「闇夜の森の隠れ鬼」(2010/07/10 (土) 07:25:35) の最新版変更点
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*闇夜の森の隠れ鬼◆YsjGn8smIk
『Mr.troll、もう充分です』
闇夜の森の中、ケリュケイオンの警告が鳴り響く。
それを聞いているのかいないのか、トトロは見知らぬ森を散歩するような気楽さで駆ける。
『これ以上のダメージは行動に支障――アラート!』
その警告と同時にトトロはさっと横へと跳ぶ。
ジュ、と先ほどまでトトロがいた地面を光条がえぐった。
その巨体にしては異常なほどのスピードで光弾をかわしたトトロはそのまま木の陰へと滑りこむ。
滑り込む直前にちらりとトトロが狙撃手のほうに目を向けると
「……!」
狙撃手は鬼のような形相でトトロを追ってきていた。
それを見てニッと笑みを浮かべ、トトロは森の奥へと進んでいく。
(何故、笑えるのでしょうか……)
ケリュケイオンには理解できなかった。
痛い筈なのに。トトロがどうして笑っていられるのかが分からなかった。
トトロの左手は大きく焼け爛れている。
そう。いくらトトロが素早く動こうと、いくらケリュケイオンに高性能なセンサーがあろうと、
『警告とほぼ同時に飛んでくるビーム』を避けきれる筈が無いのだ。
木々という遮蔽物を利用して、辛うじて急所への直撃は避けているが、
接触のたびにトトロはかなりのダメージを負っている。
それもこれも、狙撃手を引きつけるためにわざと姿を晒しているせいだ。
「キュクル~?」
トトロの腕の中からフリードが心配そうに顔を出す。
流れ弾に当たらないようにと、トトロが腕で包み守っていたのだ。
そのお陰でフリードやピクシー、そしてケリュケイオンは傷一つ負っていない。
トトロ自身は首も、わき腹も、左腕も……酷い事になっているというのに。
『Mr.troll、もう充分です』
ケリュケイオンはもう何度目になるか分からないその言葉を繰り返す。
『充分引き離した筈です。Ms.ピクシーも、もうあなたの傷を癒せないのですよ?』
トトロが首に傷を負った時ピクシーはかなり無理をしてその傷を癒した。
その結果、彼女は疲れ果て今ではトトロの腕の中で身動き一つ出来ずにぐったりとしている。
「ヴォォォ」
それが分かっている筈なのに、トトロはこの奇妙な鬼ごっこを止めようとはしなかった。
安心しろといわんばかりに小さく吼えると、バッと草むらの中へと飛び込んでいった。
トトロの背よりも高く伸びた草むらの中をジグザクに、踊るように進んでいく。
(確かにこれなら銃撃されるリスクもいくらかは減るでしょうが……)
ケリュケイオンには分からなかった。
何故彼がこれほどの痛みを伴なってまで狙撃手を誘導しているのか。
☆ ☆ ☆
時間の感覚があやふやだった。
どれほど走り続けているのか、追いかけている理由もすでに思い出せない。
走り始めて数十分、あるいは数時間か……すでに疲労は限界を越え、思考も曖昧だ。
だが、それでもギュオーは足を止めない。
今、彼をつき動かしているのはたった一つの強い感情だけだった。
怒り。
背の高い草むらの先をギュオーは憎悪に燃えた目で睨みつける。
その先にいるのは――トトロという名の獣だ。
そう、ギュオーにとってこれは獣狩りだったのだ。
だというのに狩りは難航と言うのも馬鹿らしいほど上手くいっていなかった。
何しろギュオーはこれまで数回、獲物を見失うという失態をおかしていた。
狩人が一度獲物を見失えば、再び獲物の痕跡を探し出すのは膨大な時間と経験が必要だ。
だというのに時間も経験も無いギュオーが見失ったはずの獲物をこうして追えているのには理由があった。
「……フ」
一度目は何も思わなかった。
二度目で何かがおかしいと気付き。
三度目になって理解させられた。
トトロがわざとギュオーの前へと姿を現している、という事を。
まるで挑発するように、獲物の姿を見失ったギュオーをあざけ笑っているかのように。
「フフフフ」
遊 ば れ て い る 。
そう気付いた瞬間、彼は怒りのあまり近くにあった大木を数十本ほどへし折った。
獣と侮っていた相手にこれほど虚仮にされて、ギュオーが怒らないわけが無い。
疲労の限界を超え、なお彼がトトロを追い続けられているのは体力でもなんでもない。
身を焦がすような激しい怒りがギュオーの足を動かし続けていたのだ。
「フフフ……クハハハ」
トトロは実に狡猾だった。
ギュオーの前に姿を現す際も隙だらけのように見えてそのじつ違った。
射撃されにくい位置に現れたり、姿を晒さないような逃走経路を準備したりと、
その出現はしっかりと計算されていたのだ。
(ククク……だが、その半端な悪知恵が命取りだ)
獣らしく何も考えずに逃げればよかったのだ。ギュオーは内心でそう嘲笑する。
いくら策を講じようと姿を現せばビームライフルは当たるのだ。
実際、致命傷には遠いが何発かのビームは確実にトトロへと命中していた。
あと数度も繰り返せば必ず動きは鈍る……その時こそ確実にしとめてみせる。
そう決意しながらギュオーはそのチャンスを待ち、ひたすら追い続けていた。
のだが――。
(……なんだ?)
