245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:29:06.63 ID:LW+bWwW50
季節は6月。
ぽかぽかした陽気が窓から降り注ぎ、私は目覚めた。
唯「布団あったかーい」
布団でくるくる丸まり、ひょこっと顔を出す。
人肌で、日差しで温もりを得た布団より気持ちいいものはない。
唯「えへへ……」
憂が起こしに来ないと言うことは、まだ時間じゃないということだ。
私はそう思い込み、二度寝しようと決心した。
だって、こんなに暖かくて気持ちがいいんだし……
そして私は本日二度目の眠りについた
246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:29:56.48 ID:LW+bWwW50
「――おい、――きろ」
私の耳元で囁くよう声が聞こえる。
憂かな? まだ寝てすぐなのに……
唯「ええと……、あと5時間……」
半分夢心地で私はそう答える。
いつもならすぐにバッと起きるんだけど、今日は眠気が凄い。なんかもう色々やばい。
「おい、起きろ馬鹿。カステラあげるから」
唯「かすてらっ?!」
バッ! と言わず、ガバッ! という感じで私は飛び起きた。
丁度カステラを食べたかったし、憂が「朝からおやつ食べちゃだめだよ」
と言うので今までに朝から甘いものを食べたことが無かった。
唯「あ、あれ? ここどこ?」
起きるとそこは私のベッドだけがあり、辺り一面が真っ白だった。
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:31:00.43 ID:LW+bWwW50
「やーっと起きたか。まさか二度寝するとは思わなかったわ」
その声が聞こえた方を見ると、一人の人が立っていた。
顔は男性なのか女性なのか分からないような抽象的な顔で、整った顔立ち。
私は勇気を出して話しかけてみる。
唯「あ、あの……あなたは誰ですか?」
そう言うと、その人はおなかを抱えいきなり笑いだした。
わ、私変なこと言ったかな……?
「普通このタイミングで俺が誰かって聞くかー? ここはどこですか?! とかなら分かるけど」
流石俺の選んだ女だ。そう言ってまた笑い出した。
澪ちゃん達にもよく言われるし、もしかして私って本当に変なのかな?
「まあいい、俺は世間一般で言う『神』ってやつだ」
「んで、ここは現実とは違う別の世界」
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:31:53.52 ID:LW+bWwW50
唯「か、神様……?」
まさか私が生きている内に神様に会えるなんて。
「人間界ではそう呼ばれてるな。本当はちゃんとした名前があるんだが……」
唯「……か、かっこいい!!!」
「えっ」
唯「凄い!! 私今神様と話してるんだよ!!! ちょ、写真とろうよ写真!」
写真とってりっちゃんたちに自慢しよう!
そう思い私はベッドの上にある携帯を……
唯「あ、あれ。携帯がない……?」
「だーから、さっき言っただろ。ここは現実世界じゃないって」
あれ? そんな事言ったっけ?
記憶にない……
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:32:38.10 ID:LW+bWwW50
「言ったよ……話し聞いとけよ……」
唯「ご、ごめんなさ……って、なんで私喋ってないのに?」
「一応神だからな。大体考えてくる事は分かるぞ」
うへえ……じゃあ私今まで全部見られてたのか。
まあ別に見られて困るものじゃないけど……
澪ちゃんとまではいかないけどやっぱりちょっと恥ずかしい。
というかここ現実世界じゃないんだ。通りで辺りが真っ白で何も無いと思った。
「……まあいい、さて、本題に入るが」
「お前さ、『ゲーム』しないか?」
251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:33:50.98 ID:LW+bWwW50
唯「げーむ?」
ゲームってあの、スマブラとかかな?
それともドラクエとかファイナルファンタジーとかRPG?
ああ、最近ゲームしてないからやりたくなっちゃった……
「違う違う。今からルール説明するから聞いてろよ」
唯「は、はいっ!」
私はわくわくしながらその話を聞いた
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:35:22.63 ID:LW+bWwW50
話は難しく、私は小一時間考えてやっとその話の内容が分かった。
その話の内容は、
私含め、全員で5人の人間が『ゲーム』に参加し、
参加したメンバーは『指輪』が一人一人に与えられる。
その指輪には身体を回復したり、攻撃したりというあらゆる効果が備わっている。
5人の人間は指輪を使って戦いあう。
勝利条件は『指輪の破壊』『指輪所持者の命の損失』『相手に降参させる』のいずれか。
そしてその5人の中で一人、勝ったものは何でも願いを叶えることができる……
唯「ということだよね?」
「……まあ、そういうことだな」
神様はどこからかタバコを取り出し、手から火を出してタバコに火をつけた。
唯「その願いって、不老不死とかでも叶えてくれるの?!」
「いったろー、何でも叶えるって」
唯「ほ、ほんとに?!」
これほど心惹かれる出来事はないよ!
