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「It's a show time」(2009/04/13 (月) 23:48:05) の最新版変更点
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*It's a show time ◆5xPP7aGpCE
「だから~、僕はキン肉万太郎。父上と間違えられるのは心外だよ」
たらこ唇の成年が軽く憤慨しながら二度も間違えられた事に抗議する。
みるからに単純そうな性格の彼が嘘を言っている様子は無い。
「……それは本当なのでしょうか?」
漆黒のガイバー、『古泉一樹』はそれでも念押しの質問をした。
問い詰められた万太郎は「何でこの人そんな事聞くんだろう」と不満に思いつつ自分が正真正銘本物だと主張する。
「さっきから繰り返し言ってるじゃないか、これ以上僕を嘘吐きよわばりするんなら本気で怒るよ」
「失礼をお詫びします、聞いていたスグルさん特徴があまりにも貴方と似ていたものでして」
重傷の身体を起こそうとする万太郎を古泉は押し留めた。
どうやら彼は捜し求めていたキン肉スグルとは別人で間違いなさそうだった。
では彼を見付けた古泉はぬか喜びをしたのだろうか?
いや違う、古泉は確かに落胆した一方で喜んでもいた。
(早とちりでしたか……ですが当面戦えそう無い彼と違い、本物のスグルさんは大した怪我も無しに生きているかもしれませんね。
ここはポジティブに考えましょう)
とても口に出せないが、つまりは怪我をしたのが万太郎の方で良かったという事だ。
仇と狙う悪魔将軍が一番拘っていたのがキン肉スグル、万太郎という名に心当たりは無いと言い『一族の誰か』扱いに留まっていた事を古泉は覚えている。
実力もスグルに比べて劣るのかもしれない、しかしそれでも―――
(正義超人の一人である彼は貴重な戦力です)
駒としては使える。
当面戦えずとも、己を敵視したかもしれない夏子やハム相手の仲介役になってくれるかもしれない。
本物のキン肉スグルやウォーズマンと引き合わせてくれるかもしれない。
「とにかく貴方が戦っていたオメガマンは此処に居ません、今は休んでいて下さい」
「う~ん、疲れてるしそうさせてもらうよ。でも何だか変に胸騒ぎがするんだけど……」
怪我の所為で不安になったのだろうか、と休憩を薦める古泉が思ったその時だった。
突然背後から冷や水、いや液体ヘリウムを浴びせられたような声に全身が凍り付く。
「その予感は当たってるぞ、キン肉マン」
ガイバー状態でなかったら驚愕する古泉の表情を万太郎は見ただろう。
彼との対話に気を取られていたとはいえ、全く気配は感じられなかった。
あの時のみくる達も同じ経験したのか、古泉の心の片隅でそんな思考が成されてしまう。
「……どうして」
何故此処に―――
将軍は湖で俺の帰りを待っている筈では。
ぎこちなく振り返る古泉の視界にその答えが飛び込んでくる。
悪魔将軍の腕に生殺与奪を握られた哀れな存在。
オメガマン。
あの後、万太郎から男の本名を聞いていた。
もし彼も万太郎をスグルと思い込んでおり、それを将軍が知ったとしたら―――答えは考えるまでも無い。
「お前が居ると聞いてわざわざ出向いてやったのだ、ありがたく思え」
では何故モールのこの場所が解ったのか。
その答えも直ぐに見つかった。
将軍の足元に点々と印されている血痕。
古泉が万太郎を背負って運び込んだ際に落ちたものに違いなかった。
それを見つけた将軍が気配を消して入ってきたのだろう。
「今直ぐ地獄送りにしてやるわ!」
動けなかった。
いや、あまりの速さに動くことが出来なかった。
将軍はオメガマンを抱えたまま超速で踏み出し、カウンターから身体を起こしかけた万太郎の顔面に削岩機の様な拳を叩き込んだ。
吹き飛ぶ肉体。
壁に衝突する破壊音、飛び散る備品。
ただの一撃で万太郎は壁に半身を埋没させ、意識を手放していた。
「待ってください!」
殺させる訳にはいかない。
彼は大事な復讐の駒、今無下に失う訳にはいかない。
かといって今直ぐ将軍に反逆して成功する可能性は皆無、しかし将軍がスグルと思って攻撃したのなら光明はまだ尽きていない。
古泉は将軍と万太郎の間に身体を割り込ませた。
無言で押しのけようとする将軍に対し声高に叫ぶ。
「この人は貴方が狙うキン肉スグルではありません、彼は『キン肉万太郎』、スグルの息子と僕に名乗りました!
ならば今ここで殺す理由にはならない筈!」
「何だと?」
その声に将軍の動きが止まった。
成功だ、と古泉は微かに安心する。
もちろんスグルで無いからといって将軍が正義超人を見逃す可能性は殆ど無い。
しかし、多少の時間は稼げるかもしれない。
隙を見て彼を逃がすきっかけを作ってやれれば、とそう考えた。
やがて将軍はゆっくりと万太郎に歩み寄る、そして胸倉を掴んで一気に壁から彼を引きずり出す。
万太郎の顔面は大きく歪み、大量の鼻血をポタポタと垂らしていた。
半開きの口から白いものが落ちる、きっと折れた歯の一部だろう。
当然意識は無い、垂れ下がった腕はピクリとも動かなかった。
将軍は観察した。
このブタ鼻マスクの男が古泉の言う様に人違いなのかどうか。
それともやはり何としても殺すと決めた相手なのか、それを見極める為に注視する。
静寂が部屋を包む。
古泉も、そして将軍に情報をもたらしたオメガマンもただ固唾を呑んで見守るしかなかった。
どれ程の時間が過ぎたのだろう。
実際は数十秒だったかもしれない、しかし古泉にとってそれは何時間にも感じられた。
突然将軍の手が離される、支えを失って万太郎はドサリと散らかった床に崩れ落ちた。
「……フン、偽者とはとんだ無駄足だ。貴様、よくもこの私を謀ってくれたな」
「ゲェーッ! そ、そんな馬鹿なーーーっ!!」
腕に力を込められてオメガマンが絶叫する。
言い訳しようとした、しかしオメガマンもそこで気付いた。
確かに万太郎はあの時名乗っていた事に。
『僕はスグルじゃなくて、息子の万太郎なんだけど』
気にも留めなかった。
自らの知っているキン肉スグルに酷似していたから間違いである筈が無いと。
しかし冷静になって観察するとマスクのデザインや体型が微妙に違う。
理解した途端全身から冷や汗が吹き出る。
「お前も気付いたか? だがもう遅い」
「しょ、将軍様お助けをーーーっ!!」
見苦しさなど気にしていられなかった。
