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君、死に給うこと勿れ ◆h6KpN01cDg



あるところに、とても心優しい女性がいました。
ある日、その女性は突然謎のゲームに巻き込まれてしまいました。
なんと、皆で殺しあえと言うのです。
女性はこの殺し合いを止め、皆を保護しようと決めました。
しかし自分の大切な女の子が参加していることに気づいた女性は、早く女の子を助けようと焦ります。
だから、女性は気が付きません。
大切な親友も、そこにいるという事実に。
彼女は祈ります。
誰も、死んだりしませんようにと。

                   ※

「加持さん」
海沿いを、二人の人間が連れ添って歩く。
一人は白色の制服を身に纏う妙齢の女性。
一人は用心深く周りを見渡す、ラフな格好の男性。
女性の名を、高町なのは。
青年の名を、加持リョウジと言った。
「まずは、どこを目指しましょうか?」
男より一歩先を歩いていたなのはは、くるりと振り返り加持に問う。
別に加持の足が遅いという訳ではない。ヴィヴィオに早く合流しなければ、という思いがなのはを焦らせ、無意識に早歩きをしていただけだ。
「うーん……そうだね」
東に行く。行動方針は決めてある。
しかし東には複数の建物がある。はじめに訪れるのはどこがいいか、ということである。
「ここから一番近くて……人が集まりそうな場所はホテル、かな」
加持の言葉に頷く。
その通りだと思う。ホテルは多くの人間を収容できるだけでなく、運がよければ食料や水を確保でき、怪我人を休ませることもできる。
密室故戦闘になったら逃げられないという欠点はあるが―――それはどこだって同じこと。
「そうですね。 では、そちらを目指しましょう」
ホテルの中で水などを調達しつつ、誰か(ヴィヴィオを優先に)を探し情報を得る。乗っている人間は止め、弱者は保護。完璧な作戦だ、と思う。
「そして道なりに公民館、デパートってところかな」
「はい。 ヴィヴィオや加持さんの知り合いがいればいいですが……」
なのははヴィヴィオの顔をもう一度思い返す。ぎゅっと右手を握り締める。
大切な「娘」、ヴィヴィオ。何があっても守り抜かなければ。
「……行きましょう」
方針が決まったことを確認して、なのはは再び歩き出す。
加持も特に不満は言わず、ついてくる。
時間がもったいない。こうしている間にもヴィヴィオが―――
その思考がなのはをひたすらに歩かせる。

「高町さん、そう言えば」
後ろの加持が声をかけてくる。
「何でしょうか?」
歩みを止めずに、顔だけ向ける。
止まっている時間はないのだ。こうしている間にもヴィヴィオが怖い思いをしているかもしれない。
「貴方の知り合いの名前を教えてくれませんか? ……ほら、もし別行動をすることになった時に……いや、考えたくないんですけど、どうなるか分からないじゃないですか……聞いておいた方が便利かなあってね」
加持の言葉に考え込むなのは。
確かに、それは一理ある。
敵が襲撃してきた際、闘ってなんとかできる相手だったならば構わない。
しかし、対処できない相手なら?
二人で無残に殺されるよりばらばらに逃げた方が効率が良いこともある。加持の仲間はどうか知らないが自分の仲間ならきっと殺し合いに乗ったりなんてしないだろう―――
そこまで考えて、ようやく思い出す。
―――私、ヴィヴィオしか名前を確認してなかったんだ。
恥ずかしくなる。ヴィヴィオが心配なあまり、名簿にすら目を通していなかったなんて。
「……そう、ですね」
しかし、なのはは少し引っ掛かっていた。
この男に、仲間の情報を教えていいものか?
この男は悪い人間ではないはず。さっきなのははそう理解したはずだ。
なのに何故だろう―――話してはまずいような気がする。
根拠はない。ただ、胸騒ぎがする。
(失礼だよ。加持さんは悪い人じゃない)
それは理解しているのだが、もやもやとした気持ちは未だ晴れない。
「……高町さん?」
「いえ、実は名簿を中途半端にしか確認していなくて……名簿を貸していただいてよろしいですか」
その言葉に加持は名簿を差し出す。
「……ありがとう、ございます」
―――なのは。
ふと、声が聞こえた。一瞬なのははびくりとしたが、それ以外何も聞こえない。
気のせいだ。なのははごまかすようにそれを受け取り名簿をぺらりとめくった。
歩みを止めることはできなかったため、少々読みずらかったが、それでも名前は判別できた。
「……!」
そして、名簿を確認していなかったことを後悔する。
そこには見知った名前が並んでいた。かわいい後輩のスバル。今は強力者となってくれるであろうセインとノーヴェ。そして―――親友のフェイト・T・ハラオウン。
動いていた足が、止まる。
「高町さん?」
「あ、いえ……」
他の仲間も参加している。それを知ったなのはに、声が届く。今度は、はっきりと。

