなあ!」
律は顔を真っ赤にしてゆいを怒る。
ゆい「紬。みんなの事はどうなったの?」
紬「安心してゆいちゃん。今琴吹家のSPの皆さんが、あなたの世界の軽音部のメンバーを探してるわ。」
ゆい「ありがとう、紬。やっぱり頼りになるなあ。」
唯「ほえ?」
律「ムギ、知ってたのか?」
紬「私も昨日聞いた時はビックリしたわあ。でも、そのゆいちゃんや彼女の軽音部が今大変な事になってるって聞かされたの。ある意味自分達の事だし、黙って見過ごすわけにはいかないじゃない?」
梓「あの…説明してもらえますか?何故パラレルワールドの皆さんがこちらにいるのか。」
ゆいは、自分達に起きた事の顛末をゆっくりと語り出した。
91 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/24(月) 21:15:38.78 ID:Sdfn4hFeO
こむばぬわ
さて、前スレの続きでも



その頃、某所

小さなログハウスに、黒髪ショートの少女が入っていく。
中にはもう1人、カチューシャを付けた少女がいる。
少女A「やっぱりダメだ。桜高までは行けたけど、校門から入ろうとすると見えない壁みたいなのにぶつかって入れねえ。」
少女B「他の場所からはどうなんだ?」
少女A「ダメだろうな。校門以外は塀に囲まれてるから。よじ登ってみたらまた見えない壁がありました、じゃ洒落にならねーし。」
少女B「そっか…。でも、ゆいは校内にいるんだよな?どうやって入ったんだろ?」
少女A「多分、出た先が校内だったんじゃないか?今日、下校時間まで張ってみようぜ。もしかしたら出てくるかもだし。」
少女B「…そうだな。そうしよう。」

125 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/24(月) 21:44:31.15 ID:Sdfn4hFeO
再び音楽室

ゆい「…という訳なの。」
律「唯なのに説明がしっかりしてる…だと…!」
唯「むう~…よく分かんないけど、つまり軽音部のみんなもこっちにいるんだね?」
どこか釈然としないといった表情で律を一瞥しつつ、唯はゆいが話した事を噛み砕いて反復した。
ゆい「うん、そんな感じ。…なんか、自分と会話するって変な感じ。」
ゆいは照れ臭そうに頬を掻く。
澪はふと気になった疑問をぶつけてみた。
澪「なあ、そっちの私達ってどんな感じなんだ?」
ゆい「澪は思い立ったらすぐ行動するタイプだよ。律は恥ずかしがりで怖がりなんだ。」
澪(恥ずかしがりで怖がりの律か…ちょっと見てみたいかも。)ニヤニヤ
ゆい「紬はまさにお嬢様って感じかな。で、私と憂は双子で、梓はツンデレさん。」
梓「ツンデレ…?」
律(向こうの梓もこっちの梓とあんまり変わんねーみたいだな。)

154 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/24(月) 22:19:47.45 ID:Sdfn4hFeO
その時、昼休み終了の予鈴が鳴る。
律「おわっ!もうこんな時間か。あたしらは授業受けに教室戻るから、誰にも見つかんなよ?」
ゆい「ゆい「分かってるよ。じゃあみんな、またあとで。」
律達は、音楽室を出てそれぞれの教室へと向かった。

下校時間前、音楽室

軽音部のメンバー達は、帰路につくべく帰り支度をしていた。
ゆいはと言うと、部活開始からニコニコしながら静かにメンバー達の様子を眺めていた。
唯「よ~し!私がいっちば~ん♪」
律「い~や、あたしのが早かったね!」
澪「小学生かお前らは。」
唯「今日の晩ご飯何かな~?みんな~また明日ね!」
紬「じゃあね~唯ちゃん。」
梓「お疲れ様です、唯先輩。」

174 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/24(月) 23:02:24.83 ID:Sdfn4hFeO
校門前