長かった草むらがようやく終わり、開けた視界の先には予想外な光景が待っていた。
ギュオーは思わず目を疑った。
何かの策ではないかと僅かに残った冷静な部分が警戒を促す。
だが激情が無意識のうちにギュオーにビームライフルのトリガーを引かせた。
(…………どういうことだ???)
その結果、再びギュオーは混乱した。
『Mr.troll!?』
背中にビームライフルの直撃をくらいトトロがどうっ、と地面に倒れのだ。
普段なら高笑いでもあげている所だが、あまりに予想外な結末に流石のギュオーも喜びよりも先に戸惑いが先立ってしまった。
あっけない。
あっけなさすぎた。
呆然と、だが冷静にギュオーは混乱した状況を反芻する。
そう……草むらを出たら少し先に何故かトトロが無防備に背中を晒して立っていたのだ。
何かを見て驚いたように目を見開いて。
そこではっと気付いてギュオーは視線を移す。
そしてギュオーは全てを理解した。
「ククク……グアッハッハッハッ!」
『しっかりしてください、Mr.troll!』
「リヒャルト・ギュオー……!」
「なんという幸運だ! こんな事が起ころうとは!!」
「キュッルク!」
「ふひゃぁぁ!」
笑いながらゆっくりとギュオーは近づく。
トトロへではない。すでにギュオーの頭からトトロへの関心は消えていた。
「くそ!」
「あ……ぁぁ!」
ギュオーが近づくと一人は戦闘態勢を取り、一人は逃げようと足掻いていた。
それに向かってギュオーは凶悪な笑顔を向けて言った。
「探していたガイバーが二人同時に見つかるとはなーーーッ!!」
そう、トトロの視線の先に居た人物――それはギュオーが探していたノーヴェとキョンだった。
ギュオーがもう少し冷静だったならば、流石に限界寸前のこの状態でガイバー二人を相手に戦おうなどとは考えなかった筈だ。
しかし疲労と降って湧いたような幸運にハイになっている今、理性が、計算がまったく働かない。
そしてその獣のような闘争本能が選んだ選択は――今回に限っては大正解だった。
「い、いやだ……死にたくない、死にたくない……」
何故ならガイバーの一人――キョンにはまるで戦う意思が無く、地面を這いずり逃げ始めたのだから。
実質相手はノーヴェ一人だけ。
ギュオーもすぐにそれに気付き、まずはノーヴェにむかってビームライフルを構える。
が、その瞬間。ノーヴェは地面を蹴り、地を這うような姿勢でギュオーへと襲い掛かった。
「らあっ!」
「ちっ!」
接近してきたノーヴェに向かってギュオーは咄嗟にビームを撃つ。
しかし紙一重でノーヴェはそれを避けながら逆にギュオーに蹴りを浴びせかけた。
「っの……!」
「そんなものが!」
ギュオーはビームライフルで蹴りを弾こうとするが体勢が悪い。
辛うじて蹴りは防げたが――ガン、とギュオーの手からビームライフルが吹き飛ぶ。
「ぬ……!」
「うらあッ!!」
体勢を崩したギュオーに今度こそノーヴェの蹴りが炸裂した。
「ぐぅ!?」
顔面を強かに打ち据えられ思わずギュオーは片膝をつく。
それは蹴りの威力もあるが――なにより疲労のせいだった。
限界以上に酷使したギュオーの身体がその一瞬、ギュオーの意思に逆らっていた。
チャンスと見たノーヴェは更に顔面に蹴りを放つ――が、それは無謀だった。
「な!?」
ギュオーの顔に当たる寸前、その足はがっしりと掴まれた。
そして野菜を引き抜くように大きく上へ――空へと持ち上げた次の瞬間。
「図 に 乗 る な 小 娘 が ッ !!」
「うげぇッ!!」
ギュオーの指から生まれた重力指弾がノーヴェの腹に炸裂した。
そしてノーヴェはそのまま十メートルほど木々をなぎ倒しながら吹き飛び、動きを止めた。
「ふん、少し飛ばしすぎたか」
「ひ……はあああ!」
この間、僅か十秒。
地面を這っていたキョンが逃げ延びるには余りに時間が足りなかった。
ギュオーはわざと恐怖を与えるかのようにゆっくりと、キョンとの距離を詰める。
「た……助けてくれ! なあ、頼む!」
右足にしがみ付き、キョンが必死に懇願する。
「フフフ、無駄な事を」
「い、いやだ……た、頼む、起きてくれ! 目を覚ませ!」
キョンは必死にしがみ付いた右足を揺さぶる。
彼がしがみ付いた相手はもちろんギュオーではない。
トトロだ。
ビームライフルの直撃を食らい、ピクリとも動かないトトロの足にキョンはしがみ付いていたのだ。
ギュオーは悠然とトトロの右足を揺するキョンへと近づいていった。
ガイバーユニットという御馳走に目を奪われ、その時のギュオーにはキョンの姿以外が目に入っていなかった。
それが悪かった。
「キュィ!!」
「グワッーーー!?」
突然、顔に火弾が炸裂しギュオーはのたうち回る。
顔面を焼かれ、地面を転がっているギュオーに向かって更に数発の火球が放たれた。
「グッ……オオオオッ!!」
完全に不意をつかれたギュオーはその攻撃に必死に耐えながら、
火球が飛んできた方向に向かってがむしゃらに重力指弾を連打する。
「キュ――」
重力指弾が当たったのか、悲鳴のような声を上げて何かが地面に落ちた。
ギュオーはすかさずその何かを思いっきり叩き潰す。
「ヴォオオオォォォオオオオォーーーーーーーーーーーーーーー!!」
それと同時にどこからか獣の咆哮が響く。
ギュオーが声のした方へと顔を向けると、数十メートルほど離れた場所に――トトロが立っていた。