今は何としても命を繋ぐのが最優先、そう判断してオメガマンは必死に命乞いする。
そんなやり取りの間、古泉は直ぐ万太郎を助け起こそうと駆け寄った。
うまくすればこのまま彼を逃がすチャンスが出来るかもしれない。
頭にショックを与えないよう慎重に起こしている時だった、またもや部屋に乱入者が入ってきた。
「悪りぃ遅くなっちまった、将軍、古泉、二人共ゴメン」
学校に遅刻した事を詫びる様なノーヴェの態度にこの場の空気が乱される。
キョトンとする彼女の周りで皆が顔を見合わせてしまう。
それはある意味、悪魔将軍に新たな考えを呼び起こさせるきっかけでもあった。
「いいだろう、気が変わった」
「クォックォッ、悪魔将軍殿は話が解る……」
腕が緩んでオメガマンが安堵する。
首は変わらず拘束されたままだが今すぐスープになる事は避けられた。
だが彼は知らない、将軍が果たして何を考えたのかを。
「古泉、そやつをそのまま連れて来い」
「……わかりました」
感情を押し殺した声で古泉は将軍に応える。
憎い仇。
必ず殺すと誓った相手。
しかしここで戦っても勝ち目は無いと解っている、今は叛意を悟られる訳にはいかない。
先程の話が何処まで聞かれていたのかは解らない、しかしはっきり将軍への反逆を口にしていなかった事は不幸中の幸いだった。
(焦ってはいけない、ここは従う振りをするしかありません)
慎重に行動すると決めたのだ、うかつに事を急ぐのは自滅と同義だと自分に言い聞かせる。
運び込んだ時と同じ様に万太郎を背負いながら将軍を追う。
最初は助けるつもりだった。
しかし今は生贄の動物を運んでいるような錯覚に一瞬囚われる。
(まだ正義超人は残っています、希望が潰えた訳じゃない。彼には申し訳ありませんが―――切り捨てるのも止むを得ない)
しかしそれでも気持ちは自然と重くなる。
無言のまま、ノーヴェに話しかけられても殆ど返答せずに古泉と一行はモールを後にした。
「何処へ向かうんですか将軍? それに彼の処遇は……」
「すぐ解る、向かう先は湖だ」
その言葉で理解した。
目的地は湖の特設リング、そこが万太郎の処刑場になるのだという事を。
自らが磔られる十字架を持たされる罪人の気分になった。
それでも古泉はその言葉に従って先に進むしかなかった。
途中何度も万太郎を逃がそうとした、しかし結局その機会は訪れなかった。
※ ※ ※
「ただいまー中トロ」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|, お帰りノーヴェ |
|________|
.∧ | ∧
,i |_,! i、
i .。 |_ 。, `i
i -ー、―-、 |
i ,/"^ヘ^i i
i i' | |
i ヽ_,._,/ ,'
゙ー---―'
別れたと思ったら一時間も経たない内に水上リングが再起動して僕はノーヴェと再会できた。
二人で喜んでいると次々と参加者がリングに入ってくる。
さっきの倍の人数だよ、今度こそ試合が始まるのかな?
「助かりたいか? オメガマンよ」
「もちろんです、俺を生かすのは将軍殿にとっても悪くない話の筈。役立ちますぜ~~~っ!!」
あちゃー、負けたとはいえあんなに媚びへつらうなんて情けないよ。
彼の事だ、本心は知れているけど将軍は何と答えるんだろ?
「ならチャンスをやろう、今ここで偽キン肉マンとタッグを組め。そして試合に勝ってみろ」
な、なんだってーっ!!
将軍以外の全員が驚いたよ、偽キン肉マン本人は気絶したまま背負われてたんだけど。
「タッグを組むのは構いませんぜ、でもこの身体で将軍殿と!?」
オメガマンが体調を言い訳に抗議し出した。
確かに僕から見てもオメガマンはベストとは言い難い状態だ。
もし将軍相手なら勝負にならないと断言できるよ。
「誰が私が相手すると言った。古泉、ノーヴェ、これから行うのはお前達のデビュー戦だ」
これまた驚いたよ、古泉ってあの黒い着ぐるみの人だよね?
どうやら彼がオメガマンの言っていた『ガイバーⅢ』らしい。
三人は仲間だったんだ。
「だってさ、古泉」
「……やるしか無いようですね」
話を振られたノーヴェはあっさり了解したみたいだ。
着ぐるみの少年も少し遅れて同意する。
気のせいかな? 全然表情が見えないけど何だか苦渋の決断という感じがしたよ。
彼がオメガマンの隣に偽キン肉マンを寝かせるとノーヴェの隣に戻った。
将軍はそれを見届けてロープの外に出る。
コーナーでタッグを組む者のミーティングが始まった。
いや、会話してるのはノーヴェとガイバーⅢだけだ。
偽キン肉マンはまだ起きてこないよ。
話を聞いた限り直前まで敵対してた様だし大丈夫かな?
空気がだんだん変わっていく。
本番が近い。
ここから先はどっちの味方も出来ない。
実況役として中立に徹しなければならない。
だからノーヴェが不利になったとしても僕は何の力にもなれない。
彼女が倒れたとしても受け入れるしか無い。
だって最終的な勝者はつまる所一人。
それがこのゲームの絶対的なルール。
あのスバルも優勝しない限りは元の世界に帰れない。
……あれ、僕は何でこんなに苦しくなっているんだろう?
とっくに諦めた事だと思ったのに。
※ ※ ※
「全く強引だ、一体将軍は何を考えてるでしょうかねノーヴェさん」
今、あたしの隣にはガイバーになった古泉が居る。
不満そうな気持ちも解る、言う通り強引だと思う。
「……将軍が憎いのか? さっきからお前はあの二人より将軍の方ばかり気にしてるじゃないかよ」
でも古泉の不満はもっと別にある。
みくるの事、それを口に出せない為別の不満を身代わりにしたんだ。
何となく解った。
古泉は答えなかった、でもそんなピリピリした空気出してりゃ正解と気付く。
そのまま黙ってあたしは古泉の横顔を見続ける。
再開するのはほんの数時間ぶり、でもまるで別人になっちまったみたいだ。
「変わったな古泉。なんつーか、雰囲気が将軍に似てきた」
将軍の狙い通り古泉は変わった。
感じたままを口にするとガイバーの下で古泉が驚いたのが何故か解った。
そしてやっと答えてくれた。
「俺は……」
ひょっとして将軍とは違う、と続けたかったのかもしれない。
けど言わせちゃいけない、それは自分に嘘を付く事だ。
「古泉、今は一緒に強くなる事を考えよう」
だからあたしは遮った、そして今やるべき事を口にする。
今の古泉とあたしの共通の目的、それは強くなる事。
今更敵を倒す事に躊躇いは無い、あたし達の邪魔をする奴は蹴っ飛ばす!