―――なの、は……

(フェイトちゃん……?)
それは、親友の声だった。
聞き間違えようもない。もう長い間ずっと―――友達なのだから。
まさか。なのはは背後を振り返る。
誰もいない。当然だ、自分が通ってきた道なのだから。
幻聴?それにしては、嫌に胸が騒ぐ。
先ほどと―――ヴィヴィオの時と同じ。
しかし違うのは、ヴィヴィオが焦りだったのとは反対に、今の感情は、困惑だった。
どうして、フェイトの声が?
フェイトは強い。自分と同じくらい―――いやもしかすればそれ以上に。
ヴィヴィオのような保護対象でもない。彼女がなのはに泣きつくなんて、ありえない。
フェイトは今もこの会場の状況を早く察知し、自分と同じようにヴィヴィオや仲間たちを守ろうと奔走しているだろう。乗るなんて……ない。
もちろん早く合流はしたいが、なのははフェイトがそう簡単に殺されるはずはないと信じていた。
それなのに―――この、頭を埋め尽くす疑問符は何?
「……あの」
「はい?」
後ろの加持に聞いてみる。
「女の子の……声がしませんでしたか?」
「いえ、全然……。 この辺りには俺と高町さんしかいないと思いますよ」
「そう、ですよね……」
加持にあっさりと否定され、やはり聞き間違いだったのかと確認する。
―――聞き間違い、だよね。
焦る気持ちが、風の音を親友の声に聞こえさせただけなのではないか。
そう思うことにした。
「……大丈夫ですか? 顔色悪そうですよ?」
加持が心配そうに言ってくる。
「少し休まれた方がいいのでは……」
加持に言われて自分の額に触れる。何故だか汗をかいていた。
きっと言うとおり、青い顔をしているのだろう。
それでも、なのはは首を横に振る。
「……いえ、平気です。 早くヴィヴィオを探さないと……仲間のことは、ヴィヴィオと合流し次第お話します」
「ええ、それはいいですが……貴方が倒れでもしたらどうするんですか?」
「いえ、大丈夫です」
再び、歩き出す。名簿をディパックに詰めなおす。
―――気のせい、だよね。
ざわつく胸。荒くなる呼吸。締め付けられるような悪寒。
それに、なのはは、気付かないふりをした。
否、気付かなかった。
フェイトを信じようと、思ったから。
フェイトなら、ヴィヴィオを助けることを優先すると信じて。
「……友達の声が聞こえた気がしましたが……気のせいでした」
ヴィヴィオを探し求めたその心は、
フェイトを探すことを、後回しにした。
―――ヴィヴィオ、待ってて。絶対に、死なせないから。

彼女はどこまでも強く、どこまでも優しく。
どこまでも仲間想いで、どこまでも志が高く。
だからこそ彼女は―――どこまでも不幸だった。
「行きましょう」
そうして、ホテルに向かって再び歩き出した。
なのはは知らない。
なのはのいるブロックの数キロ先で、親友が命を散らしたことに。
もし彼女が―――予感に従って彼女の姿を探したならば、もしかすればフェイトは生き残れていたのかもしれないことに。
それに彼女が気づくのは、いつのことになるだろう。

