果タシテ、無知トハ罪ナリヤ?(後編)◆qYuVhwC7l.
※
「そういえばゲンキ君、ちょっと気になる事があるんだけど」
機嫌を完全に持ち直して、嬉しそうにちょこちょこと動き回っていたキョンの妹が突然立ち止まり、ゲンキに振り向く。
「どうした?」
「この本の事なんだけど……最初からずっとこういう風に、新品のままだった?」
「へ?」
「この本の事なんだけど……最初からずっとこういう風に、新品のままだった?」
「へ?」
少女の言葉の真意がつかめず、ゲンキが思わず首を傾げる。
「とりあえず、最初から綺麗なまんまだったけど?」
「そうなんだ………変なの」
「変って……何が?」
「これって私のディパックの中に入ってたんだよね? 最初に言ったけど、私池の中に落っこちちゃって、その時ディバックもぐしょぐしょに濡れちゃったハズなのに…」
「そうなんだ………変なの」
「変って……何が?」
「これって私のディパックの中に入ってたんだよね? 最初に言ったけど、私池の中に落っこちちゃって、その時ディバックもぐしょぐしょに濡れちゃったハズなのに…」
そこまで言われた所で、ようやく彼女の疑問の正体がゲンキにも理解できた。
「本当だ…なのに、中身の本はもちろんピストルだって全然湿って無かったぞ?」
「あと、これも変な感じだよー?」
「あと、これも変な感じだよー?」
そう言うとキョンの妹はとことこと落ちていたディパックの一つを掴むと、ついさっきからずっと停泊させてあったバイクの傍へと持っていく。
そのまま、ゲンキに見えるようにディパックをバイクの側面へと押しつけた後に、再びゲンキに話しかけてきた。
そのまま、ゲンキに見えるようにディパックをバイクの側面へと押しつけた後に、再びゲンキに話しかけてきた。
「ほら、バイクの大きさとこのディパックの大きさって同じぐらいだよね? 他にも色々な物が入ってるのに、なんでバイクが普通にこの中に入れられたの?」
「い、言われてみれば……何でだ?」
「い、言われてみれば……何でだ?」
キョンの妹が言うように、ディパックとバイクを交互に見やってそのサイズをたしかめてみるが、明らかに中に詰め込むには苦しいサイズだ。
だというのに、あっさりと中からバイクを取り出す事が出来たのは誰よりも自分が知っている。
何個ものクエスチョンマークを出しているゲンキを尻目に、キョンの妹はディパックを見ながらとある結論を出していた。
だというのに、あっさりと中からバイクを取り出す事が出来たのは誰よりも自分が知っている。
何個ものクエスチョンマークを出しているゲンキを尻目に、キョンの妹はディパックを見ながらとある結論を出していた。
「もしかしてこれ、不思議なディパックなのかな?」
「不思議……いやまぁ確かに不思議だけどなんだよソレ…?」
「だから、何でも入って、中に入ったら外からどんなにしても汚れたり濡れたりしない不思議なディパック……そうだ!!」
「不思議……いやまぁ確かに不思議だけどなんだよソレ…?」
「だから、何でも入って、中に入ったら外からどんなにしても汚れたり濡れたりしない不思議なディパック……そうだ!!」
キラキラと年相応に瞳を輝かせながら、キョンの妹は子供らしく高らかに叫んだ。
「いい事考えた~っ♪」
可憐に笑っているキョンの妹を見ながら、ゲンキはとある事を思っていた。
いい事と言っているのに、妙に嫌な予感がするのは一体なぜなんだろう、と。
いい事と言っているのに、妙に嫌な予感がするのは一体なぜなんだろう、と。
※
「えぇぇぇぇーーー!?ディパックの中に隠れてるーーーーー!?」
「うん!もしかしたら、ここの中だったら安全なんじゃないかなーって」
「うん!もしかしたら、ここの中だったら安全なんじゃないかなーって」
