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「それが俺のジャスティス」(2009/06/07 (日) 08:38:40) の最新版変更点
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*それが俺のジャスティス ◆h6KpN01cDg
神社の中。
そこに、一人(?)のロボット超人の姿があった。
「……もうそろそろか……」
先ほどまでギュオーといた神社に一人戻ってきたウォーズマンは、時計に視線をやりそう呟いた。
時間は11時50分。あとわずかで放送が始まる。
思った以上に時間が経ってしまったのは、自らの無力さに途中で立ち止まったり歩いたり、を繰り返していたからだ。
いくら草壁メイが小さな子供でギュオーが普通の人間でなくても、死体を埋めるというのは2、3分で終わることではないだろう。
とりあえず放送を聞いてここでギュオーを待とう、彼はそう決めた。
戻ってきているか、と期待した朝倉涼子もいない。朝倉もおそらくは放送で草壁メイの死を知ることになるのだろう。
その時、あの少女はどんな思いを抱くのか。
―――しかし、本当に任せてきてもよかったのだろうか?
草壁メイの死体を思い起こす。
幼女にはあまりにえげつない、残虐な殺戮の後。思い出すだけで怒りがおさまらない。
ウォーズマンがそう思ったのは、決してギュオーが本当は彼女の死体を埋めておらず首輪だけ奪った、などと疑っている訳ではなく、個人的な感情の問題だった。
確かに、ギュオーの言ったことには一理ある。
自分で草壁メイを埋めるのは辛い。自分がいたいけで無力な少女を守れなかったという事実を深く実感することになるからだ。
事実、未だにウォーズマンは少女の死に動揺と怒りを隠せていない。目の前に草壁メイを殺したと名乗る人物が現れたら、おそらく罠や仲間の存在など確認もせず、その人物に殴りかかるだろう。
しかし、だからこそ、本当は自分が埋めるべきではなかったのか?
自らを「まっくろくろすけ」と呼び慕ってくれていた草壁メイを埋葬するのは、いくら辛くても己がやらなければいけなかったのではないだろうか?
そう、あの紫の髪の男に殺されたホリィのように。
それが、草壁メイに対する……否、全ての守るべき人間に対する手向けではないのだろうか。
「……いや」
しかし、ウォーズマンは一人言い聞かせるように頭を振る。
「ギュオーに任せたのだ。俺が今更手を出すことではない……」
悪の組織につかまり改造を受けた、と言っていたギュオー。
彼が好意で草壁メイを埋めてくれたのだ、きっとそれでいいはずだ。
自分を思い悼んでくれる人物に埋められるなら、少女も本望だろう。
「……」
そのはずだというのに。
何かが、引っかかって仕方がない。
先ほど割れた像といい、何かを隠しているらしいギュオーといい。
「……いや、だめだ、信じなければな」
しかし、そのわずかな疑念はそれ以上に発展することはない。
ウォーズマンは、どこまでもどうしようもなく正義超人だったのだから。
「……朝倉は無事なのだろうか?それに、ホリィという少女の知り合いや草壁メイの姉も……」
『やあ、参加者の皆。元気にしているかな?』
ウォーズマンが、少しの間同行した朝倉や守れなかった少女たちの知り合いについて想いを馳せ始めたとき―――
その厭味ったらしい男の声が、聞こえてきた。
※
「……アシュラマンが……?」
気に障る男の放送が終わり、ウォーズマンは呆然としていた。
一番はじめに名前を呼ばれたホリィを悼んでいる間もなく、自らの仲間であった男の名前が呼ばれたのだ。
その次には草壁メイの名前も呼ばれたが、それはあまり気に止められなかったのは無理もないといえば無理もない。
「あの男がこんなところで……!」
かつては悪魔超人だったとはいえ今は自らの仲間。
やや不安要素もあるが、きっとここでも正義を奮ったと信じたい。
そんなアシュラマンが死んだ?