たぶん私は今、目を爛々と輝かせてる。すっごい楽しそう!
253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:36:17.56 ID:LW+bWwW50
「ああ本当だ。どうだ? やるか?」
唯「やるやる!! やります! 是非やらせて下さい!!!」
「そうか……、じゃあほら、これがお前の指輪だ」
そう言って、神様は私に赤いルビーの様な指輪をくれた
「ほら、それつけてみろ」
神様の言う通りに私はその指輪をつけた。
途端。指輪は輝き、辺り一面を真っ赤に染めた。
唯「きれー」
「これで俺と契約は結ばれたって訳だ」
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/29(火) 18:37:04.42 ID:LW+bWwW50
唯「あっ、さっき言ってた指輪の効果とかはどうしたらできるの?」
「俺の名前を叫んでくれたらいつでも出来る」
神様はそういうと、いきなり姿がぶれ始めた。
神様だけじゃなく、あたりの壁、空も。
「あー……呼んでる。そろそろ時間だ」
唯「あの……名前は」
「そうだな、俺の名前は――」
名前を聞いた途端、辺りが一面ぐにゃぐにゃと変形していく。
私の意識は少しずつ薄れていき、やがて視界は真っ暗になった。
430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:38:20.69 ID:WkCq2Xye0
憂「お姉ちゃん? 朝だよー」
唯「ん~? ういー?」
憂の声が聞こえる。
私の身体はまだ睡眠を要求しているけど、我慢して体を起こす。
唯「って、もしかしてさっきのは夢っ?!」
私は慌てて右手の人指し指を見る。
そこにはちゃんと赤い指輪が。私は安堵の息をついた。
憂「どうしたのお姉ちゃん? いい夢でも見たの?」
唯「そうだよー、さっきね、私――」
っと、危ない。
確か他言無用なんだっけ。
あともうちょっとで願いが叶う可能性がパーになるところだった。
431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:40:16.89 ID:WkCq2Xye0
憂「お姉ちゃん?」
唯「……ごめんうい、忘れちゃったー」
憂「そういうことだろうと思った。ほら、ご飯できてるよ」
唯「あーい」
そう言って憂は私の部屋の扉を閉め、階段を下りた。
憂は私の自慢の妹だ。家事は何でもできるし……
唯一私が自慢できるところ。それが憂!
唯「って、うわあ! 練習に遅れる!」
慌てて私は服を着替え、ギー太を背負い憂の待つ下のリビングに降りた。
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:41:52.36 ID:WkCq2Xye0
唯「ひっへひまーふ!」
ジャムを塗ったパンを咥えながら走り出す。
今日は朝から夕方まで練習だ。
練習はしんどくて辛いけど、それ以上にけいおん部の皆と一緒にいるのが、、
ギターを弾くのが今の私にとって一番の楽しみ。
走る事数分、私が通ってる桜高に着いた。
校舎に入り、携帯を見る……よし、まだ時間はある。
急いで階段を駆け上がり、私は桜高軽音部の部室の前に来た
唯「みんなおはよー」
ガチャ、と扉を開けるとそこには澪ちゃんとりっちゃんがいた。
あずにゃんとむぎちゃんはまだ来てない様子。
もうちょっとゆっくりしとけばよかった……とため息を吐き、
ギターを肩から下ろしいつも使ってる私愛用の椅子へと座る。
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:43:09.60 ID:WkCq2Xye0
唯「まだ二人だけ?」
律「ん、そうだぞ。というかむぎと梓はなんか用事で来れないらしいんだ」
唯「えっ、じゃあ今日は三人だけ?」
澪「そういう事になるな」
そんな……あずにゃんとむぎちゃんが休みだなんて。
そういや昨日の練習の後、用事があるとかなんとか言ってたような気がしてきた。
律「……なあ、唯」
唯「んー? どうしたの?」
声のする方を見ると、りっちゃんは真剣な眼差しで私を見ていた。
澪ちゃんも同じく。
435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:44:49.21 ID:WkCq2Xye0
律「もしかして唯もその指輪、『神様』から貰ったのか?」
唯「え……」
りっちゃんは私の右手に気がついたようで、それを指差しながらそう言った。
なんでりっちゃんがこの指輪の事に、神様のことについて知ってるの?
私は慌てて右手を後ろに隠した。
……あれ? そもそもこの指輪は所持者以外には見えないんじゃ?