驚いているゲンキを尻目に、ディパックの中をガサゴソと漁り、自分が入れるようなスペースを作っているらしいキョンの妹が事もなげに言う。
中から何一つ物を取り出さずに、ただ押し詰めて隙間を作っているのはディパックが不思議な四次元ディパックであると信じきっているが故か。
中から何一つ物を取り出さずに、ただ押し詰めて隙間を作っているのはディパックが不思議な四次元ディパックであると信じきっているが故か。
「幾らなんでも、それは無茶なんじゃないか……?」
「だいじょーぶだよー!私、キョン君達が合宿するときに、おっきいバッグの中に入ってこっそりついて行った事あるもん」
「だいじょーぶだよー!私、キョン君達が合宿するときに、おっきいバッグの中に入ってこっそりついて行った事あるもん」
ゲンキを見ながら、ウィンクしてイタズラっぽく舌を出し「てへっ」とばかりに自分の頭を小突いている姿は可愛らしくはあったが、言っている事は非常に不安だ。
「本当に大丈夫なのかぁ?」
「うん、きっと有希ちゃんが何とかしてくれてるよ!」
「うん、きっと有希ちゃんが何とかしてくれてるよ!」
自信満々にそう告げると、彼女はもう準備が出来たのか、既に片足をディパックに突っ込み始めている。
「じゃあゲンキ君、私がこの中に入ったら身動き取れなくなっちゃうけど…置いていったりしたらダメだよ?」
「んな事言われなくてもしないって! ちゃんとバイクに乗せて連れていくよ」
「んな事言われなくてもしないって! ちゃんとバイクに乗せて連れていくよ」
そんな軽口を叩きあっている間にも、少女の体は見る見る内にディパックの中へと飲み込まれていき、遂には頭を残すだけとなった。
「それじゃゲンキ君、またねっ」
ひょいと手だけを出してひらひらと振った後に、その頭もすっぽりと苦も無くディパックの中に収まってしまった。
ディパックの大きさと、中に入ったその他の小物の事を考えると外から見ても分かるようにギュウギュウに詰まっていそうな物だが、
外見上はキョンの妹が入り込む前と全く変わらない。
これ、本当に不思議なディパックかもな……と、そんな事を思いながらゲンキはディパックに近づき、バイクへと乗せようとする。
ディパックの大きさと、中に入ったその他の小物の事を考えると外から見ても分かるようにギュウギュウに詰まっていそうな物だが、
外見上はキョンの妹が入り込む前と全く変わらない。
これ、本当に不思議なディパックかもな……と、そんな事を思いながらゲンキはディパックに近づき、バイクへと乗せようとする。
この時、彼女は自分の『無知』さに気づくべきであった。
もし仮に彼女の予想が正しく、長門有希が殺し合いを是としない人物であったとしても、参加者である自分たちにどこまでも協力出来得る立場ではないと言う事。
協力出来たとしても、多少の情報を支給品という形で提供する事ならともかく、殺し合いを目的とした空間ほぼ確実に生存可能な空間を用意する事など不可能である事。
そして、普通の小学生ですら気が付いた、支給品保護の意味合いで非常に強固な防御空間が生成されている『ディパックの中』に目を付ける参加者がいる可能性を、
主催者が前もって予測できない筈がないという事。
―――かくして悲劇は、起こりうるべきとして起こったのである。
もし仮に彼女の予想が正しく、長門有希が殺し合いを是としない人物であったとしても、参加者である自分たちにどこまでも協力出来得る立場ではないと言う事。
協力出来たとしても、多少の情報を支給品という形で提供する事ならともかく、殺し合いを目的とした空間ほぼ確実に生存可能な空間を用意する事など不可能である事。
そして、普通の小学生ですら気が付いた、支給品保護の意味合いで非常に強固な防御空間が生成されている『ディパックの中』に目を付ける参加者がいる可能性を、
