崖っぷちのメルヘン ◆S828SR0enc
それは、以前と同じく唐突に始まった。
『――ぁ、参加者の皆。元気にしているかな?』
どこにでもいそうな、ごく普通のおっさんの声。
しかしゲンキには、それは“ごく普通”とはとても言えないものに聞こえた。
しかしゲンキには、それは“ごく普通”とはとても言えないものに聞こえた。
怖い。
誰かの名前が、自分の友人が呼ばれるかもしれないのが怖い。
出来ることなら耳をふさぎ、目をつぶってやり過ごしたい思いさえある。
しかしそれでも彼は聞かねばならない。
佐倉ゲンキという男は、決して恐怖に負けるわけにはいかないのだから。
誰かの名前が、自分の友人が呼ばれるかもしれないのが怖い。
出来ることなら耳をふさぎ、目をつぶってやり過ごしたい思いさえある。
しかしそれでも彼は聞かねばならない。
佐倉ゲンキという男は、決して恐怖に負けるわけにはいかないのだから。
『――それにしても……やっぱりいまいち人が死なないみたいだねえ。
こんな場所にいるんだから、人を殺さないと意味がないじゃないか。 ――』
こんな場所にいるんだから、人を殺さないと意味がないじゃないか。 ――』
そう覚悟していても、この言葉には、思わず耳をふさぎたくなった。
これが同じ人間の言う言葉なのか。
こんな恐ろしい言葉を言う人間がいていいのか。
そしてそんな人間に、あの優しいモッチーやホリィの死を笑う権利なんてあるのか。
これが同じ人間の言う言葉なのか。
こんな恐ろしい言葉を言う人間がいていいのか。
そしてそんな人間に、あの優しいモッチーやホリィの死を笑う権利なんてあるのか。
恐怖よりも怒りがこみ上げてくる。
ホリィの死はあらかじめ聞いていたとはいえ、放送で事実として告げられればやはりショックだった。
それに重ねて『殺さないと意味がない』だの、『殺した人にはご褒美をあげる』だの。
ホリィの死はあらかじめ聞いていたとはいえ、放送で事実として告げられればやはりショックだった。
それに重ねて『殺さないと意味がない』だの、『殺した人にはご褒美をあげる』だの。
――人の命を、なんだと思ってるんだ!
思わず叫びとともに、ゲンキは横になっていた体を跳ね上げようとした。
しかし、
しかし、
「だめだよ、ゲンキくん」
ふわり、と柔らかな手が額に触れる。
そのままそっと押しつけられるのは、これもまた柔らかな太ももだ。
見上げれば目を潤ませた少女が、泣くのをこらえるような瞳で自分を心配している。
そのままそっと押しつけられるのは、これもまた柔らかな太ももだ。
見上げれば目を潤ませた少女が、泣くのをこらえるような瞳で自分を心配している。
「まだ動いちゃダメ。体、痛いでしょう?