少女A「まだ出て来ないな…。」
少女B「もう疲れたよ…また明日にしようよ?」
少女達はゆいが学校から出て来るのを一時間ほど待っていた。
少女A「だらしないぞ…来た!」
校門から1人の少女が駆け足で出て来る。
少女B「間違いない、ゆいだ!」
そう言うと、少女Bはゆい?目掛けて走っていった。
少女A「あっバカ!…ったくもう!」
少女Aも後を追って走り出した。
少女B「ゆい~!」
ゆい?「あれ?りっちゃん?あれ?あっちからもりっちゃんが!おのれ、影分身の術か!」
ゆい?は何故か身構える。
律?「へっ?りっちゃん?」
ゆい?「あれ?澪ちゃん…髪切った?」
ゆい?はタ○リ風に聞いた。
澪?「へっ?私は元からショートだろ?…ああ、そういう事か。」

190 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/24(月) 23:31:01.94 ID:Sdfn4hFeO
唯に追いついた律を見て、澪?はすぐに理解した。
律「唯、誰と話してん…どぅえ!?あたし!?」
澪?「やっぱりな…あんたはこの世界の唯なんだろ?」
唯「そうだよ。」
りつ「あたしが…もう1人!?」ササッ
驚きのあまり澪?の後ろに隠れるりつ。
律(うお、何このかわいいあたし。てか、澪がショートってのも新鮮だな。)
澪「お前ら、そんなとこで何を………え?…わ…た…し…。」バタッ
みおを見て卒倒する澪。
律「おい、澪!しっかりしろ!澪~!」
数分後、気を取り戻した澪と共に、もう1人の自分達と話し始める律達。
みお「なんか…りつみたいな子だな、こっちの私。」
澪「ごめん。会った途端に倒れたりして。ああ、恥ずかしい。」

432 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/25(火) 21:21:06.50 ID:0PjMtKS0O
唯「私、ゆいちゃん呼んでくるね!」
そういうと唯は、音楽室へ向かってかけていった。
りつ「わざわざ呼びに行かなくても、携帯で呼び出せばいいのに。」ボソ
律澪(ごもっともです。)
数分後、唯がゆい、紬、梓を連れてやってくる。
ゆい「りつ!みお!2人とも無事だったんだね!良かったあ。」
みお「なあ、ゆい。お前ひょっとして、校内から出られないんじゃないか?」
澪「え?それってどういう…。」
そこまで言って澪は気づいた。
ゆいが校門の前で立ち止まっている事に。
りつ「あの、あたし達、実は校門を通れないの。だから、もしかしたらって思って…。だよね?みお。」
みお「うん、そうだよ、りつ。(ナデナデ)…で、どうなんだ?ゆい。」
紬(うふ☆いいもの見させて戴きましたわあ。)ニコニコ

456 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/25(火) 22:07:48.41 ID:0PjMtKS0O
ゆいは黙って頷いた。
みお「そうか…。」
律「なあ、お前らはなんで校門から先に行けないんだ?」
みお「見えない壁みたいなのがあるんだ。ほら…ってまあ、見て分かるもんでも…。」
律はニヤリとすると、突然みおの手を掴んで校門に走り出した。
みお「ちょ、待っ…ぶはっ!」
みおは何かにぶつかって校門に引っかかった。
律「お~、本当に見えない壁があるんだな。しかし、変な顔。」フフリ
みお「ふぁ~な~ふぇ~!」
りつ「ちょっとお、みおに何するのよ!(ああ、顔!顔が見れない!どうなってるのか気になるのに!)」
律は携帯で写真を撮って、それを駆け寄ってきたりつに見せる。
律「ほ~れほれ。愛しのみおちゅわん☆の変顔でしゅよ~?」ニヤニヤ
りつ(ああ、変顔も可愛いよう、みお…。)ウットリ
みお「ふゃ~むぇ~うぉ~!」
紬(りっちゃんGJ!)ニコニコ
58 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/26(水) 21:38:27.64 ID:RX92yjw8O
梓「腕は通るんですね。」
律「多分、あたしが掴んでるからだろ。」
そう言ってみおの手を離す律。
するとみおは、何かに吹き飛ばされるように校門前から離れた。
みお「いたた…急に離すなよ…はっ!」
律「しましまですか。そうですか。」ニヤニヤ
梓「み…見ちゃいました…。」ダラダラ
りつ(しましま…しましま…。)ドキドキ
みお「見るなあー!」
ゆいはふと、他のメンバーの事が気になって、みお達に聞いた。
ゆい「そういえば、つむぎとあずさちゃんは?」
りつ「それが…2人ともあたし達とは別の所に飛ばされちゃったみたいで…。」
ゆい「そっか。じゃあ、私はここを自由に出入り出来る手段を探してみるね。」
唯「私達も手伝うよ!」
澪「だな。私が同じ状況になったら、早く元の世界に戻りたいって思うだろうし。」
紬「乗りかかった船ですものね。」
ゆい「ありがとう、みんな。」
74 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/26(水) 22:11:59.89 ID:RX92yjw8O
その頃、平行世界

