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「第一印象がいい奴にロクな奴はいない」(2008/12/21 (日) 14:46:27) の最新版変更点
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*第一印象がいい奴にロクな奴はいない ◆mk2mfhdVi2
「……間に合わなかったようだな」
エリアH-5。
森の中、呆然と立ち尽くすウォーズマン。
少し離れた所からギュオーが声をかけるも、心此処に在らずといった状態で、何の反応も得られない。
(……まあ、無理もない)
一時間程前。
トイレから戻ってきたギュオーと共に、ウォーズマンは草壁メイの捜索を開始した。
朝倉の事も心配ではあったが、一応戦闘手段を有する朝倉と違い、草壁メイは正真正銘ただの少女である。
メイが拉致されたのは放送前、すでに相当の時間が経っており、最早一刻の猶予も無い。
そう判断したウォーズマンは、傷ついたボディに鞭を打ちつつ、ギュオーと協力してメイを探していた。
が。
二人がメイを発見した時、草壁メイはすでに物言わぬ骸と化していた。
(しかし酷い有様だ。どうやらこの少女を殺した奴は随分と歪んでいるらしい)
自分の性格も相当歪んでいるのを棚に上げて溜息を吐きつつ、ギュオーは目の前の死体をよく観察する。
直接の死因は十中八九眉間を銃弾が撃ち抜かれたからだろうが、少女の傷はそれだけでなく、
顔は何度も強く殴られたのか青黒く変色し、
成長途中ゆえの細い腕には、絡みついた有刺鉄線の鉄色の棘が等間隔で突き刺さり、非常に痛々しい。
殴られた際に折れたのか地面には少女の歯が数本散らばっており、極めつけには多少着衣が乱れている。
ただ殺されただけでは無いのが、一目瞭然だった。
「…………」
ギュオーは未だ無言のままの相方を見る。
ウォーズマンは、怒りに震えていた。
それは、草壁メイを惨殺した殺人者への怒りかもしれないし、
少女を守ることが出来なかった自分への怒りかもしれない。
(或いは、その両方か。……しかしこのままではいかんな。
頭に血が上った人間程、周りが見えていないものはない。……まったく困ったものだ)
自分も頭に血が上って地球上でブラックホールを発生させかけた事を棚に上げてギュオーはそんな懸念を抱く。
(ふむ……)
顎に手を添えて、ギュオーは考える。
少しの間ウォーズマンとメイの死体を交互に見ながら考え込んでいたが、
やがて考えがまとまったのか彼は目の前のウォーズマンに声をかけた。
「ウォーズマン」
ゆっくりと顔をこちらに向けるウォーズマンに、ギュオーは静かに言葉を続ける。
「このままではこの少女があまりに不憫だ。せめて墓の一つも作ってやりたいのだが」
「……そうだな。ギュオー、あれを切断する道具は持っているか?」
そう言って、ウォーズマンは少女と枝を繋ぐ有刺鉄線を指差す。
ウォーズマンとしては念のために聞いてみただけの事であり、
もしギュオーが役に立ちそうな道具を持っていなければ無理矢理引き千切る心積もりであったのだが、
その言葉を聞いたギュオーはふっと微笑んだ。
「道具は無い……が、その程度の鉄線を切るのに道具はいらんな」
「何だと?」
怪訝そうな視線を送るウォーズマンを尻目に、ギュオーは自分の着ているプラグスーツに手をかけ、
「つまりは……こういう事だ!」
一気にそれを――脱ぎ捨てた。
言うまでも無くプラグスーツはリヒャルト・ギュオーの唯一の着衣であり。
更に言うまでも無くそれを脱いだリヒャルト・ギュオーは一糸纏わぬ姿――それ則ち全裸であり。
突然自らの肉体を陽光の下に晒け出した仲間にウォーズマンが絶句するのもまた、言うまでも無い事だった。
「――――な、」
そして、ウォーズマンが衝撃的な光景に驚愕しつつもギュオーの奇行に何らかの言葉を発するよりも早く、
ウォーズマンは更なる衝撃的な光景を目にしていた。
目の前で、ギュオーが異形の姿――獣神将としての姿に変身していく光景を。
ギュオーが全裸になってから変身を終えるまで、僅か数秒。
余りにも濃い数秒間を体験して固まっているウォーズマンに、ギュオーは言う。
「かつてクロノスに所属していた時に、体を弄られてな。
……すまんがそうまじまじと見ないでくれ。人に見せられるような体では無い」
「あ、ああ。すまない」
