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魔物の群れはいなくなった◆EFl5CDAPlM



ここは森の中。

巨大で異形なカブトムシ……もといゼクトールと、巨大で愛嬌のある顔をした灰色の毛皮の生物、トトロ。
二体の手には8等分されたスイカがあり、
辺りにはしゃくしゃくと静かにスイカを食べる音が響く。


スイカを味わい、背中に感じるもふもふ感を味わいながら、ゼクトールは考える。
今後の方針を、だ。

エサ捲きをしたにもかかわらず、未だにアプトムの姿がない。
この周辺にはアプトムがいる可能性は低いだろう。
となると、地道にアプトムがどこにいるか探すことになる。
またエサ巻きをしたいとも思うが、同時にそれはやりすぎだろうとも思いだす。


状況が状況だったとはいえ、仮にでも協力者を得られたのに、
それをふいにしたのはやはりうかつだったかもしれない。
この場には、ガイバーでなくとも、このもふもふや、あの少年のようななかなか侮れない存在がいる。

もしもアプトムではない、好戦的な、そしてこちらよりも強い参加者が表れていたなら、
自分は志半ばで死ぬことになったかもしれなかった。
焦っている自覚はあったが、アプトムを殺すためにももう少し慎重に立ち回る必要があるだろう。


あの少年とノーヴェを逃がしたのも大きなマイナスだと言わざるをえない。
あの二人によって、自分が危険人物だと周りの人間に知られては、アプトムの捜索が滞る。


そうなるとこれから会う可能性のある人間にも話を聞いてもらえない可能性は高い。
それに加えこの見た目だ。こちらのことを全く知らない人間でも姿だけで危険人物だと思ってもおかしくない。
人間の形態に戻ったほうがいいと思えるが、あいにく服を持ち合わせていない。
服の調達を考えなければなるまい。やはりモールに向かうべきか。


いまさらながら、ノーヴェに対してとった行動が軽率だったのではないか、と考えだした。
アプトムに会えたとしても、自分一人で勝てる道理もないのだし、
むやみやたらに敵を増やすのも考えものだ。

もっとも、このもふもふのように殺し合いを望まない者とはやはり相いれないのだが。




色々と考えを巡らせていると、気がつけばスイカの赤い部分がなくなっていた。
はて、結構大きかった気がするのだが、いつの間にこんなに食べたのだろう。
考えながら食べるのも問題だな、と思いながらふと思い出す。



(そういえば、あいつはものを食うのか?)


思い出すと気になってくる。
あいつも生物である以上、腹は減るだろう。
もふもふが3つめのスイカを食べだしたのを横目で見ながら、ゼクトールは自分のデイバッグに手を突っ込む。


「キュクル~」


引っ張り出したのは白い色をしたトカゲのような生物だ。
見た目に反して、可愛い鳴き声を上げる。
その前足と思われるものは翼のような形状をしており、空を飛べるようだ。
というか、現在進行形でデイバッグから出してやったとたん
その翼のようなものを羽ばたかせて浮遊している。

全体の見た目から、物語に出てくるドラゴンの幼生期の姿が、
ちょうどこんな感じだろうかと思わせる。

足首についた桃色の宝石は、何かのアクセサリーなのだろうか。
となると、こいつには飼い主がいることになる。
手入れのされ方から、しっかりした飼い主に飼われているようだ。



最初に姿を確認した際、いきなり噛みつかれたものだからそのままカバンの中に入れていたが、
最初の時のような反攻的な様子はなりをひそめ、おとなしい。


「?」


後ろのもふもふがこのトカゲに気づき、目を細めてじっと見つめる。
そしてしばらくすると、もふもふの足もとにあった切られたスイカをトカゲに差し出す。

「キュア?」

困惑するように声を上げるトカゲ。
それに対して独特の笑みを浮かべるもふもふ。


それだけで、この二匹は通じあったようだ。
トカゲがもふもふの持つスイカにかぶりつくと、もふもふはニィと笑みを強める。

ふと、トカゲの背中についている張り紙に目を向ける。

食事中のトカゲに失敬して、それを見てみると、
このトカゲの名前――フリードリヒというらしい――が、
所有者からある程度の距離までなら動き回ることができる、と書いてあった。
空を飛べることを考えると、索敵ぐらいはしてくれるかもしれない。
もっとも、自身で空をとべるので、ゼクトールにとっては不要なことなのだが。


ゼクトールも、ふたつ目となるスイカに手を出し、かぶりつく。
その赤い果実は、やはり美味かった。















「さて、俺はもう行くが、お前はどうする?」

スイカも食い終え、背後のもふもふの周りをアクロバットに飛びまわるトカゲに問いかける。

「キュクル~」
「にぃ」

その問に答えるかのように、トカゲはもふもふの背中に降り、もふもふはあの笑い方をする。


「そうか」


聞くまでもなかった。あのトカゲはもふもふと行動を共にするようだ。
こちらと共に行くといわれても困ったし、自由に飛びまわる様子を見ると、
またデイバッグに入れるのも忍びない。
ゼクトールにとって満足のいく答えをトカゲは答えてくれた。


