「となりのケロロ」(2008/11/14 (金) 16:21:34) の最新版変更点
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*となりのケロロ ◆h6KpN01cDg
時の流れというものは、残酷である。
人が一番望む瞬間でとどまってはくれないものなのだ。
だから、彼女は少しだけ考える。
もし自分が、妹と同じくらい幼ければ。
今の状況すら理解できないほど、小さな子供に戻れれば。
もしくは、お母さんやお父さんくらいの大人になっていたならば。
あらゆる知識と経験で、悲しみを克服できるほどに成長していれば。
しかし、どうしようもないのだ。
未来人でも超能力者でもない彼女は―――ただの、12歳でしかないのだから。
D-10区間。
一人の少女が、草叢に座り込んだまま動かずにいる。
ここに先ほど送られてきたばかりの少女は、先刻のわずかな時間で目の前に繰り広げられた光景を未だ認識できずにいた。
「……」
少女・草壁サツキは、気の抜けた顔で言葉すら発しない。
妹やクラスメイトに見せるしっかり者の面影はそこにはなく、その表情にはショックと疑問だけがただ渦巻いている。
さわさわと風が涼しい。海がすぐ横に見える、普通なら絶景の観光スポットだろう。
それなのに、どうして。
「……お父、さん」
もしここにいるのがサツキ一人ならば、まだこの境遇に耐えうることができただろう。
勿論ごくごく普通の少女であるサツキには、人が死ぬことへの耐性もなければ身を守る手段もない。
一時は絶望しきり、恐怖に怯え、泣き喚くことにはなろう。
それでも、普段の彼女なら、そこから懸命に立ち上がれるはずだった。
メイのために、父親のために、母親のために、クラスメイトのために、トトロのために、早くここから抜け出そう、とすら思えたかもしれない。
しかし、サツキは動けずにいた。
あの謎の場所で妹のメイの姿を確認したというのに。
妹と手をつなぎ、守ってやらなければと思ったというのに。
ひくり、と喉が空しく音を立てるだけで、うまく声にすらならない。
「……そ、んな……なんで……なんで……お父さん……」
理由は一つ。
父親が―――草壁タツオが、あの少年を『殺した』からだ。
銃で撃った訳でも包丁で刺した訳でもない。
ただ、少年の首が溶け去り、消えただけ。
それでも、聡いサツキには十分分かる。
あれは、父親の手によるものだと。
あの人は、『死んだ』のだと。
―――お父さんは、そんなことする人じゃない。
それは誰よりも、娘である自分がよく知っていた。
―――お父さんは考古学の先生で、かなり抜けてて、正直私が見ていても頼りなくて……でも、すごく優しい人なの。
結核で苦しむ母に愛情を注ぎ続ける、愛すべき父親。
それなのに、どうして。
「……どうして……」
そんな、ひどいことをするのだろう?
「お父さん……っ!」
私たちのことが嫌いになったの?
お母さんのことをもう愛していないの?
考えたくない。
考えたくないが、『殺し合いをしてもらう』という言葉を発した時の、父親の見たこともない冷徹な瞳がいまだに頭にこびりついて離れない。
本来なら発狂してもおかしくない状況。サツキの理性をかろうじてつなぎとめていたのは、妹の存在だった。
メイはまだ4歳。あまりに幼すぎる妹も、この場にいる。
温かい掌のぬくもりを思い出す。
好奇心旺盛で遠慮を知らない、てんで子供の妹が、このような場所でまともにやっていけるはずがない。
なくしていいはずがない。大切な、大切な妹。
―――メイが、……死ぬ?
