キン肉マン、大地に立つ◆0O6axtEvXI
「いったい何がどうなっとるんだ」
全身に逞しい筋肉を持った、額の肉の文字とたらこ唇が特徴的な男。キン肉スグルことキン肉マンは草原に座り込みながら首を捻っていた。
フェニックスチームとの対戦の直前、気づいたらまったく別の部屋に居て見知らぬ二人組に殺しあえと言われた。
あの部屋にはとても超人には見えない者が何人もいた。正義超人の自分が罪もなき一般人に手を掛けるなどあってはならない。
フェニックスチームとの対戦の直前、気づいたらまったく別の部屋に居て見知らぬ二人組に殺しあえと言われた。
あの部屋にはとても超人には見えない者が何人もいた。正義超人の自分が罪もなき一般人に手を掛けるなどあってはならない。
「とはいえ逆らったら……ひぇ~、いったいあれはどういう仕掛けじゃ?」
一人の少年が液状化した光景を思い出し、その身を震わせる。
自分が戦ってきた超人にも自分の身体を変形させる者は多々いたが、相手を抵抗させる余地も与えず倒してしまう者などそうはいなかった。
いかにキン肉マンが強い力を持っていたところで、触れることさえできなければなす術もない。
自分が戦ってきた超人にも自分の身体を変形させる者は多々いたが、相手を抵抗させる余地も与えず倒してしまう者などそうはいなかった。
いかにキン肉マンが強い力を持っていたところで、触れることさえできなければなす術もない。
「むむう、こんな時こそミートがおれば……」
頭脳明晰な相棒、ミートならばこの状況でも何か解決策が浮かぶに違いない。
だが、今自分の隣には誰もいない。ミートだけではなく、正義超人の仲間達もいないのだ。
だが、今自分の隣には誰もいない。ミートだけではなく、正義超人の仲間達もいないのだ。
「むぅ、考えていても埒があかん。もしかしたら他のみんなも連れて来られているかも……」
一旦思考を休め、デイパックを探り名簿を取り出す。
最高のパートナーであるミートやテリーマン、好敵手であるロビンマスクなどが居るならば心強い。
期待を胸に名簿を開き……一瞬硬直し叫び声を上げた。
最高のパートナーであるミートやテリーマン、好敵手であるロビンマスクなどが居るならば心強い。
期待を胸に名簿を開き……一瞬硬直し叫び声を上げた。
「ゲェー!? 私が倒したはずの悪魔超人ー!?」
悪魔将軍の名前を見て頭を抱える。
悪魔六騎士を束ねる凶悪な悪魔超人。過去に倒した事があるとはいえ、その時も後一歩で敗北するところまで追い詰められた。
文句なしで二度と戦いたくない相手No.1だ。慌てて自分の仲間はいないか探してみるが、ウォーズマンの他には正義超人へなったとはいえ元々悪魔六騎士だったアシュラマンしか見つからない。
悪魔六騎士を束ねる凶悪な悪魔超人。過去に倒した事があるとはいえ、その時も後一歩で敗北するところまで追い詰められた。
文句なしで二度と戦いたくない相手No.1だ。慌てて自分の仲間はいないか探してみるが、ウォーズマンの他には正義超人へなったとはいえ元々悪魔六騎士だったアシュラマンしか見つからない。
「も、元々奴の下にいたアシュラマンでは悪魔将軍には太刀打ちできんだろう……ならばウォーズマンか私が相手をするしか……」
他に超人と思える名前としてオメガマンがあったが、この超人は確かフェニックスチームの一人だったはず、自分に協力してくれるとは思いにくい。
とはいえ悪魔将軍を放っておくわけにもいかない、奴なら一般人にも平気で手を掛けるだろう、正義超人として一般人を守らなくては。
一刻も早くウォーズマンと合流しなくてはと考え、一つの名前に目が止まる。
とはいえ悪魔将軍を放っておくわけにもいかない、奴なら一般人にも平気で手を掛けるだろう、正義超人として一般人を守らなくては。