お願い、今はじっとしてて。
元気にならなくちゃ、ゲンキくんの友達もきっと心配するよ。だから、ね?」
お願い、今はじっとしてて。
元気にならなくちゃ、ゲンキくんの友達もきっと心配するよ。だから、ね?」
なでなで、と頭をなでる手つきは優しい。
例えその手が震えていても、声が恐怖にひきつっていても。
きっと怖いだろうに、仲間の安否が気になるだろうに、この小さな女の子は自分を心配している。
それを思うと、怒りは瞬く間に小さくなった。
例えその手が震えていても、声が恐怖にひきつっていても。
きっと怖いだろうに、仲間の安否が気になるだろうに、この小さな女の子は自分を心配している。
それを思うと、怒りは瞬く間に小さくなった。
「あ……ごめん。
そうだよな、俺が元気にならなくちゃ、皆を助けにいけないし」
「うん、そうだよ。
それにわたしを守ってもらう約束、忘れないでよね?」
そうだよな、俺が元気にならなくちゃ、皆を助けにいけないし」
「うん、そうだよ。
それにわたしを守ってもらう約束、忘れないでよね?」
柔らかな問いかけにひとつ頷いて、ゲンキは体の力を抜く。
優しい手とふんわりした太ももは、ゲンキの体だけでなく心まで癒すかのようだった。
手足も腹もじくじくと痛むが、それでも少しずつマシになってきている気がする。
ふぅ、と息を吐いて寝返りを打つと、柔らかな少女の吐息が頭上をかすめた。
優しい手とふんわりした太ももは、ゲンキの体だけでなく心まで癒すかのようだった。
手足も腹もじくじくと痛むが、それでも少しずつマシになってきている気がする。
ふぅ、と息を吐いて寝返りを打つと、柔らかな少女の吐息が頭上をかすめた。
そのまま、どれくらい経ったのか。
たぶん数分も経っていないのだろうが、ゲンキはふいにゼロスのことを思い出した。
高校と中学を回って、危険な人がいないかを見てくる。
そう言って出て行ったきり、そろそろ二時間近くが経つ。
放送が聞こえても帰ってこないのはまだ見て回っているからか、それとも何か悪いことが起こったのか。
たぶん数分も経っていないのだろうが、ゲンキはふいにゼロスのことを思い出した。
高校と中学を回って、危険な人がいないかを見てくる。
そう言って出て行ったきり、そろそろ二時間近くが経つ。
放送が聞こえても帰ってこないのはまだ見て回っているからか、それとも何か悪いことが起こったのか。
「なぁ『 』、あのさ――」
「ふぁっ!?」
「ふぁっ!?」
少女の意見も聞こうと声を上げたのだが、なぜか彼女は悲鳴を上げた。
別に何か危ないモノが迫った感じではない、なんだか不思議な悲鳴だった。
別に何か危ないモノが迫った感じではない、なんだか不思議な悲鳴だった。
「……どうした?」
「あ、あの、えっとね、ゲンキくん!」
「あ、あの、えっとね、ゲンキくん!」
見上げる少女の顔は、前に比べるとだいぶ血色が良くなっている気がする。
だが、なぜかその眼はゲンキではなく、何もない中空をうろうろしている。
だが、なぜかその眼はゲンキではなく、何もない中空をうろうろしている。
「ちょっとね、わたし寒くなってきちゃったの!
ほら、今この格好水着だから、足とか肩とかスースーしちゃうの!」
ほら、今この格好水着だから、足とか肩とかスースーしちゃうの!」
そう言われ、あらためて少女の体を見上げてみる。
ゼロスが部屋から出て行った直後に、時間制限のために地球人専用専守防衛型強化服の装備は解除されていた。
ゼロスが部屋から出て行った直後に、時間制限のために地球人専用専守防衛型強化服の装備は解除されていた。
つまり、今の『 』はスクール水着一丁なのだ。
確かに非常に寒そうである。
確かに非常に寒そうである。
「ご、ごめん!俺自分のことばっかりで、ぜんぜん『 』のこと――」
「あ、ゲンキくんはいいの!だって怪我してるんだもん!
……えっと、でもちょっと寒いから、お洋服取ってきてもいいかな?
ここ中学校だから、探せば体操着とかがあると思うから……」
「あ、ゲンキくんはいいの!だって怪我してるんだもん!
……えっと、でもちょっと寒いから、お洋服取ってきてもいいかな?
ここ中学校だから、探せば体操着とかがあると思うから……」
そういってゲンキの頭をそろりと膝からベッドに移し、やおら『 』は立ち上がった。
寒いからだろうか、全身がほの赤くなっている。
寒いからだろうか、全身がほの赤くなっている。
「ごめんねゲンキくん!すぐ戻ってくるから、じっとしててね!」
そう言うとゲンキの返事も聞かずに、少女は保健室から飛び出して行った。
「??? そんなに寒かったのか?」
普通の服の上に包帯を巻いたゲンキには、外気温がよくわからない。
それでもあれだけ急ぐということは、きっとよっぽど体が冷えているということだろう。
そしてそんなに体が冷えても、彼女はゲンキを思ってじっと看病してくれていたのだ。
それでもあれだけ急ぐということは、きっとよっぽど体が冷えているということだろう。
そしてそんなに体が冷えても、彼女はゲンキを思ってじっと看病してくれていたのだ。
(駄目だな、俺が弱気になったりしちゃ。
俺は元気が取りえのゲンキなんだから、もっと頑張らないと……!)
