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ぼうず戦線異状なし ◆321goTfE72



セインと共に別荘・コテージ郡に到着し、I-03側の入り口付近を調べて
人の出入りした痕跡がないことを確認し終わった頃だった。


 みんなおはよう、今日は天気の気持ちいい朝だね。


胸糞悪い声が聞こえてきた。
そろそろ放送だとは分かっていたのですぐに取り出せるようにしていた
ペンと地図、参加者名簿にメモ用紙を取り出す。
あのおっさんがグダグダと何か言っているが灌太には全く興味ない。

耳障りな声を聴いてやってるんだからさっさと禁止エリアと死者を言え。


 さて、それじゃあ禁止エリアの発表と行こう。
 いいかい、一度しか言わないからよぉく聞いておくんだよ?

 午前7:00から F-02
 午前9:00から E-10
 午前11:00から E-03


マップの該当箇所を丸で囲み、時間も書き込む。
これに関しての考察は後回しだ。


 そしてもう一つ、お待ちかねの死者発表だよ。


ペンを握る手に少し力がこもったのが分かる。
なにせ、依頼(の報酬)に関わってくることなのだ。


 涼宮ハルヒ
 モッチー
 フェイト・T・ハラオウン
 日向冬樹
 ゼルガディス=グレイワーズ

 以上五名が、現状での脱落者だ。

名前が呼ばれるたびに参加者の名前を一本線で消していく。
三つ目の名前が呼ばれたとき一瞬手が止まったが考えるのはやはり後回しだ。


 いやー、それにしてもなんだか思ったより死んでいかないねぇ。
 六時間もあったのにたったの五人、一時間一人以下じゃないか、ねぇ?


おっさんと同意見なのは癪だったがそう思う。
知り合いも含めて、今まで会った全員が何かしら戦いの心得がある者ばかりだったので、
もしそういう選考をしていたのなら必然のことかもしれない。
小砂もまだ生きているらしい。さすが俺の一番弟子といったところか。俺様やっぱりスゲェ?


 さっき死んだ五人の中にはねぇ――――長い付き合いの、仲良しの友達に殺された人もいるんだよ。
 いやいや、実に立派。
 殺し合いだもの、情も思い出も切り捨てる、かっこいいねぇ。


俺以外にもそういう奴がいるのか。まぁ、それも不思議じゃない。
というかそれが普通だ。自分の命と他人の命を天秤に掛ければ大体の人間の結果は同じだろう。
俺だって足がつくから、という理由で松波さんを始末させたこともある。
悪いことをしたとは思ってる。だが、天秤の自分の命を掛けた方はとても重かったのだ。


 それじゃあ、また六時間後に。
 君達のがんばり、期待しているからね?



「バーカ、カワイイボインちゃんならいざ知れず、おっさんなんかの期待に応えるかよ」

「言うに事欠いて…」

黒布を頭に巻いた小柄な男が天に向かって暴言を吐き、
一風変わった紺・紫のみっちり密着する服を着た女性が呆れた表情でぼやいた。
二人とも片手にペンを持っており、地図には禁止エリアに関する情報が、
参加者名簿には五つの名前の上に横線が引かれている。

そして、ふざけてばかりもいられない。
聞き逃すことの出来ない情報が放送には含まれていたのだから。

「で、セイン。さっき名前が呼ばれたフェイトってのは確か…」

「タイプゼロ・セカンド――スバルの上司だよ」

いきなり真面目な顔で尋ねてきた灌太に対し、セインが俯きながら答えた。

「だよな……クソッ!!」

舗装された道の上に転がっていた小石が蹴り飛ばされ草むらへと消えていく。
歯をかみ締め、悔しさを滲ませた表情で灌太は悪態をついた。
それを見てセインも仮にも敵対する人物の死であるがなんだか悲しい気分になってきた。
彼女にしても人が死んだりするのを好む性格ではないので彼の気持ちはよく分かる。

(チッ、これでスバルに恩を売る機会が一つ減った…
 ホテルで無事再会した暁には上司と引き合わせた謝礼として
 そのままHO☆TE☆Lな感動を白昼から味わおうと思ってたのに…
 これであの美乳を乳繰り回すチャンスが減っちまった…!)

訂正。分からないで下さいお願いします。

(だが!俺にはまだ高町なのはという希望がある!!
 こいつをスバルのとこまで連れて行き、傷心のスバルに恩を売りつつ
 『心のケアには情熱的な時間を送るのが一番だ』とか言って押し倒しちまえば…!!)