連想する。メイも少年のように、オレンジの液体しか残らずにこの世界から消失する。
自らの父親の手で。
それを考えるととても意識を失うことなどできそうになかった。
「……メイ」
そして、ゆっくりと彼女は立ち上がる。
頭は全く冷えていない。そのまますぐにでも倒れてしまいそうだ。
それでもそう呟いたのは、悲しきかな彼女の性。
トトロが出た、そう無邪気に笑う妹の姿を考えると、自然に足が前に出ていた。
「メイ……どこ?」
しっかりしなきゃ、そう繰り返す。
「……メイ」
父親のことは、奥底に封じ込めた。
それ以上考えるだけで、心が完全に壊れてしまいそうで。
サツキは、ただメイのことだけを思う。
「メイを……探さないと」
妹だけは。
何があっても、メイだけは守りたい、と。
わずか12歳の彼女はそう誓った。
※
「……うーむ、これは一体どんなアニメでありますか?」
そして同地区。
大きめの石に腰かけ、ディパックをあさる生物が一人―――否、一匹。
彼の姿は、どこからどう見てもカエルそのものだ。
本当はケロン星に住む宇宙人、しかも一介の軍人なのだが、まあ普通の人間が見ればカエルにしか見えないだろう。
「……タママに冬樹殿…………それにガルル……あ、ドロロ忘れてた。 我輩達に何をさせたいのかさっぱりであります」
口では平気そうに言う。が、内心ケロロは怖くて仕方がなかった。
あの少年の謎の死に様。彼の故郷であるケロン星は、今住んでいるペコポンなどよりずっと科学の発達した場所。
そのケロン星の知識をもってしても、説明がつかないことが起こったからだ。
人が溶ける。燃やしたり消したりすることはできても、あんなやり方は見たことがない。
侵略の集団に使うには、どうも気乗りがしないくらいおぞましいものに思えた。
参謀たるクルルなら解析の一つや二つ可能だったかもしれないが、少なくともケロロにはさっぱりだった。
ケロン軍からこんなところに行けなどという命令は下らなかった。これでは侵略予定表を提出できないであります、そう言えばまだザクを作り終えてなかった!とケロロは一人呟く。
「……そしてこれは何でありますか」
とりあえずディパックの中身を確認しようとケロロが引っ張り出したのは―――女の子用のセーラー服だった。
夏美のものとは違う。
「……? これ、どこかで見たことがあるような……」
ケロロは首をひねる。このデザインは初めて見た気がしない。
しかし、どこで見たのかよく思い出せない。
「……まあ、使えないものは仕方ないであります。 とにかく冬樹殿を探さないと」
冬樹はケロロの大切な友人だ。
冬樹を危険なことに巻き込みたくない気持ちはある。それに……ケロロ自身も正直あまり一人では行動したくなかったり、していた。
できるだけ怖いことからは逃げたい。当たり前の感覚だろう。……軍人としては、少々どころかかなり失格の思考ではあるが。
「早く帰って……早くガンダムの再放送を見ないと! ……はっ、そそう言えば夏美殿にトイレ掃除を頼まれていたであります! すっごい怒ってた気が…………こ、殺される……」
理由はともかくとして、仲間を探そうと歩き始めるケロロ。
そこに、背後から知らない声がかかった。
「あのう」
「……な、何でありますかああ!? わ、吾輩は決して美味しくないでありますよお!? だからすみません許してください僕が悪うございましたあ!」
びっくううううううう、と効果音が付きそうなほどに挙動不審になり、よく分からないことを口走るケロロ。
ギロロが見ていたら本気で隊長から降格させたくなるくらいあまりにあっさりと、頭を下げる。
しかし、相手が攻撃をしてくる気配はない。
「……?」
恐る恐るケロロが顔を上げると、そこには女の子が立っていた。
素朴で少し大人びた雰囲気の、ごくごく普通の地球人の少女。夏美や小雪、桃華やモアなどと言ったケロロの近くにいる女の子たちとはタイプが違う。
「……な、何でありますか?」
相手が武器を持っていない、そして悪意が感じられないことを確認したケロロは、少女に問う。
そして同時に、ピンとくる。
―――なるほど、このペコポン人を利用すればいいのでありますね。
最近すっかり目的を忘れ気味ではあったが、ケロロとて侵略者。
このような危ない場所で、自分に危害を加える様子のない一般人を利用することに抵抗はない。
ニヤリと陰ながらほくそ笑む。
―――悪く思わないでほしいでありますよ。
しかし。
ケロロのその思いは、少女の次の言葉によって打ち砕かれることになる。
もっとも、本来はヘタレでお人よしなケロロのこと、何もなくとも目の前の少女を利用するなどできなかっただろうが。
「一つ聞きたいの―――貴方は、川の主? トトロの仲間なの?」
「……え?」
ケロロは意味が分からずぽかんとする。
妖精どころか、彼は宇宙人だ。
トトロ?何かそんな名前もあった気がするが、あまり覚えていない。
「……でも歩いているし、喋っているし…… メイに聞いたのとは少し違う……」
ぶつぶつと呟く少女。ケロロはそのまま固まっている。
「貴方の名前は?」
「わ、吾輩でありますか? 吾輩はガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長 ケロロ軍曹で―――」
「ケロロ! トトロと似た名前」
少女はケロロの名乗りを途中で遮り、安心したように少しだけ表情を緩める。
「な、何でありますか?」
「私は草壁サツキ。 ねえケロロ、お願いがあるの」
サツキは少しだけお姉さんらしく、真剣な顔でケロロに告げる。
「私の妹を探すのを手伝ってほしいの! 私の、大切な妹を!」
「え、えええええ……?」
ケロロは、何も言えなくなった。
突然現われて、トトロなどと言われ、しかも手伝え、と?