俺は元気が取りえのゲンキなんだから、もっと頑張らないと……!)
「よし、やるぞー!」
ガッツ十分、と言わんばかりに、ゲンキはまだ痛む体を跳ね起こす。
思ったよりスプリングの利いたベッドがぎしり、と激しく鳴った。
思ったよりスプリングの利いたベッドがぎしり、と激しく鳴った。
……ところで、ここにおいてゲンキは大切なことをいくつか忘れていた。
一つは動けなくなるほどの大けがをしたことがないために、自分がいまどんな状態かをよくわかっていないこと。
もう一つは、『 』が“ベッドのふちに座り、ゲンキの頭をその膝に乗せて”いたことである。
一つは動けなくなるほどの大けがをしたことがないために、自分がいまどんな状態かをよくわかっていないこと。
もう一つは、『 』が“ベッドのふちに座り、ゲンキの頭をその膝に乗せて”いたことである。
その結果として、
「あ」
“ベッドのふちに不安定な姿勢で起き上がった”ゲンキは、ベッドから落下した。
しかも頭から。
しかも頭から。
「――――!!」
凄まじい痛みが頭を叩く。
ひょっとしたら『 』の兄に殴り飛ばされた時より痛かったかも知れない。
そう思った瞬間目の前がぱっと白くなり、ついで痛みも何もかもが遠ざかっていく。
ひょっとしたら『 』の兄に殴り飛ばされた時より痛かったかも知れない。
そう思った瞬間目の前がぱっと白くなり、ついで痛みも何もかもが遠ざかっていく。
(え、あ……)
ゲンキが何かを思うよりも早く、彼の意識は闇に閉ざされていった。
◇ ◇ ◇
一方その頃、保健室を飛び出した『 』、通称キョンの妹は全速力で校内を走っていた。
もちろん一刻も早く服を見つけてゲンキのところへ帰らなければならないというのもある。
しかしそれでは、彼女の頬が桃のような色に染まっている理由は説明できない。
もちろん一刻も早く服を見つけてゲンキのところへ帰らなければならないというのもある。
しかしそれでは、彼女の頬が桃のような色に染まっている理由は説明できない。
(はっ……恥ずかしいよぉ!)
最高に高鳴る胸を抑え、少女は頭の中でだけ悲鳴を上げる。
ここが家だったら叫んでいたかもしれない。
ここが家だったら叫んでいたかもしれない。
(あんな、なんか変な声出ちゃうし、太ももがむずむずするし!)
まったくの不可抗力なのだが、ゲンキは彼女の膝の上で寝返りを打った際、頭を腹側に向けていた。
つまり、彼の温かく、怪我のために若干早い息は絶えまなく彼女の腹をなでていたことになる。
声を出したりしたらなおのことだ。
おまけに彼は無意識のうちに、ぬくもりに縋るように少女の太ももにそろそろと触れていた。
触れるだけでなく撫でていた。しかも不規則に。
つまり、彼の温かく、怪我のために若干早い息は絶えまなく彼女の腹をなでていたことになる。
声を出したりしたらなおのことだ。
おまけに彼は無意識のうちに、ぬくもりに縋るように少女の太ももにそろそろと触れていた。
触れるだけでなく撫でていた。しかも不規則に。
『今どきのお子様ってぇ、ずいぶんませてるんですねぇ~』
『桃色吐息だな、くーくっくっく!』
『桃色吐息だな、くーくっくっく!』
「違うもーんっ!!」
なんだかふわふわする頭で胸元から騒ぎたてるナビに反論しながら、少女はとにかく走る。
キョンの妹11歳、例え見た目が小学校低学年でも、彼女もお年頃であった。
キョンの妹11歳、例え見た目が小学校低学年でも、彼女もお年頃であった。
ちなみに彼女の着用するスク水は改造済みの完全防寒なので、寒いというのはまったくの嘘である。
そんなこんなで校内を駆け回ること数分、彼女はようやく女子更衣室を発見した。
ただちにロッカーの中を開けて回ると、目論見通り臙脂色のジャージがいくつも置いてあった。
ただ、ズボンに関しては体の小さな彼女に合いそうなものはない。
仕方がないので上にはジャージを着て、下は短パンをはく。
余談だがこの短パンはもともとブルマ並みといってもいいほど短い。
よって、多少大きいそれを履いても脚の露出面積はあまり変わらないのだが、少女にはそれを気にする時間はなかった。