主催者が前もって予測できない筈がないという事。
―――かくして悲劇は、起こりうるべきとして起こったのである。
最初は奇妙な違和感だった。
自分の座っている所…お尻のあたりに僅かに感じた、押し返すような、突かれているような感覚。
変なの、と思いながらそれに抵抗するように体に力を入れた瞬間―――強烈な力が少女を襲った。
自分の座っている所…お尻のあたりに僅かに感じた、押し返すような、突かれているような感覚。
変なの、と思いながらそれに抵抗するように体に力を入れた瞬間―――強烈な力が少女を襲った。
「えっ―――」
声を上げる暇もなく、強力なバネで思い切り押し上げられるかのように、それでいて少女以外の支給品にはまったく影響を与えずに、
ビックリ箱さながらに少女はディパックから追放された。
気づいたときに目の前に迫っていたのは、2時間ほど前に出会ったばかりのパートナーの少年の姿。そしてそのまま慣性の法則にしたがって…………
ビックリ箱さながらに少女はディパックから追放された。
気づいたときに目の前に迫っていたのは、2時間ほど前に出会ったばかりのパートナーの少年の姿。そしてそのまま慣性の法則にしたがって…………
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
衝突。
強大な運動エネルギーは、棒立ちで突っ立っていた少年を巻き込んでも未だに衰えを見せず、少年少女はそれに翻弄されるように揉みくちゃになって転がっていく。
強大な運動エネルギーは、棒立ちで突っ立っていた少年を巻き込んでも未だに衰えを見せず、少年少女はそれに翻弄されるように揉みくちゃになって転がっていく。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
グルグルグルグルと目まぐるしく天地が逆転していくのを、彼らはただ叫びながら為すがままに受け止める事しか出来なかったが、それにもやがて終焉が訪れる。
ズドン! という轟音とともに、ゲンキ、キョンの妹のそれぞれの背中に対して強烈な衝撃が襲いかかり、それによって彼らはようやく運動停止に至った。
ズドン! という轟音とともに、ゲンキ、キョンの妹のそれぞれの背中に対して強烈な衝撃が襲いかかり、それによって彼らはようやく運動停止に至った。
「……い……たたたたた………」
最初に声を出したのは、キョンの妹の方だった。
衝撃による痛みに耐えて、大回転によりふらつく頭を押さえながら、現在の状況を把握しようと辺りを見回す。
ここからかなり先……40mほど前のところに先ほどまで自分が入っていたディパックが見える。かなりひどく飛ばされたらしい。
ともかく、ディパックの中に隠れるのは反則行為だというのは正しく痛いほどによく分かった。
衝撃による痛みに耐えて、大回転によりふらつく頭を押さえながら、現在の状況を把握しようと辺りを見回す。
ここからかなり先……40mほど前のところに先ほどまで自分が入っていたディパックが見える。かなりひどく飛ばされたらしい。
ともかく、ディパックの中に隠れるのは反則行為だというのは正しく痛いほどによく分かった。
「ズルはしちゃいけないんだぁ………いたた……」
誰ともなしに呟くと、今度は後ろを見る。どうやら自分たちは巨大な木の幹にぶつかったお陰で止まれたらしい…
とここまで思った所で、木の幹と自分の背中に挟まれるようにして伸びている2本の足に気づく。
とここまで思った所で、木の幹と自分の背中に挟まれるようにして伸びている2本の足に気づく。
「あ………ゲンキ君!?」
ここに至って初めて思いっきり巻き込まれる形になった少年の事を思い出し、自分の真下に目を向ける。