足にキョンをしがみ付かせ、倒れたノーヴェを肩に担いで、だ。
「なッ!?」
驚愕しながらもギュオーは咄嗟に立ちあがろうとするが、身体が言う事をきかない。
先程の火球と重力指弾の連射で残った体力を全て使い果たしてしまったのだ。
トトロはそんなギュオーを……いや、ギュオーの近くの何かをじっと見つめ、そして――
「ヴォォォォォヴォォォォォ…………」
どこか哀しげな咆哮をあげながら森の奥へと消えていった。
☆ ☆ ☆
「グウッ」
数分ほどかけてギュオーはゆっくりと起き上がった。
そして飛ばされたビームライフルを回収しようと足を踏み出した瞬間、何かを踏んだ。
「おのれ……このゴミが!」
ギュオーはそのまま足に力を込め、自身の邪魔をしたそれの背骨をへし折る。
「何度も何度も! 邪魔しおって!!」
それだけでは気が済まず、何度も何度も――何度も何度も何度も何度も。
原型を留めないぐらい踏み抜き、肉片となったそれを見てようやくギュオーは足を止めた。
「く、こんな事をしている場合ではなかったな」
肉片――フリードを最後にもう一度だけ踏み抜き、ギュオーは足早にビームライフルを回収すると、
トトロが逃げていった方角を睨みつけた。
あと少し。
あと少しでガイバーユニットが手に入っていたのだ。
ギュオーは口惜しさに歯軋りをする思いだったが、ふと考え直す。
(いや、まだ間に合うか? そうだ、あの獣も傷ついている)
あの傷ではそう遠くへはいけまい。
そう考えギュオーは萎えた足に力を篭め……再び走り始めた。
普通ならばとっくに倒れている筈の疲労の中、ギュオーは走った。
限界を超え、なおギュオーは走る。
ギュオーの意思が、精神が、肉体を超越し始めたのだ。
それはひとえに 執 念 の一言だった。
【フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】
【F-06 森林/一日目・夜中】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】精神高揚、全身軽い打撲、左肩負傷、頭部にダメージ&火傷(小)、ダメージ(大)、疲労(極限)、巨乳、低い声が出づらい
【持ち物】支給品一式×4(一つ水損失)、参加者詳細名簿、首輪(草壁メイ)、首輪(加持リョウジ)、
E:ケロロ小隊の光線銃(9/20)@ケロロ軍曹 、E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、ガイバーの指3本、
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリヲン、毒入りカプセル×4@現実、
博物館のパンフ、ネルフの制服@新世紀エヴァンゲリオン、北高の男子制服@涼宮ハルヒの憂鬱、
クロノス戦闘員の制服@強殖装甲ガイバー、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ、
日向ママDNAスナック×11@ケロロ軍曹、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
【思考】
0、トトロを追いキョンとノーヴェを殺し、ガイバーになる。
1、優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2、自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
3、首輪を解除できる参加者を探す。
4、ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
5、タママを気に入っているが、時が来れば殺す。
6、疲労とダメージのせいか身体に違和感を感じる・・・・・・しかし、今は耐える!
【備考】
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」
に関する記述部分を破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されている可能性に思い至りました。
※名簿の裏側に博物館で調べた事がメモされています。
※詳細名簿の「加持リョウジ」に関するページは破り取られていてありません。
※詳細名簿の内容をかなり詳しく把握しています
※一度ギュオーをLCL化させかけた影響で首輪に変化があるかもしれません。
※F-4のどこかに、クロエ変身用黒い布、濡れた支給品一式、スイカ×5(いくつか割れてる)、円盤石(1/3)+αセット@モンスターファー
ム~円盤石の秘密~が放置されています。
※ギュオーは日向ママのDNAスナックを一袋食べました。
確認できる変化は巨乳化・低い声が出にくい=高い声が出るなど、いずれも本人は気づいてません。
まだ他にも肉体に変化があるかもしれません。
☆ ☆ ☆
「――――湖に向かってくれないか?」
その声で意識がゆっくりと浮かび上がる。
『湖?』
「ああ、北にある湖だ」
その声に聞き覚えがあるような気がしたのだが、今のノーヴェにはよく思い出せなかった。
誰だったかな、とぼんやりと会話を聞きながらノーヴェは考える。
『いったい何の為に湖に?』
「俺を助けてくれる奴が……そこにハルヒが居るのかもしれないんだ」