ということはりっちゃんももしかして……
唯「も、もしかしてりっちゃんも?」
そう聞くとりっちゃんは右手を差し出した。
436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:45:50.00 ID:WkCq2Xye0
唯「黄色……」
律「ちなみに澪は青色だ」
りっちゃんがそういうと澪ちゃんも手を差し出した。
その指にはきれいな青い色をサファイアの様な宝石のついた指輪がはめられていた。
唯「ということは5人中3人のけいおん部員が指輪所持者……」
偶然。な訳がない。
日本中には1億人以上の人がいるわけで、
その中から5人が選ばれ、冷静に考えると私が当たる可能性は1%もない。
なのに私が当たり、次いで友達の、同じ部活のりっちゃんと澪ちゃんが所持者。
そしてけいおん部は5人。
ということはりっちゃんと澪ちゃんが所持者なら、
むぎちゃんとあずにゃんももしかして所持者の可能性も……
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:48:03.48 ID:WkCq2Xye0
私がそういうと、数秒の間が空いて澪ちゃんが声を発した。
澪「その可能性も0じゃないな。でも部員以外という可能性も0じゃない」
澪ちゃんはそう意味深なセリフを言って、手前にある紅茶を飲んだ。
律「ということで、今日の夜作戦会議しないか?」
律「私たちでグループを組むんだよ」
唯「グループを……?」
なんでグループを組む必要があるのか。
3人残っても3人共願いが叶えられる訳じゃないはず。
難しい顔をしてる私の顔を見て察知したのか、りっちゃんは笑った。
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:49:02.11 ID:WkCq2Xye0
律「バカ、私たちは唯を嵌めようとなんてしないよ」
律「友達をそんなことする奴なんていねーよ」
わたしらそんなに信用ないか?
りっちゃんはそういって演技でおいおいと澪ちゃんに抱きついて泣き出した。
唯「違うよりっちゃん。グループ組む必要があるのかなーって」
唯「私たち近かれ遠かれ戦うことになるかもしれないのに……」
律「1人で行動するよりも3人でいたほうが危なくないし」
律「それにもし相手数人がグループを組んで攻撃してきた時、勝率はこっちのが高くなる」
唯「なるほど……」
439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 18:50:31.08 ID:WkCq2Xye0
律「というわけで唯、私たちとグループ組もうぜ!」
確かに1人でいるより3人で行動したほうが楽しいし危険も少なくなる。
というか私にもまだ分からない事が多いし……
それにりっちゃん達の誘いを断る理由がない。
唯「じゃあ組みますっ!」
律「おお唯! 分かってくれたか!」
唯「もちろんです! りっちゃん隊員!」
そういって私たちは力強く抱き合った。
りっちゃんの体は暖かくて、柔らかくてすごく気持ちがよかった
441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:05:30.76 ID:WkCq2Xye0
澪「……で、作戦会議はどうするんだ」
律「そうだな、さっき言ったけど今日の夜、9時くらいから学校の運動場でしようぜ」
律「そして今日の練習はお開き!」
澪「なんでそうなる」
いつもの様に澪ちゃんはりっちゃんの頭を軽く叩く。
なんだかいつも異常におかしくて、私は笑ってしまった。
律「うう……じゃあ三人で適当に音合わせるか……」
そしていつも通りの練習が始まった。
いつも通りに。
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:07:52.71 ID:WkCq2Xye0
唯「うー、疲れた……」
朝から夕方までみっちり練習。
と言っても途中でお茶飲んだりしてたので、ずっと練習してたっていう訳じゃないけど
中々疲れて、流石の澪ちゃんもちょっと応えてるようだった。
律「お腹すいた……」
澪「久しぶりに思いっきり練習したなー」
満足そうな声で澪ちゃんはそう言う。
確かに今までさぼりがちだったけど、やっぱりギターを弾くというのは楽しい。
ギターをケースにしまい終えて、私は携帯で時刻を確認する。
唯「って、もう6時だ! 早く帰らなきゃ」
唯「じゃあねりっちゃん、澪ちゃん! また今日の夜ー」
そう言い残して私は急いでドアを開け、階段を駆け下りた。
背後から「じゃあな唯ー」と言う声が聞こえ、部室の方に手を振った。
443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:10:41.68 ID:WkCq2Xye0
唯「ただいまういー……疲れたー」
憂「おかえりお姉ちゃん。ご飯できてるよー」
いつも通りに憂が出迎えてくれる。
リビングの方からいい匂いが漂ってくる。この臭いは……カレーか!