そこには果たして、(お互いの意志に関係なく)キョンの妹の立派なクッションという役目を果たして目を話増しているゲンキの姿があった。
逆立ちの出来そこないのように、仰向けで背中から足にかけてを木の幹により掛けて、その上に自分が座り込むという状態にあるようだ。
そこには果たして、(お互いの意志に関係なく)キョンの妹の立派なクッションという役目を果たして目を話増しているゲンキの姿があった。
逆立ちの出来そこないのように、仰向けで背中から足にかけてを木の幹により掛けて、その上に自分が座り込むという状態にあるようだ。
「うわ、ごめんねゲンキ君!今どくか………」
その先に続く言葉を言い出す事が出来ずに、少女の体が硬直する。
自分の今の惨状に気づいてしまったのだ。
少年の胸の上に自分のお尻が乗っかって、顔の前で大きく足が開かれて。
自分の今の惨状に気づいてしまったのだ。
少年の胸の上に自分のお尻が乗っかって、顔の前で大きく足が開かれて。
最後の砦の浴衣の裾は、見る影もなく捲りあがっていた。
瞬間、心臓が口から飛び出すかと思ったが、必死である事を思い出し自分を落ち着かせようとする。
――――ここで騒いでゲンキ君を起こしたらもっとだめ!!だ、大丈夫、もう私はちゃんとパンツ履いて………
少女の脳裏に、つい先ほどの光景がフラッシュバックする。
――――「あれ…なんだ、この白いの?」
――――「え……何それ?どこにあったの?」
――――「ディパックの中に入ってたんだ。たぶん、銃の他にもう一個入ってた支給品…だと思うけど」
――――下着を再び元の場所に戻してとことこと掛け寄ってきたキョンの妹に、ゲンキは手の中の小冊子を見せる。
――――「え……何それ?どこにあったの?」
――――「ディパックの中に入ってたんだ。たぶん、銃の他にもう一個入ってた支給品…だと思うけど」
――――下着を再び元の場所に戻してとことこと掛け寄ってきたキョンの妹に、ゲンキは手の中の小冊子を見せる。
――――『下着を再び元の場所に戻して』
「………あ…………あ…………!!」
最早呆けたような声しか口から出てこない。それほどまでに、彼女を襲った衝撃は大きい物だった。
――――私 ぱ ん つ は い て な い 。
信じられない現象が起きてショックを受けた時、人は咄嗟に行動する事が出来ないのだと言う。
わずか10歳の身空ながら、キョンの妹はその事を強く実感していた。
今すぐにでも飛び起きてこの場から離脱したいと思っているのに、まるで強い力で組み敷かれているように体は言う事を聞かない。
ただ、金魚のようにパクパクと口を開ける事だけが彼女のとれた行動だった。
わずか10歳の身空ながら、キョンの妹はその事を強く実感していた。
今すぐにでも飛び起きてこの場から離脱したいと思っているのに、まるで強い力で組み敷かれているように体は言う事を聞かない。
ただ、金魚のようにパクパクと口を開ける事だけが彼女のとれた行動だった。
――――大丈夫!ゲンキ君まだ起きてないもん!だから、もうちょっとだけ落ち着いて、動けるようになってからゲンキ君を起こせば大丈夫!!
僅かな希望を見出してどうにか意識を保とうとするも、それを嘲笑うかのように現実が再び彼女を嬲りだす。
「…………う……ううん………?」
「………………!!」
「………………!!」
自分の下にいるゲンキが呻くような声を出し、ゆっくりと自分の頭を振る。
明らかに覚醒直前の動作そのものだ。
キョンの妹の精神が、巨大な津波が襲ってくる前兆のようにざわざわとざわめく。
明らかに覚醒直前の動作そのものだ。
キョンの妹の精神が、巨大な津波が襲ってくる前兆のようにざわざわとざわめく。
――――だ、ダメーーーーーー!!まだ起きちゃダメぇぇぇぇぇぇ!!