もしスバルに知れればIS『振動破砕』により(性的な意味で)戦闘不能になるようなことを
灌太は真顔で考えていた。傍から見ているセインが、

(これからの方針を考えているんだろうなー…探し人がいきなり一人消えたんだしねぇ)

とか思っているのも無理はない。

灌太の思考はまだ続く。

(しかし…そういえば、フェイトやなのはとかいう人物の外見をセインが知ってるからって
 ちゃんと聞いてなかったな……もしブスなら心情的にはセイン達の姉妹丼を優先させたいが…)

もし天に召されたフェイトに知れれば一撃離脱を得意とする彼女らしからぬ、
一撃を加えてそのままあの世までお持ち帰りしそうなこと灌太は真剣に考えていた。
というかいつのまに姉妹丼にランクアップしたのだ。
傍から見ているセインが

(禁止エリアも面倒な位置に来ちゃったし新しいルートを頭捻って考えてるんだろうなぁ。
 自分の妹のことなんだから人任せじゃダメだよね、ちょっとこっちはこっちで考えてみよう)

とか思っているのが可哀想である。

「おい、セイン。フェイトとなのはって女の外見の特徴を教えてくれ」

「ほぇっ!?あ、うん…フェイトは長い金髪の女性で十九歳。
 なのははちょっと赤味かかった長い茶髪の女性で同じく十九歳。
 二人とも綺麗な顔立ちだけど…いざ特徴を言えと言われると難しいね…」

「胸は?」

「あたしよりはあるんじゃないかな…って何言わせんのさ!?」

セインの文句を聞き流し、灌太の思考は再び続く。

(マジかよ…スバルだけでなくフェイトもなのはさんとやらも美人でボインだってのか…!?
 これはもしかして、人事の趣味ですっげぇ上質な女ばかり集めてるのか!?
 きっと育成だとか抜かして自分好みの部下にしようとしているに違いない…羨ましい!!
 責任者出て来い!ていうかそこ代われ。
 ここから無事に脱出できたらなのはさんとやらにその職場で雇ってもらえるよう頼んでみるか、
 そしてゆくゆくは俺が人事担当になる!!)

もしなのはに知れれば全力全開で止めに入りそうなことを
自分のことは完全に棚に上げて灌太は本気で考えていた。
傍から見ているセインが

(アンタ…もしかして真面目によからぬことを考えているんじゃ…)

とか疑い始めたあたりが唯一の好材料である。

灌太の思考はまだまだ続く。

(スバルの職場ってことはきっとみんなスポーティッシュに引き締まって
 いい身体してんだろうなぁ…
 なのはさんとやらもきっとそうに違いない、うん間違いない。
 だが、そちらのほうと違いセインのほうの依頼は契約まで交わしている。
 任務成功すれば姉妹丼はともかくとしてセインとはぐへへなことができる…!!
 いや、姉であるセインが俺の女になればセインの妹は俺の妹。
 兄の言うことは絶対だ、意地でも姉妹丼を実現させてやる…いっひっひっひ)

もしノーヴェに知れれば冗談抜きで殺されそうなことを
灌太はニヤニヤと生理的に危険な香りがする表情で考えていた。
傍から見ているセインが

(だめだこいつ…早く何とかしないと…)

とか思い始めたがセインにどうにかできる相手ではない。

「よーし、出発するぞセイン。別荘・コテージ郡内を突っ切ってH-02へ、
 その後はとりあえず温泉とやらに行こう」

「…温泉に…?」

ジト目でセインが尋ねた。
温泉が何たるか、そして灌太の人柄を知るなら当然の反応だろう。

「すぐ近くに禁止エリアが二つもできるんだ。まさか主催者も
 無意味に禁止エリアを設置してるわけじゃないだろうしそこら辺に誰かいるのは間違いない。
 そういう連中が禁止エリアから避難する場合、とりあえず手近な施設に逃げ込もうとするのは
 それほど不思議なことじゃないしな」

「へぇ~、なんだ、ちゃんと考えてたんだ」

なるほどなるほどとか呟きつつ、感心した様子のセイン。

「……何考えていると思ってたんだ」

「てっきり『フェイトは美人で胸も大きかったのか…惜しい人を亡くした』とか
 『スバルは落ち込んでるだろう…口説くなら今だ』とか考えてるものかと」

「………」

大体正解です。それよりもう少し過激ですが。

「で、聞きたいんだが…温泉って何?」

「え?知らないの?」

「関東大砂漠じゃ聞いたことない施設だな」

「早い話が、天然のお風呂だよ」

「よし、すぐ行こう!!もしかしたら他の参加者に会えるかもしれんからな…いっひっひっひ」

「……絶対に覗くつもりでしょ」

もはやセインが聞くまでもなく、手のひらで口を覆い隠すようにしながらも
目が思いっ切り笑っている灌太のどす黒い表情が物語っていた。

「ま、否定はしないがなぁ!素っ裸ってことは装備もなし、羞恥心で動きも鈍る。
 まさにやりたい放題だからなぁ~!!」

クアットロ以上に嬉しそうにやりたい放題とか言い出す灌太を見て
外道とはこういう人種のことを言うのだろうなぁとか漠然とセインは思った。
ついでに、もし覗いた先にいたのが男だったらそいつの命はないだろうとも思った。

「…言っとくけどねぇ…素手でも素っ裸でも戦える人はいるんだからね?
 入浴覗いて殺されました―――とか勘弁してよ。笑うに笑えない通り越して爆笑ものだよ?」

「わーってるよ。こっちの武器は手榴弾三つ。
 戦闘になればワイヤーウインチもあるし逃げの一手が一番有効だ。
 どっちにせよ戦力に乏しい以上、気付かれないように細心の注意を払いながら覗くから安心しろ」