                    *

彼女の実力を測る必要がある。
加持は、怯える演技をしつつなのはの背中を追いかけながら、考える。
誰にも聞かれていないのに、別に下心があってホテルを提示した訳じゃないんだ、と呟いてしまうのは何故だろうか。
いもしない『彼女』に罪悪感を覚えている訳でもあるまいし、だ。
とりあえずはっきりしたのは、彼女はものすごくお人好しだということだ。
どうやらヴィヴィオとかいう少女に続いて別の友人の心配までし始めたらしい。
自分を守ってくれるのならありがたいが、本当の意味で誰でもならたまったものではない。
この女なら殺人鬼に襲われても殺さずに許してあげて!きっと事情があったの!などと言うかもしれない。
残念ながら、彼女がただの命知らずなら相手をしている場合じゃない。
―――切り時か?
早くもそう考える加持。しかしまだ早い。
せめてなのはがヴィヴィオを見つけるまでは付き合おう。
それからだ。問題は。
あとは―――彼女の実力次第だ。
彼女はただの一般人でないのか、何を隠しているのか、そしてその秘められた領域にはどんな能力が隠されているのか。
全てはそれを把握すること。
仲間の情報を求めたのは、口にした理由もないではないが本質はそこではない。なのはが自分にそのような状況を提供するのか確かめてみたのだ。
案の定―――とは言ってもその時の彼女は冷静ではなかったが―――彼女はしぶるような反応をとった。……まだ警戒されているらしい。
しかし、彼女がもし人におおっぴらに言えないようなことをしていたり、力を持っているのならそれも当然だろう。
彼女はもしかしたら自分に全ての武器を見せたようでいて、そうでないのかもしれないし―――加持だってそうなのだから。
だからどうにかして、彼女が自分の秘密を明かすような状況を作れれば。
軍人だとするなら、その本当の実力はどれくらいなのか理解しなければ、動けない。彼女を殺そうとして逆に殺されるのでは問題外だ。
そしてそれを知った上で、自らの手で始末するか、始末してもらうか、生かすかを判断する。
慎重すぎるくらい慎重にいかなければ、生き残れない。感じるな、考えろ。
―――葛城、俺は―――
必ず、何をしてでも、ここから抜け出してみせる。
彼は思考する。
殺すべきか、殺さざるべきか。
どのようになのはを利用し、どのように生き残るべきか。

それはまだ―――誰にも分からない。



【B-4 警察署近く/一日目・未明(フェイト死亡とほぼ同時刻)】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康 強い焦り、不安
【持ち物】基本セット(名簿紛失) デイパック 
     ハンティングナイフ@現実 コマ@となりのトトロ
【思考】1、ヴィヴィオを守る
     2、加持とともにホテル・デパート方面に向かいながら仲間を増やし、ヴィヴィオの情報を得る。まずはホテルを目指す
3、フェイト……?大丈夫……だよね。
【備考】※参戦時期は本編終了後です
     ※知り合い全員の名前を把握しました。何よりもヴィヴィオが優先、その後にフェイトやスバル達を探すつもりでもいます。
     ※加持には起動六課や魔法・知り合いについて、まだ話していません

【加持リョウジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【持ち物】基本セット デイパック アメリアのマント@スレイヤーズREVOLUTION
     グロッグ26(残弾11/11)と予備マガジン2つ@現実
【思考】1、何としても生き残る
     2、とにかく使える仲間を得たい、その際邪魔者は殺す
     3、ひとまずなのはと共に行動し、ホテル・デパート方面に向かう。まずはホテルを目指す。
4、なのはを殺すことができるかを冷静に見極め、それに応じた対応を取る。ヴィヴィオと合流するまではひとまず守ってもらう
【備考】※参戦時期は本編21話での死亡直前です
     ※主催の二人はゼーレの上位にいる人間ではないかとも思っています
     ※カップ焼きそばのうちの一つの中身が捨てられ、代わりにグロッグ26と予備マガジンが隠されています
      ふたつともすぐにでも取り出せる状態です


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ファースト・アラート 高町なのは 上と、下(前編)
加持リョウジ






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