しかし、どこかウォーズマンは冷静でもあった。
心の底から湧きあがる激しい怒りと憎悪とは裏腹に、頭では死を受け入れることができていた。
先ほどの神社で割れた像を思い起こす。
やはり、か―――
信じたくはなかった。納得したくもなかった。しかし。
やはり、あれは不吉を知らせたのだ。アシュラマンという一人の仲間の訃報を。
「……」
だが。
もちろん、それはただ『受け入れられた』だけ―――許せる訳は、ない。
「……また五人……しかも殺した人間にご褒美、だと……?人の命を何だと思っているのだ!」
アシュラマンの死に動揺しつつも、そのすぐれた聴覚はきちんと草壁タツオの次なる言葉を聞き取っていた。
曰く、三人以上殺したものには、ご褒美として探し人の場所を教えてやる、と。
自らのような正義超人はそのような理由で人を殺すなど絶対にしはしないが、弱者ならどうだろうか。
心弱く、知り合いにすがることで精一杯の人間が、今の放送を聞いたらどう思うだろうか?
他の人を殺してでも知り合いに会いたいと思うかもしれない。
ホリィを殺した男や、草壁メイを傷め付けた人物が情報を目的に更に多くの人物を殺めるかもしれない。そんなことを、ウォーズマンが放っておけるはずもなかった。
「くそ……許さん、許さんぞおおおおおおっ!」
一人、吠える。少女二人と、大切な仲間―――奪われた悲しみは、どこまでも深く重い。
しかしそれでも、彼は悲しみに伏せることも、狂うこともできはしない。
ただ、正義の名のもとに悪を倒し、弱者を守り抜くだけだ。
「……特に草壁タツオ……お前だけは絶対に許さん!」
あの男は、メイと同じ名字だった。
それはつまり、メイの知り合い―――年齢差からしておそらく父親。
その草壁メイが死んだというのに、あの反応は何だ?
一切の動揺も見えない。ためらいも悲しみも感じられない。
あの男は、本当に人の子か!?
自らに対する後悔の念も合わせて、草壁タツオに対する怒りが渦巻く。
「貴様らの悪行の数々、絶対に許しておけん!自らの娘を……」
そこでふと、何かを思い出す。
いまだに怒りは収まることを知らないが、嫌な予感がして地図を見る。
するとそれは、案の定だった。
先ほど、(危うく忘れかけていたが)聞いた禁止エリアの位置。
「あの男っ……何を考えている!?」
そこに、草壁メイの遺体があるH-05が含まれているではないか。
まだ禁止エリアまでは時間があるとはいえ、このままでは草壁メイは初めの場所で死んだ少年のように、液体と化してしまう。
それも―――自らの父親の手で。
「……そうは、させるか……!」
守れなかった。救えなかった。……どうしようもならなかった。
それならせめて―――死後だけでも守ってやりたい。
ホリィ、メイ、そしてアシュラマン―――死んだ仲間たちのためにも。
あのあどけない少女を、このままあんな血も涙もない父親に、死んで尚弄ばせるわけにはいかない。
「今ならギュオーもまだ向こうにいるはずだ。朝倉が戻ってくるかもしれないが……すぐ戻れば問題ないだろう」
草壁メイを、安全な場所に埋めなおさなければ。
ウォーズマンの決意は早かった。
「待っていろ、草壁メイ……。お前をこれ以上傷つけるわけにはいかん!」
そして、ウォーズマンは神社を飛び出す。
向かうべきはもちろんH-05……ギュオーが草壁メイを埋めているであろう場所へ、と。
……ちなみに、仲間の死に憤り草壁メイのことを憐れむ彼が、不可解な禁止エリアについて『少なくとも今』は追及しなかったのは、また別の話である。
【F-05/森/一日目・昼】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ、アシュラマンの死に怒り
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品1~3) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1:H-05の森へ行き、ギュオーと共に草壁メイの遺体を移動させたい。
2:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
3:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
4:紫の髪の男だけは許さない
5:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
*時系列順で読む
Back:[[会議は笑う]] Next:[[舞い降りたWho are you?]]