心の中の絶叫は、現実の空間ではヒュー、ヒューという掠れた息でしか現れない。そしてそれが生み出す微かな音も、意識朦朧としたゲンキには気づける筈もない。
「いってー………何だぁ……?」
「~~~~~~~!!!」
「~~~~~~~!!!」
死刑台へと続く13階段を上るかのようにゆっくりと、だが確実に破滅の時が近付いていくのが分かる。
ゲンキの瞼がピクピクと動くのを見ながら、黒い絶望がキョンの妹の心を覆っていく。
ゲンキの瞼がピクピクと動くのを見ながら、黒い絶望がキョンの妹の心を覆っていく。
「急に、あの子がディパックの中から飛び出して来て…………?」
そして、ついに少年の両の目(ヘヴンズドア)がゆっくりと開かれた。
「……………え……あれ?何が、どうなって………」
ぼやけた頭が徐々にクリアになっていき、ゲンキは目の前の光景を認識し始める。
やがて思考も回復し、何が起きているのかをしっかりと理解した瞬間に、ゲンキの体を稲妻のような衝撃が駆け抜ける。
やがて思考も回復し、何が起きているのかをしっかりと理解した瞬間に、ゲンキの体を稲妻のような衝撃が駆け抜ける。
言葉として例えるならば、今の心境は―――ハートバクバク、元気ガンガン、ガッツ全開。
それはまさしく、温泉に続いて彼を襲った、彼にとっての『セカンドインパクト』。
それはまさしく、温泉に続いて彼を襲った、彼にとっての『セカンドインパクト』。
「お、お、お、お、お、お、お、お、お…………」
「い、い、い、い、い、い、い、い、い…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「い、い、い、い、い、い、い、い、い…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
少女の叫びと乾いた二つの音が、僅かに大木の葉を揺らした。
※
「えーっと………そろそろ出発しても……大丈夫…?」
「……………………」
「……………………」
両頬に小さなもみじマークを付けたゲンキがバイクを抱えながら、恐る恐るキョンの妹に声を掛ける。
彼に背を向けたまま蹲り一言も発する事のなかった彼女は、そのまま微動だにしないのではないかと不安ではあったが、どうにか立ち上がってこちらへと近寄ってくれた。
最も一言も口を利かないのは変わらず、俯いたままの彼女の顔色は全くうかがい知ることは出来なかったが。
彼に背を向けたまま蹲り一言も発する事のなかった彼女は、そのまま微動だにしないのではないかと不安ではあったが、どうにか立ち上がってこちらへと近寄ってくれた。
最も一言も口を利かないのは変わらず、俯いたままの彼女の顔色は全くうかがい知ることは出来なかったが。
「そ、それじゃバイク動かすから………」
「……………………」
「……………………」
ゲンキがバイクに乗り込むと、キョンの妹はそれに付いてくるようにゲンキの背中にしがみ付いて後部座席へと腰掛ける。
返事は無いが、それは肯定を示しているのだろうとゲンキは解釈した。
返事は無いが、それは肯定を示しているのだろうとゲンキは解釈した。
「…………ス、スピードはさっきと同じぐらいでもいいよな? もうちゃんと下着も付けたし」
ついさっき、『生乾きで………気持ち悪い……』とポツリと呟きながらもしっかりと着替えを済ませた事を踏まえてゲンキが問うたが、帰ってきた答えは芳しくなかった。
「………ダメ…見えちゃうからもうちょっとゆっくり……」
「で、でもほら? もう下着も履いてるしさっきよりは大丈夫かなーって」
「パンツでも恥ずかしいもん! パンツじゃなくても恥ずかしいもん!!」
「で、でもほら? もう下着も履いてるしさっきよりは大丈夫かなーって」
「パンツでも恥ずかしいもん! パンツじゃなくても恥ずかしいもん!!」
それまで黙りこくっていた少女が突然出した大声に思わず首を竦めるが、自分がしてしまった事に対する負い目もあり、
彼女の言うとおりにゆっくりした、自転車程度のスピードでバイクを走らせる。
「こ、これぐらいだったら大丈夫だろ?」
「………………………うん」
「…………ほ、ほら、前!この先に遊園地があるみたいだしさ、そこで着れる服があるかどうか探そうぜ!!」
「………………………うん」
「……………………見ちゃった事は全部忘れるから、その、ゴメン」
「わかったから言わないで………」
彼女の言うとおりにゆっくりした、自転車程度のスピードでバイクを走らせる。
「こ、これぐらいだったら大丈夫だろ?」
「………………………うん」
「…………ほ、ほら、前!この先に遊園地があるみたいだしさ、そこで着れる服があるかどうか探そうぜ!!」
「………………………うん」
「……………………見ちゃった事は全部忘れるから、その、ゴメン」
「わかったから言わないで………」
速度も、騒音も、二人の雰囲気も何もかもをここに着た時と正反対にしながら、少年少女が進んでいく。
向かう先にある者は、これまた現在の二人と正反対の賑やかで煌びやかな楽しい遊園地。
向かう先にある者は、これまた現在の二人と正反対の賑やかで煌びやかな楽しい遊園地。
果たして、其処で二人を待つ物は――――?