腕を差し出すと古泉もぎこちないけど腕を出してくれた。
あたしと古泉は腕を交差させる。
古泉のガイバー、あたしのダイヤモンドナックル、どっちも将軍に認められた証。
そして一緒に敵を見る。
オメガマン。
あたし達を襲った危険人物、生かした所で為になるとは思えない。
キン肉万太郎。
あたしとは特に関わりの無い相手、でも将軍にとっては敵、立ち塞がるなら容赦しない。
勝てばあたしと古泉はもっと強くなれる、そんな気がする。
古泉の腕から動揺が伝わる、筋肉が微妙に乱れているのが解る。
いろいろ思う所があるんだろうか? でももう後戻りは出来ない。
「しゃんとするんだ古泉、気持ちが乱れてるぞ!」
将軍の影響かな? あたしがこいつを引っ張りたくなってきた。
動揺が少しだけ治まる、でも別の部分が乱れてきた。
「その名前は捨てたんです、これからは『ガイバーⅢ』と呼んでください」
突然そんな事をあたしに告げた。
変な事言い出す奴だってのは知ってるけど三度も続くと正直呆れる。
「馬鹿言うな」
そんな事できる訳ないだろ。
あたしは古泉を小突いた。
「お前は古泉だよ、森であたしに言ったじゃないか『古泉一樹です』ってさ」
「……随分昔の事に思えます。今の俺はあの時の俺と違う、別人として扱ってください」
腕を伝わる乱れは治まりかけていた、つーか抑揚が減ってるみたいだ。
きっとこいつなりに腹くくったって事だろう。
でもこれだけは譲れない。
あたしは古泉の腕を強引に動かしてあたしを斬る真似をさせる。
すると戸惑いが伝わる。
そんな古泉の為にあたしは一人芝居を始める。
『誰だお前…!?』
第一声がそれだった、今考えてもホント間抜けな声出してたと思う。
あの時はあたしがガイバーでお前がただの学生。
斬りかかったあたしが気付いた時にお前は目を瞑って立っていた。
ほら、こんな顔してたんだぞ古泉。
『……人に名前を聞くときはまず自分から名乗るのが礼儀というものではないですか?』
下手な口真似はつい噴出しそうになる。
笑いを必死に押し殺してあたしは続ける。
『…ノーヴェだ。お前は?』
『古泉一樹です』
あの時と同じ丁寧な言葉遣いで名乗りを上げる。
そしてお前はあたしを助けてくれた。
そこからあたし達は始まったんだ。
お前と出会えて本当に良かった。
だから『古泉一樹』が消えたなんてあたしは認めない、また言ったら今度は蹴っ飛ばしてやる。
短い芝居が終わってあたしは笑った。
ちょっと恥ずかしい、でも悪い気はしない。
「ノーヴェさん……」
なんか古泉が戸惑ってる、あたしの三文芝居も捨てたものじゃないかな?
「あたしにとってお前はあの時の古泉だ、だから二度とそんな事言うな。
また言い出したら将軍に頼んでお前からガイバーを取り上げるからなっ!」
それなら”ガイバー”なんて名乗れないだろ。
そして思い切り背中を叩く。
転びそうになる古泉、変な事言い出したおしおきだ!
「あたしはまだお前と続けてみたい、無理には言わないけどさ」
今日のあたしは饒舌だ。
なんでか自然と口から言葉が出てくる。
きっと気持ちに素直になれたからだろう。
「……考えさせてください」
それが古泉の答え。
こいつもいろいろある、今はそれで仕方ないか。
この話はこれまでにする。
今はあの時みたいに一緒に戦いたい。
そして強くなる。
目指すのはセインの仇、そしてチンク姉の仇、『タイプゼロ・セカンド』
それを果たしても先がある、長門有希、草壁タツオ、先はまだまだ長い。
それでも。
―――あたしは、負けない
※ ※ ※
「ケッ、何を見詰め合っているんだあいつ等は」
二人に苛立ちながらオメガマンは念入りにウォーミングアップを行っていた。
同時に頭の中では助かる方法も繰り返し考え続ける。
無理な姿勢で拘束された痛みは大分に和らいだ。
今、無様に伸びている傍らの万太郎を殺すのは簡単。
しかし実行したが最後、三人がかりで袋にされるのがオチだ。
万太郎を囮にして逃げようとした所で周りは水、ボートを奪ってもあの光の道にたちまち追いつかれてしまう。再考。
あくまで下手に出て将軍に取り入るのも不可能、奴の性格上戦えない奴を始末する事に躊躇は無い。これも再考。
つまり結局は勝つしかないのだ。
あのガイバーⅢと小娘が将軍とどんな関係かは知らんが、二人以上に自分が役に立つ存在と証明すれば将軍も自分を無碍にしない筈。
そして体力の回復を待って寝首をかけばいい。
「この疫病神め~~~っ、くおらっ何時まで寝ぼけている!」
こんな事になったのもこいつが紛らわしい姿をしていた所為だと八つ当たり気味に万太郎を足蹴にする。
さすがに本気で蹴るのは止めておいた。
こいつにはこれから最大限働いてもらわなければ困るのだ。
「……あ、れ? 僕、どうしてこんな所に居るの?」
痛みで意識を取り戻した万太郎がのろのろと身体を起こす。
まだ意識は朦朧としてるのだろう、オメガマンが見下ろしているにも関わらず目の焦点が合わずぼんやりとしたままだ。
「ほら~~~、手を貸してやるよキン肉万太郎よ!」
まだ自分を取り戻していない彼をオメガマンは引き起こして強引に肩を組んだ。
そして万太郎に言い聞かせる。
「いいか~~~? 詳しい話は後回しだ、ひとまず休戦して共通の敵と戦わなければ俺達はジ・エンドだぜ~~~!」
「ムニャムニャ……、休戦? 共通の敵? いかにもヒーロー向きの展開だね~」
半開きの目で万太郎がコクコク頷く。
本当に理解しているのか疑わしいがとりあえず現状を言い聞かせる事には成功した。
後は役割分担だ。
「俺の相手はあの色黒の小娘だぜ~~~っ! お前はあの黒い”ガイバーⅢ”を頼むぜ~~~っ!」
「僕の相手……ガイバーⅢ……、解った」
関わりたくない相手を押し付ける事にも成功してオメガマンはほくそえむ。
逃げた後で二人の間でどんなやり取りがあったのか解らないが、その事でガイバーⅢが戦い辛くなれば幸いだ。
自分の相手は小柄な小娘、油断は禁物だがガイバーⅢよりはマシだろう。
「両者共に準備は良いか? ではこれより『デビルボーイ&マシンガールズ』VS『オメガマンタチーム』の試合を行う」
「何だよその変な名前はっ! もっといい名に付け直せよっ!」
「諦めましょうノーヴェさん、将軍に何を言っても無駄に決まってます」
そしてセコンドの悪魔将軍から試合の宣告が行われた。
沸き起こった少女の抗議を受け流していよいよコングが鳴り響く。
今回手を組むのは道を違える事を決意した少年とそれを知らない少女。
そして正義と完璧、決して交わらぬ道を歩む者。
太陽は既に傾き湖にリングの影が長く伸びている。
夕日の中、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。
特設リングタッグマッチ第二回戦
『デビルボーイ&マシンガールズ』VS『オメガマンタチーム』
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|, はじまるよ! |
|________|
.∧ | ∧
,i |_,! i、