ただちにロッカーの中を開けて回ると、目論見通り臙脂色のジャージがいくつも置いてあった。
ただ、ズボンに関しては体の小さな彼女に合いそうなものはない。
仕方がないので上にはジャージを着て、下は短パンをはく。
余談だがこの短パンはもともとブルマ並みといってもいいほど短い。
よって、多少大きいそれを履いても脚の露出面積はあまり変わらないのだが、少女にはそれを気にする時間はなかった。
「あ、そうだ。ねぇケロロ、今保健室出てからどれくらいかわかる?」
『うーんと、だいたい10分ってところでありますかなぁ』
「ふぇ!?そんなに!」
『うーんと、だいたい10分ってところでありますかなぁ』
「ふぇ!?そんなに!」
服越しにもごもごと告げられて、ようやく少女は自分が何をしていたのかに気づいた。
頭が冷えるまで走りまわった分、かなりのタイムロスがあるらしい。
頭が冷えるまで走りまわった分、かなりのタイムロスがあるらしい。
「い、急がなきゃ!」
あがった息を整える間もなく、Uターンして更衣室を飛び出す。
ゲンキはある程度休んだとはいえ、一時は立てないほどの大怪我をしていた体なのだ。
ひとりで長時間待っているのはとても怖いに違いない。
ゲンキはある程度休んだとはいえ、一時は立てないほどの大怪我をしていた体なのだ。
ひとりで長時間待っているのはとても怖いに違いない。
(ごめんねゲンキくん、今行くからね!)
疲れを押し、少女は走る。
今度は一直線に保健室を目指せばいいだけなので、先ほどよりは早く着くはずだ。
そう思って走っていると、突然胸元から鋭い声が飛んだ。
今度は一直線に保健室を目指せばいいだけなので、先ほどよりは早く着くはずだ。
そう思って走っていると、突然胸元から鋭い声が飛んだ。
『ストーップ!!』
「えええぇ!?」
「えええぇ!?」
思わず足を止めると同時にすっ転ぶ。
ごっちん、と星が出そうないい音とともにでんぐり返しする形になり、頭を床につけたまま少女は呻いた。
ごっちん、と星が出そうないい音とともにでんぐり返しする形になり、頭を床につけたまま少女は呻いた。
「うう、痛いよぉ……。」
『そりゃ悪かった。だがちっと起きて前を見てみな』
『そりゃ悪かった。だがちっと起きて前を見てみな』
頭をさすりながら起き上ると、ちょうど目の前にだいぶ大きな教室の扉があった。
その上に掲げられた教室名は、小学生の少女にはあまりなじみのないものである。
その上に掲げられた教室名は、小学生の少女にはあまりなじみのないものである。
「え、と……コンピュータ室?」
『そう、そしてコンピュータということは……』
『クルル、まさか奴が!?』
『な、なるほど!でかしたであります!ここならば“アレ”が見れるかもしれないでありますな!』
「“アレ”?」
『ま、いいからその扉から中に入ってみろ』
『そう、そしてコンピュータということは……』
『クルル、まさか奴が!?』
『な、なるほど!でかしたであります!ここならば“アレ”が見れるかもしれないでありますな!』
「“アレ”?」
『ま、いいからその扉から中に入ってみろ』
ナビに言われるまま、頭にクエスチョンマークを浮かべ少女は扉を開ける。
ざっと三十台くらいのパソコンが黒板を向いて並んでいた。
ざっと三十台くらいのパソコンが黒板を向いて並んでいた。
「ここに何かあるの?わたし、早くゲンキくんを――」
『わかってる、手間はとらせねェ。
それに、ひょっとしたらかなりの掘り出し物が見つかるかもなぁ……』
『あ、あーわかった!ボクにもわかったですぅ!』
『わかってる、手間はとらせねェ。
それに、ひょっとしたらかなりの掘り出し物が見つかるかもなぁ……』
『あ、あーわかった!ボクにもわかったですぅ!』
「もぅ、そっちだけで話してたらわかんないよ!」
『ハイハイ、まずは適当なパソコンのスイッチを入れてくれ。
とりあえず電源が入るか否か、そっからだ』
『とはいえ保障はないぞ、アイツが案外そのままってこともありうる』
『でもやってみなくちゃわかんないですぅ!』
『そうであります!