目の前の地球人は、何を考えているのだろう。
どうにも、彼の考えは、うまくいかない。
【D-10 海岸側/一日目・未明】
【名前】ケロロ軍曹@ケロロ軍曹
【状態】健康
【持ち物】北高女子の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、ディパック(支給品一式、不明支給品1~2)
【思考】
1:トトロ?誰でありますか、それは?
2:冬樹や他の仲間に会って早く帰る。
3:地球人は利用する……?
※漫画等の知識に制限がかかっています。自分が見たことのある作品の知識はあいまいになっているようです。
【名前】草壁サツキ@となりのトトロ
【状態】健康、悲しみと決意
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品2~3)
【思考】
1:メイを探す
2:ケロロ……メイの言ってたトトロと関係あるの?
3:お父さん……
※トトロに会う前からの参戦
※ケロロを名前と外見(人外)からトトロとかかわりがあるのかもしれないと考えています。
*時系列順で読む
Back:[[少年少女と、変態]] Next:[[0号ガイバーの憂鬱]]
*投下順で読む
Back:[[少年少女と、変態]] Next:[[0号ガイバーの憂鬱]]
|&color(cyan){GAME START}|ケロロ軍曹|[[咆哮! 軍曹入魂大演説…の巻]]|
|&color(cyan){GAME START}|草壁サツキ|[[咆哮! 軍曹入魂大演説…の巻]]|
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*となりのケロロ ◆h6KpN01cDg
時の流れというものは、残酷である。
人が一番望む瞬間でとどまってはくれないものなのだ。
だから、彼女は少しだけ考える。
もし自分が、妹と同じくらい幼ければ。
今の状況すら理解できないほど、小さな子供に戻れれば。
もしくは、お母さんやお父さんくらいの大人になっていたならば。
あらゆる知識と経験で、悲しみを克服できるほどに成長していれば。
しかし、どうしようもないのだ。
未来人でも超能力者でもない彼女は―――ただの、12歳でしかないのだから。
D-10区間。
一人の少女が、草叢に座り込んだまま動かずにいる。
ここに先ほど送られてきたばかりの少女は、先刻のわずかな時間で目の前に繰り広げられた光景を未だ認識できずにいた。
「……」
少女・草壁サツキは、気の抜けた顔で言葉すら発しない。
妹やクラスメイトに見せるしっかり者の面影はそこにはなく、その表情にはショックと疑問だけがただ渦巻いている。
さわさわと風が涼しい。海がすぐ横に見える、普通なら絶景の観光スポットだろう。
それなのに、どうして。
「……お父、さん」
もしここにいるのがサツキ一人ならば、まだこの境遇に耐えうることができただろう。
勿論ごくごく普通の少女であるサツキには、人が死ぬことへの耐性もなければ身を守る手段もない。
一時は絶望しきり、恐怖に怯え、泣き喚くことにはなろう。
それでも、普段の彼女なら、そこから懸命に立ち上がれるはずだった。
メイのために、父親のために、母親のために、クラスメイトのために、トトロのために、早くここから抜け出そう、とすら思えたかもしれない。
しかし、サツキは動けずにいた。
あの謎の場所で妹のメイの姿を確認したというのに。
妹と手をつなぎ、守ってやらなければと思ったというのに。
ひくり、と喉が空しく音を立てるだけで、うまく声にすらならない。
「……そ、んな……なんで……なんで……お父さん……」
理由は一つ。
父親が―――草壁タツオが、あの少年を『殺した』からだ。
銃で撃った訳でも包丁で刺した訳でもない。
ただ、少年の首が溶け去り、消えただけ。
それでも、聡いサツキには十分分かる。
あれは、父親の手によるものだと。
あの人は、『死んだ』のだと。
―――お父さんは、そんなことする人じゃない。
それは誰よりも、娘である自分がよく知っていた。
―――お父さんは考古学の先生で、かなり抜けてて、正直私が見ていても頼りなくて……でも、すごく優しい人なの。
結核で苦しむ母に愛情を注ぎ続ける、愛すべき父親。
それなのに、どうして。
「……どうして……」
そんな、ひどいことをするのだろう?