一刻も早くウォーズマンと合流しなくてはと考え、一つの名前に目が止まる。
「キン肉万太郎……? なんじゃい、私と似た名前をしよってからに」
キン肉一族にこんな名前の者はいなかったはず、ならばこの者は何者なのだろうか。
しばらく考え、何か思いついたように目を見開く。
しばらく考え、何か思いついたように目を見開く。
「まさかこいつ……! 私の名を語る偽者か!?」
「キン肉スグル」ではなくリングネームの「キン肉マン」の方に名前を似せている辺り、その可能性が高いだろう。
今のキン肉マンはかつてのおちこぼれ超人とは違う、その名声を自分の物にしたがる輩がいたところで不思議ではない。
自分の名前を語るとは許せない。それに、もしもこの場で自分のフリをされてしまってはどんどん立場が悪くなってしまう。
今のキン肉マンはかつてのおちこぼれ超人とは違う、その名声を自分の物にしたがる輩がいたところで不思議ではない。
自分の名前を語るとは許せない。それに、もしもこの場で自分のフリをされてしまってはどんどん立場が悪くなってしまう。
「く~っ、早くこの万太郎という奴を探してとっちめてやらねば!」
ある意味悪魔将軍よりもこっちの方がやっかいだ。
その偽者がどれほど自分に似ているかはわからない、ウォーズマンやアシュラマンなら自分を間違えることなどないと思いたいが、万が一という可能性もある。
その偽者がどれほど自分に似ているかはわからない、ウォーズマンやアシュラマンなら自分を間違えることなどないと思いたいが、万が一という可能性もある。
「待っていろ万太郎とやら! すぐに本物の実力というものを思い知らせてくれるわ!」
一つ決意を固め、名簿を戻しデイパックを再び探る。
「食料……なんじゃ、パンか。牛丼でも用意してくれればいいものを」
ぶつぶつとぼやきながら地図やらコンパスやらを確かめ、他の物とは少し変わった物を見つけ取り出してみる。
それは四つの紅い宝石、高価な物に見えるがとても戦いに使えそうなものではない。
最も、超人である彼には自身の肉体という、これ以上ないほど信頼できる武器がすでにあるのだが。
それは四つの紅い宝石、高価な物に見えるがとても戦いに使えそうなものではない。
最も、超人である彼には自身の肉体という、これ以上ないほど信頼できる武器がすでにあるのだが。
「他には……何も入っておらんか。まったく、私だからいいものの、こんな物でどう戦えと言う気なんじゃ」
意図の読めない道具に多少憤慨しながら、荷物をデイパックに戻して立ち上がる。
彼は気づいていない。
紅い宝石、タリスマンに込められた強大な魔力に。
偽者と思いこんでいるキン肉万太郎、彼が未来の自分の息子だということに。
紅い宝石、タリスマンに込められた強大な魔力に。
偽者と思いこんでいるキン肉万太郎、彼が未来の自分の息子だということに。
それにいつ気づくのか、そもそも気づく時が来るのか。
それは、誰にもわからない。
それは、誰にもわからない。
【D-4 草原/一日目・未明】
【名前】キン肉スグル@キン肉マン
【状態】健康
【持ち物】タリスマン@スレイヤーズREVOLUTION、ディパック(支給品一式)
【思考】
1:キン肉万太郎を探し出してとっちめる。
2:一般人を守り、悪魔将軍を倒す。
【名前】キン肉スグル@キン肉マン
【状態】健康
【持ち物】タリスマン@スレイヤーズREVOLUTION、ディパック(支給品一式)
【思考】
1:キン肉万太郎を探し出してとっちめる。
2:一般人を守り、悪魔将軍を倒す。
※参戦時期はフェニックスチームとの対戦直前。オメガマンの事はよく知りません。
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