音楽室に3人の少女がいる。
あずさ「やっぱりみんなは戻ってないね…。」
つむぎ「平行世界に動きがあった。みお達が向こう側の自分達と接触した模様。」
どこか機械的な喋り方で向こう側の状況を説明するつむぎ。
うい「でも、なんでこんな事になったんだろ?」
あずさ「確かに…。全員ではなく、あの3人だけが巻き込まれた、というのには、何か意味がありそうね。」
うい「例えばどんな?」
あずさ「そうね、例えば…彼女があの2人を恋人同士にしてしまおうとしてる…とか?」
何やら想像してにやつきながら話すあずさ。
つむぎ「そして、彼女がその行く末をすぐそばで見守る為、自らをも巻き込んだ。そう考えれば合点がいく。」
うい「全くもう、お姉ちゃんたら。…自覚がないぶん、余計厄介な事になってそうで怖いなあ。」
87 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/26(水) 22:52:09.43 ID:RX92yjw8O
再び現行世界

唯「とりあえず、今日はうちに泊まってきなよ。」
りつ「え?でも、おじさん達とか…。」
唯「うん大丈夫!今フランスでワイン産地巡りの真っ最中だから!」
みお(こっちでもラブラブ夫婦!!)
唯「それに、賑やかな方が憂も喜ぶし。」
みお「(こっちでも姉妹仲良しなんだな。)うん、分かった。甘えさせてもらうよ。」
唯はみおとりつを連れて家に帰っていった。
紬「ゆいちゃん、学校に1人ぼっちになっちゃうわね。…そうだわ!私の家のSPを…。」
ゆい「ええ!?いいよ、そんな事までしてくれなくても!」
紬「何があるか分からないのに、女の子1人じゃ心配になっちゃうわ。大丈夫、女の人にするから。」
ゆい「ま、まあ、そこまで言うなら…。」
紬は琴吹家の女性SPを呼び出し、ゆいの身の回りの世話をするように命じた。
律(ムギんちって、マジでどんな家なんだろう…?)
106 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/26(水) 23:58:23.49 ID:RX92yjw8O
平沢家

唯「ただいま~憂~!」
憂「お帰りなさい、お姉ちゃん!いらっしゃい、みおさんりつさん。」
みおりつ「おじゃまします。」
唯「今日のご飯は…おお、カレー!」
憂「お姉ちゃん、きっとみおさん達連れてくると思って、カレーにしたの。」
唯「おお!さすが憂!」
みお(まるで超能力者…いや、これも姉妹愛のなせる技…かな。)
みお達が憂特製のカレーに舌鼓を打っている頃…。

学校、家庭科室

紬が学校側に事情を説明し(といっても本当の事ではないが)、夜の学校を琴吹家で使用する事になった。
そして現在、家庭科室でSP達がゆいの食事を用意している。

数分後

SP1「お待たせ致しました。」
ゆい「あ、ありがとうございます。(うわあ、なんて豪華な…!)」
ゆいの目の前に、まるでフルコースかと言わんばかりの料理達が並べられる。
ゆい(食べきれるかな…?)
643 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/28(金) 20:40:45.43 ID:mVq5/qzdO
次の日の放課後、音楽室

