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遠い日の記憶胸に抱きしめて ◆UVMoz3I/eM



6分の4は物持ちに。
それは支給されたディバッグ、明かり、地図、そして参加者名簿。
6分の2は腕組みに。
暗い畔道で、アシュラマンは思案にふける。
夜のサバイバルで明かりを灯すのは自殺行為なのだが彼は気にしない。
それは実力に裏打ちされた自信と、魔界の王子(プリンス)たるプライドゆえ。

(水分補給はこまめに、少しづつ)

夜風を2つの手で受け、風向きを読み取る。
あらかじめ水で濡らしていた指は、ひんやりと脳に伝達させた。

(ストレッチもしておくか)

荷物を全てバッグにしまい、彼は地べたに惜しげもなく座った。
そして両足を180度に開脚し、深い呼吸とともに上体をゆっくり倒す。
胸がぴったりと地面につくのを確認すると、空をつかむ6つの腕でぐいぐいと筋を伸ばす。

(知っている名は3つ。キン肉マン、ウォーズマン、そして悪魔将軍)

超人の善が正義超人ならば悪は悪行超人だ。
その中でも生え抜きのエリート組と呼ばれるのが悪魔超人である。
極悪非道を問答無用でやる残虐さは悪行超人となんら変わりはない。
ただ、どこの世界でも一流と呼ばれる者は、自己鍛錬能力とカリスマを備えた実力者ということだ。
特に、アシュラマンはこの中でも異端な経歴の持ち主である。

(………………)




※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「アイドル、それすなわち人気者……みんなのリーダー的存在。いいですねぇ」
「いやいや! リーダーとはちょっと違うよ。アイドルはむしろヒーロー的存在かな。
 みんなが困ってるところに颯爽とキック&ジャンプ! そして決め台詞を1つ」
「"卑怯とは言うまいね"、"いいわけはじごくできく"、"話は全て聞かせてもらった! "……う~ん迷いますねぇ」
「ボクは"さぁお遊びはここまでだ。股間にイチモツ、手に荷物!"が好きだな」
(……言葉の意味はわかりませんが、とにかくスゴい自信を感じる)

和気藹々と話している彼らは、とっさの状況適応が優れていた。
眼鏡をあけた主催者の号令の後、気がつけば森の果てに2人きり。
互いが互いに喧嘩を売る前に、友好の手を差し伸べていた。
片や無策で争うことを好まぬウサギ策士、片や普段はヘタレで争いを好まぬ2世超人。
ヨイショヨイショで続く雑談は、彼らに精神的余裕をもたらしていた。

「さて万太郎さん、そろそろあなたのお知り合いについて伺いたいのですが」
「マンタでいいよ。知り合いと言っても……友達はいないね、君と同じさ」
「とすると、身内はいるんですか? 」
「キン肉マンは僕の父上さ。昔はとっても強い超人だったんだけど、今はただの屁こきオジサンだし。ボクのほうが強いかな」
「ムハ……では、このウォーズマンさんとアシュラマンさんは? 」
「父上のライバルだよ。最初は敵だったんだけど、確か改心して味方になってくれたはず……たぶん」
「つまりこの2人も実力者ですが戦士としてはもう引退――え、たぶん? 」

ハムの困惑に万太郎は頷いてこたえる。
無理もない。ウォーズマンはロシア国内で武者修行。アシュラマンは故郷に里帰り。
万太郎が彼らと会話をする機会はほとんど無かった。
向こうが万太郎の存在をきちんと把握しているかどうかも疑わしい。
また、キン肉一族の王子のキン肉マン(キン肉スグル)が自分に関する資料を全て処分したことも起因している。
キン肉マンは息子の万太郎に極力自分の栄光を話そうとはしなかったのだ。
ウォーズマンとアシュラマンの数々の武勲や伝説を、万太郎は耳にしているのだが全て又聞きレベルだった。

