このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 2』というスレに投下されたものです
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639 名前:13話で憂なしゆいあず[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:04:31 ID:x2hWWjlW
「君を見てると~いつもハートドキドキ♪」ギュッ
「ちょっ、いきなりなんですか!?」
 そう、いきなりそんなこと言われたら、心の準備が…って何言ってるんだ私。
 こんにちは、中野梓です。今日の部室はなんだかいつもとは違う雰囲気。皆さんテンションが低いような…?
 斯く言う私も今度の日曜日に友達のねこを預かる約束をしてしまい、気が重い。そんな中―
「そうだ、日曜日、家で鍋しようよ!あずにゃん!」
 私にひっついたままいつもと変わらないテンションで唯先輩は言う。
「私ちょっとその日は…家から出られそうにないんです。」
「ええ~そんなぁ」
 先輩方にも断られ、子供のように残念がる唯先輩。小学生か!なんて思っちゃうこともしばしば。そんなところが唯先輩の魅力なんだろうな。
 私だって本当は、行きたいんですよ?


―日曜日―


「こんな時におかしなメールよこさないでくださいっ!」
 あまりにも能天気な唯先輩からのメールに、思わず声を張り上げてしまう。でも、私は反射的に電話をしていた。
「…どんな時?」
「ねこです!友達から預かったこねこが…」
「どうしたの?」
「わからないんですけど、具合が悪そうで…でも、今家に誰もいなくて――私、どうしたらいいか…」
「わかった!あずにゃん落ち着いて、すぐ行くからね!」
 いつもとは違う力強い声が、不安で押しつぶされそうな心に響く。
 唯先輩……唯先輩、早く来て…


 ――ピンポーン
「ハァ、ハァ…あ、あずにゃん、来たよ!」
「うぅ…唯先輩、あずにゃん2号が、あずにゃん2号がぁ!」
「あ、あずにゃん2号!?」
「はい…グスッ…あずにゃん2号が…苦しそうで…私…ヒクッ…」
「大丈夫だよ、私も一緒にいるから、ね?」
 そう言って私の手をキュッと握ってくれた。手の体温が伝わる。
 外は寒いのにこんなに暖まるまで、息を切らせて走って来てくれたんだ、唯先輩…。
640 名前:13話で憂なしゆいあず[sage] 投稿日:2009/08/31(月) 23:06:22 ID:x2hWWjlW
「すみません、お騒がせして…」
「ううん。よかったね、あずにゃん2号なんでもなくて」
「ねこが毛玉吐くなんて知らなかったもので…」
 本当、お騒がせだ。わざわざ急いで来てもらったのに…。はぁ、迷惑かけちゃったな……。
 溜息が何度も漏れる。すると――
「あーん♪」
「え…」
「ほい!あずにゃん」
 そう言ってマシュマロを差し出す唯先輩。暖かい笑顔をこちらに向けて、気にするなよ、と言わんばかりに……
 もぅ、どこのイケメンですか。
 ―パクッ
「やっぱりこのまま食べたほうがおいしいかもねっ」
「あたりまえ…でふよぉ…えぐっ…」
 マシュマロを頬張りながら出たのは憎まれ口。それでも私は安堵の気持ちから思わず涙ぐんでしまった。
 そんな私を唯先輩はそっと抱き締めてくれた。いつもよりさらに優しく、柔らかく。
「…あずにゃん、怖かったよね、不安だったよね。私も一緒にこねこの世話するから、もう大丈夫だよ?」
 そう言って先輩は私の頭を撫でる。
 これだから唯先輩は困る。だらしなくて、子供みたいで、なのにここぞって時は本当に頼りになる先輩。
 困る。ここまでされたら、私の気持ちが抑えきれません。
「グスッ…唯先輩、今度は……私の面倒も見てくださいね?」
 揺れる思いはマシュマロみたいにふわふわ―か。澪先輩、今ならこの歌詞の意味分かります。
「大好きです、唯先輩」
「……えへへ、私も」

 私達はそっと唇を重ねた。






「ところであずにゃん」
「へ?」
「あずにゃん2号って名前…」
「そっそそれは、あ、あのですね、こ言葉のあやって言うかくぁwせdrftgyふじこ」
「かーわいい♪」

おしまい




すばらしい作品をありがとう

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最終更新:2009年09月01日 01:40