「お父さん……っ!」
私たちのことが嫌いになったの?
お母さんのことをもう愛していないの?
考えたくない。
考えたくないが、『殺し合いをしてもらう』という言葉を発した時の、父親の見たこともない冷徹な瞳がいまだに頭にこびりついて離れない。
本来なら発狂してもおかしくない状況。サツキの理性をかろうじてつなぎとめていたのは、妹の存在だった。
メイはまだ4歳。あまりに幼すぎる妹も、この場にいる。
温かい掌のぬくもりを思い出す。
好奇心旺盛で遠慮を知らない、てんで子供の妹が、このような場所でまともにやっていけるはずがない。
なくしていいはずがない。大切な、大切な妹。
―――メイが、……死ぬ?
連想する。メイも少年のように、オレンジの液体しか残らずにこの世界から消失する。
自らの父親の手で。
それを考えるととても意識を失うことなどできそうになかった。
「……メイ」
そして、ゆっくりと彼女は立ち上がる。
頭は全く冷えていない。そのまますぐにでも倒れてしまいそうだ。
それでもそう呟いたのは、悲しきかな彼女の性。
トトロが出た、そう無邪気に笑う妹の姿を考えると、自然に足が前に出ていた。
「メイ……どこ?」
しっかりしなきゃ、そう繰り返す。
「……メイ」
父親のことは、奥底に封じ込めた。
それ以上考えるだけで、心が完全に壊れてしまいそうで。
サツキは、ただメイのことだけを思う。
「メイを……探さないと」
妹だけは。
何があっても、メイだけは守りたい、と。
わずか12歳の彼女はそう誓った。
※
「……うーむ、これは一体どんなアニメでありますか?」
そして同地区。
大きめの石に腰かけ、ディパックをあさる生物が一人―――否、一匹。
彼の姿は、どこからどう見てもカエルそのものだ。
本当はケロン星に住む宇宙人、しかも一介の軍人なのだが、まあ普通の人間が見ればカエルにしか見えないだろう。
「……タママに冬樹殿…………それにガルル……あ、ドロロ忘れてた。 我輩達に何をさせたいのかさっぱりであります」
口では平気そうに言う。が、内心ケロロは怖くて仕方がなかった。
あの少年の謎の死に様。彼の故郷であるケロン星は、今住んでいるペコポンなどよりずっと科学の発達した場所。
そのケロン星の知識をもってしても、説明がつかないことが起こったからだ。
人が溶ける。燃やしたり消したりすることはできても、あんなやり方は見たことがない。
侵略の集団に使うには、どうも気乗りがしないくらいおぞましいものに思えた。
参謀たるクルルなら解析の一つや二つ可能だったかもしれないが、少なくともケロロにはさっぱりだった。
ケロン軍からこんなところに行けなどという命令は下らなかった。これでは侵略予定表を提出できないであります、そう言えばまだザクを作り終えてなかった!とケロロは一人呟く。
「……そしてこれは何でありますか」
とりあえずディパックの中身を確認しようとケロロが引っ張り出したのは―――女の子用のセーラー服だった。
夏美のものとは違う。
「……? これ、どこかで見たことがあるような……」
ケロロは首をひねる。このデザインは初めて見た気がしない。
しかし、どこで見たのかよく思い出せない。
「……まあ、使えないものは仕方ないであります。 とにかく冬樹殿を探さないと」
冬樹はケロロの大切な友人だ。
冬樹を危険なことに巻き込みたくない気持ちはある。それに……ケロロ自身も正直あまり一人では行動したくなかったり、していた。
できるだけ怖いことからは逃げたい。当たり前の感覚だろう。……軍人としては、少々どころかかなり失格の思考ではあるが。
「早く帰って……早くガンダムの再放送を見ないと! ……はっ、そそう言えば夏美殿にトイレ掃除を頼まれていたであります! すっごい怒ってた気が…………こ、殺される……」
理由はともかくとして、仲間を探そうと歩き始めるケロロ。