さ、『 』殿、まずはそちらのパソコンを起動するでありますよ』
『ハイハイ、まずは適当なパソコンのスイッチを入れてくれ。
とりあえず電源が入るか否か、そっからだ』
『とはいえ保障はないぞ、アイツが案外そのままってこともありうる』
『でもやってみなくちゃわかんないですぅ!』
『そうであります!
さ、『 』殿、まずはそちらのパソコンを起動するでありますよ』
胸元から盛んにせかされ、少女はよくわからないまま近くのパソコンの電源を入れた。
型が古いのか、ずいぶん起動に時間がかかる。
ちらちらと壁にある時計を見上げ、『 』はナビたちに声をかけた。
型が古いのか、ずいぶん起動に時間がかかる。
ちらちらと壁にある時計を見上げ、『 』はナビたちに声をかけた。
「ねぇ、早くしないとゲンキくんが待ってるんだってばぁ!」
『それはわかってるし、こっちもさっさと済ませる。
だが席に座ってもらわないと、そもそも何も始まらないんだよなァ』
『お時間はとらせないであります!
どうかちょっとだけ、我輩たちにご協力を!』
「うー、わかったけど。
でも、本当にちょっとだけだよ!すぐだよ!」
『それはわかってるし、こっちもさっさと済ませる。
だが席に座ってもらわないと、そもそも何も始まらないんだよなァ』
『お時間はとらせないであります!
どうかちょっとだけ、我輩たちにご協力を!』
「うー、わかったけど。
でも、本当にちょっとだけだよ!すぐだよ!」
すとん、と椅子に腰を下ろす。
うぃ、うぃぃん、とずいぶんゆっくりと唸りを上げて、デスクトップ画面が現れ始めていた。
うぃ、うぃぃん、とずいぶんゆっくりと唸りを上げて、デスクトップ画面が現れ始めていた。
「あ……」
ぴょこ、ぴょこ、ともふもふした白いのと青いのが画面を歩いている。
「うわぁ、かわいい……」
『それもいいが、まずはこっちだな。
まずはそのアイコンをクリックだ』
「えっと、これ?」
『それもいいが、まずはこっちだな。
まずはそのアイコンをクリックだ』
「えっと、これ?」
パソコンをあまり触る機会がないだけに、少女には勝手がよくわからない。
ナビのクルルにせきたてられ、幾度かマウスを動かし、クリックしを繰り返すうちに、画面にウィンドウが現れた。
ナビのクルルにせきたてられ、幾度かマウスを動かし、クリックしを繰り返すうちに、画面にウィンドウが現れた。
『kskバトルロワイアル、か。……ふざけた名前だ』
『まったくだぜェ、くっくっく。
だがま、あるからには利用させてもらうかぁ』
『まったくだぜェ、くっくっく。
だがま、あるからには利用させてもらうかぁ』
再び胸元のナビたちが喋り出し、ソースの表示だのアドレス入力だのを少女に指示してくる。
しかし何をやっても大抵エラーになるうちに、『 』は何だかイライラしてきた。
しかし何をやっても大抵エラーになるうちに、『 』は何だかイライラしてきた。
「ねえ、まだ!?
早くしないとゲンキくんが大変なんだってばぁ!」
『し、失礼したであります!
実は我輩たちのオリジナルの仲間の中に、パソコンが達者な奴がいまして!
もしかしたら何かネット上にないかな、と思った次第であります!』
「仲間……?」
早くしないとゲンキくんが大変なんだってばぁ!」
『し、失礼したであります!