i .。 |_ 。, `i
i -ー、―-、 |
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゙ー---―'
【E-09 湖のリング/一日目・夕方】
【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】 健康
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りディバッグ
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.古泉とノーヴェのセコンドを務めて二人を立派な悪魔超人にする。
2.万太郎とオメガマンを始末する。
3.強い奴は利用(市街地等に誘導)、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
4.殺し合いを主催者達も混ぜ、更に発展させる。
5.強者であるなのはに興味
6.シンジがウォーズマンを連れてくるのを待つ
※涼宮ハルヒがこの一件の黒幕ではないかと考えています。
※トトロたちを主催者達の監視カメラ代わりだと思っています。(真偽は不明)
※アシュラマンの腕を吸収しました。
※オメガマンの知っている情報は取得済みです。
※リムーバーを装着しています。
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 疲労(中)、魔力消費(小)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.強くなって脱出方法を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
2.古泉と一緒にオメガマン、万太郎を倒す。
3.親友を裏切り、妹を殺そうとするキョンを蹴り飛ばしたい
4.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
5.強くなったらゼクトール、悪魔将軍も蹴っ飛ばす?
6.ジェットエッジ欲しい
※参戦時期は原作の第18話~第21話の間と思われます。
※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。
※フェイトを殺した悪魔将軍の実力に一目置いています。
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】精神的疲労(大)、悪魔の精神、キョンに対する激しい怒り
【装備】 ガイバーユニットⅢ
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱(壊れている?)、ケーブル10本セット@現実、
ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)
高性能指向性マイク@現実、みくるの首輪、ノートパソコン@現実?
【思考】
0.復讐のために、生きる。
1.悪魔将軍と長門を殺す。手段は選ばない。目的を妨げるなら、他の人物を殺すことも厭わない。
2.時が来るまで悪魔将軍に叛意を悟られなくない。
3.オメガマンはどうなろうが構わない、キン肉万太郎は助けたいが……
4.使える仲間を増やす。特にキン肉スグル、キン肉万太郎、朝倉涼子を優先。
5.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
6.キョンの妹を捜す。
7.午後6時に、採掘所でキョンと合流。そして―――
8.デジタルカメラの中身をよく確かめたい。
※ガイバーに殖装することが可能になりました。使える能力はガイバーⅢと同一です
※自分の『超能力』が使用できる事に気付いています。使用するごとに、精神的に疲労を感じます。
※メモ用紙には地図から読み取れる「中央に近づけたくない意志」についてのみ記されています。
禁止エリアについてとそこから発展した長門の意思に関する考察は書かれていません。
※一人称を完全に『俺』に変えました。
※掲示板の書き込みを見ましたが、キョンのところまでで止まっています。それ以降に何か書かれていたかは確認していません。
※ゼロス、ギュオー、ナーガ、ケロロ軍曹、タママ二等兵、ドロロ兵長を強者と判断しました(ナーガは外見的特徴のみ認識、ゼロスは協力の余地がある、あと三人は情報を得るために可能なら接触したいが、無理はしない)
※古泉のノートパソコンのkskアクセスのキーワードは、ケロロ世界のものです。
※デジタルカメラが破損しました。壊れているかもしれないし、修理さえすれば正常に動くかもしれません。
※トトロが主催と関係しているのではという仮説をたてましたが、半信半疑です。
※キョンに対するスタンスは、次の書き手にお任せします。
【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【持ち物】ディパック(支給品一式入り)、不明支給品1、夏子のメモ
【思考】
0.……休戦?共通の敵?
1.危険人物の撃退と弱者の保護。
2.僕の相手……ガイバーⅢ……
3.夏子たちを追う。
4.少年(シンジ)を守る。
5.頼りになる仲間をスカウトしたい。
父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前の時代からの参戦です。
※アシュラマンを自分と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※悪魔将軍の話題はまだしていません。ぼんやりと覚えています。
※まだ自分の状況があまりつかめていません。
【ジ・オメガマン@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、アシュラマンの顔を指に蒐集
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)×2、不明支給品0~2、5.56mm NATO弾x60、マシンガンの予備弾倉×3
【思考】
1:皆殺し。
2:万太郎を最大限利用して古泉とノーヴェを殺す。
3:用が済めば万太郎も殺す、悪魔将軍も殺したいが……
4:スエゾーは必ず殺す。
※バトルロワイアルを、自分にきた依頼と勘違いしています。 皆殺しをした後は報酬をもらうつもりでいます。
※Ωメタモルフォーゼは首輪の制限により参加者には効きません。
※完璧超人復活ッ 完璧超人復活ッ 完璧超人復活ッッ 完璧超人復活ッッ 完璧超人復ッッ活ッッ
※万太郎はキン肉スグルと別人だと知りました。
※アシュラマンの腕は悪魔将軍に吸収されました。
※共通事項
全員のティバックはリングの下、悪魔将軍の足元近くに置いてあります。
*時系列順で読む
Back:[[Girl who does lesson]] Next:[[びっくりした?]]