ギュオーの言葉で自分が余りに不躾に見ていた事に気付き、慌ててウォーズマンは目を逸らす。
「そこまで気を遣わなくてもいい。仮にも闇の組織に関わって、悪事に身を染めた代償だ。
……それに、この体にも利点があるのでな」
言いながら、ギュオーはメイの腕を吊っている有刺鉄線に手を掛け、易々とそれを引き千切る。
「この程度の力はある。……今の今まで話せなかったのはすまなかった。
先程も言ったが、あまりこの姿は人に見せたくは無いのでな」
「……ああ、わかっている」
自身の幼少時代を――自分の姿が原因で、虐げられてきたあの頃を思い出しながらウォーズマンは答える。
「それよりも、話してくれた事に感謝する。……よく、打ち明けてくれた」
「そう言って貰えるとありがたい。で、この少女だが」
いつの間にか抱えていたメイの死体をウォーズマンに見せながら、ギュオーは提案する。
「この少女の埋葬は、私に任せて貰えないか?」
「何故だ?」
「気を悪くしたらすまんが……自分が守れなかった者を自分の手で埋めるのは、結構堪えるものだ。
幸い、この姿なら穴を掘るのも楽だからな」
成程、とウォーズマンは得心する。
確かにそれは辛いものがある。
実際、メイの死体を見る度に感情が昴り、このまま自分の感情を抑えきれる自信も無かった。
「気を遣わせてすまないなギュオー。
もしかしたら朝倉が戻っているかもしれないし、俺は一度神社へ戻ろう。終わり次第、ギュオーも戻って来てくれ」
「承知した。放送前には必ず戻る」
言われてウォーズマンが自分の時計を確認すれば、もう十一時近い。
「ああ、メイを頼んだ。このような役目を押し付けてすまないな」
「謝罪はいいから早く行け。ここに居るのも辛いのだろう?」
「御見通しか……ではギュオー、無事に戻って来てくれ」
そう言い残して去って行くウォーズマンを、ギュオーはその場に立って笑顔で見送る。
悪魔の笑みで。
◆
神社へと戻りながら、ウォーズマンはもう一度時計を見る。
「十一時過ぎ……次の放送まで一時間か」
放送。
次の放送で名前が呼ばれるのが確定している、二人の少女。
彼女達の名前を聞いた、少女の姉は、少女の仲間は、何を思うのだろうか。
「これ以上、誰も殺させん……。俺達正義超人が、お前達の仲間を、家族を、必ず守ってみせる。
だからお前達は、暖かな場所でゆっくり休んでいてくれ……」
【G-05/森/一日目・昼前】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品1~3) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1:神社へ戻り、ギュオーを待つ。
2:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
3:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
4:紫の髪の男だけは許さない
5:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
◆
「くくく……計画通り!」
体に付着した少女の血液をビール缶の水で洗い流しながら、実に嬉しそうに笑うリヒャルト・ギュオー。
その手に握られているのは、首輪。
ギュオーは気付かないが、内側には小さく『Mei』と彫られている。
草壁メイの死体を発見した時から、ギュオーは計画を始めていた。
柄にも無く少女の墓を作ってやりたいなどと提案したのも、
わざわざウォーズマンの前で獣神変をし、もう一つの姿を晒したのも、
ウォーズマンの心情を気遣うようにして、ウォーズマンをこの場から立ち去らせたのも、
「全てはこの首輪を手に入れる為!」
ギュオーは度々考えていた。
最終的に主催者を殺すにしても、どうしても首輪の存在が邪魔をする。
この首輪がある限り、下手に主催者に反抗したら末路はコンソメスープだ。
自らの野望を叶える為には、首輪の解除は遅かれ早かれしなくてはならない。
そのために必要だったのが、首輪のサンプル。
参加者の中にドクター・バルカスのような科学者がいれば、脅してでもこのサンプルを解析させ、首輪を解除させる。
仮にそのような者が居なくても、他の主催への造反を企む参加者も首輪のサンプルは欲しいところだろう。
ならば、この首輪は他の参加者への餌にもなる。いざと言う時には、交渉の材料にもなるかもしれない。