実は我輩たちのオリジナルの仲間の中に、パソコンが達者な奴がいまして!
もしかしたら何かネット上にないかな、と思った次第であります!』
「仲間……?」
そうだと言ってくれたら怒らなかったのに、と言いながら、再び少女は画面に向き合う。
上から「掲示板」「チャット」、そして「ksk」と並んでいる。
ナビたちの指示のままに「掲示板」をクリックすると、いくつか文字の書かれた画面が現れた。
上から「掲示板」「チャット」、そして「ksk」と並んでいる。
ナビたちの指示のままに「掲示板」をクリックすると、いくつか文字の書かれた画面が現れた。
『おお、やっぱり書き込みが!』
『アイツかはわからないけど、これで情報が手に入るですぅ!』
『アイツかはわからないけど、これで情報が手に入るですぅ!』
ナビたちが喜ぶと、何だか自分も嬉しくなってくる。
何でも彼らに言わせればこれは情報を書き込んで交換するための画面らしい。
ひょっとしたら人の居場所などが書き込まれているかもしれないとか。
何でも彼らに言わせればこれは情報を書き込んで交換するための画面らしい。
ひょっとしたら人の居場所などが書き込まれているかもしれないとか。
(もしかして、キョンくん達やゲンキくんの友達の居場所も……)
わくわくしながらスレッドという枠の中を覗き込んで見る。
一つめは空白だったが、二つ目には書き込みがあった。
しかしそれを見た瞬間、少女のわくわく感は粉々になって吹き飛んだ。
一つめは空白だったが、二つ目には書き込みがあった。
しかしそれを見た瞬間、少女のわくわく感は粉々になって吹き飛んだ。
「なに、これ!?」
『 朝比奈みくるは主催者の仲間です。あの女を殺してください。 』
『げ、ゲロリゲロリ……』
『朝比奈みくるとは、確か……』
『朝比奈みくるとは、確か……』
「そんな、みくるちゃんは確かに有希ちゃんのお友達だけど……!
でも、とっても優しくていい子なのに!クルル、こんなの嘘だよ!」
でも、とっても優しくていい子なのに!クルル、こんなの嘘だよ!」
期待が打ち砕かれた分、驚きと怒りは大きい。
親しい人を殺してくれ、という文など見たらなおのことである。
親しい人を殺してくれ、という文など見たらなおのことである。
『ま、元々ダメモトだしな』
『こういうのって、人の悪口とかあることないこと書き込む人もいるらしいですねぇ。
きっとこれを書き込んだ人もそういうやつですよぉ』
『こういうのって、人の悪口とかあることないこと書き込む人もいるらしいですねぇ。
きっとこれを書き込んだ人もそういうやつですよぉ』
画面に指を突きつけて怒る『 』に対し、慌ててナビたちがフォローする。
何度か深呼吸し、そして同じ言葉を少女は繰り返す。
何度か深呼吸し、そして同じ言葉を少女は繰り返す。
「こんなの、嘘だよ……」
『わかってるですぅ、これはただの悪口ですぅ』
『だが、これでその朝比奈みくるに悪意を持つ者がいるのははっきりしたな。
そしてこの掲示板を、そういう目的で使おうというものがいるというのも』
『『 』殿、どうか我慢してほしいであります。
ここから下にもこういうことが書いてあるかもしれないでありますが、それは嘘かもしれない。
だから怒らずに見てほしいでありますよ』
『だが、これでその朝比奈みくるに悪意を持つ者がいるのははっきりしたな。
そしてこの掲示板を、そういう目的で使おうというものがいるというのも』