そこに、背後から知らない声がかかった。
「あのう」
「……な、何でありますかああ!? わ、吾輩は決して美味しくないでありますよお!? だからすみません許してください僕が悪うございましたあ!」
びっくううううううう、と効果音が付きそうなほどに挙動不審になり、よく分からないことを口走るケロロ。
ギロロが見ていたら本気で隊長から降格させたくなるくらいあまりにあっさりと、頭を下げる。
しかし、相手が攻撃をしてくる気配はない。
「……?」
恐る恐るケロロが顔を上げると、そこには女の子が立っていた。
素朴で少し大人びた雰囲気の、ごくごく普通の地球人の少女。夏美や小雪、桃華やモアなどと言ったケロロの近くにいる女の子たちとはタイプが違う。
「……な、何でありますか?」
相手が武器を持っていない、そして悪意が感じられないことを確認したケロロは、少女に問う。
そして同時に、ピンとくる。
―――なるほど、このペコポン人を利用すればいいのでありますね。
最近すっかり目的を忘れ気味ではあったが、ケロロとて侵略者。
このような危ない場所で、自分に危害を加える様子のない一般人を利用することに抵抗はない。
ニヤリと陰ながらほくそ笑む。
―――悪く思わないでほしいでありますよ。
しかし。
ケロロのその思いは、少女の次の言葉によって打ち砕かれることになる。
もっとも、本来はヘタレでお人よしなケロロのこと、何もなくとも目の前の少女を利用するなどできなかっただろうが。
「一つ聞きたいの―――貴方は、川の主? トトロの仲間なの?」
「……え?」
ケロロは意味が分からずぽかんとする。
妖精どころか、彼は宇宙人だ。
トトロ?何かそんな名前もあった気がするが、あまり覚えていない。
「……でも歩いているし、喋っているし…… メイに聞いたのとは少し違う……」
ぶつぶつと呟く少女。ケロロはそのまま固まっている。
「貴方の名前は?」
「わ、吾輩でありますか? 吾輩はガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長 ケロロ軍曹で―――」
「ケロロ! トトロと似た名前」
少女はケロロの名乗りを途中で遮り、安心したように少しだけ表情を緩める。
「な、何でありますか?」
「私は草壁サツキ。 ねえケロロ、お願いがあるの」
サツキは少しだけお姉さんらしく、真剣な顔でケロロに告げる。
「私の妹を探すのを手伝ってほしいの! 私の、大切な妹を!」
「え、えええええ……?」
ケロロは、何も言えなくなった。
突然現われて、トトロなどと言われ、しかも手伝え、と?
目の前の地球人は、何を考えているのだろう。
どうにも、彼の考えは、うまくいかない。
【D-10 海岸側/一日目・未明】
【名前】ケロロ軍曹@ケロロ軍曹
【状態】健康
【持ち物】北高女子の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、ディパック(支給品一式、不明支給品1~2)
【思考】
1:トトロ?誰でありますか、それは?
2:冬樹や他の仲間に会って早く帰る。
3:地球人は利用する……?
※漫画等の知識に制限がかかっています。自分が見たことのある作品の知識はあいまいになっているようです。
【名前】草壁サツキ@となりのトトロ
【状態】健康、悲しみと決意
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品2~3)
【思考】
1:メイを探す
2:ケロロ……メイの言ってたトトロと関係あるの?
3:お父さん……
※トトロに会う前からの参戦
※ケロロを名前と外見(人外)からトトロとかかわりがあるのかもしれないと考えています。
*時系列順で読む
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