「難点はウォーズマンに見られた時にせっかく築いた信頼が崩れる事だが……
まあ、それは余程迂濶な事をしなければ大丈夫だろう」
血液をビール缶の水で洗い流し終え、再びプラグスーツを着ながら、ギュオーは足元に転がる死体を見る。
「貴様のお陰で助かった。あの世で私の覇道を見ているがいい」
それだけ言って近くの茂みに死体を隠すと、リヒャルト・ギュオーは神社へと歩き始める。
段々小さくなっていくギュオーの背中が、茂みの中のメイの瞳にいつまでも映っていた。
【H-5/森/一日目・昼前】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身打撲、中ダメージ、疲労小、回復中
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット(水損失)、首輪(草壁メイ)
E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン
【思考】
1 優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2 ウォーズマンを利用し消耗を抑える。今のところは彼に協力しておく。
3 自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
4 ケロン人に会ったら降臨者との関係を問いただす。
5 首輪を解除できる参加者を探す。
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』の文字には気付いていません。
※H-5の茂みの中に、草壁メイの死体(首切断済み)が放置されています。
*時系列順で読む
Back:[[アスカ、襲来]] Next:[[迷走失意 されどこの不運は連鎖のごとく]]
*投下順で読む
Back:[[警戒でしょでしょ?]] Next:[[俺達はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない]]
|[[扇動・搾取・虎の巻]]|ウォーズマン|[[それが俺のジャスティス]]|
|~|リヒャルト・ギュオー|[[黒は一人でたくさんだ!]]|
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*第一印象がいい奴にロクな奴はいない ◆mk2mfhdVi2
「……間に合わなかったようだな」
エリアH-5。
森の中、呆然と立ち尽くすウォーズマン。
少し離れた所からギュオーが声をかけるも、心此処に在らずといった状態で、何の反応も得られない。
(……まあ、無理もない)
一時間程前。
トイレから戻ってきたギュオーと共に、ウォーズマンは草壁メイの捜索を開始した。
朝倉の事も心配ではあったが、一応戦闘手段を有する朝倉と違い、草壁メイは正真正銘ただの少女である。
メイが拉致されたのは放送前、すでに相当の時間が経っており、最早一刻の猶予も無い。
そう判断したウォーズマンは、傷ついたボディに鞭を打ちつつ、ギュオーと協力してメイを探していた。
が。
二人がメイを発見した時、草壁メイはすでに物言わぬ骸と化していた。
(しかし酷い有様だ。どうやらこの少女を殺した奴は随分と歪んでいるらしい)
自分の性格も相当歪んでいるのを棚に上げて溜息を吐きつつ、ギュオーは目の前の死体をよく観察する。
直接の死因は十中八九眉間を銃弾が撃ち抜かれたからだろうが、少女の傷はそれだけでなく、
顔は何度も強く殴られたのか青黒く変色し、
成長途中ゆえの細い腕には、絡みついた有刺鉄線の鉄色の棘が等間隔で突き刺さり、非常に痛々しい。
殴られた際に折れたのか地面には少女の歯が数本散らばっており、極めつけには多少着衣が乱れている。
ただ殺されただけでは無いのが、一目瞭然だった。
「…………」
ギュオーは未だ無言のままの相方を見る。
ウォーズマンは、怒りに震えていた。
それは、草壁メイを惨殺した殺人者への怒りかもしれないし、
少女を守ることが出来なかった自分への怒りかもしれない。
(或いは、その両方か。……しかしこのままではいかんな。
頭に血が上った人間程、周りが見えていないものはない。……まったく困ったものだ)
自分も頭に血が上って地球上でブラックホールを発生させかけた事を棚に上げてギュオーはそんな懸念を抱く。