そしてノーヴェは思い出した。
この声を持ち主の事を。
(そうだ――あたしは将軍に言われてキョンや将軍と気が会う奴を探していたんだ。
それでこいつと出会ったんだっけ)
誰にも出会えず、無人の採掘場を足早に捜索し終えたノーヴェが移動経路として選んだのは森だった。
森の中でそいつを見つけた時はなんて幸運なんだと感謝したものだ。
だけど、少し話をしてみてノーヴェは理解した。いや、理解させられてしまった。
コレは駄目だ、と。
段差か何かを滑り落ちたのか全身泥まみれで気絶していたそいつは、
目を覚ました途端に「スバリュ」とか「もう構うにゃ」とかわけのわからない事を喚き散らした。
そして立ちあがろうとして上手くいかず、何度も何度も転倒するという有様だった。
最後には地面を這ったまま、もぞもぞと逃げ出そうとしたそいつを、
なんとか宥めすかして名前と今まで何をしていたのかを尋ねたのだが。
『死にたくない……死にたくなかったんだ。俺だって辛いんだ。
だがな、仕方なかったんだよ。どうしようも無いじゃないか。
なのになんであそこまで言われなきゃないんだ……。
だってそうだろ。なあ、ハルヒ……俺だって本当はお前と』
愚痴、妄言、泣き言。
元々短気なノーヴェが我慢に我慢を重ねて聞き出してわかったのは、コレは駄目。それだけだった。
とても将軍と気が会う――どころか、ほとんどただの駄目人間。
そうノーヴェが見切りをつけ、こいつをどうしようかと頭を捻っていた時だ。
森から大きな生き物が飛び出してきて……そこまで回想した所でノーヴェは全てを思い出した。
(そっか、あたしはギュオーにやられちまったんだ……)
妙に顔が痛い理由がようやく判った。
そして地面が妙にもふもふしている理由も。
ノーヴェはあの大きな獣に抱きかかえられていたのだ。
『まるで疫病神ですね』
獣の右手に握られているデバイスが言った。
「は?」
獣の右足にしがみ付いている愚痴男が、何を言われたのかわからない様子で聞きかえす。
『疫病神、ですよ。あなたが関わると必ず誰かが傷ついたり……死んだりする』
「な、なん……お、俺は……」
『事実でしょう、何故なら貴方はその友人すら――手にかけているのだから』
「ぐ……ハル……おげぇええええぇぇ……ち、が……」
『吐こうが泣こうが貴方が――』
「ヴォォバァァ……」
デバイスの言葉を獣が遮る。
首をふるふると振る獣を見てデバイスが謝罪した。
『申し訳ありません。少し言い過ぎました』
そんな会話を聞くとはなしに聞いていたノーヴェは気絶したフリを続けながら思考を凝らす。
この獣がとても優しいのは理解できた。
そしてこれだけの人数を担げるパワーとスピード……これならば将軍も気に入るかもしれない。
優しいのなら利用できる筈。こっちが困っていると言えば優しい獣は協力を断ったりはしないはずだ。
(そうさ……こいつの優しさを利用すればいいんだ。
そういえばギュオーも愚痴男を欲しがっていたよな……なら愚痴男を交渉材料にすればギュオーだって利用――うっ!)
そこまで考えてノーヴェは突然吐き気を覚えた。
キョンが吐いているせいだろうかと一瞬考えたが――違う。
理由が判らず困惑していたノーヴェだったが、すぐに他の原因を思いついた。
リヒャルト・ギュオー。
早朝に出会った時とは微妙に、そして深刻な差異があったあの男のせいではないか、と。
あの妙に甲高い声と異常に膨らんだ胸。
それに気付いた瞬間、実はノーヴェは吐きそうになっていたのだ。
そしてその姿と声を思い出しているだけで、ノーヴェの吐き気は一層酷くなっていた。
(なんだ、あいつの事を考えたから気持ち悪くなったんだな)
実に納得できる理由だった。
疑問が氷解してすっきりしたノーヴェは気持ちよく――――吐いた。
「うげええええええええぇぇぇ……」
【F-07 森林/一日目・夜中】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】吐き気、疲労(小)、ダメージ(大)、顔面にダメージ(中)、 悪魔の精神(弱+)
【持ち物】ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.強くなるんだ
1.悪魔将軍の命令に従う
2.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
3.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
4.ジェットエッジが欲しい。
5.キョン、悪魔将軍と気が合いそうな奴を探してモールまで連れて行く。
※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。
【トトロ@となりのトトロ】
【状態】首に小ダメージ、腹に大ダメージ、左手に中ダメージ、疲労(中)、背中にビームライフルの直撃ダメージ
【持ち物】ディパック(損壊)、ピクシー(疲労困憊)@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 、
ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1、自然の破壊に深い悲しみ
2、誰にも傷ついてほしくない
3、?????????????????
