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143 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/09/21(月) 17:47:47.61 ID:kU6wH7iM0
四月、新学期、音楽室。
二年生になった私たちは新歓ライブを終え、扉の前で新入部員が入ってくるのを待っていた。
「誰も、来ないねりっちゃん……」
「まぁ、あせるなよ。絶対来るからさ…むーん」ジー
「あの…そんなところにいると来るものも来ないのでは…?」
そんなやり取りをしてると、ムギちゃんが声をかけてきた。
「そうだな、ムギ…ほら律、唯、戻るぞ」スタスタ
「おいしいケーキとお茶もあるわよ~」
「わっはーい さっすがムギちゃん!」私とりっちゃんは席のほうへと戻っていく。

おいしいケーキを食べながら、みんなと楽しく話す。いつもどおりの空間。そこへ――――
「あの…」黒髪のツインテールの、ちっちゃな女の子が入ってきた。
「軽音楽部に入部させてください!」…今、なんて?
「ですから…入部希望ですよ」「ホントに!?」りっちゃんが飛び出す。
「はい、これからよろしくお願いします!」
「やったーーーー!!!」ダダッ ギュゥ
「ひ、ひゃああ!?や、やめてください!」
「あらあら、うふふ」
…この日から、中野梓ことあずにゃんが入部した。
だけど、それは私にとって間違いだったのかもしれない――――――


144 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/09/21(月) 17:48:30.02 ID:kU6wH7iM0
数ヵ月後。

「何だ唯、また遅れてたぞ?大丈夫か?」
「お前が言うな!…にしても唯、これは…次のライブ、梓がメインになっちゃうぞ?」
「うぅ…」私は狼狽する。
「そうですよ先輩、新歓ライブのときの実力はどうしたんですか?」
「よ、腰痛がひどくて…えへへ」
「唯…」りっちゃんが肩に手を置いた。

「お前、言い訳してる場合じゃないだろ?もうちょっと練習して来い。それまでうちに来るな」
りっちゃんの口から衝撃の一言。―――私の中の、時が止まった。
「そんな、りっちゃん!そこまで言わなくても…」
「…いいよムギちゃん。じゃ、私帰るね」ガタッ ガサガサ バタン
「……律…お前、言い過ぎなんじゃないか?」
「いいんだよ。…私は、唯のために厳しく言ったまでだ。さーて、練習するぞー」スタスタ
「唯ちゃん・・・」チラッ






145 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/09/21(月) 17:49:17.67 ID:kU6wH7iM0
「何さ、りっちゃんのバカ!自分のドラムもちょっと遅れてるくせに!」
…だけど、うだうだ愚痴を言っていても何も始まらない。私は、どうにかして軽音部に戻らなくちゃ…
「…こんなはずじゃなかったんだけどなぁ。私の未来は、もっと明るくて楽しくて――――」
「…ま、そこまでうまく行くわけないよね…さてと、ギー太今日から目いっぱい練習だよ!」チャキッ
私はギー太をかまえ、練習を始めることにした。そして数時間後―――
「…ふぅ、疲れちゃった……んー、だけどあんなりっちゃん初めてだなぁ」
「…そうだよね、ギー太…元はといえば私がいけないんだよね。あずにゃんには負けてられない…!」
よし、やるぞ!と意気込んだ私は、休憩を終えてさらに練習を続けた。

ギー太と私以外、誰もいない空間。
弾き続けるたびに、だんだん上達していく自分。
「見えた!高速の、ヴィジョン…!」
いける…今の、私なら…きっと…!




146 :午後の麦茶 ◆aozzrhnk3A :2009/09/21(月) 17:50:43.06 ID:kU6wH7iM0
一週間後。
「…唯の奴、来なくなっちゃったなぁ。…馬鹿律のせいだぞ…」
「これも、りっちゃんがきつく言うからよ…」
「…いや、唯ならきっと戻ってくるさ。あいつは、すぐ投げ出すような奴じゃない」
ばぁん!と大きな音をたてて扉を開いた。「…ほらな」にやり、とりっちゃんが笑っている。
「あずにゃん、私と勝負だよ!」
「え、私とですか…?もちろん受けてたちますけど…」
「よし唯、じゃあこの曲だ!これを三日で練習して来い!」ピラッ
りっちゃんに楽譜を渡される。曲名は…「NEXT LEVEL」…?なぁんだ…
「りっちゃん、これならもう練習してきてるよ。ここに来るまでの間に、ずっとやってたんだ」
その一言に驚くりっちゃん。
「げ、マジか?じゃあいろいろ練習してきたわけだな…」
「うん!…あずにゃんは、大丈夫?」
「…大丈夫ですよ!私も家で自主練習するときにいろいろな曲を練習してますから!」

「じゃあ行くぞ、唯!ワンツースリー」カンカンカン
りっちゃんがリズムを刻む。…音の流れが…見える。
私の願いが…今現実になった。誰もいない時空…私はまだ、進化していける…!
「最強のレジェンド 見逃すな…ついて来れるなら…♪」