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碇シンジの不安・川口夏子の葛藤 ◆MUwCM75A2U




 大きな化け物に会った。そして気絶した。
 目を覚ましたら、水を飲んでいる変な奴に背負われていて、近くには喋るウサギみたいな奴がいた。
 頭が真っ白になって暴れたら取り返しがつかなくなった。
 ……それでも、みんなを守らなきゃって思って、銃を奪った。
 気がついたら夏子さんが来ていて、また頭が真っ白になった。
 みくるに騙されたのかとか考えながら、煙玉を投げた。
 威嚇で撃とうとしたけれど、何故か引き金が引けなかった。
 そこから世界がぐるっと回って、また真っ暗になった――――。


 急に明るくなる。目に映ったのは白い病室。白いベッド。
 そしてそこに寝ているアスカの手足も白い。血が通っていないみたいだった。
 だけど、胸が上下しているから生きているのは分かった。

『アスカ』

 いつかもそうしたように呼びかける。
 どうしてここにいるのかは分からない。だけど目の前にアスカがいる。これは事実だ。

『アスカってば』

 返事は無い。空洞のような瞳がただ上を見ているだけだった。
 気が強くて、負けず嫌いで、プライドが高くて、元気だったアスカはもういない。
 起きて、と体を揺すっても何も反応が無かった。
 第14使徒ゼルエルと戦ってから、態度が変わった。
 それからきちんと話せなくなって。第15使徒と戦ってからは寝たきりになった。
 ――こんなの、アスカじゃないよ。
 だから起きてってば。寝ている場合じゃないって。今、僕達は首輪を嵌められて殺し合いをさせられていて――――。




 がくん、と体が沈む。アスカが跳ね起きて、僕を床に押し倒したからだ。
 ……その目は鬼みたいにつり上がっている。何か訳の分からない事を呟きながら僕の首を絞める。容赦なしに。
 息が出来なくて、目の前が真っ赤になっていった。
 アスカは力を緩めない。僕が手足をじたばたさせても、何か叫びながら首を絞め続けた。
 そして、扉がばたんと開く音がして、何人か白衣の大人の人達が部屋に入ってきた。
 アスカを抱え上げて、無理矢理ベッドに寝かせる。
 鎮静剤を注射されて、アスカは大人しくなった。


 ――――アスカ。


 『今の私に出来るのは……これぐらいしかないから』

 ……確か、これは綾波が見つからなかった時だと思う。ちょっと前の話だ。
 僕はベッドで音楽を聴いていて、ミサトさんが部屋に入ってきたんだ。
 ミサトさんが手を僕の手に重ねた。
 それだけなのに、毛虫が這いずり回るような悪寒を感じた。

『止めてよ!』

 手を払いのける。本当に嫌だった。
 ごめんなさい、と言い残してミサトさんは離れていった。
 僕は泣きたいのに泣けないって言ったのに、ミサトさんはそれについて触れなかった。
 手を握って欲しかった訳じゃない。とにかく嫌だった。
 ……最初の頃は、結構お世話になったな、と思い返す。


 ――――ミサトさん。


 場所が変わって、また病院。行方不明だった綾波が見つかった時だ。
 僕は壁に寄りかかって、綾波と話していた。
 綾波は僕を助けてくれたというのに、その事を覚えていない。
 どこか違和感を感じて、尋ねた。『覚えてないの?』って。

『たぶん……私は、三人目だから』

 そう言って僕の瞳を見たけれど、知らない物を眺めるような、不思議な目つきだった。
 三人目。つまり……今まで一緒だった綾波は、もういない。
 色々あったけれど、笑った顔を見たこともあるし、打ち解けていって嬉しかったんだ。
 それなのに、目の前の綾波は別人で、それがどこかヘンで……。綾波なのに綾波じゃない。

 ――――綾波。



 トウジは疎開した。だから、みんなみんな、僕の友達はいなくなってしまった。
 残ったのは大人達だけ。……だけど、僕の気持ちなんか分かって貰えない。
 僕がエヴァに乗れないのなら、僕は捨てられるだろう。
 沈み込んでいた時に現れたのがカヲル君だった。

『歌はいいね。歌は心を潤してくれる……リリンが生み出した文化の極みだよ』

 不思議な人だ、と思った。
 僕に対して『普通に』接してくれる。エヴァの搭乗者とかじゃなくて、一人の人間として。
 それが嬉しかった。だから、僕達はすぐに友達になった。
 一緒に帰ったり、一緒に銭湯へ行ったり、一緒に布団を並べて寝たり――。
 このまま、ずっと一緒にいられればいいのに。

 だけど。

『これから、あなた達には殺し合いをしてもらう』

 何故か、僕の周りの人達は――

『それは、どういう事かな?』
『確か君は……渚カヲル君だね?』

 みんな、みんな……

『生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。だから死ぬのは怖くな――』

 ――――いなくなっちゃうんだ。


『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?』

 もう、……嫌だよ。
 誰かが死ぬのも、僕が死ぬのも嫌だ。一人になるのも嫌だ。
 どうして、どうしてどうしてどうして。アスカ、綾波、カヲル君、誰か!
 僕を…………一人に――――しないで。
 何だか眠くなってきた。また寝よう……。
 目を覚ましたら、誰かが側にいてくれたらいいな。……この際、誰だっていい。一人はもう嫌だ。
 ……おやすみ、なさい。