*投下順で読む
Back:[[Girl who does lesson]] Next:[[びっくりした?]]
|[[Girl who does lesson]]|悪魔将軍|[[]]|
|~|ノーヴェ|~|
|~|ジ・オメガマン|~|
|~|中トトロ|~|
|[[阿修羅姫]]|古泉一樹|~|
|~|キン肉万太郎|~|
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*It's a show time ◆5xPP7aGpCE
「だから~、僕はキン肉万太郎。父上と間違えられるのは心外だよ」
たらこ唇の成年が軽く憤慨しながら二度も間違えられた事に抗議する。
みるからに単純そうな性格の彼が嘘を言っている様子は無い。
「……それは本当なのでしょうか?」
漆黒のガイバー、『古泉一樹』はそれでも念押しの質問をした。
問い詰められた万太郎は「何でこの人そんな事聞くんだろう」と不満に思いつつ自分が正真正銘本物だと主張する。
「さっきから繰り返し言ってるじゃないか、これ以上僕を嘘吐きよわばりするんなら本気で怒るよ」
「失礼をお詫びします、聞いていたスグルさん特徴があまりにも貴方と似ていたものでして」
重傷の身体を起こそうとする万太郎を古泉は押し留めた。
どうやら彼は捜し求めていたキン肉スグルとは別人で間違いなさそうだった。
では彼を見付けた古泉はぬか喜びをしたのだろうか?
いや違う、古泉は確かに落胆した一方で喜んでもいた。
(早とちりでしたか……ですが当面戦えそう無い彼と違い、本物のスグルさんは大した怪我も無しに生きているかもしれませんね。
ここはポジティブに考えましょう)
とても口に出せないが、つまりは怪我をしたのが万太郎の方で良かったという事だ。
仇と狙う悪魔将軍が一番拘っていたのがキン肉スグル、万太郎という名に心当たりは無いと言い『一族の誰か』扱いに留まっていた事を古泉は覚えている。
実力もスグルに比べて劣るのかもしれない、しかしそれでも―――
(正義超人の一人である彼は貴重な戦力です)
駒としては使える。
当面戦えずとも、己を敵視したかもしれない夏子やハム相手の仲介役になってくれるかもしれない。
本物のキン肉スグルやウォーズマンと引き合わせてくれるかもしれない。
「とにかく貴方が戦っていたオメガマンは此処に居ません、今は休んでいて下さい」
「う~ん、疲れてるしそうさせてもらうよ。でも何だか変に胸騒ぎがするんだけど……」
怪我の所為で不安になったのだろうか、と休憩を薦める古泉が思ったその時だった。
突然背後から冷や水、いや液体ヘリウムを浴びせられたような声に全身が凍り付く。
「その予感は当たってるぞ、キン肉マン」
ガイバー状態でなかったら驚愕する古泉の表情を万太郎は見ただろう。
彼との対話に気を取られていたとはいえ、全く気配は感じられなかった。
あの時のみくる達も同じ経験したのか、古泉の心の片隅でそんな思考が成されてしまう。
「……どうして」
何故此処に―――
将軍は湖で俺の帰りを待っている筈では。
ぎこちなく振り返る古泉の視界にその答えが飛び込んでくる。
悪魔将軍の腕に生殺与奪を握られた哀れな存在。
オメガマン。
あの後、万太郎から男の本名を聞いていた。
もし彼も万太郎をスグルと思い込んでおり、それを将軍が知ったとしたら―――答えは考えるまでも無い。
「お前が居ると聞いてわざわざ出向いてやったのだ、ありがたく思え」
では何故モールのこの場所が解ったのか。
その答えも直ぐに見つかった。
将軍の足元に点々と印されている血痕。
古泉が万太郎を背負って運び込んだ際に落ちたものに違いなかった。
それを見つけた将軍が気配を消して入ってきたのだろう。
「今直ぐ地獄送りにしてやるわ!」
動けなかった。
いや、あまりの速さに動くことが出来なかった。
将軍はオメガマンを抱えたまま超速で踏み出し、カウンターから身体を起こしかけた万太郎の顔面に削岩機の様な拳を叩き込んだ。
吹き飛ぶ肉体。
壁に衝突する破壊音、飛び散る備品。
ただの一撃で万太郎は壁に半身を埋没させ、意識を手放していた。
「待ってください!」
殺させる訳にはいかない。
彼は大事な復讐の駒、今無下に失う訳にはいかない。
かといって今直ぐ将軍に反逆して成功する可能性は皆無、しかし将軍がスグルと思って攻撃したのなら光明はまだ尽きていない。
古泉は将軍と万太郎の間に身体を割り込ませた。
無言で押しのけようとする将軍に対し声高に叫ぶ。
「この人は貴方が狙うキン肉スグルではありません、彼は『キン肉万太郎』、スグルの息子と僕に名乗りました!