【F-2 遊園地付近/一日目・未明】
【佐倉ゲンキ@モンスターファーム~円盤石の秘密~】
【状態】両頬に赤い手形、物凄くきまずい
【持ち物】
KRR-SP@ケロロ軍曹、S&WM10(リボルバー)@砂ぼうず、ディパック(支給品一式入り)
【思考】
1.遊園地に向かい、キョンの妹が着れそうなまともな服を探す。
2.どうにかしてキョンの妹の機嫌を直したい。もちろん彼女も守る。
3.仲間達とキョンの妹の兄とその友人を探す。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者は絶対に倒すが、長門有希に関してはもう少し情報が欲しい。
※KRR-SPにはキョンの妹の服がくくりつけられています。
【状態】両頬に赤い手形、物凄くきまずい
【持ち物】
KRR-SP@ケロロ軍曹、S&WM10(リボルバー)@砂ぼうず、ディパック(支給品一式入り)
【思考】
1.遊園地に向かい、キョンの妹が着れそうなまともな服を探す。
2.どうにかしてキョンの妹の機嫌を直したい。もちろん彼女も守る。
3.仲間達とキョンの妹の兄とその友人を探す。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者は絶対に倒すが、長門有希に関してはもう少し情報が欲しい。
※KRR-SPにはキョンの妹の服がくくりつけられています。
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】物凄く恥ずかしい、現地調達の浴衣を装備(生乾きの下着もしっかりと着用)
【持ち物】
『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン、ディパック(支給品一式入り)、不明支給品1
【思考】
1.遊園地に向かい、自分が着れそうなまともな服を探す。出来れば自分の服も乾かしたい。
2.ゲンキに守ってもらう。
3.キョンとその友人を探す。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者に協力している長門有希の事が気になる。
【状態】物凄く恥ずかしい、現地調達の浴衣を装備(生乾きの下着もしっかりと着用)
【持ち物】
『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン、ディパック(支給品一式入り)、不明支給品1
【思考】
1.遊園地に向かい、自分が着れそうなまともな服を探す。出来れば自分の服も乾かしたい。
2.ゲンキに守ってもらう。
3.キョンとその友人を探す。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者に協力している長門有希の事が気になる。
【『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン】
秘密結社Seeleの最終目的、『人類補完計画』についての詳細が書かれた計画書。使用言語は日本語。
もちろんSeeleの最高機密であり、不用意に盗み見た人物がいる事がバレれば暗殺される可能性もあり得る。
内容は極めて難解な物であり、特殊な知識がある者か知能が高い物ではないと解読不能であると思われる。
なお『人類補完計画』に付随して、『セカンドインパクト』や『L.C.L.』などの特殊な事件、アイテムについての解説も掲載されているようだ。
秘密結社Seeleの最終目的、『人類補完計画』についての詳細が書かれた計画書。使用言語は日本語。
もちろんSeeleの最高機密であり、不用意に盗み見た人物がいる事がバレれば暗殺される可能性もあり得る。
内容は極めて難解な物であり、特殊な知識がある者か知能が高い物ではないと解読不能であると思われる。
なお『人類補完計画』に付随して、『セカンドインパクト』や『L.C.L.』などの特殊な事件、アイテムについての解説も掲載されているようだ。
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