 彼らとは別室。別のソファーでシンジ君は眠り、私は近くの椅子に腰掛けていた。
 悪夢にうなされているらしい少年を見つめる。
 ……私は、彼の対応を決めあぐねている。銃も紐も私の手の中にある。殺そうと思えばいつだって殺せる。
 そんな事をしたら朝比奈さんの協力を得られなくなるだろう。
 パソコンに関する知識は彼女の方が上。おまけに、主催者と接触を図る方法が私には分からない。
 シンジ君は、……どうしようかしら。
 こちらの言葉足らずで傷つけてしまったのだろう。『思い上がらないで』の一言で。
 彼があの時ただ単に暴れたのか、勇敢に立ち向かって銃を向けたのかは分からない。不安要素。私達は爆弾を抱えているような物だ。
 いっそ雨蜘蛛に襲われていた時、見捨てれば良かった?
 あの時は雨蜘蛛に借りを返す意味合いと、『楯にはなりそう』『立ち向かえるだけの勇気はある』から助けた。
 今は違う。朝比奈さんは傷つけられ、万太郎達も襲われた。
 目を覚ましたとして、果たしてこちらの話を聞いてくれるのかどうか……。
 ビニール紐を床に置く。縛る気は何故か失せていた。
 代わりに、リボルバー――シングル・アクション・アーミーを握りしめる。
 一つ疑問に感じるとすれば、この銃が複製品では無く『暗黒時代から発掘されたまま』、つまり本物だという事だ。
 それはまず置いておくとして、……私はどうするべきなんだろう。
 爆弾を抱えたまま行動する気はない――ならばどうにかしてシンジ君を殺す?
 忘れていたはずの感覚がよみがえり、胸の奥が痛くなるのを感じた。

 思い出せ――自分が何故強くなったのか。
 あの頃は灌太が憎らしくて、自分が女だから馬鹿にされていると思い込んで、ただ『力』だけを求めていた。
 弱者を救うために強くなった訳じゃない。
 ――けれど、私はやはりシンジ君に謝りたいらしい。不快感という形でそれが現れている。

 落ち着いたら、何を話す?
 私が謝る?
 朝比奈さんを襲った理由を聞く?
 万太郎とハムは仲間である事を説明する?

 それをしている自分が、なんだか自分じゃないように思えてきた。
 はっきり言えば――馬鹿らしい。
 そこまでする義理はあったのだろうか。一時的にナイフも煙玉も奪われて朝比奈さんが傷ついて。
 なのに――何故、私は彼を無意識に庇っているのだろう?
 それは、当分の間分かりそうに無かった。
 はあ、とため息をつく。
 ――今はただ、待っていよう。


【F-10 ショッピングモールの書店/一日目・朝】



【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】健康
【持ち物】ビニール紐@現実、コルトSAA(5/6)@現実、.45ACL弾(18/18)デイパック、基本セット(水を少量消費、筆記用具無し)
【思考】
0.何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1.シンジとみくるに対して申し訳ない気持ち。みくるのことが心配。
2.シンジが目覚めるのを待ち、朝比奈みくる達とともに北の市街地(パソコン)を目指す。
3.ハムを少し警戒。
4.シンジをどうするか悩み中。
5.力が欲しい。
6.水野灌太と会ったら――――

※主催者が監視をしている事に気がつきました。

【碇シンジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】左肘に銃創、疑心暗鬼、憂鬱、不安
【持ち物】小説『k君とs君のkみそテクニック』
【思考】
0.(気絶中)
1.死にたくない。独りになりたくない。
2.朝比奈みくるに対し強い嫌悪感・敵対心、夏子を含む「大人」全般への疑心。
3.アスカと合流したい。
4.優勝したらカヲル君が――――?

【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】左肩に切り傷(応急処置済み)、深い悲しみ
【持ち物】 スタームルガー レッドホーク(5/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
    コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個)、夏子のメモ
    デイパック、基本セット(筆記用具×2)
【思考】
0.キョンとキョンの妹の保護、長門との関係について、夏子にメモで知らせる
1.長門有希の真意を確かめる
2.シンジが心配。
3.川口夏子、キン肉万太郎、ハムとともに北の市街地(パソコン)を目指す。
4.市街地についたらパソコンのある施設を探し、情報を探索。可能なら長門との交信を試みる。
5.朝倉涼子は警戒、古泉に対しても疑念。
6.この殺し合いの枠組みを解明する。
7.ハルヒが生き返るとすれば……

※不明支給品のうち一つは「ビニール紐@現実」です。
※ハルヒが自身の能力によって生き返る可能性もあると考えていますが、極めて可能性は薄いと思っています。
※トトロの外見のみ認識しました。
※主催者が監視をしている事を知りました。


【ハム@モンスターファーム〜円盤石の秘密〜】
【状態】健康
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、不明支給品1〜3
【思考】
1.夏子達に同行。でも危なくなったら逃げる。
2.頼りになる仲間をスカウトしたい。
3.アシュラマンも後でスカウトしたい。
4.殺し合いについては……。
【備考】
※ゲンキたちと会う前の時代から来たようです。
※アシュラマンをキン肉万太郎と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※スタンスは次のかたにお任せします。仲間集めはあくまで生存率アップのためです。


【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】健康
【持ち物】ディパック(支給品一式入り) 、不明支給品1〜2
【思考】
0.あの人達美人だなぁ
1.夏子達と共に北へ向かい、危険人物の撃退と弱者の保護。
2.少年(シンジ)を守る。
3.頼りになる仲間をスカウトしたい。
父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前の時代からの参戦です。
※アシュラマンを自分と同じ時代から来ていると勘違いしています。
※悪魔将軍の話題はまだしていません。ぼんやりと覚えています。

※不明支給品のうち一つは「コルトSAA(5/6)@現実、.45ACL弾(18/18)」です。
※万太郎のデイパックの口が開いていたのは、途中、水を飲みながら歩いていたからです。


時系列順で読む


投下順で読む


夏子と、みくる 川口夏子 迷走失意 されどこの不運は連鎖のごとく
朝比奈みくる
キン肉万太郎
ハム
碇シンジ




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