ならば今ここで殺す理由にはならない筈!」
「何だと?」
その声に将軍の動きが止まった。
成功だ、と古泉は微かに安心する。
もちろんスグルで無いからといって将軍が正義超人を見逃す可能性は殆ど無い。
しかし、多少の時間は稼げるかもしれない。
隙を見て彼を逃がすきっかけを作ってやれれば、とそう考えた。
やがて将軍はゆっくりと万太郎に歩み寄る、そして胸倉を掴んで一気に壁から彼を引きずり出す。
万太郎の顔面は大きく歪み、大量の鼻血をポタポタと垂らしていた。
半開きの口から白いものが落ちる、きっと折れた歯の一部だろう。
当然意識は無い、垂れ下がった腕はピクリとも動かなかった。
将軍は観察した。
このブタ鼻マスクの男が古泉の言う様に人違いなのかどうか。
それともやはり何としても殺すと決めた相手なのか、それを見極める為に注視する。
静寂が部屋を包む。
古泉も、そして将軍に情報をもたらしたオメガマンもただ固唾を呑んで見守るしかなかった。
どれ程の時間が過ぎたのだろう。
実際は数十秒だったかもしれない、しかし古泉にとってそれは何時間にも感じられた。
突然将軍の手が離される、支えを失って万太郎はドサリと散らかった床に崩れ落ちた。
「……フン、偽者とはとんだ無駄足だ。貴様、よくもこの私を謀ってくれたな」
「ゲェーッ! そ、そんな馬鹿なーーーっ!!」
腕に力を込められてオメガマンが絶叫する。
言い訳しようとした、しかしオメガマンもそこで気付いた。
確かに万太郎はあの時名乗っていた事に。
『僕はスグルじゃなくて、息子の万太郎なんだけど』
気にも留めなかった。
自らの知っているキン肉スグルに酷似していたから間違いである筈が無いと。
しかし冷静になって観察するとマスクのデザインや体型が微妙に違う。
理解した途端全身から冷や汗が吹き出る。
「お前も気付いたか? だがもう遅い」
「しょ、将軍様お助けをーーーっ!!」
見苦しさなど気にしていられなかった。
今は何としても命を繋ぐのが最優先、そう判断してオメガマンは必死に命乞いする。
そんなやり取りの間、古泉は直ぐ万太郎を助け起こそうと駆け寄った。
うまくすればこのまま彼を逃がすチャンスが出来るかもしれない。
頭にショックを与えないよう慎重に起こしている時だった、またもや部屋に乱入者が入ってきた。
「悪りぃ遅くなっちまった、将軍、古泉、二人共ゴメン」
学校に遅刻した事を詫びる様なノーヴェの態度にこの場の空気が乱される。
キョトンとする彼女の周りで皆が顔を見合わせてしまう。
それはある意味、悪魔将軍に新たな考えを呼び起こさせるきっかけでもあった。
「いいだろう、気が変わった」
「クォックォッ、悪魔将軍殿は話が解る……」
腕が緩んでオメガマンが安堵する。
首は変わらず拘束されたままだが今すぐスープになる事は避けられた。
だが彼は知らない、将軍が果たして何を考えたのかを。
「古泉、そやつをそのまま連れて来い」
「……わかりました」
感情を押し殺した声で古泉は将軍に応える。
憎い仇。
必ず殺すと誓った相手。
しかしここで戦っても勝ち目は無いと解っている、今は叛意を悟られる訳にはいかない。
先程の話が何処まで聞かれていたのかは解らない、しかしはっきり将軍への反逆を口にしていなかった事は不幸中の幸いだった。
(焦ってはいけない、ここは従う振りをするしかありません)
慎重に行動すると決めたのだ、うかつに事を急ぐのは自滅と同義だと自分に言い聞かせる。
運び込んだ時と同じ様に万太郎を背負いながら将軍を追う。
最初は助けるつもりだった。
しかし今は生贄の動物を運んでいるような錯覚に一瞬囚われる。
(まだ正義超人は残っています、希望が潰えた訳じゃない。彼には申し訳ありませんが―――切り捨てるのも止むを得ない)
しかしそれでも気持ちは自然と重くなる。
無言のまま、ノーヴェに話しかけられても殆ど返答せずに古泉と一行はモールを後にした。
「何処へ向かうんですか将軍? それに彼の処遇は……」
「すぐ解る、向かう先は湖だ」
その言葉で理解した。
目的地は湖の特設リング、そこが万太郎の処刑場になるのだという事を。
自らが磔られる十字架を持たされる罪人の気分になった。
それでも古泉はその言葉に従って先に進むしかなかった。
途中何度も万太郎を逃がそうとした、しかし結局その機会は訪れなかった。
※ ※ ※
「ただいまー中トロ」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|, お帰りノーヴェ |
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,i |_,! i、
i .。 |_ 。, `i
i -ー、―-、 |
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i ヽ_,._,/ ,'
゙ー---―'
別れたと思ったら一時間も経たない内に水上リングが再起動して僕はノーヴェと再会できた。
二人で喜んでいると次々と参加者がリングに入ってくる。
さっきの倍の人数だよ、今度こそ試合が始まるのかな?
「助かりたいか? オメガマンよ」
「もちろんです、俺を生かすのは将軍殿にとっても悪くない話の筈。役立ちますぜ~~~っ!!」
あちゃー、負けたとはいえあんなに媚びへつらうなんて情けないよ。
彼の事だ、本心は知れているけど将軍は何と答えるんだろ?
「ならチャンスをやろう、今ここで偽キン肉マンとタッグを組め。そして試合に勝ってみろ」
な、なんだってーっ!!
将軍以外の全員が驚いたよ、偽キン肉マン本人は気絶したまま背負われてたんだけど。
「タッグを組むのは構いませんぜ、でもこの身体で将軍殿と!?」
オメガマンが体調を言い訳に抗議し出した。
確かに僕から見てもオメガマンはベストとは言い難い状態だ。
もし将軍相手なら勝負にならないと断言できるよ。
「誰が私が相手すると言った。古泉、ノーヴェ、これから行うのはお前達のデビュー戦だ」
これまた驚いたよ、古泉ってあの黒い着ぐるみの人だよね?
どうやら彼がオメガマンの言っていた『ガイバーⅢ』らしい。
三人は仲間だったんだ。
「だってさ、古泉」
「……やるしか無いようですね」
話を振られたノーヴェはあっさり了解したみたいだ。
着ぐるみの少年も少し遅れて同意する。
気のせいかな? 全然表情が見えないけど何だか苦渋の決断という感じがしたよ。
彼がオメガマンの隣に偽キン肉マンを寝かせるとノーヴェの隣に戻った。
将軍はそれを見届けてロープの外に出る。
コーナーでタッグを組む者のミーティングが始まった。
いや、会話してるのはノーヴェとガイバーⅢだけだ。
偽キン肉マンはまだ起きてこないよ。
話を聞いた限り直前まで敵対してた様だし大丈夫かな?
空気がだんだん変わっていく。
本番が近い。
ここから先はどっちの味方も出来ない。
実況役として中立に徹しなければならない。
だからノーヴェが不利になったとしても僕は何の力にもなれない。
彼女が倒れたとしても受け入れるしか無い。
だって最終的な勝者はつまる所一人。
それがこのゲームの絶対的なルール。
あのスバルも優勝しない限りは元の世界に帰れない。
……あれ、僕は何でこんなに苦しくなっているんだろう?
とっくに諦めた事だと思ったのに。
※ ※ ※
「全く強引だ、一体将軍は何を考えてるでしょうかねノーヴェさん」
今、あたしの隣にはガイバーになった古泉が居る。
不満そうな気持ちも解る、言う通り強引だと思う。
「……将軍が憎いのか? さっきからお前はあの二人より将軍の方ばかり気にしてるじゃないかよ」
でも古泉の不満はもっと別にある。
みくるの事、それを口に出せない為別の不満を身代わりにしたんだ。
何となく解った。
古泉は答えなかった、でもそんなピリピリした空気出してりゃ正解と気付く。
そのまま黙ってあたしは古泉の横顔を見続ける。
再開するのはほんの数時間ぶり、でもまるで別人になっちまったみたいだ。
「変わったな古泉。なんつーか、雰囲気が将軍に似てきた」
将軍の狙い通り古泉は変わった。
感じたままを口にするとガイバーの下で古泉が驚いたのが何故か解った。
そしてやっと答えてくれた。
「俺は……」
ひょっとして将軍とは違う、と続けたかったのかもしれない。
けど言わせちゃいけない、それは自分に嘘を付く事だ。
「古泉、今は一緒に強くなる事を考えよう」
だからあたしは遮った、そして今やるべき事を口にする。
今の古泉とあたしの共通の目的、それは強くなる事。
今更敵を倒す事に躊躇いは無い、あたし達の邪魔をする奴は蹴っ飛ばす!
