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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1253346269/l50

416 名前:梓の飽くなき挑戦[1/3][sage] 投稿日:2009/10/06(火) 19:24:57 ID:J758B7TR
梓「ゆ、唯ちゃん……」

唯「ほえ?」

 そう呼べばかつる!というまるで根拠の無い神託が下ったので、
 意を決してそう口にした私に対して、意中の人物はきょとんとした表情を浮かべる。

唯「どうしたの、あずにゃん?」

梓「い、いやその……、照れたりしないんですか?」

唯「照れる?なんで?」

梓「……」

 ダメじゃん。
 ダメじゃん神託。

 寧ろ、照れているのは私の方であって、これじゃあいつもと全く同じ展開じゃないですかこのやろう!
 ありもしない脳内の神託に罪をなすりつけて、私はやさぐれた。

唯「あずにゃん、顔赤いよ?」

梓「誰のせいだと思ってるんですか」

唯「ぎゅってしてあげようか」

梓「な、なんでそうなるんでs」 唯「ぎゅー」

梓「ふにゃぁぁ……」

 あぁぁぁ。ダメになる、ダメになるうぅぅ。
 どうして、この人に抱きしめられるとこんなに落ち着いてしまうんだろう。

 もう、いいですよ。
 ええ、負けですよ。今日も私の負けでいいですよー。
 でも……。
 次こそは照れさせてみせますから!
 覚悟しておいてください、唯先輩!!
417 名前:梓の飽くなき挑戦[2/3][sage] 投稿日:2009/10/06(火) 19:25:47 ID:J758B7TR
紬「え?唯ちゃんを照れさせたい?」

梓「はい」

紬「どうしたの、突然?」

 私が勝利を収めるために、百合のかみs――もとい、ムギ先輩に相談を持ちかけた。
 どうしたの、と聞かれても返答に困るところではあるが、
 ここでこの人に嘘をついても、どうせ見抜かれるに決まっている。
 ならばいっその事、本当のことを話してしまったほうが話が早い。
 本当のこと、と言っても大したことじゃない。
 唯先輩の過剰とも言えるスキンシップ。
 いつも私ばっかり顔を赤くして照れているというのに、彼女は微塵もそういう素振りを見せない。
 だから、たまには私の方から、唯先輩をそういう目にあわせてみたい―。
 たったそれだけのことなのだ。

紬「なるほど、つまり……梓ちゃんは左側になりたいということね」

梓「ひ、ひだり?」

 これは、私の読解力、或いは語彙が足りないのだろうか。
 左ってどういうこと?
 ……教えて偉い人!!

紬「……」

 困惑する私の表情を見てか、ムギ先輩が更に言葉を繋げる。

紬「分かりやすく言えば、攻めにまわりたいのよね」

梓「攻め?」

 攻めるから攻め?
 むぅ。こちらの方が幾分わかりやすいか。

梓「えっと、多分、そういうことだと思います」

紬「そうね……、唯ちゃんは甘えたり甘えられたり、そういうスキンシップにはまるで抵抗がない」

 だから、唯ちゃんと同じ方向性で梓ちゃんが攻めたとしても、貴女が望む結果は得られない。
 ムギ先輩は、何故だかやたらと嬉しそうに、そう説明を続ける。

紬「だけど、こと恋愛に関しては、まるで耐性が無い」

 勿論、私の憶測だけれどね、と可愛らしく片目を瞑る。

紬「だから、私が梓ちゃんに授けられる方法はこれしかないと思うわ」
418 名前:梓の飽くなき挑戦[3/3][sage] 投稿日:2009/10/06(火) 19:27:04 ID:J758B7TR
 ムギ先輩から授かった、唯先輩を照れさせる方法。
 その台詞を忘れぬよう、何度も心の中で反芻する。
 冷静に考えていれば、これが如何に恥ずかしいことか分かりそうなモノなのだが、
 悲しいかな、この時私の脳内はアドレナリンで満ち溢れていた。

 部活の時間が終わり、先輩たちと揃って下校する。

律「んじゃ、唯、梓、また明日なー」
澪「またな」

唯「りっちゃん、澪ちゃんばいばーい」
梓「お疲れさまでした」

 そして律先輩たちと別れ、唯先輩と二人きりの時間が訪れた。

唯「あっずにゃぁぁん」

 ふたりきり~、等と口にしながらいつものように抱きついてくる唯先輩。

梓「ええ、この時を待っていました」

 至って真面目な顔で、私はそう口にした。既に戦いは始まっている。
 おふざけの雰囲気は、不要だ。

唯「え……、ど、どうしたの?」

梓「……唯」

唯「は、はい!?」

梓「唯は、私のこと、好き?」

唯「う、うん……、好きだよ、あずにゃん」

梓「……そう、それじゃあキスしようか」

唯「っ!?ど、どうしたのかな……あずにゃん、急に、そんな……」

梓「好きなんでしょ? 私も唯のことが好き。愛してるの」

 抱きついてきた状態で硬直する唯先輩の背中に、そっと手をまわす。

唯「あ、わわわ、あずにゃ……、だ、ダメ……だよぅ……」

 ……勝った。危うく敬語を使いそうになったが、問題ないレベルだ。
 ふふふ、さすがですムギ先輩。ほら、見てください、この唯先輩の表情!
 顔を真っ赤にして、目尻に涙を浮かべて――

 ……あれ?

 なにやってんだ私。

 ガチ告白みたいになってるじゃん。

 どうやって収拾つけるつもりだよ?

 まぁ、いいか。
 ……割と本心だったりするし、ね。

 その日から、唯先輩のスキンシップが更に激しくなったのは言うまでも無い。







すばらしい作品をありがとう