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545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:18:08.18 ID:SgscFkrDO
唯に首ったけ


「だーかーらっ! そこは違うって言っただろ!」
「ほえっ!? そ、そだった……ごめんね、澪ちゃん」
 まったく。軽音部一の問題児だよな。唯は。今日に限って梓は休みだし。ベースの練習できないよ……。
「みーおちゃんっ!」
「ふあっ!」
 唯が抱きついてくる。柔らかくてあったかい。
「『ふあっ!』だって。かーわいーなぁ、澪ちゃんは! うひひひ!」
 ちょっとおやじ入ってるけどな。やれやれ。
「ゆーいっ。あたしから澪を奪ったんだから大事にしなよー?」
「おい律。わたしはあんたの物じゃなかったし、それに……」
 そう。なんだかわたしは唯とそんな関係になっちゃってる。律に彼氏が出来ちゃって、一人で帰ってることが多くなってから唯が……。
「今日も澪ちゃんと一緒に寝たいなー」
「うえっ!? お前らそんなに一緒に寝てんのか?」
「そだよー。わたしがね、わがまま言うんだけど澪ちゃんが泊まりに来てくれるのー」
 そう。唯がわがまま言って、聞かなかったら泣きそうになるからわたしはほとんど平沢家にお邪魔になってる。



546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:19:11.91 ID:SgscFkrDO
 憂ちゃんには歓迎されてるけどなかなか慣れないんだよな。
 唯はいつもこんな感じ。家ではわたしにべたべた。学校でも、音楽室でも似た感じ。うれしいんだけど……。
「唯」
「はーい?」
「練習しないのか?」
「うー……澪ちゃんとくっついてたい……」
 うっ。涙目で上目づかいしてくる唯はすごくかわいい。でも、部活中だし練習のためにもっ!
「ダメだ。練習しないんなら今日はわたし一人で帰るからな!」
「えーっ! やだやだ! 練習頑張るから、練習頑張るから!」
 ちょっと心が痛いけど。頑張らないとライブもあるからしっかりしなきゃ。
 唯が再び練習に没頭するのに合わせてみんなも練習を再開していく。これならまた次も良い演奏ができそうだな。
「それじゃ、わたしの恋はホッチキス合わせるぞっ!」


「澪ちゃん、わたしゃ疲れたよ……」
 唯と二人の帰り道。二人で手をつないで帰るのが日課だ。
「よく頑張ったもんな」
「そうだよ! えへへへー」
 唯が足を止めて目をつむる。なにをする気だ?
「ごほうびはー?」



547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:20:17.25 ID:SgscFkrDO
 ……えーと、ここは外である。そして唯の言うごほうびとはキス、抱く、撫でるだ。わたしに外でそんな恥ずかしい真似をしろというのか。
「ごほうびは……ご、ごはんの後だ! 早く帰るぞ!」
「えー? やだー。疲れてうごけないー」
 最近唯は律に似てきたな。もしかすると律が唯に何か仕込んでるのか? 置いて帰ってしまうか?
「澪ちゃん! ちぅー……」
「ひっ!?」
「あいたぁっ!」
 ゴツンという音が響く。つい頭を殴ってしまった。こんなとこでキスなんかしようとするから……。
「あててて……。えへへ、元気でたぁ。お腹すいたし憂も待ってるから帰ろ?」
 ってそんなのでいいのか! まったく唯の考えてることはわからないよ。やれやれ。


「もーお腹いっぱーい!」
「食べてすぐ横になると健康に悪いぞ」
 最近はもう慣れた唯の部屋。ベッドに腰かけてわたしは読書を始めた。最近はまったく読み進まないんだよな。なぜかって? それは……。
「みーおーちゃーん……とうっ!」
「きゃっ!」
 すぐに唯が抱きついてくるからな。あったかい唯の体温。なんだかやわっこい体。気持ちがいい。



548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:21:58.56 ID:SgscFkrDO
「うひひひっ! よーやくかわいー澪ちゃんと二人きりだっ!」
「どこの変態だ」
「あー。ひどーい。そんなこと言う子にはぁ……おしおきっ!」
「や、やめっ……ふむっ……むぅ……」
 あー。唯の唇やわらかい。息ができない。鼻ですればいっか。ドキドキする。わたし、おかしいな。
「んー……ちゅっ! デザート、おいしくいただかせてもらいました!」
 あれ? いつもより短い。なんでだろ、ちょっとだけ寂しい……。
「……唯」
「なーに? 澪ちゃん?」
「足りない……よ?」
 無意識とは言えわたしは今何を言った!? 唯は目をキラキラさせて「おおっ!」とか言ってるし……。
「ふふーん。澪ちゃん、欲張りな子にはおじちゃんがおしおきしてあげるっ!」
「だ、誰がおじちゃ……うわっ! やめっ……そこは……あぅ……」
 唇。首。体。わたしの全身に唯が口づける。唯の愛情表現は気持ちよかったりくすぐったかったり。ん……なんか痛っ……。
「ち、ちょっと唯っ! そんなに吸ったら!」
「ほえ?」
 近くにある手鏡を取り首筋を写してみると真っ赤にあざがついてる。キスマークってやつだろう。



549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:22:44.06 ID:SgscFkrDO
「あーあ……これは制服着ても見えるな……」
 絶対に律になんか言われるな。もうついてしまったものはしょうがないけどな。だからそんな顔するな、唯。
「ごめんね澪ちゃん。考えてなかったよぅ……」
 申し訳無さそうな顔の唯を抱き寄せてキスマークがついた部分辺りにキスをしてみた。ゆ、唯がかわいいからいけないんだぞ?
「うひゃあ……」
 唯がつけたキスマークより少し大きなキスマーク。わたしの口が大きいのか。
「澪ちゃん! お揃いだねっ!」
「そーだな」
 何度も何度もその部分を見返している唯を見ながらわたしは唯のギターを取った。
 ギー太と名前のついたこのギター。唯には似合わない重さにネック。構えてみると少し重いけどネックはわたしにはぴったりだ。はぁ、手が大きいからなぁ……。
「あー澪ちゃんダメダメ! ギー太はわたしと遊ぶの!」
「ふーん。じゃあわたしも自分のベースと遊ぼうかな?」
「それもダメ! 澪ちゃんはわたしと遊ぶ!」
 どんな遊びをするつもりだ。唯のやつは。
「澪ちゃん。わたし練習したいから教えて!」



550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/28(金) 15:23:46.35 ID:SgscFkrDO
 ああ。確かにそれだったら3人で遊ぶみたいになるな。唯は家ではよく練習するんだよな。学校では全然だが。
「それじゃあ練習するか。みっちりしてみんなに置いてかれないようにするぞ!」
「ラジャーです! 隊長!」
「最初はふでペンの出だしのリフからやろう」
「ラジャー!」
 わたしがいて唯が練習する。唯が笑顔になってわたしも頑張れる。時には唯にイライラするかもしれない。でもそれも必要なことかもな。
 ギー太と遊んでる唯はすごく輝いてる。それを見るわたしはきっと唯に首ったけなんだな。
「澪ちゃん。わたしギー太に首ったけなんだよー。でもねそれ以上に澪ちゃんに首ったけー!」
 ……心の中を読まれたな。ギー太を担いでわたしに抱きついてくる唯。普段からギターを大事に扱えって言ってるのに。
 やれやれ。唯が離してくれたら一叱りしてやんないとな。


おわり