【備考】
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※東へ向かっています。
※ケリュケイオンは怪物(ギュオー)を、身体的特徴から女性だと推測しています。
※背中の具体的なダメージは次の書き手さんにお任せします。
【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】吐き気、ダメージ(小)、疲労(大)、泥酔で躁鬱・正気度の増減が極端
【持ち物】デイパック(食料半分消失、盗聴器(発信)がランタンに仕込まれている)
スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹×1 木材@現実
【思考】
0:ハルヒ……助けてくれ、ハルヒ
(1:―――死にたくない。)
【備考】
※「全てが元通りになる」という考えを捨てました。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※ガイバーは使用不能になりました。以後使えるようになるかは後の書き手さんにお任せします。
※現在は泥酔(?)しているため、正常な判断ができていません。
正気に戻ったあとどうするかは次の書き手にお任せします。
*時系列順で読む
Back:[[魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~]] Next:[[魑魅魍魎~つどうファクター・トゥ・ダイ~]]
*投下順で読む
Back:[[魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~]] Next:[[魑魅魍魎~つどうファクター・トゥ・ダイ~]]
|[[魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~]]|キョン|[[ハジカレテ……ハジカレテ……]]|
|[[鎧袖一触~鎧は殴るために在る~]]|ノーヴェ|[[ハジカレテ……ハジカレテ……]]|
|[[war war! stop it]]|トトロ|[[ハジカレテ……ハジカレテ……]]|
|~|リヒャルト・ギュオー|[[ハジカレテ……ハジカレテ……]]|
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*闇夜の森の隠れ鬼◆YsjGn8smIk
『Mr.troll、もう充分です』
闇夜の森の中、ケリュケイオンの警告が鳴り響く。
それを聞いているのかいないのか、トトロは見知らぬ森を散歩するような気楽さで駆ける。
『これ以上のダメージは行動に支障――アラート!』
その警告と同時にトトロはさっと横へと跳ぶ。
ジュ、と先ほどまでトトロがいた地面を光条がえぐった。
その巨体にしては異常なほどのスピードで光弾をかわしたトトロはそのまま木の陰へと滑りこむ。
滑り込む直前にちらりとトトロが狙撃手のほうに目を向けると
「……!」
狙撃手は鬼のような形相でトトロを追ってきていた。
それを見てニッと笑みを浮かべ、トトロは森の奥へと進んでいく。
(何故、笑えるのでしょうか……)
ケリュケイオンには理解できなかった。
痛い筈なのに。トトロがどうして笑っていられるのかが分からなかった。
トトロの左手は大きく焼け爛れている。
そう。いくらトトロが素早く動こうと、いくらケリュケイオンに高性能なセンサーがあろうと、
『警告とほぼ同時に飛んでくるビーム』を避けきれる筈が無いのだ。
木々という遮蔽物を利用して、辛うじて急所への直撃は避けているが、
接触のたびにトトロはかなりのダメージを負っている。
それもこれも、狙撃手を引きつけるためにわざと姿を晒しているせいだ。
「キュクル~?」
トトロの腕の中からフリードが心配そうに顔を出す。
流れ弾に当たらないようにと、トトロが腕で包み守っていたのだ。
そのお陰でフリードやピクシー、そしてケリュケイオンは傷一つ負っていない。
トトロ自身は首も、わき腹も、左腕も……酷い事になっているというのに。
『Mr.troll、もう充分です』
ケリュケイオンはもう何度目になるか分からないその言葉を繰り返す。
『充分引き離した筈です。Ms.ピクシーも、もうあなたの傷を癒せないのですよ?』
トトロが首に傷を負った時ピクシーはかなり無理をしてその傷を癒した。
その結果、彼女は疲れ果て今ではトトロの腕の中で身動き一つ出来ずにぐったりとしている。
「ヴォォォ」
それが分かっている筈なのに、トトロはこの奇妙な鬼ごっこを止めようとはしなかった。
安心しろといわんばかりに小さく吼えると、バッと草むらの中へと飛び込んでいった。
トトロの背よりも高く伸びた草むらの中をジグザクに、踊るように進んでいく。
(確かにこれなら銃撃されるリスクもいくらかは減るでしょうが……)
ケリュケイオンには分からなかった。
何故彼がこれほどの痛みを伴なってまで狙撃手を誘導しているのか。
☆ ☆ ☆
時間の感覚があやふやだった。
どれほど走り続けているのか、追いかけている理由もすでに思い出せない。
走り始めて数十分、あるいは数時間か……すでに疲労は限界を越え、思考も曖昧だ。
だが、それでもギュオーは足を止めない。
今、彼をつき動かしているのはたった一つの強い感情だけだった。
怒り。
背の高い草むらの先をギュオーは憎悪に燃えた目で睨みつける。
その先にいるのは――トトロという名の獣だ。
そう、ギュオーにとってこれは獣狩りだったのだ。
だというのに狩りは難航と言うのも馬鹿らしいほど上手くいっていなかった。
何しろギュオーはこれまで数回、獲物を見失うという失態をおかしていた。
狩人が一度獲物を見失えば、再び獲物の痕跡を探し出すのは膨大な時間と経験が必要だ。
だというのに時間も経験も無いギュオーが見失ったはずの獲物をこうして追えているのには理由があった。
「……フ」
一度目は何も思わなかった。
二度目で何かがおかしいと気付き。
三度目になって理解させられた。
トトロがわざとギュオーの前へと姿を現している、という事を。
まるで挑発するように、獲物の姿を見失ったギュオーをあざけ笑っているかのように。
「フフフフ」
遊 ば れ て い る 。
そう気付いた瞬間、彼は怒りのあまり近くにあった大木を数十本ほどへし折った。
獣と侮っていた相手にこれほど虚仮にされて、ギュオーが怒らないわけが無い。
疲労の限界を超え、なお彼がトトロを追い続けられているのは体力でもなんでもない。
身を焦がすような激しい怒りがギュオーの足を動かし続けていたのだ。
「フフフ……クハハハ」
トトロは実に狡猾だった。
ギュオーの前に姿を現す際も隙だらけのように見えてそのじつ違った。
射撃されにくい位置に現れたり、姿を晒さないような逃走経路を準備したりと、
その出現はしっかりと計算されていたのだ。
(ククク……だが、その半端な悪知恵が命取りだ)
獣らしく何も考えずに逃げればよかったのだ。ギュオーは内心でそう嘲笑する。
いくら策を講じようと姿を現せばビームライフルは当たるのだ。
実際、致命傷には遠いが何発かのビームは確実にトトロへと命中していた。
あと数度も繰り返せば必ず動きは鈍る……その時こそ確実にしとめてみせる。
そう決意しながらギュオーはそのチャンスを待ち、ひたすら追い続けていた。
のだが――。
(……なんだ?)