唯「やっぱりカレーだ! おいしそー」
憂「はい、お姉ちゃんの分」
憂は私の分をお皿に入れてくれた。
私はそれを受け取り、憂にお礼を言う。
唯「ありがと憂ー」
憂「いえいえ……えへへ」
444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:12:46.88 ID:WkCq2Xye0
おいしかった。
カレーを食べ終えた私、部屋でごろごろしながら漫画を読んでる。
唯「えと……確か集合は9時だったよね」
そう独り言をいいながら私は時刻を確認。
唯「へ……? もう10分前?!」
あわわ。やばい。さっさと着替えて出かけなきゃ。
まだシャワーも浴びてないのに……ああって時間がない!
唯「う、憂! ごめん、ちょっとりっちゃんたちのところ行って来る!」
憂「ええ、今から? もう夜遅いよ?」
唯「で、でも今行かなくちゃだめなんだ!」
憂「分かったー、気をつけてねー!」
唯「行ってきます!」
本日2回目の出来事。
私は朝の様に慌てて靴を履いて、りっちゃんたちの待つ学校へ向かった。
446 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:14:44.32 ID:WkCq2Xye0
暗い夜道の中を全力で走り、学校へ向かう。
朝と比べてギー太を背負ってないので、幾分か速く学校についた。
唯「うわー……夜の学校ってなんかどきどきするなー」
そういって門をよじ登り、校内に侵入する。
りっちゃんが待つ運動場まであと少し。
私は体に鞭を打って走った。
澪ちゃんたちと話せると思うと、不思議と疲れを感じない気がした。
447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:17:00.48 ID:WkCq2Xye0
唯「り、りっちゃん!」
私は息を切らしながら、りっちゃんの名前を呼んだ。
運動場のど真ん中で佇む彼女。様子がおかしい。
唯「りっちゃん?! どうしたの? 一体……」
律「ん……唯か? 待ってたよ」
そういっていつものように太陽のような笑顔で笑った。
良かった。普段通りのりっちゃんだ。
安心した。
安心したと同時に、左の肩に大きな痛みを感じた。
448 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:20:10.87 ID:WkCq2Xye0
無意識に左肩を抑える私の手。
とめどなく血があふれ続ける私の肩。
唯「え……な、なにこれ……」
「浅かったか、左半分切り落とすつもりだったんだがな」
聞きなれた女性の声。
私はすぐにその女性の人が誰なのかということが分かった。
分かってしまった。認めたくなかった。
恐くて、認めたくなくて声の発信源を見ることができない。
律「もー、せっかく私がチャンス作ったのに。バカ澪」
449 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:23:16.19 ID:WkCq2Xye0
唯「な、なん……で」
澪「本当に組むと思ってたのか? 流石唯、平和だな」
澪ちゃんは自分と同じくらいのサイズの死神が持ってるような鎌を持ち、立っている。
しばらくたった今、私の左肩が痛み出した。
その激痛に思わず苦虫を潰した様な顔をしながら、澪ちゃんの話を聞く。
澪「本当に組む訳ないだろ常考……仲間増やしてどーするの」
唯「な、なら……なんで、なんでりっちゃんと一緒に行動してるの?」
荒い息で問う。
律「私たちは願いが同じだからね。それだけだよ」
りっちゃんはそう答え右手を上に翳す。
450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:29:15.06 ID:WkCq2Xye0
律「――Girly Storm」
そう言うと突然りっちゃんの右手が輝き、
大きな……ゴルディオンハンマーのような物が出てきた。
巨大な、象と同じくらいの大きさのそれ。
それを軽々と右手で振り回し、地面を叩いて見せた。
風で砂が吹きとび、大地は揺れ、割れた。
唯「な……」
律「発動、しないの?」
発動?
ああ、りっちゃんたちは指輪を発動してその武器を取ったのか。
でもどうやって?
私は必死に朝、起こった出来事を脳の記憶から探し出す。
451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 19:31:02.02 ID:WkCq2Xye0
*************
唯「あっ、さっき言ってた指輪の効果とかはどうしたら使えるの?」
「俺の名前を叫んでくれたらいつでも発動出来る」
「ちなみにこの指輪は所持者以外には見えないからな」
「あー……呼んでる。そろそろ時間だ」
唯「あの……名前は」
「そうだな、俺の名前は――」
「Sunday Siestaだ」
*******
そうだ。思い出した。
神様は「名前を呼んだら発動できる」 そういった。
りっちゃんのさっき言った言葉は指輪の名前だったんだ。
ということは私もこの指輪の名前を呼んだら……
目を閉じて、集中する。
頭の中に流れ込んでくるイメージ。流れるような川。
律「……流石にもう待てないぞ。攻撃させてもらう」
そういってハンマーを振りかざし走ってくるりっちゃん
準備はできた。
左肩の痛みは不思議と感じない。
私は目を開き、神様の、指輪の名前を叫んぶ
唯「Sunday Siesta!」
最終更新:2009年09月30日 22:39