(ふむ……)
顎に手を添えて、ギュオーは考える。
少しの間ウォーズマンとメイの死体を交互に見ながら考え込んでいたが、
やがて考えがまとまったのか彼は目の前のウォーズマンに声をかけた。
「ウォーズマン」
ゆっくりと顔をこちらに向けるウォーズマンに、ギュオーは静かに言葉を続ける。
「このままではこの少女があまりに不憫だ。せめて墓の一つも作ってやりたいのだが」
「……そうだな。ギュオー、あれを切断する道具は持っているか?」
そう言って、ウォーズマンは少女と枝を繋ぐ有刺鉄線を指差す。
ウォーズマンとしては念のために聞いてみただけの事であり、
もしギュオーが役に立ちそうな道具を持っていなければ無理矢理引き千切る心積もりであったのだが、
その言葉を聞いたギュオーはふっと微笑んだ。
「道具は無い……が、その程度の鉄線を切るのに道具はいらんな」
「何だと?」
怪訝そうな視線を送るウォーズマンを尻目に、ギュオーは自分の着ているプラグスーツに手をかけ、
「つまりは……こういう事だ!」
一気にそれを――脱ぎ捨てた。
言うまでも無くプラグスーツはリヒャルト・ギュオーの唯一の着衣であり。
更に言うまでも無くそれを脱いだリヒャルト・ギュオーは一糸纏わぬ姿――それ則ち全裸であり。
突然自らの肉体を陽光の下に晒け出した仲間にウォーズマンが絶句するのもまた、言うまでも無い事だった。
「――――な、」
そして、ウォーズマンが衝撃的な光景に驚愕しつつもギュオーの奇行に何らかの言葉を発するよりも早く、
ウォーズマンは更なる衝撃的な光景を目にしていた。
目の前で、ギュオーが異形の姿――獣神将としての姿に変身していく光景を。
ギュオーが全裸になってから変身を終えるまで、僅か数秒。
余りにも濃い数秒間を体験して固まっているウォーズマンに、ギュオーは言う。
「かつてクロノスに所属していた時に、体を弄られてな。
……すまんがそうまじまじと見ないでくれ。人に見せられるような体では無い」
「あ、ああ。すまない」
ギュオーの言葉で自分が余りに不躾に見ていた事に気付き、慌ててウォーズマンは目を逸らす。
「そこまで気を遣わなくてもいい。仮にも闇の組織に関わって、悪事に身を染めた代償だ。
……それに、この体にも利点があるのでな」
言いながら、ギュオーはメイの腕を吊っている有刺鉄線に手を掛け、易々とそれを引き千切る。
「この程度の力はある。……今の今まで話せなかったのはすまなかった。
先程も言ったが、あまりこの姿は人に見せたくは無いのでな」
「……ああ、わかっている」
自身の幼少時代を――自分の姿が原因で、虐げられてきたあの頃を思い出しながらウォーズマンは答える。
「それよりも、話してくれた事に感謝する。……よく、打ち明けてくれた」
「そう言って貰えるとありがたい。で、この少女だが」
いつの間にか抱えていたメイの死体をウォーズマンに見せながら、ギュオーは提案する。
「この少女の埋葬は、私に任せて貰えないか?」
「何故だ?」
「気を悪くしたらすまんが……自分が守れなかった者を自分の手で埋めるのは、結構堪えるものだ。
幸い、この姿なら穴を掘るのも楽だからな」
成程、とウォーズマンは得心する。
確かにそれは辛いものがある。
実際、メイの死体を見る度に感情が昴り、このまま自分の感情を抑えきれる自信も無かった。
「気を遣わせてすまないなギュオー。
もしかしたら朝倉が戻っているかもしれないし、俺は一度神社へ戻ろう。終わり次第、ギュオーも戻って来てくれ」
「承知した。放送前には必ず戻る」
言われてウォーズマンが自分の時計を確認すれば、もう十一時近い。
「ああ、メイを頼んだ。このような役目を押し付けてすまないな」
「謝罪はいいから早く行け。ここに居るのも辛いのだろう?」
「御見通しか……ではギュオー、無事に戻って来てくれ」
そう言い残して去って行くウォーズマンを、ギュオーはその場に立って笑顔で見送る。
悪魔の笑みで。
◆
神社へと戻りながら、ウォーズマンはもう一度時計を見る。
「十一時過ぎ……次の放送まで一時間か」
放送。
次の放送で名前が呼ばれるのが確定している、二人の少女。
彼女達の名前を聞いた、少女の姉は、少女の仲間は、何を思うのだろうか。
「これ以上、誰も殺させん……。俺達正義超人が、お前達の仲間を、家族を、必ず守ってみせる。
だからお前達は、暖かな場所でゆっくり休んでいてくれ……」
