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320 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:15:40.82 ID:txt/qELi0
【ギター姫】

「あぁ!お姉さま!!なんてことを!」

唯お姉さまは私の大切なお姉さまだ。
今日も学校に行く途中でベンツをへこませてしまった。

「これで13回目ですよ?お姉さまっ!」
「13回目?不吉ですわぁ」
「そ、そんなことを言ってるんじゃないんですぅ」

ダメだ。今日もお姉さまは天然ボケをかますつもりだ。

「それにしても…困りましたね、あずにゃん子」
「おやめください、お姉さま。私のことは梓と呼んでください」
「わかったわ、あずにゃん子。ダメね、何度キーを回してもエンジンがかからないわ」

あぁ、神様…


321 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:23:55.54 ID:txt/qELi0
「ちょっと、あずにゃん子、聞いてるの?」
「は、はいっ!お姉さま!」
「しょうがないから押して学校まで行くわよ」
「えっ!ちょっとそれは…」
「そんなに遠くないじゃない。少しの辛抱よ」

結局、私達はベンツを押して校門をくぐり抜けた。
なんでお姉さまがベンツに乗っているかって?
それは『お姉さま』だからです。

「ちょっと、2人とも。今日で24回目の遅刻よ」

しまった!さわ子先生に捕まってしまった…



322 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:24:56.08 ID:txt/qELi0
「そういえば、今年は24時間テレビ見れなかったわ…」
「ちょっと、聞いているの!?今すぐ職員室に来なさい!」
「は~い」

見かねた私はお姉さまに怒った。

「お姉さまっ!少しは反省してくださいっ!」
「あずにゃん子、乗って」
「は?」
「エンジンかかったわ。これから職員室に行きます」
「えっ?それって…」

私の言葉に耳を傾ける様子もなく、お姉さまはキーを回した。

「あ、あなた達、待ちなさい!」

さわ子先生の制止も虚しく、お姉さまは車を発進させた。


324 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:27:43.14 ID:txt/qELi0
「さぁ、行くわよぉ」
「ほ、ほんとに行くんですか?職員室…」
「もちろんよっ!」

気付いた時には、私達は職員室に突っ込んでいた。
逃げまどう先生方。
あぁ…これで退学決定だ…
私は放心状態になってしまった。

「たのも~っ!」

お姉さまは相変わらずのノリだし…
そこに、聞きなれた声がした。

「唯嬢!そこにいたかっ!」

声の主は、おでこが輝き過ぎて直視できないものの、律王子様だと分かった。



326 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:31:58.90 ID:txt/qELi0
「あっ、その声は律王子様!」
「唯嬢!会いたかったぞ!」

二人は車の中で固く抱き合った。
なんだかここにいるのが悪い気がして、私は車を降りた。

「お幸せに…」

2人に聞こえないような小さな声で、私は別れの言葉を告げ、そこから去って行った。

「はっ!!!」

ガバッと布団から体を起こし、私は辺りを見回した。

「夢、か…」


328 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 20:36:06.62 ID:txt/qELi0
あっ、パジャマが汗でぐっしょりだ…
私はベッドから起き上がり冷蔵庫から冷えたお茶を取り出し、飲んだ。

「ふぅ~」

それにしても…唯先輩の夢を見るなんて。
私、そんなに唯先輩の事を意識してたんなんて…
思わず顔が熱くなる。
私は首をぶんぶんと振った。

「なんかやだ。いや、いやじゃないかなぁ…」

何だか心の中がモヤモヤする感じ…

「むしろいいかも…」

今度、唯先輩のこと『お姉さま』って呼んでみようかな…

Fin