*投下順で読む
Back:[[会議は笑う]] Next:[[やろう、ぶっころしてやる!]]
|[[第一印象がいい奴にロクな奴はいない]]|ウォーズマン|[[黒は一人でたくさんだ!(前編)]]|
*それが俺のジャスティス ◆h6KpN01cDg
神社の中。
そこに、一人(?)のロボット超人の姿があった。
「……もうそろそろか……」
先ほどまでギュオーといた神社に一人戻ってきたウォーズマンは、時計に視線をやりそう呟いた。
時間は11時50分。あとわずかで放送が始まる。
思った以上に時間が経ってしまったのは、自らの無力さに途中で立ち止まったり歩いたり、を繰り返していたからだ。
いくら草壁メイが小さな子供でギュオーが普通の人間でなくても、死体を埋めるというのは2、3分で終わることではないだろう。
とりあえず放送を聞いてここでギュオーを待とう、彼はそう決めた。
戻ってきているか、と期待した朝倉涼子もいない。朝倉もおそらくは放送で草壁メイの死を知ることになるのだろう。
その時、あの少女はどんな思いを抱くのか。
―――しかし、本当に任せてきてもよかったのだろうか?
草壁メイの死体を思い起こす。
幼女にはあまりにえげつない、残虐な殺戮の後。思い出すだけで怒りがおさまらない。
ウォーズマンがそう思ったのは、決してギュオーが本当は彼女の死体を埋めておらず首輪だけ奪った、などと疑っている訳ではなく、個人的な感情の問題だった。
確かに、ギュオーの言ったことには一理ある。
自分で草壁メイを埋めるのは辛い。自分がいたいけで無力な少女を守れなかったという事実を深く実感することになるからだ。
事実、未だにウォーズマンは少女の死に動揺と怒りを隠せていない。目の前に草壁メイを殺したと名乗る人物が現れたら、おそらく罠や仲間の存在など確認もせず、その人物に殴りかかるだろう。
しかし、だからこそ、本当は自分が埋めるべきではなかったのか?
自らを「まっくろくろすけ」と呼び慕ってくれていた草壁メイを埋葬するのは、いくら辛くても己がやらなければいけなかったのではないだろうか?
そう、あの紫の髪の男に殺されたホリィのように。
それが、草壁メイに対する……否、全ての守るべき人間に対する手向けではないのだろうか。
「……いや」
しかし、ウォーズマンは一人言い聞かせるように頭を振る。
「ギュオーに任せたのだ。俺が今更手を出すことではない……」
悪の組織につかまり改造を受けた、と言っていたギュオー。
彼が好意で草壁メイを埋めてくれたのだ、きっとそれでいいはずだ。
自分を思い悼んでくれる人物に埋められるなら、少女も本望だろう。
「……」
そのはずだというのに。
何かが、引っかかって仕方がない。
先ほど割れた像といい、何かを隠しているらしいギュオーといい。
「……いや、だめだ、信じなければな」
しかし、そのわずかな疑念はそれ以上に発展することはない。
ウォーズマンは、どこまでもどうしようもなく正義超人だったのだから。
「……朝倉は無事なのだろうか?それに、ホリィという少女の知り合いや草壁メイの姉も……」
『やあ、参加者の皆。元気にしているかな?』
ウォーズマンが、少しの間同行した朝倉や守れなかった少女たちの知り合いについて想いを馳せ始めたとき―――
その厭味ったらしい男の声が、聞こえてきた。
※
「……アシュラマンが……?」
気に障る男の放送が終わり、ウォーズマンは呆然としていた。
一番はじめに名前を呼ばれたホリィを悼んでいる間もなく、自らの仲間であった男の名前が呼ばれたのだ。
その次には草壁メイの名前も呼ばれたが、それはあまり気に止められなかったのは無理もないといえば無理もない。
「あの男がこんなところで……!」
かつては悪魔超人だったとはいえ今は自らの仲間。
やや不安要素もあるが、きっとここでも正義を奮ったと信じたい。
そんなアシュラマンが死んだ?