「あの人たちはボクを育てる教官役をやってなかったし」
「面識は無いんですね。では2人の背格好はわかりますか? 」
「ウォーズマンさんは全身まっくろくろすけで、ロボ超人。熊手を武器に使ってたかな。
 アシュラマンさんは3つの顔と6つの腕を持つ、文字通り阿修羅みたいな人だよ。
 ほら、ちょうどあんな感じの……











 ってイターーーーーーーーーーーーーーー! 」


万太郎がぴょんと飛び上がり、尻餅をつく。
願ってもいない幸運といきなり遭遇したことに、彼は驚きを隠せない。
じんじんと痛みを訴えているお尻をさすりながら、彼は更に大きな声を出す準備をし始める。

「ストップ」

しかしハムが小声で万太郎にすかさず静止を呼びかけた。
訝しむ万太郎に、彼は人差し指でサインを送る。
どうやらアシュラマンの様子がおかしいのだ。
息がこちらに聞こえるほど荒げていて、落ち着きがない。
落ち葉をわざと大げさに蹴散らしながら歩いたかと思うと、近くにあった木々を叩き割っている。
己のストレスを発散するために、周りをはけ口にしているのだろうか。

「ムッハ~、かなり怒ってるみたいです。彼も憤りを感じているんでしょうね」
「ワ~なんか木の皮をばりばり破いちゃってるよ……やっぱり話しかけるのやめようかな」
「そうですな。あの人はマンタさんの顔を知らない。考えてみれば、赤の他人がいきなり話かけると……」
「ボクがキン肉スグルの息子だって言っても簡単に信じてくれないかも。
「門前払いされるのが関の山と」
「伝説超人(レジェンド)ってみんな尊敬できるけど頭固いからさ」


自分の上の旧世代、つまりキン肉マンたちと同時期に活躍した超人たちは伝説超人(レジェンド)と呼ばれる。
万太郎は彼らから体育会系のスパルタや、心を成長させるための叱咤激励と試練を幾度も与えられていた。
そのおかげで万太郎は一流の超人としてスポットライトを浴びたのだが、彼自身にわだかまりが無いわけでもない。
どうせ自分のことを知っていたとしても、"道は自分で切り開けと叱責されるかも"、という先入観を彼は持っていた。


「ムハ~……救世主探しは他をあたりますか」

ハムたちはそそくさと小走りして、木々の隙間をぬって高地へ登る。

「でも、いつかは……ここ一番ってときはきっと協力してくれるよね」
「あの人だって正義超人ならば敵はマンタさんと同じはず。彼の武運を祈りましょう! 」
「ウン! 僕たちは僕たちで頑張ろう!」


何も知らないアイドル(自称)たちは、怒れる巨人を後にした。


【G-9 森/一日目・未明】
【ハム@モンスターファーム~円盤石の秘密~】
【持ち物】
ディパック(支給品一式入り、支給品一式入り)
【思考】
1.頼りになる仲間をスカウトしたい。
2.アシュラマンも後でスカウトしたい。
3.殺し合いについては……。
【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※スタンスは次のかたにお任せします。仲間集めはあくまで生存率アップのためです。

【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【持ち物】
不明支給品、ディパック(支給品一式入り)
【思考】
1.アシュラのおっさんコワ~。
2.頼りになる仲間をスカウトしたい。父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※アシュラマンを自分と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※万太郎はオリンピック決勝直前の時代からきたです。
※悪魔将軍の話題はまだしていません。ぼんやりと覚えています。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




(作り物や幻覚の類ではない)

無残になぎ倒された木々を踏みしめながら、アシュラマンは闊歩していた。
地図に書かれていたことが真実ならば、この風景も全て本物のはず。
この狭い環境は、まるで超人同士が戦うリングのようだ。
アシュラマンには心当たりがあった。
悪行超人の始祖が作ったと言われる伝説の古代闘技場、ジェネラル・パラスト。
先祖たちは、捕らえられた正義超人の奴隷をそこに集め殺し合いをさせる娯楽を生んだという。
この遊びはとても人気が高く、最後の生き残りも結局悪行超人に殺されるというクライマックスがあるからだ。