「いや…覗くなって言ってんだけど…」

ノーヴェ……お姉ちゃんもう疲れたよ…、そんな言葉がセインの頭をよぎる。

「とにかく、まずはここを突っ切る。
 んでH-02の出入り口に人の通った痕跡がなけりゃそのまま温泉へ。
 その頃にはF-02は禁止エリアになってるだろうからG-03に迂回して北に。
 集合時間の十二時までにホテルに行こうと思えばE-03の禁止エリアはとりあえず無視していいだろ。
 状況次第で臨機応変に方針は変えるが、基本線はそれで行くぞ」

「はいはい…」

何に重きを置いて"状況次第で臨機応変に"行動するのかあたりは甚だ疑問ではあったが
灌太が言った方針自体には異議はないので脱力しながらもセインは頷いた。

「そうと決まればちゃっちゃと行くぞ。
 ここは日が昇っても気温が五十度六十度超えないんだろ?
 いや~水は豊富だわ風呂まで用意されているわパラダイスだなここは」

「パラダイス…ね」

灌太の場合は半日常的に殺し合いをしているし普段から買っている恨みも少なくない。
今はオアシス政府雇われの身なので随分と生活環境は向上したが
便利屋をしていた時期と比べれば環境が良い分だけこちらのほうが確かにパラダイスだろう。

セインはといえば敵は非殺傷を原則とした時空管理局。
おまけに前線向きではないので死を隣り合わせに感じたことなど無いに等しい。

パラダイスだ、なんて発想はかけらも浮かんでこなかった。

灌太は強いな、とセインはふと思う。
わけもわからず殺し合いに放り込まれた者同士のはずなのに
人探しを請け負い、見知らぬ相手と堂々と話し合い交渉し、
いつ襲撃を受けるかも分からないのに平然としている。

こちらは冷静になってみれば不安でいっぱいだ。
灌太とレストランで出会ってからは色んな意味でそれどころではなかったが
死ぬのは怖いし、ノーヴェも血の気が多い上に口も悪いから何をやってるか分かったものじゃない。
もしかしたら、灌太は不安を和らげるために
こんなセクハラな言動ばかりやってるのかもしれないとか思わないでもない。
だから―――

もみっもみっ

「いーけないね~セインちゃーん。隙だらけだったぞ~?」

―――今現在、まさにリアルタイムで胸を揉まれているのもその一環なのかもしれない。
だが、灌太の手が握っている双丘から身の毛のよだつような感覚が送られてくるのには変わりはない。
鳥肌が立つのと同時にこめかみに青筋が浮きだったのがなんとなく分かった。

「こんのっ…!」

幸せそうな顔をしている灌太の顔面目掛けて握りこぶしを放ったが空振り。
灌太は素早く間合いを取り既にセインの少し前を小走りしていた。

「やーい、お前んち、おっばけやーしき!!」

「こぉらカンタぁっ!!元ネタが分からーんっ!!!」

セインは灌太を追うように駆け出した。
不安がないといえば嘘になる。だけど―――

『任せろセイン。お前の依頼、この俺がどんな手を使ってでも達成してやる!! 』

もうしばらくはその言葉を信じてみよう。



よぅ砂漠の妖怪・砂ぼうずだ!
なんとここには天然の風呂があるらしい、なんというパラダイス!
ちょっくら男の浪漫を追及する旅に行ってくるぜ!!

ところで先生、もし風呂を覗いた先にいたのが雨蜘蛛だったらどうします?

うぎゃあ、目が、目がぁぁぁぁぁっ!!?

ていうかなにこの無意味な次回予告風蛇足は!!?



【I-03 別荘・コテージ郡入り口付近/一日目・朝】

【水野灌太(砂ぼうず)@砂ぼうず】
【状態】健康
【持ち物】ワイヤーウィンチ@砂ぼうず、オカリナ@となりのトトロ、 手榴弾×3@現実
      ディパック、基本セット、レストランの飲食物いろいろ、手書きの契約書
【思考】
0.何が何でも生き残る。脱出・優勝と方法は問わない。
1.西のルートを通って温泉経由で北の市街地に向かい、昼の十二時にホテルでガルルたちと落ち合う
2.セインと共にセインの妹(ノーヴェ)を探す。その後は…いひひひひひ。
3.関東大砂漠に帰る場合は、小泉太湖と川口夏子の口封じ。あと雨蜘蛛も?
※セインがIS"ディープダイバー"を使えることに気付いてません。



【セイン@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(小)、ところどころに擦り傷
【持ち物】ディパック、基本セット、不明支給品0~2
【思考】
0.ノーヴェを探す。 殺し合うつもりはあまりない
1.灌太と共に西のルートを通って北に向かいながら人探しをする



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銃弾と、足音 水野灌太(砂ぼうず) 胸の奥に溢れるのは涙よりも愛にしたい
セイン







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