『『 』殿、どうか我慢してほしいであります。
ここから下にもこういうことが書いてあるかもしれないでありますが、それは嘘かもしれない。
だから怒らずに見てほしいでありますよ』
「うん、わかってる……それにゲンキくんも待ってるもんね」
怒りが収まった後に来たのは悲しみだ。
あんなに綺麗でやさしい女の子を『殺してくれ』なんて書く人がいる。
人の悪意に慣れない少女には、それはすごく悲しくて寂しいことのように思えた。
そしてそんなことが書かれているかもしれない文を、これからも読まなくてはならない。
あんなに綺麗でやさしい女の子を『殺してくれ』なんて書く人がいる。
人の悪意に慣れない少女には、それはすごく悲しくて寂しいことのように思えた。
そしてそんなことが書かれているかもしれない文を、これからも読まなくてはならない。
早く読んで、そして保健室に戻ろう。
こんなの、気にしなければいいんだ。
こんなの、気にしなければいいんだ。
そう思い、少女は画面をスクロールする。
今度はもっと長々と、そして色々と書かれた書き込みがあった。
今度はもっと長々と、そして色々と書かれた書き込みがあった。
そして案の定というべきか、それもまた彼女を傷つける書き込みだった。
『危険人物注意
ゼロスという、紫の肩くらいの髪に黒いマントの、よく笑う男にご用心を。
こいつは人を見ると問答無用で襲いかかってくる可能性があり、とても危険。
自分の利益にならないとなると女子供でも消し炭にする心ない奴なり。 』
こいつは人を見ると問答無用で襲いかかってくる可能性があり、とても危険。
自分の利益にならないとなると女子供でも消し炭にする心ない奴なり。 』
「…………」
二つも続くと怒りよりも悲しみが先に来る。
怪我をした自分たちを助け、ゲンキを励ましてくれた彼のことさえ、こんな風に書く人がいる。
これから下を読んでいっても、そんな嘘ばっかり書かれているのではないか。
そう思い、少女は画面から目をそらした。
怪我をした自分たちを助け、ゲンキを励ましてくれた彼のことさえ、こんな風に書く人がいる。
これから下を読んでいっても、そんな嘘ばっかり書かれているのではないか。
そう思い、少女は画面から目をそらした。
「ねぇ、もうやめよう?
ここには嘘しか書いてないよ」
ここには嘘しか書いてないよ」
返答はなかった。
「?」
しばらく、沈黙が落ちる。
パソコンの唸る音だけが、少女の息遣いとともにこだまする。
パソコンの唸る音だけが、少女の息遣いとともにこだまする。
『……ほら、言ったとおりだろうが。
それよりどうする、これから』
『逃げるにしても装備は使えないし、もう一人は大怪我ですぅ。
ここはおとなしく様子を見るしか……』
『しかし、二人の身の安全を考えると……』
『くっくっく、厄介なことになってきやがった』
それよりどうする、これから』
『逃げるにしても装備は使えないし、もう一人は大怪我ですぅ。
ここはおとなしく様子を見るしか……』
『しかし、二人の身の安全を考えると……』
『くっくっく、厄介なことになってきやがった』
ぼそぼそとナビたちが呟き始めた。
先ほどとは違い、恐ろしく暗いトーンだ。
それを聞き、少女の胸の内が一気に不安であふれかえる。
先ほどとは違い、恐ろしく暗いトーンだ。
それを聞き、少女の胸の内が一気に不安であふれかえる。
「ね、みんなどうしたの……?