(これはまさしくその再現だ。しかし、言い伝えで聞いていた物とはまるで違う)

アシュラマンはこの世界に呼ばれる前の自分を振り返る。
超人タッグマッチにはぐれ悪魔超人コンビとして参加した自分。
正義超人たちの不和を引き起こさせ、友情を壊滅させた自分。
宿敵テリーマンとのリベンジマッチ成立に喜んだ自分。
暇をもてあましキン肉マンたちの実力を分析していた自分。
そして、突然の乱入者に歯噛みした自分。

(完璧超人……やつらは言っていた。正義も悪も支配し、自分たちが頂点であることをわからせてやる、と)

完璧超人。
それは心技体を完璧に鍛え上げた、正義も悪も超越した存在。
強すぎたために対戦者がいなくなり天界で、暮らすのを余儀なくされた一族だ。
その彼らが正悪混じったタッグマッチに第三の勢力として名乗りをあげてきた。
ところがその宣言を聞いた次の瞬間、気がつけばアシュラマンはこの世界にいた。

「だがこれは何だ。"殺し合ってくれ"だと!? ふざけるな! 」

アシュラマンには、いや超人界には暗黙のルールがある。
それは"試合が終わればノーサイド"だ。
どんなにいがみあっていても、どんなに憎んでいても、最終的な決着はリングの上。
試合中にどんなに反則ギリギリの行為をしても、あくまで勝敗で競い、その結果に従うのだ。
過去に世間を騒がせた悪行超人も、これを破ったものは"ほぼ"いない。

「見損なったぞ完璧超人。なぜリング上で、いや正面から俺たちに挑まない!?
 これが貴様たちの選択ならば、俺たち悪魔と変わらんな! 何が完璧だ! 何が超越した存在だ! 」

しかし彼らはこのバトルロワイアルの主催になる、という形で優位をとったのだ。
おそらくジェネラル・パラストの如く、自分たちは戦わせられる。
最後に生き残ったものが、晴れてあの眼鏡男女完璧超人タッグと戦う権利を与えられるのであろう。


「でも嬉しいぜぇ~……お前たちが俺たちと同じ穴のムジナなら、俺にも勝機はある。
 ここは言わば――俺のホームスタジアムだからな」

アシュラマンは手元にあった参加者名簿を取り出し、鼻で笑う。

「この名簿に載っていないのは我が友サンシャイン、そして宿敵テリーマン、ロビンマスクなどなど。
 おそらくやつらも別のジェネラル・パラストで同じ苦渋をなめているはずだ。
 カカカ悪く思うな、キン肉マンとウォーズマンはここでオサラバよ! カーカッカッカッカッ……」

高笑いと共に、彼は参加者名簿を破り捨てる。
名前などどうでもいい。どうせまとめて始末するのだから。
己のルールのグレーラインを巧みに操り、確実に殺す。
ゴングを鳴らすレフリーがいない試合は久しぶりなので、楽しい時間になるだろう。


「…………………………悪魔将軍、か」


唯一の気がかりは、それだけだった。



【G-9 森の畔道/一日目・未明】
【アシュラマン@キン肉マンシリーズ】
【持ち物】
ディパック(支給品一式入り、支給品一式入り)
【思考】
1.参加者は全員殺すぞ。 悪魔将軍はどうしよう。
2.最後の1人になって元の世界に返るぞ。
3.完璧超人(草壁タツオ、長門)は始末するぞ。
【備考】
※アシュラマンはキン肉マンの超人タッグマッチ編の途中です。22歳のバリバリ現役です。
 完璧超人がネプチューンマンたちということを知らないようです。
※悪魔将軍は保留(あとで方針を変えるかもしれません)。
※ここにいる超人以外の者も別の場所でバトルロワイアルをさせられていると考えています。



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GAME START ハム 万太郎 Go Fight!
GAME START キン肉万太郎
GAME START アシュラマン 闘将(たたかえ)!古泉仮面






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