【G-05/森/一日目・昼前】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品1~3) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1:神社へ戻り、ギュオーを待つ。
2:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
3:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
4:紫の髪の男だけは許さない
5:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
◆
「くくく……計画通り!」
体に付着した少女の血液をビール缶の水で洗い流しながら、実に嬉しそうに笑うリヒャルト・ギュオー。
その手に握られているのは、首輪。
ギュオーは気付かないが、内側には小さく『Mei』と彫られている。
草壁メイの死体を発見した時から、ギュオーは計画を始めていた。
柄にも無く少女の墓を作ってやりたいなどと提案したのも、
わざわざウォーズマンの前で獣神変をし、もう一つの姿を晒したのも、
ウォーズマンの心情を気遣うようにして、ウォーズマンをこの場から立ち去らせたのも、
「全てはこの首輪を手に入れる為!」
ギュオーは度々考えていた。
最終的に主催者を殺すにしても、どうしても首輪の存在が邪魔をする。
この首輪がある限り、下手に主催者に反抗したら末路はコンソメスープだ。
自らの野望を叶える為には、首輪の解除は遅かれ早かれしなくてはならない。
そのために必要だったのが、首輪のサンプル。
参加者の中にドクター・バルカスのような科学者がいれば、脅してでもこのサンプルを解析させ、首輪を解除させる。
仮にそのような者が居なくても、他の主催への造反を企む参加者も首輪のサンプルは欲しいところだろう。
ならば、この首輪は他の参加者への餌にもなる。いざと言う時には、交渉の材料にもなるかもしれない。
「難点はウォーズマンに見られた時にせっかく築いた信頼が崩れる事だが……
まあ、それは余程迂濶な事をしなければ大丈夫だろう」
血液をビール缶の水で洗い流し終え、再びプラグスーツを着ながら、ギュオーは足元に転がる死体を見る。
「貴様のお陰で助かった。あの世で私の覇道を見ているがいい」
それだけ言って近くの茂みに死体を隠すと、リヒャルト・ギュオーは神社へと歩き始める。
段々小さくなっていくギュオーの背中が、茂みの中のメイの瞳にいつまでも映っていた。
【H-5/森/一日目・昼前】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身打撲、中ダメージ、疲労小、回復中
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット(水損失)、首輪(草壁メイ)
E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン
【思考】
1 優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2 ウォーズマンを利用し消耗を抑える。今のところは彼に協力しておく。
3 自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
4 ケロン人に会ったら降臨者との関係を問いただす。
5 首輪を解除できる参加者を探す。
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』の文字には気付いていません。
※H-5の茂みの中に、草壁メイの死体(首切断済み)が放置されています。
*時系列順で読む
Back:[[アスカ、襲来]] Next:[[迷走失意 されどこの不運は連鎖のごとく]]
*投下順で読む
Back:[[警戒でしょでしょ?]] Next:[[俺達はとんでもない思い違いをしていたのかもしれない]]
|[[扇動・搾取・虎の巻]]|ウォーズマン|[[それが俺のジャスティス]]|
|~|リヒャルト・ギュオー|[[黒は一人でたくさんだ!(前編)]]|
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