23 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:26:56.36 ID:25b1aJMm0
「コーラ買ってきてよー」
これがきっかけの一言だった。私がそう言うと友人A(♂)は面倒くさがりながらも私が甘えたら買いに行ってくれた。そのくせ「律は友達で終わるタイプだな」とか言ってきやがってリアルファイトになったことがある。
まあそんなわけで部屋に二人きりの状態でも何も起こらないわけ。女として見られてないのか私は…まあいいや。
「買ってきたぞ。つーかぼちぼち終電だろ?とっとと帰れ」
コンビニまで行ってきたのか袋の中にはおにぎりやらお菓子やらもまぎれている。
「えー、今日もうメンドーだから泊まってくー!明日1限一緒の講義だしいいじゃーん!」
「寝込み襲うぞコラ」
襲うなら襲えこの野郎。なんて冗談をやりあっている私は気付いてしまった。


24 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:29:09.11 ID:25b1aJMm0
「…おい、このコーラ」
「なんだよ、コーラだろ?まさか1.5リットルで買って来いとか言うんじゃないだろうな?」
そうじゃない、大きさは別にいいんだけど
「じゃなくてさ、どうしてコカコーラなんだよ」
「は?コーラはコカコーラだろ?他に何があるんだよ」
こいつは…何を言っているのだろうか?以下、私とこいつの会話が続く。
律「お前コーラったらペプシしかないだろ!」

A「はあ?ペプシぃ!?お前コーラはコカだろ常考!」

律「何がjkだ!そんなネット用語使ってるから女もできねーんだよ!」

A「ちょっ!それまるで関係ねー!つーかお前まさかペプシなんかをコーラだと思ってんのか?あ?」

律「むしろコカをコーラだとお前が勘違いしてるんだろ?え!?」

A「ぬぬぬ…」

律「むむむ…」


26 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:43:22.95 ID:25b1aJMm0
A「律よぉ、コーラ=コカは世界…いや宇宙の真理だぜ」

律「そんな嫌な黒光りした汚泥が飲めるか!」

A「ペプシの甘ったるさっていったら芸能界の身内に対する甘さよりなってねーし!」

律「わけのわからない亜種を出しすぎな時点で味に自信がないんだろコカさんは!」

A「ペプシこそ頭イカれたクズフレーバーでごまかしてるじゃねーかよ!」

律「その考えが既にオールドタイプだっつーの!ペプシは爽やかな味を取り入れて万人に好かれる飲み物なんだよ!
某日本人教育家は死の直前に『ペプシが飲みたいなぁ』って言ったぐらいなんだぜ!そんな歴史のあやふやなコークなんちゃらに負ける要素ないね!」

A「へ。コカはコカコーラキッドって映画やゲームでメディアミックスを通して人類に存在価値を訴えかけているんだ!最近のCMもあのぷしゅっ!って音と注いだ時のトクトクトク…シュワァーって音…あれはペプシじゃ再現できないね」

律「はー↑!?何がコカコーラキッドだよ!あんなバカデカい『セガなんてだせーよなー!』なゲームギアのゲームって時点で終わってるし!それに比べてペプシマン見ろよ!
あいつの正体はNASAが意志を持った金属を開発中たまたま研究員が飲んでいたペプシコーラのロゴと突然融合し誕生したヒーローなんだぜ!」

A「なんだその5流アニメの設定にも出てこないゴミ背景は」

律「…お前も頭やられてるんだな…。
ペプシマンの真の目的は日本市場の長きにわたる帝国支配を憂い、ペプシでなければ癒せない渇きから人々を救済することなんだよ!
つまり…お前はすでにコカという帝国主義に飼いならされて洗脳を施されているんだよ!!」


な・・・なんだってー!!


27 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:46:01.78 ID:25b1aJMm0
「セルフ突っこみやめい」
逆突っこみを受けてしまった。
「てへ♪とにかくよー!お前と私には埋められない溝があるってことはわかったぜ…」
「そうみたいだな…ったく…」
そうしているとこいつは部屋を出て行ってしまった。なんだあいつ…?
程なく帰ってきたあいつの手には…
「あ!ペプシ!!」
「たく、今コップに」
そのまま飲むー!と奴の手からペプシを奪う私。そうか、アパート角にある自販機はペプシだったからそこで買ったのか。んーこれこれ!
「ぷっはー!やっぱりペプシに限るぜー!」
ああそうかいとこいつはコーラをぐびぐび飲んでいる。
「…まあ…たまにはコカも飲んでやるかな」
その姿に何か感じたわけじゃないけど私は余っていた未開封のペットボトルを開けた。
「じゃあ…俺もたまにはペプシ飲んでやるよ」
私に気を遣ったのかそいつもペプシをってそれは私が飲ん
「なんか甘く感じるな…やっぱり俺はコ―…どした律?」
「あ…いやーそれは私が飲んでたヤツだからその間接的にー…」
あれだけ悪ふざけをし合っていたのに何故か気にしてしまった。
「はあ?バッバカじゃねーの!?何いきない乙女チックになってやがるんだよ!」
向こうも微妙に気まずそうだ。


28 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:49:29.52 ID:25b1aJMm0
ピンポーン

なんか気まずかった私たちを救う尋ね人だ。
「誰だこんな時間に?」
あいつは不思議がりながらドアを開いた。そこには…

ペプシマン「しゅわーーーーーー!!!」

ビンのペプシを持ったあいつが目の前に現れ

シュポブシューーーーーーーーーーーー!!!!

ペプシマン「しゅわーーーーーーー!?!?!?!?」

栓抜きで勢いよくあけたらペプシが凄い勢いで噴出しペプシマンに直撃。ペプシマン明らか動揺。つーか栓抜きタイプのペプシってまだあるんだな…。



29 :なめたん ◆k05EaQk1Yg :2009/09/09(水) 01:50:59.71 ID:25b1aJMm0


「…ん?」
目が覚めると私はベッドで横になっていた。
「起きたか。ペプシだコカだの討論が終わったらすぐ寝やがって…しかも人の貴重なベッドを…」
恨めしそうな視線を私に浴びせかける男…ああ、ペプシマンが出てきた気がしたが…夢か。
「1限休講らしいからさっさと帰って家で寝ろ」
冷たくあしらう男。その気まずい空気…まさか
「お前私が寝てる間に」
「するか。だいたいお前のどこに魅力を感じればいいんだ?俺がそそられるであろうポイントを原稿用紙一枚にまとめろ。まあ…俺がお前について書いたら2行が限界だな」
相変わらずの扱いでなんとなく安心する。
「…なっ…何ニヤニヤしてんだよ気持ち悪い」
私はどうやらニヤニヤ顔だったらしいな。
「べっつにー?お前まさか私のぬくもりが残っているうちにこのベッドの匂いで」
カンッ!空き缶を投げつけられてしまった。最後まで言わせろし。
「ゴミ箱に入れなかっただけありがたく思え」
なんかいつも以上にトゲトゲしてるな…まあいいや。私は顔だけ洗ってそのままそいつの家を後にした。帰り際
「今度はコカコーラでもいいぜ!」
って言いながら不意打ちで後ろからツンって背中をつついてやった。
「そりゃどーも」
こいつは私の頭にチョップしてきやがった。コーラの話しているときと違って随分クールだこと。なんか私とこいつの関係ってコカとペプシの関係みたいな気がするぜ…。なーんとなくだけど。
今度はコカでも持ってきてやるか…。

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最終更新:2009年09月09日 02:05