長かった草むらがようやく終わり、開けた視界の先には予想外な光景が待っていた。
ギュオーは思わず目を疑った。
何かの策ではないかと僅かに残った冷静な部分が警戒を促す。
だが激情が無意識のうちにギュオーにビームライフルのトリガーを引かせた。
(…………どういうことだ???)
その結果、再びギュオーは混乱した。
『Mr.troll!?』
背中にビームライフルの直撃をくらいトトロがどうっ、と地面に倒れのだ。
普段なら高笑いでもあげている所だが、あまりに予想外な結末に流石のギュオーも喜びよりも先に戸惑いが先立ってしまった。
あっけない。
あっけなさすぎた。
呆然と、だが冷静にギュオーは混乱した状況を反芻する。
そう……草むらを出たら少し先に何故かトトロが無防備に背中を晒して立っていたのだ。
何かを見て驚いたように目を見開いて。
そこではっと気付いてギュオーは視線を移す。
そしてギュオーは全てを理解した。
「ククク……グアッハッハッハッ!」
『しっかりしてください、Mr.troll!』
「リヒャルト・ギュオー……!」
「なんという幸運だ! こんな事が起ころうとは!!」
「キュッルク!」
「ふひゃぁぁ!」
笑いながらゆっくりとギュオーは近づく。
トトロへではない。すでにギュオーの頭からトトロへの関心は消えていた。
「くそ!」
「あ……ぁぁ!」
ギュオーが近づくと一人は戦闘態勢を取り、一人は逃げようと足掻いていた。
それに向かってギュオーは凶悪な笑顔を向けて言った。
「探していたガイバーが二人同時に見つかるとはなーーーッ!!」
そう、トトロの視線の先に居た人物――それはギュオーが探していたノーヴェとキョンだった。
ギュオーがもう少し冷静だったならば、流石に限界寸前のこの状態でガイバー二人を相手に戦おうなどとは考えなかった筈だ。
しかし疲労と降って湧いたような幸運にハイになっている今、理性が、計算がまったく働かない。
そしてその獣のような闘争本能が選んだ選択は――今回に限っては大正解だった。
「い、いやだ……死にたくない、死にたくない……」
何故ならガイバーの一人――キョンにはまるで戦う意思が無く、地面を這いずり逃げ始めたのだから。
実質相手はノーヴェ一人だけ。
ギュオーもすぐにそれに気付き、まずはノーヴェにむかってビームライフルを構える。
が、その瞬間。ノーヴェは地面を蹴り、地を這うような姿勢でギュオーへと襲い掛かった。
「らあっ!」
「ちっ!」
接近してきたノーヴェに向かってギュオーは咄嗟にビームを撃つ。
しかし紙一重でノーヴェはそれを避けながら逆にギュオーに蹴りを浴びせかけた。
「っの……!」
「そんなものが!」
ギュオーはビームライフルで蹴りを弾こうとするが体勢が悪い。
辛うじて蹴りは防げたが――ガン、とギュオーの手からビームライフルが吹き飛ぶ。
「ぬ……!」
「うらあッ!!」
体勢を崩したギュオーに今度こそノーヴェの蹴りが炸裂した。
「ぐぅ!?」
顔面を強かに打ち据えられ思わずギュオーは片膝をつく。
それは蹴りの威力もあるが――なにより疲労のせいだった。
限界以上に酷使したギュオーの身体がその一瞬、ギュオーの意思に逆らっていた。
チャンスと見たノーヴェは更に顔面に蹴りを放つ――が、それは無謀だった。
「な!?」
ギュオーの顔に当たる寸前、その足はがっしりと掴まれた。
そして野菜を引き抜くように大きく上へ――空へと持ち上げた次の瞬間。
「図 に 乗 る な 小 娘 が ッ !!」
「うげぇッ!!」
ギュオーの指から生まれた重力指弾がノーヴェの腹に炸裂した。
そしてノーヴェはそのまま十メートルほど木々をなぎ倒しながら吹き飛び、動きを止めた。
「ふん、少し飛ばしすぎたか」
「ひ……はあああ!」
この間、僅か十秒。
地面を這っていたキョンが逃げ延びるには余りに時間が足りなかった。
ギュオーはわざと恐怖を与えるかのようにゆっくりと、キョンとの距離を詰める。
「た……助けてくれ! なあ、頼む!」
右足にしがみ付き、キョンが必死に懇願する。
「フフフ、無駄な事を」
「い、いやだ……た、頼む、起きてくれ! 目を覚ませ!」
キョンは必死にしがみ付いた右足を揺さぶる。
彼がしがみ付いた相手はもちろんギュオーではない。
トトロだ。
ビームライフルの直撃を食らい、ピクリとも動かないトトロの足にキョンはしがみ付いていたのだ。
ギュオーは悠然とトトロの右足を揺するキョンへと近づいていった。
ガイバーユニットという御馳走に目を奪われ、その時のギュオーにはキョンの姿以外が目に入っていなかった。
それが悪かった。
「キュィ!!」
「グワッーーー!?」
突然、顔に火弾が炸裂しギュオーはのたうち回る。
顔面を焼かれ、地面を転がっているギュオーに向かって更に数発の火球が放たれた。
「グッ……オオオオッ!!」
完全に不意をつかれたギュオーはその攻撃に必死に耐えながら、
火球が飛んできた方向に向かってがむしゃらに重力指弾を連打する。
「キュ――」
重力指弾が当たったのか、悲鳴のような声を上げて何かが地面に落ちた。
ギュオーはすかさずその何かを思いっきり叩き潰す。
「ヴォオオオォォォオオオオォーーーーーーーーーーーーーーー!!」
それと同時にどこからか獣の咆哮が響く。
ギュオーが声のした方へと顔を向けると、数十メートルほど離れた場所に――トトロが立っていた。
足にキョンをしがみ付かせ、倒れたノーヴェを肩に担いで、だ。
「なッ!?」
驚愕しながらもギュオーは咄嗟に立ちあがろうとするが、身体が言う事をきかない。
先程の火球と重力指弾の連射で残った体力を全て使い果たしてしまったのだ。
トトロはそんなギュオーを……いや、ギュオーの近くの何かをじっと見つめ、そして――
「ヴォォォォォヴォォォォォ…………」
どこか哀しげな咆哮をあげながら森の奥へと消えていった。
☆ ☆ ☆
「グウッ」
数分ほどかけてギュオーはゆっくりと起き上がった。
