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このSSは『【けいおん!】唯×梓スレ 3』というスレに投下されたものです
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861 名前:ハロウィンの前に[1/2][sage] 投稿日:2009/10/29(木) 00:11:47 ID:ZkvIWA+3
 ある日、いつものように部活へ向かうと、

梓「こんにち――」 バタン!

 唯先輩の席にカボチャ人間が座っていたのでとりあえず閉めた。

梓「……」

 意味がわからない。
 改めて、扉を僅かに開けて、隙間から様子を窺う。

 巨大なカボチャの目の部分をくり貫き、それを被って佇む少女。
 カボチャの大きさと体の大きさが致命的なまでに合っていない。
 頭がでかすぎるだろう。紛う方無きミスマッチである。
 なによりカボチャ人間、口元の部分をくり貫くのに失敗したのか、鼻から下の部分が丸見えになっている。
 あれではライダーマンだ。

梓「ん?」

 よく見ればカボチャ人間、うちの制服を纏ってるではないか。
 そして、切り取られた鼻から下の部分から覗く、茶色い髪の毛。
 そしてスカートから覗く可憐な御御足を包む、黒のストッキング。

 テンションがギュインってなって扉を開けた。

梓「なにやってんすか、唯先輩」

唯「とっ、トリックアンドトリック!!」

梓「悪戯ばっかりですね」

 悪戯したあと更に悪戯しちゃうぞ!
 一切の拒否権なし。相手涙目。

 唯先輩相手なら望むところとは思いつつも、トリートはどこいった、と突っ込んでから自分の席へと着く。

唯「やっほーあずにゃん。どうして私って分かったの?」

梓「こんにちは、唯先輩。分かりますよ、服装とか動きとかその他諸々で……っていうか、他の先輩たちはどうしたんですか?」

唯「りっちゃんと澪ちゃんは掃除当番だね」

梓「ムギ先輩は?」

唯「空気を読むって言ってた」

梓「……」

 絶対どこかで見てるな、あの人。

梓「で、なんなんですかその他国の文化を間違った形で輸入した胡乱な被り物は」

唯「えー、可愛いじゃんこれ」

梓「ええまぁ可愛いですけどそれはそのワケのわからん被り物を被ってるのが唯先輩だから可愛いのであってその被り物自体は微塵も可愛くないですけどね」

 一息で言いのけた。
 我ながらなかなかの肺活量だ。梓ご満悦。
862 名前:ハロウィンの前に[2/2][sage] 投稿日:2009/10/29(木) 00:13:41 ID:ZkvIWA+3
唯「あずにゃん、被る?」

梓「遠慮しときます」

 明らかに人の話聞いてないなこの人。

唯「そっかぁ、可愛いのに……」

梓「あのですね、唯先輩」

唯「なぁに?」

梓「確かにハロウィンといえばカボチャで、ジャックランタンは有名なんですけど、
  ハロウィンの仮装といえば、魔女とか吸血鬼とか幽霊とかであって、ジャックではないんですよ」

 まぁ、ジャックの仮装をする輩も中には居るだろうけれど。
 私としてはどうせ唯先輩に仮装していただけるなら、もっと可愛らしい方が好みだ。

梓「日本の場合、ハロウィンという名のコスプレ祭りになってたりもしますけどね」

唯「へぇ、そうなんだー」

梓「ていうか、ハロウィンってまだ先ですよね?」

唯「今週だよ、土曜日」

梓「土曜日……というと、やっぱり」

唯「うん、うちでやるんだー、ハロウィンパーティー! あずにゃんも来るよね!?」

 ああ、やっぱり。大方、唯先輩にカボチャの被り物吹き込んだのも律先輩あたりだろう。

梓「別にいいですけど、何やるんですか?」

唯「仮装したり、お菓子食べたり、悪戯したり」

梓「……」

 ハロウィン定番の台詞を連呼しながら、街中を闊歩してお菓子を強請る仮装集団。考えただけで頭痛がしてくる。

 ――いや、待て。
 唯先輩の家でやるのなら問題は無い。寧ろ……

 私「Trick or Treat!!」
     ↓
 唯先輩「お菓子はあげないもん」
     ↓
 私「じゃあ悪戯します」
     ↓
 にゃんにゃん

 わぁ、薔薇色だぁ。


梓「喜んで行かせていただきます!」

 私は最高の笑顔で答えた。



すばらしい作品をありがとう