いつも通りにお茶とお喋りを始めるメンバー達。
律「学校から出る方法、なんか見つかった?」
ゆい「ううん、まだ何にも。」
澪「なあ、もしかしたらだけどさ。こっちの世界の物を身につけてれば、自由に行き来できるようになるんじゃないか?」
唯「なるほど、澪ちゃん頭良い!」
ゆい「その手があったか!頭良いね澪!」
律「さすが澪!やっぱ発想力が違うな!」
澪「ええ!?そ、そんな事ないよお!」カアア
律(ふっふっふ。照れてる照れてる。)ニヤニヤ
唯「そうだ!これあげる!」
唯は鞄から不思議な人形がついた携帯ストラップを取り出した。
ゆい「なにこれ?カワイイー!ありがとう!」
律(可愛いのか?)
梓(ゆいさんのセンスも独特だ…。)
655 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/28(金) 21:01:44.21 ID:mVq5/qzdO
下校時間、校門前

前日と同じく、みおとりつは校門前で待っている。
りつ「別に隠れなくてもいいんじゃ…。」
みお「バカ。私達について知らない子に見つかったらややこしい事になるだろ?」
りつ「あ、そっか。やっぱりみおは頭良いなあ。」
みお「と、当然の事を言ったまでだ!」カアア
ゆい「2人は本当に仲良しだね。そんなにぴったり寄り添っちゃって。」
みお「こここコレは見つかりにくくする為であって別にそれ以外の意味は…って!」
みおりつ「ゆい!」
律「おお、そんなとこにいたのか。気づかなかったぜ。」
みお達の声を聞いて、唯達も集まって来た。
りつ「どうやって出てきたの?」
ゆい「じゃ~ん!コレ、唯から貰ったんだ!可愛いでしょ!」
みおりつ「え?」
ゆい「………え?可愛いでしょ?可愛いよね?」
667 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/28(金) 22:07:35.97 ID:mVq5/qzdO
ゆいは急に黙り込むと、あごに手を当て、何かを思案する。
ゆい「よし!りつ!君の気持ち、今こそみおに告白するのよ!」
りつ「ええ?!そんな、いいよそんなの!」
みお(りつの…気持ち?)
律「なんだなんだ?急にどうした?」ワクワク
紬(これはいい急展開!)ワクワク
突然とんでもない事を言い出したゆいに一同は騒然となる。
ゆい「さあ!」
りつ「うう~…。どうしても、今じゃなきゃ…ダメ?」ウルウル
ゆい「うっ…。ま、まあ、心の準備が出来てからでもいいよ?(くうう~、潤んだりつ可愛い~!)」
唯「今日はゆいちゃんもうちにきなよ!憂の作るご飯美味しいよ~!」
澪「唯!また憂ちゃんが混乱しちゃうだろ!」ボソボソ
唯「大丈夫だよ~。それに、告白の瞬間をゆいちゃんに見せてあげないと。」ボソボソ
澪「…まあ、頑張れよ。」ボソ
674 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/28(金) 22:45:45.04 ID:mVq5/qzdO
平沢家

唯ゆい「ただいま~!」
ゆい「じゃなくておじゃましま~す。」
憂「お帰りなさい、お姉ちゃん達。」
みおりつ「ただいま、憂ちゃん。」
食卓を囲み、憂の料理に舌鼓を打つ一同。
食事が終わり、一息ついた頃。
りつが意を決した様に、みおをまっすぐに見つめた。
りつ「…みお。」
みお「…うん。」
唯憂(どきどき…。)
ゆい(ワクワク…。)
りつ「あたし…みおの事…好きなんだ!」
みお「…!」ポッ
唯憂ゆい(おお!)ドキドキ
りつ「友達としてじゃなくて、もっと大切な人になってほしい!あたしの恋人になってほしいの!」
みお「…!!!」カアアアア
唯憂ゆい(おおおおおおお!!)ドキドキ
ゆい(どうなるの?ねえどうなるの?)