そして飛ばされたビームライフルを回収しようと足を踏み出した瞬間、何かを踏んだ。
「おのれ……このゴミが!」
ギュオーはそのまま足に力を込め、自身の邪魔をしたそれの背骨をへし折る。
「何度も何度も! 邪魔しおって!!」
それだけでは気が済まず、何度も何度も――何度も何度も何度も何度も。
原型を留めないぐらい踏み抜き、肉片となったそれを見てようやくギュオーは足を止めた。
「く、こんな事をしている場合ではなかったな」
肉片――フリードを最後にもう一度だけ踏み抜き、ギュオーは足早にビームライフルを回収すると、
トトロが逃げていった方角を睨みつけた。
あと少し。
あと少しでガイバーユニットが手に入っていたのだ。
ギュオーは口惜しさに歯軋りをする思いだったが、ふと考え直す。
(いや、まだ間に合うか? そうだ、あの獣も傷ついている)
あの傷ではそう遠くへはいけまい。
そう考えギュオーは萎えた足に力を篭め……再び走り始めた。
普通ならばとっくに倒れている筈の疲労の中、ギュオーは走った。
限界を超え、なおギュオーは走る。
ギュオーの意思が、精神が、肉体を超越し始めたのだ。
それはひとえに 執 念 の一言だった。
【フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】
【F-06 森林/一日目・夜中】
【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】精神高揚、全身軽い打撲、左肩負傷、頭部にダメージ&火傷(小)、ダメージ(大)、疲労(極限)、巨乳、低い声が出づらい
【持ち物】支給品一式×4(一つ水損失)、参加者詳細名簿、首輪(草壁メイ)、首輪(加持リョウジ)、
E:ケロロ小隊の光線銃(9/20)@ケロロ軍曹 、E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、ガイバーの指3本、
空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリヲン、毒入りカプセル×4@現実、
博物館のパンフ、ネルフの制服@新世紀エヴァンゲリオン、北高の男子制服@涼宮ハルヒの憂鬱、
クロノス戦闘員の制服@強殖装甲ガイバー、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ、
日向ママDNAスナック×11@ケロロ軍曹、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
【思考】
0、トトロを追いキョンとノーヴェを殺し、ガイバーになる。
1、優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2、自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
3、首輪を解除できる参加者を探す。
4、ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
5、タママを気に入っているが、時が来れば殺す。
6、疲労とダメージのせいか身体に違和感を感じる・・・・・・しかし、今は耐える!
【備考】
※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」
に関する記述部分を破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されている可能性に思い至りました。
※名簿の裏側に博物館で調べた事がメモされています。
※詳細名簿の「加持リョウジ」に関するページは破り取られていてありません。
※詳細名簿の内容をかなり詳しく把握しています
※一度ギュオーをLCL化させかけた影響で首輪に変化があるかもしれません。
※F-4のどこかに、クロエ変身用黒い布、濡れた支給品一式、スイカ×5(いくつか割れてる)、円盤石(1/3)+αセット@モンスターファー
ム~円盤石の秘密~が放置されています。
※ギュオーは日向ママのDNAスナックを一袋食べました。
確認できる変化は巨乳化・低い声が出にくい=高い声が出るなど、いずれも本人は気づいてません。
まだ他にも肉体に変化があるかもしれません。
☆ ☆ ☆
「――――湖に向かってくれないか?」
その声で意識がゆっくりと浮かび上がる。
『湖?』
「ああ、北にある湖だ」
その声に聞き覚えがあるような気がしたのだが、今のノーヴェにはよく思い出せなかった。
誰だったかな、とぼんやりと会話を聞きながらノーヴェは考える。
『いったい何の為に湖に?』
「俺を助けてくれる奴が……そこにハルヒが居るのかもしれないんだ」
そしてノーヴェは思い出した。
この声を持ち主の事を。
(そうだ――あたしは将軍に言われてキョンや将軍と気が会う奴を探していたんだ。
それでこいつと出会ったんだっけ)
誰にも出会えず、無人の採掘場を足早に捜索し終えたノーヴェが移動経路として選んだのは森だった。
森の中でそいつを見つけた時はなんて幸運なんだと感謝したものだ。
だけど、少し話をしてみてノーヴェは理解した。いや、理解させられてしまった。
コレは駄目だ、と。
段差か何かを滑り落ちたのか全身泥まみれで気絶していたそいつは、
目を覚ました途端に「スバリュ」とか「もう構うにゃ」とかわけのわからない事を喚き散らした。
そして立ちあがろうとして上手くいかず、何度も何度も転倒するという有様だった。
最後には地面を這ったまま、もぞもぞと逃げ出そうとしたそいつを、
なんとか宥めすかして名前と今まで何をしていたのかを尋ねたのだが。
『死にたくない……死にたくなかったんだ。俺だって辛いんだ。
だがな、仕方なかったんだよ。どうしようも無いじゃないか。
なのになんであそこまで言われなきゃないんだ……。