腕を差し出すと古泉もぎこちないけど腕を出してくれた。
あたしと古泉は腕を交差させる。
古泉のガイバー、あたしのダイヤモンドナックル、どっちも将軍に認められた証。
そして一緒に敵を見る。
オメガマン。
あたし達を襲った危険人物、生かした所で為になるとは思えない。
キン肉万太郎。
あたしとは特に関わりの無い相手、でも将軍にとっては敵、立ち塞がるなら容赦しない。
勝てばあたしと古泉はもっと強くなれる、そんな気がする。
古泉の腕から動揺が伝わる、筋肉が微妙に乱れているのが解る。
いろいろ思う所があるんだろうか? でももう後戻りは出来ない。
「しゃんとするんだ古泉、気持ちが乱れてるぞ!」
将軍の影響かな? あたしがこいつを引っ張りたくなってきた。
動揺が少しだけ治まる、でも別の部分が乱れてきた。
「その名前は捨てたんです、これからは『ガイバーⅢ』と呼んでください」
突然そんな事をあたしに告げた。
変な事言い出す奴だってのは知ってるけど三度も続くと正直呆れる。
「馬鹿言うな」
そんな事できる訳ないだろ。
あたしは古泉を小突いた。
「お前は古泉だよ、森であたしに言ったじゃないか『古泉一樹です』ってさ」
「……随分昔の事に思えます。今の俺はあの時の俺と違う、別人として扱ってください」
腕を伝わる乱れは治まりかけていた、つーか抑揚が減ってるみたいだ。
きっとこいつなりに腹くくったって事だろう。
でもこれだけは譲れない。
あたしは古泉の腕を強引に動かしてあたしを斬る真似をさせる。
すると戸惑いが伝わる。
そんな古泉の為にあたしは一人芝居を始める。
『誰だお前…!?』
第一声がそれだった、今考えてもホント間抜けな声出してたと思う。
あの時はあたしがガイバーでお前がただの学生。
斬りかかったあたしが気付いた時にお前は目を瞑って立っていた。
ほら、こんな顔してたんだぞ古泉。
『……人に名前を聞くときはまず自分から名乗るのが礼儀というものではないですか?』
下手な口真似はつい噴出しそうになる。
笑いを必死に押し殺してあたしは続ける。
『…ノーヴェだ。お前は?』
『古泉一樹です』
あの時と同じ丁寧な言葉遣いで名乗りを上げる。
そしてお前はあたしを助けてくれた。
そこからあたし達は始まったんだ。
お前と出会えて本当に良かった。
だから『古泉一樹』が消えたなんてあたしは認めない、また言ったら今度は蹴っ飛ばしてやる。
短い芝居が終わってあたしは笑った。
ちょっと恥ずかしい、でも悪い気はしない。
「ノーヴェさん……」
なんか古泉が戸惑ってる、あたしの三文芝居も捨てたものじゃないかな?
「あたしにとってお前はあの時の古泉だ、だから二度とそんな事言うな。
また言い出したら将軍に頼んでお前からガイバーを取り上げるからなっ!」
それなら”ガイバー”なんて名乗れないだろ。
そして思い切り背中を叩く。
転びそうになる古泉、変な事言い出したおしおきだ!
「あたしはまだお前と続けてみたい、無理には言わないけどさ」
今日のあたしは饒舌だ。
なんでか自然と口から言葉が出てくる。
きっと気持ちに素直になれたからだろう。
「……考えさせてください」
それが古泉の答え。
こいつもいろいろある、今はそれで仕方ないか。
この話はこれまでにする。
今はあの時みたいに一緒に戦いたい。
そして強くなる。
目指すのはセインの仇、そしてチンク姉の仇、『タイプゼロ・セカンド』
それを果たしても先がある、長門有希、草壁タツオ、先はまだまだ長い。
それでも。
―――あたしは、負けない
※ ※ ※
「ケッ、何を見詰め合っているんだあいつ等は」
二人に苛立ちながらオメガマンは念入りにウォーミングアップを行っていた。
同時に頭の中では助かる方法も繰り返し考え続ける。
無理な姿勢で拘束された痛みは大分に和らいだ。
今、無様に伸びている傍らの万太郎を殺すのは簡単。
しかし実行したが最後、三人がかりで袋にされるのがオチだ。
万太郎を囮にして逃げようとした所で周りは水、ボートを奪ってもあの光の道にたちまち追いつかれてしまう。再考。
あくまで下手に出て将軍に取り入るのも不可能、奴の性格上戦えない奴を始末する事に躊躇は無い。これも再考。
つまり結局は勝つしかないのだ。
あのガイバーⅢと小娘が将軍とどんな関係かは知らんが、二人以上に自分が役に立つ存在と証明すれば将軍も自分を無碍にしない筈。
そして体力の回復を待って寝首をかけばいい。
「この疫病神め~~~っ、くおらっ何時まで寝ぼけている!」
こんな事になったのもこいつが紛らわしい姿をしていた所為だと八つ当たり気味に万太郎を足蹴にする。
さすがに本気で蹴るのは止めておいた。
こいつにはこれから最大限働いてもらわなければ困るのだ。
「……あ、れ? 僕、どうしてこんな所に居るの?」
痛みで意識を取り戻した万太郎がのろのろと身体を起こす。
まだ意識は朦朧としてるのだろう、オメガマンが見下ろしているにも関わらず目の焦点が合わずぼんやりとしたままだ。
「ほら~~~、手を貸してやるよキン肉万太郎よ!」
まだ自分を取り戻していない彼をオメガマンは引き起こして強引に肩を組んだ。
そして万太郎に言い聞かせる。
「いいか~~~? 詳しい話は後回しだ、ひとまず休戦して共通の敵と戦わなければ俺達はジ・エンドだぜ~~~!」
「ムニャムニャ……、休戦? 共通の敵? いかにもヒーロー向きの展開だね~」
半開きの目で万太郎がコクコク頷く。
本当に理解しているのか疑わしいがとりあえず現状を言い聞かせる事には成功した。
後は役割分担だ。
「俺の相手はあの色黒の小娘だぜ~~~っ! お前はあの黒い”ガイバーⅢ”を頼むぜ~~~っ!」
「僕の相手……ガイバーⅢ……、解った」
関わりたくない相手を押し付ける事にも成功してオメガマンはほくそえむ。
逃げた後で二人の間でどんなやり取りがあったのか解らないが、その事でガイバーⅢが戦い辛くなれば幸いだ。
自分の相手は小柄な小娘、油断は禁物だがガイバーⅢよりはマシだろう。
「両者共に準備は良いか? ではこれより『デビルボーイ&マシンガールズ』VS『オメガマンタチーム』の試合を行う」
「何だよその変な名前はっ! もっといい名に付け直せよっ!」
「諦めましょうノーヴェさん、将軍に何を言っても無駄に決まってます」
そしてセコンドの悪魔将軍から試合の宣告が行われた。
沸き起こった少女の抗議を受け流していよいよコングが鳴り響く。
今回手を組むのは道を違える事を決意した少年とそれを知らない少女。
そして正義と完璧、決して交わらぬ道を歩む者。
太陽は既に傾き湖にリングの影が長く伸びている。
夕日の中、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。
特設リングタッグマッチ第二回戦
『デビルボーイ&マシンガールズ』VS『オメガマンタチーム』
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|, はじまるよ! |
|________|
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【E-09 湖のリング/一日目・夕方】