360 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 13:11:38.91 ID:gn4F95/CO
沈黙が続く中、みおが静かに話し始めた。
みお「…りつ。私もりつが好き。」
りつ「それじゃ…!」
唯憂ゆい(おお!)
みお「…でもな、私の『好き』って気持ちは、お前の『好き』とは違うんだ。私はお前を、友達として好きなんだ。」
りつ「とも…だち…。」
みお「私はな…ずっとお前の大切な友達で…親友でいたいんだ。」
りつ「………。」
みお「…気持ちは凄く嬉しいよ?でも、恋人になったら、今まで通りでいられなくなる気がするんだ。お前とはずっと仲良しでいたい。恋人じゃなくて、親友として。…ダメ…かな?」
りつ「………。」
ゆい(みお…。)
再び沈黙が訪れる。
しばらくして、りつが話し始めた。
りつ「…そっか。そうだよね。…うん、分かった。『親友』かあ…。それも、悪くないかも。そのかわり、絶交はなしだからね?」
みお「分かってる。…ごめんな。…ありがとう。」
373 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 13:33:32.90 ID:gn4F95/CO
みおはりつを抱きしめた。
りつはみおの胸の中で静かに泣いた。
ゆいはその光景を、残念なような、しかしどこか満足げな、複雑な表情で見つめていた。
唯「おお!もうこんな時間!」
唯の言葉に、全員が時計を見る。
時刻はすでに12時になろうとしていた。
憂「お風呂の準備出来てるんで、みなさんお先にどうぞ。」
唯「ささ!どうぞどうぞ!」

次の日

憂「お姉ちゃん!」
憂が血相を変えて唯の部屋に飛び込んできた。
唯「どしたの憂?そんなに慌てて。」
憂「みんながいなくなってるの!」
唯「な、なんだってー!」
慌てて3人を泊めた両親の部屋を目指す唯。
扉を開くと、そこには確かに人の気配がなかった。
憂「どこ行っちゃったんだろう?」
唯「う~ん…。」
腕組みをして考え込む唯。
382 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 13:51:30.61 ID:gn4F95/CO
ふと枕元に目をやる唯。
そこに小さなメモがあるのを見つける。
唯「コレ見て憂。…そっか。3人とも元の世界に帰れたんだね。」
憂「お別れ、言いそびれちゃったね。」

放課後、音楽室

ゆい達が元の世界に帰った事をメンバー達に報告する唯。
澪「もう行っちゃったのか。一言挨拶しときたかったのにな。」
紬「で、2人の恋路はどうなったの?」ワクワク
唯「みおちゃんがお友達でいましょうっていったら、りっちゃんが泣いちゃって。そしたら、りっちゃんが泣き止むまでみおちゃんが抱きしめてあげてたんだよ~。」
律「…漢だな、向こうのみおは。」
澪「わ、私だって、そのくらい…ハッ!」
律「抱きしめてくれるんでしゅか?澪ちゅわん?」ニヤニヤ
澪「もう!からかうなあ!」カアア
紬(うふふ☆)ニコニコ
梓「なんか、ちょっと残念な気がするです。」
唯「だ~いじょ~ぶだよ~!私はあずにゃんから離れたりしないからね~!」
梓「な、なんでそうなるんですか?」カアア
387 :(仮名) ◆PzD3ftv2xo :2009/08/30(日) 14:14:09.29 ID:gn4F95/CO
平行世界、音楽室

数日ぶりに元の世界の音楽室に戻ってきた3人。
みお「戻って…来れたのか?」
りつ「多分…。」
ゆい「けいおん部よ!私は帰ってきた!」
そこに、あずさ、つむぎ、ういが入ってくる。
うい「お姉ちゃん!…お帰りなさい。」
あずさ「みなさん!無事で何よりです!」
つむぎ「心配したわ~。急に消えちゃうんだもの。」
ゆい「いや~、なんかごめんね?」
りつ「早速、お茶にしよっか。」
みお「先に練習…って言いたいとこだけど、今日はまあ、いいか。」
お茶をしながら、自分達に起きた出来事を話すゆい達。
ういはふと、ゆいの携帯を見る。
そこに、見慣れないストラップが付いているのに気づいた。
うい「お姉ちゃん、そのストラップ…。」
ゆい「あ~コレ?向こうの私に貰ったんだ!」
そう言って、ゆいは遠くを見つめる。
ゆい(もう、会う事もないだろうけど…またね!もうひとりの私!)



終わり