しかし、どこかウォーズマンは冷静でもあった。
心の底から湧きあがる激しい怒りと憎悪とは裏腹に、頭では死を受け入れることができていた。
先ほどの神社で割れた像を思い起こす。
やはり、か―――
信じたくはなかった。納得したくもなかった。しかし。
やはり、あれは不吉を知らせたのだ。アシュラマンという一人の仲間の訃報を。
「……」
だが。
もちろん、それはただ『受け入れられた』だけ―――許せる訳は、ない。
「……また五人……しかも殺した人間にご褒美、だと……?人の命を何だと思っているのだ!」
アシュラマンの死に動揺しつつも、そのすぐれた聴覚はきちんと草壁タツオの次なる言葉を聞き取っていた。
曰く、三人以上殺したものには、ご褒美として探し人の場所を教えてやる、と。
自らのような正義超人はそのような理由で人を殺すなど絶対にしはしないが、弱者ならどうだろうか。
心弱く、知り合いにすがることで精一杯の人間が、今の放送を聞いたらどう思うだろうか?
他の人を殺してでも知り合いに会いたいと思うかもしれない。
ホリィを殺した男や、草壁メイを傷め付けた人物が情報を目的に更に多くの人物を殺めるかもしれない。そんなことを、ウォーズマンが放っておけるはずもなかった。
「くそ……許さん、許さんぞおおおおおおっ!」
一人、吠える。少女二人と、大切な仲間―――奪われた悲しみは、どこまでも深く重い。
しかしそれでも、彼は悲しみに伏せることも、狂うこともできはしない。
ただ、正義の名のもとに悪を倒し、弱者を守り抜くだけだ。
「……特に草壁タツオ……お前だけは絶対に許さん!」
あの男は、メイと同じ名字だった。
それはつまり、メイの知り合い―――年齢差からしておそらく父親。
その草壁メイが死んだというのに、あの反応は何だ?
一切の動揺も見えない。ためらいも悲しみも感じられない。
あの男は、本当に人の子か!?
自らに対する後悔の念も合わせて、草壁タツオに対する怒りが渦巻く。
「貴様らの悪行の数々、絶対に許しておけん!自らの娘を……」
そこでふと、何かを思い出す。
いまだに怒りは収まることを知らないが、嫌な予感がして地図を見る。
するとそれは、案の定だった。
先ほど、(危うく忘れかけていたが)聞いた禁止エリアの位置。
「あの男っ……何を考えている!?」
そこに、草壁メイの遺体があるH-05が含まれているではないか。
まだ禁止エリアまでは時間があるとはいえ、このままでは草壁メイは初めの場所で死んだ少年のように、液体と化してしまう。
それも―――自らの父親の手で。
「……そうは、させるか……!」
守れなかった。救えなかった。……どうしようもならなかった。
それならせめて―――死後だけでも守ってやりたい。
ホリィ、メイ、そしてアシュラマン―――死んだ仲間たちのためにも。
あのあどけない少女を、このままあんな血も涙もない父親に、死んで尚弄ばせるわけにはいかない。
「今ならギュオーもまだ向こうにいるはずだ。朝倉が戻ってくるかもしれないが……すぐ戻れば問題ないだろう」
草壁メイを、安全な場所に埋めなおさなければ。
ウォーズマンの決意は早かった。
「待っていろ、草壁メイ……。お前をこれ以上傷つけるわけにはいかん!」
そして、ウォーズマンは神社を飛び出す。
向かうべきはもちろんH-05……ギュオーが草壁メイを埋めているであろう場所へ、と。
……ちなみに、仲間の死に憤り草壁メイのことを憐れむ彼が、不可解な禁止エリアについて『少なくとも今』は追及しなかったのは、また別の話である。
【F-05/森/一日目・昼過ぎ】
【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身に中度のダメージ ゼロスに対しての憎しみ、アシュラマンの死に怒り
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品1~3) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1:H-05の森へ行き、ギュオーと共に草壁メイの遺体を移動させたい。
2:ゲンキとスエゾーとハムを見つけ次第保護。
3:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
4:紫の髪の男だけは許さない
5:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。
【備考】
※ゲンキとスエゾーとハムの情報(名前のみ)を知りました
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています
※ギュオーのことは基本的に信用していますが、彼の発言を鵜呑みにはしていません
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