だってそうだろ。なあ、ハルヒ……俺だって本当はお前と』
愚痴、妄言、泣き言。
元々短気なノーヴェが我慢に我慢を重ねて聞き出してわかったのは、コレは駄目。それだけだった。
とても将軍と気が会う――どころか、ほとんどただの駄目人間。
そうノーヴェが見切りをつけ、こいつをどうしようかと頭を捻っていた時だ。
森から大きな生き物が飛び出してきて……そこまで回想した所でノーヴェは全てを思い出した。
(そっか、あたしはギュオーにやられちまったんだ……)
妙に顔が痛い理由がようやく判った。
そして地面が妙にもふもふしている理由も。
ノーヴェはあの大きな獣に抱きかかえられていたのだ。
『まるで疫病神ですね』
獣の右手に握られているデバイスが言った。
「は?」
獣の右足にしがみ付いている愚痴男が、何を言われたのかわからない様子で聞きかえす。
『疫病神、ですよ。あなたが関わると必ず誰かが傷ついたり……死んだりする』
「な、なん……お、俺は……」
『事実でしょう、何故なら貴方はその友人すら――手にかけているのだから』
「ぐ……ハル……おげぇええええぇぇ……ち、が……」
『吐こうが泣こうが貴方が――』
「ヴォォバァァ……」
デバイスの言葉を獣が遮る。
首をふるふると振る獣を見てデバイスが謝罪した。
『申し訳ありません。少し言い過ぎました』
そんな会話を聞くとはなしに聞いていたノーヴェは気絶したフリを続けながら思考を凝らす。
この獣がとても優しいのは理解できた。
そしてこれだけの人数を担げるパワーとスピード……これならば将軍も気に入るかもしれない。
優しいのなら利用できる筈。こっちが困っていると言えば優しい獣は協力を断ったりはしないはずだ。
(そうさ……こいつの優しさを利用すればいいんだ。
そういえばギュオーも愚痴男を欲しがっていたよな……なら愚痴男を交渉材料にすればギュオーだって利用――うっ!)
そこまで考えてノーヴェは突然吐き気を覚えた。
キョンが吐いているせいだろうかと一瞬考えたが――違う。
理由が判らず困惑していたノーヴェだったが、すぐに他の原因を思いついた。
リヒャルト・ギュオー。
早朝に出会った時とは微妙に、そして深刻な差異があったあの男のせいではないか、と。
あの妙に甲高い声と異常に膨らんだ胸。
それに気付いた瞬間、実はノーヴェは吐きそうになっていたのだ。
そしてその姿と声を思い出しているだけで、ノーヴェの吐き気は一層酷くなっていた。
(なんだ、あいつの事を考えたから気持ち悪くなったんだな)
実に納得できる理由だった。
疑問が氷解してすっきりしたノーヴェは気持ちよく――――吐いた。
「うげええええええええぇぇぇ……」
【F-07 森林/一日目・夜中】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】吐き気、疲労(小)、ダメージ(大)、顔面にダメージ(中)、 悪魔の精神(弱+)
【持ち物】ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.強くなるんだ
1.悪魔将軍の命令に従う
2.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
3.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
4.ジェットエッジが欲しい。
5.キョン、悪魔将軍と気が合いそうな奴を探してモールまで連れて行く。
※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。
【トトロ@となりのトトロ】
【状態】首に小ダメージ、腹に大ダメージ、左手に中ダメージ、疲労(中)、背中にビームライフルの直撃ダメージ
【持ち物】ディパック(損壊)、ピクシー(疲労困憊)@モンスターファーム~円盤石の秘密~ 、
ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1、自然の破壊に深い悲しみ
2、誰にも傷ついてほしくない
3、?????????????????
【備考】
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※東へ向かっています。
※ケリュケイオンは怪物(ギュオー)を、身体的特徴から女性だと推測しています。
※背中の具体的なダメージは次の書き手さんにお任せします。
【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】吐き気、ダメージ(小)、疲労(大)、泥酔で躁鬱・正気度の増減が極端
【持ち物】デイパック(食料半分消失、盗聴器(発信)がランタンに仕込まれている)
スーパーアンチバリア発生装置@ケロロ軍曹×1 木材@現実
【思考】
0:ハルヒ……助けてくれ、ハルヒ
(1:―――死にたくない。)
【備考】
※「全てが元通りになる」という考えを捨てました。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※ガイバーは使用不能になりました。以後使えるようになるかは後の書き手さんにお任せします。
※現在は泥酔(?)しているため、正常な判断ができていません。
正気に戻ったあとどうするかは次の書き手にお任せします。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|[[魑魅魍魎~草の根分けるは鬼にあらず~]]|キョン|[[ハジカレテ……ハジカレテ……]]|
|[[鎧袖一触~鎧は殴るために在る~]]|ノーヴェ|~|
|[[war war! stop it]]|トトロ|~|
|~|リヒャルト・ギュオー|~|
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