46 : ◆3Y3S/FrG1k :2009/10/06(火) 23:44:20.02 ID:NipGpJa2P
憂「美術の授業って大変だよねー」
純「絵なんて描けないよー」
梓「そうだね……」
 私は二人の会話を聴きつつ移動中準備室にちらりと見えた、大きいダンボールが気になっていた。
 潰されてないってことは、なにか入ってるのかな、それとも……
 そしてそれが気になったまま、放課後になった。

梓「まだ、あるのかな」
 私は準備室まで向かった。
 そこにはあの体育座りで入っても大丈夫そうな大きいダンボールがそのまま置いてあった。
梓「入って、みようかな……」
 その段ボールを両手でゆっくり持ち上げる。
 そこには何も入ってなくて、開けられる前に入っていたであろう絵の具の匂いがした。
梓「ふぅ……」
 中に入って閉めると、当然だが中は真っ暗になった。
 けれど、この中にいるとなぜか心がやすらぐ。
 あぁ、そういえば今日は部活だったなあ……
 むぎ先輩のお菓子……
 私はそのままそこで眠ってしまった。


47 : ◆3Y3S/FrG1k :2009/10/06(火) 23:45:09.48 ID:NipGpJa2P
?「あーずさちゃーん、起きて―」
梓「ふぁ、私寝ちゃってた……」
 誰かに揺さぶられて目が覚めた。
 目の前には憂がいた。
憂「びっくりしちゃったよ、課題出そうと来てみたら梓ちゃんが段ボールに入って寝てるんだもん」
梓「いや、授業前に見かけちゃって気になってて……」
憂「確かにあれ大きかったもんね、じゃあ梓ちゃん一緒に帰ろ」
梓「うん、ってもうこんな時間なんだ……」
 外はもう夕焼けもなくて夜になってた。
 私はそのまま憂と帰ることにした。
梓「ねぇ、憂はどうしてあの時間までいたの?」
憂「美術の課題が今日中提出で、私も含めてクラスの半分が終わってなかったんだよ」
梓「そうなの?」
憂「そういえば梓ちゃん授業中に提出してたね」
 憂と歩きながらふと思い出だした。
 段ボールに書いてあった素猫って文字、なんて読むんだろう? 


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最終更新:2009年10月07日 02:27