【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】 健康
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りディバッグ
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.古泉とノーヴェのセコンドを務めて二人を立派な悪魔超人にする。
2.万太郎とオメガマンを始末する。
3.強い奴は利用(市街地等に誘導)、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
4.殺し合いを主催者達も混ぜ、更に発展させる。
5.強者であるなのはに興味
6.シンジがウォーズマンを連れてくるのを待つ
※涼宮ハルヒがこの一件の黒幕ではないかと考えています。
※トトロたちを主催者達の監視カメラ代わりだと思っています。(真偽は不明)
※アシュラマンの腕を吸収しました。
※オメガマンの知っている情報は取得済みです。
※リムーバーを装着しています。
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 疲労(中)、魔力消費(小)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.強くなって脱出方法を探し、主催者を蹴っ飛ばしに行く。
1.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
2.古泉と一緒にオメガマン、万太郎を倒す。
3.親友を裏切り、妹を殺そうとするキョンを蹴り飛ばしたい
4.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
5.強くなったらゼクトール、悪魔将軍も蹴っ飛ばす?
6.ジェットエッジ欲しい
※参戦時期は原作の第18話~第21話の間と思われます。
※悪魔将軍が殺し合いに乗っている事を認識しています。
※フェイトを殺した悪魔将軍の実力に一目置いています。
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】精神的疲労(大)、悪魔の精神、キョンに対する激しい怒り
【装備】 ガイバーユニットⅢ
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱(壊れている?)、ケーブル10本セット@現実、
ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)
高性能指向性マイク@現実、みくるの首輪、ノートパソコン@現実?
【思考】
0.復讐のために、生きる。
1.悪魔将軍と長門を殺す。手段は選ばない。目的を妨げるなら、他の人物を殺すことも厭わない。
2.時が来るまで悪魔将軍に叛意を悟られなくない。
3.オメガマンはどうなろうが構わない、キン肉万太郎は助けたいが……
4.使える仲間を増やす。特にキン肉スグル、キン肉万太郎、朝倉涼子を優先。
5.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
6.キョンの妹を捜す。
7.午後6時に、採掘所でキョンと合流。そして―――
8.デジタルカメラの中身をよく確かめたい。
※ガイバーに殖装することが可能になりました。使える能力はガイバーⅢと同一です
※自分の『超能力』が使用できる事に気付いています。使用するごとに、精神的に疲労を感じます。
※メモ用紙には地図から読み取れる「中央に近づけたくない意志」についてのみ記されています。
禁止エリアについてとそこから発展した長門の意思に関する考察は書かれていません。
※一人称を完全に『俺』に変えました。
※掲示板の書き込みを見ましたが、キョンのところまでで止まっています。それ以降に何か書かれていたかは確認していません。
※ゼロス、ギュオー、ナーガ、ケロロ軍曹、タママ二等兵、ドロロ兵長を強者と判断しました(ナーガは外見的特徴のみ認識、ゼロスは協力の余地がある、あと三人は情報を得るために可能なら接触したいが、無理はしない)
※古泉のノートパソコンのkskアクセスのキーワードは、ケロロ世界のものです。
※デジタルカメラが破損しました。壊れているかもしれないし、修理さえすれば正常に動くかもしれません。
※トトロが主催と関係しているのではという仮説をたてましたが、半信半疑です。
※キョンに対するスタンスは、次の書き手にお任せします。
【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【持ち物】ディパック(支給品一式入り)、不明支給品1、夏子のメモ
【思考】
0.……休戦?共通の敵?
1.危険人物の撃退と弱者の保護。
2.僕の相手……ガイバーⅢ……
3.夏子たちを追う。
4.少年(シンジ)を守る。
5.頼りになる仲間をスカウトしたい。
父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前の時代からの参戦です。
※アシュラマンを自分と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※悪魔将軍の話題はまだしていません。ぼんやりと覚えています。
※まだ自分の状況があまりつかめていません。
【ジ・オメガマン@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、アシュラマンの顔を指に蒐集
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)×2、不明支給品0~2、5.56mm NATO弾x60、マシンガンの予備弾倉×3
【思考】
1:皆殺し。
2:万太郎を最大限利用して古泉とノーヴェを殺す。
3:用が済めば万太郎も殺す、悪魔将軍も殺したいが……
4:スエゾーは必ず殺す。
※バトルロワイアルを、自分にきた依頼と勘違いしています。 皆殺しをした後は報酬をもらうつもりでいます。
※Ωメタモルフォーゼは首輪の制限により参加者には効きません。
※完璧超人復活ッ 完璧超人復活ッ 完璧超人復活ッッ 完璧超人復活ッッ 完璧超人復ッッ活ッッ
※万太郎はキン肉スグルと別人だと知りました。
※アシュラマンの腕は悪魔将軍に吸収されました。
※共通事項
全員のティバックはリングの下、悪魔将軍の足元近くに置いてあります。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|[[Girl who does lesson]]|悪魔将軍|[[嵐が渦巻くリングに]]|
|~|ノーヴェ|~|
|~|ジ・オメガマン|~|
|~|中トトロ|~|
|[[阿修羅姫]]|古泉一樹|~|
|~|キン肉万太郎|~|
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