「お前にも言っておく。アプトムという参加者にだけは手を出すなよ。
 それと、あまりそのもふもふから離れるな。 どうなるかわからんぞ」


理解できるかは分からないが、伝えておく。
こちらにこたえるように「キュア~」と鳴いたので、恐らくはわかってくれているのだろう。
賢いトカゲだ。


そのままのっしのっしと歩くもふもふと、その頭に乗るトカゲを見送り、ゼクトールはモールへ歩きだした。



【E-07/森/一日目・昼前】

【名前】ネオ・ゼクトール@強殖装甲ガイバー
【状態】ダメージ(中)ミサイル消費(中)疲労(小)
【持ち物】ディパック(支給品一式)×2、不明支給品0~3
【思考】
1:アプトムを倒す
2:とりあえず服を探しにモールへ向う。







   ※   ※






この存在を彼女、と呼ぶのが適切であるのかは分からないが、この場では彼女と呼んでおく。
トカゲ―――正確にはフリードリヒという名の竜である――の足首についているアクセサリー。
名をケリュケイオンといい、この殺し合いに呼ばれていないキャロ・ル・ルシエのデバイスである彼女であるが、
自身がどのようにしてこの場にいるのかということを理解できていなかった。
主と共にいたはずである自分が、気付けば不可思議な空間におり、
フリードリヒの足首に括りつけられていた。
ここに来るまでの記録を調べ直しても、理由になるようなものなど見つからない。
自身のエラーか、何らかのジャミングか。
自分のデータにも存在しない空間にいて、
そうした何らかのトラブルがあったかもしれない状態で、
自身の主の姿が見えないということに、彼女の不安は募るばかりだ。
フリードリヒも状況が分からず、うろたえているようだ。

そのような状態で、謎の空間の上方に切れ目ができたと思ったら、
そこから出てきたのは巨大なカブトムシだった。
こちらに手を伸ばそうとするカブトムシに、フリードリヒが噛みつき、
そのせいか直ぐにに切れ目は閉じ、それからしばらくずっと謎の空間にいつづけることになった。

状況はさっぱりわからないままだったが、
この空間から出るにはあのカブトムシに外から出してもらうしかないという結論にいたり、
フリードリヒをなだめ、次にカブトムシが出てきても襲わないようにと注意をし、
再びカブトムシが現れる時を待った。


そして再びカブトムシが顔を出し、彼女が外の世界に触れると、
そこには人間の姿などどこにもなく、巨大カブトムシと巨大生物という異常な状況だ。
外に出次第、周りの人間に状況の説明を求めようと思った彼女だったが、これには面食らった。



フリードのほうは、巨大生物のほうに早くもなつき、巨大生物の手にしていたスイカを食べていたが、
はたして問題なかったのだろうか。あのスイカが自分の知るスイカである保証もないのだし。
カブトムシのほうがフリードリヒの背中についていた張り紙をとり、そこにあると思われる文章を見て、

そして読み終えた後、カブトムシが放り捨てた紙を見てみると、
『フリードリヒ。所有者の半径20m以内なら自立行動可能』という文章。

どういうことだ?
フリードリヒは生物であり、それをわざわざ自律行動可能と説明するのも変な話であるし、
その移動範囲が設定されているのもおかしい。
状況不明な情報がますます増えた。


このカブトムシ、文章が読めるということは、ある程度のコミュニケーションが通用するということだ。
この生物に状況の説明を求めようか。
いや、しかし交流ができるは言え、この生物が危険な存在ではないという保証にはならない。

状況を聞くか、否か。
そう考えている間に、スイカを食べ終えたカブトムシが立ち上がり、
フリードリヒにこれからどうするのかと問う。


……言葉を発することができたのか。
カブトムシの新たな一面を見つつも、彼女はどうしようかと考え続ける。






結果、彼女はその場で何の発言もしないまま、ただのフリードリヒのアクセサリーとしてその場にいることになった。






今この場にいる巨大生物は、あのカブトムシのように言葉を発したりはしない。
それでもフリードリヒとの交流はうまくいっているようだが。

だがこちらとのコミュニケーションが通用する相手だとは思えない。
生憎自分はフリードリヒとのコミュニケーションも得意ではない。
人外の生物との交流はもっぱら主の領分である。
やはり、あの時あのカブトムシに話を聞いていればよかったか。




「ヴォォォォォォオオオオオオ」
「キュックル~~~~」



早く主に会いたい。
いや、主でなくてもいい。この状況を説明してくれる誰かに会いたい。
フリードリヒの足首で、ケリュケイオンは静かにそう願った。



【E-07/森/一日目・昼前】

【名前】トトロ@となりのトトロ
【状態】頭部にでかいたんこぶ、左足の付け根に軽い火傷(毛皮が焦げている)、腹部に中ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン、不明支給品0~1、古泉の手紙
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
1:誰にも傷ついてほしくない
2:キョンの保護?古泉の手紙を渡す?
3:????????????

※ケリュケイオンは現在の状況が理解できていません


【フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
キャロ・ル・ルシエの使役竜。
普段は小さいが、キャロの竜魂召喚により 人を二人乗せて飛べるほどの大きさになる。
子トトロと同様、移動範囲が参加者から20m以内と制限されている。
参加者から20m以上離れるとどのようになるかや、
攻撃力等の制限がどのようになっているかは他の書き手にお任せします。


【ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
キャロ・ル・ルシエの使用するデバイス。
待機形体は宝玉に翼の意匠のついたアクセサリーのような形状のもの。
フリードの足首についた状態で支給。

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