こんなの嘘だよ、そうでしょ、ねぇ……」
『非情に言いにくいのでありますが、『 』殿、』
こんなの嘘だよ、そうでしょ、ねぇ……」
『非情に言いにくいのでありますが、『 』殿、』
聞いたこともないような重苦しい声で“ケロロ”が言う。
『――おそらく、そこに書いてあるのは本当のことであります』
「え……」
「え……」
『その書き込みの名前欄、それは我輩が先ほど言った“会場にいる仲間”の特徴であります』
『書き込みによると、我々にわかるように自分の特徴を記す、と書いてあるであります』
『あいつはなかなか誠実な奴なので、こんなときに嘘などつかないであります』
『だから、つまり、『 』殿、あの男は――』
「――――いやっ!!」
がたんっ、と音をたて、少女は椅子を蹴り飛ばすように席を立つ。
「やだ、そんなのいや!……っ、こんなの嘘だよ!」
誰か頷いてほしいとでも言いたげに周りを見回すが、この部屋にいるのは彼女とナビたちだけ。
そしてナビたちは彼女の悲鳴のような懇願に、再び沈黙でもって答えた。
手が滑り、かららら、と虚しく回転したスクロールバーの下、再び新しい書き込みが姿を現す。
そしてナビたちは彼女の悲鳴のような懇願に、再び沈黙でもって答えた。
手が滑り、かららら、と虚しく回転したスクロールバーの下、再び新しい書き込みが姿を現す。
『――C-3、中・高等学校内に危険人物が現在も潜んで――』
「――――いやあぁぁぁっ!!」
もう見たくないとばかりに、少女は突き飛ばすようにパソコンを叩く。
その力に耐えきれず、周辺機材をぶちまけながらパソコンが床に落下した。
電源がどうにかなったのか、ぶちっという音とともに画面が暗転する。
その力に耐えきれず、周辺機材をぶちまけながらパソコンが床に落下した。
電源がどうにかなったのか、ぶちっという音とともに画面が暗転する。
『お、おい、落ち着――』
「知らない、こんなの知らない、見てないっ!!」
目をつぶり、耳をふさぎ、少女は部屋から逃げ出した。
胸元から聞こえるナビたちの声は無視だ、今自分は何も聞こえない。
そう、聞こえないし見えない。何も見ていない。
胸元から聞こえるナビたちの声は無視だ、今自分は何も聞こえない。
そう、聞こえないし見えない。何も見ていない。
助けてくれた人が人殺しだとか、今ここに怖い人がいるかもしれないとか。
そんなのは何も知らないし、わからない。
そんなのは何も知らないし、わからない。
そう信じて少女は廊下をひた走る。
(見たくない、知りたくない!
知らない知らない、絶対知らない!
ゼロスさんが人を傷つけるとか、怖い人がすぐ近くにいるとか!
嘘、みんな本当じゃなくて嘘なんだ、嘘をついてるだけなんだよ、みんな、みんな!!
... .. . . .. . . .....
キョンくんがわたしを殺そうとしたのだって、全部――――――!!)
知らない知らない、絶対知らない!
ゼロスさんが人を傷つけるとか、怖い人がすぐ近くにいるとか!
嘘、みんな本当じゃなくて嘘なんだ、嘘をついてるだけなんだよ、みんな、みんな!!
... .. . . .. . . .....
キョンくんがわたしを殺そうとしたのだって、全部――――――!!)
――実の兄に殺されかけたというおぞましい体験は、幼い少女の心を見えないところで確実に抉っていた。
◇ ◇ ◇
最初は、闇の中にいるのだと思った。何も見えなかったから。
でも違った。まわりはかすかに明るかった。
でも違った。まわりはかすかに明るかった。
――赤?オレンジ?
ぼんやりとした光がそこかしこに灯っている気がする。
それをただ少年は見ている。見続けるしかない。
それをただ少年は見ている。見続けるしかない。
――あ、誰かいる。
ふと、闇の中に人影が現れた。
両手を顔に当てて、小さな声をあげて泣いている。
なぜか背中の部分の服がないその少女は、赤いリボンを揺らしてうずくまって泣いている。
両手を顔に当てて、小さな声をあげて泣いている。
なぜか背中の部分の服がないその少女は、赤いリボンを揺らしてうずくまって泣いている。
――ホリィ。
少年の声に気づいたのか、少女が顔をあげた。
その顔はやはり、涙に濡れている。
その顔はやはり、涙に濡れている。
――ごめん、ホリィ。助けられなくてごめん。
少年の言葉に、少女はかぶりをふった。
口を閉ざした彼の代わりに口を開け、必死に少女は何かを訴えてくる。
口を閉ざした彼の代わりに口を開け、必死に少女は何かを訴えてくる。
――違う、違うの、それはだめ、ねぇ、違うの……その人は違うの……
少年には彼女の言いたいことがわからない。
彼女はうまく言いたいことが言えないのか、もどかしげに首を振る。
頬を流れる涙が散った。
彼女はうまく言いたいことが言えないのか、もどかしげに首を振る。
頬を流れる涙が散った。
――ごめん、ホリィ、ごめん……
ゆっくりとあたりは白くなり、少女の姿も消えていく。
その涙に濡れた頬に手を伸ばそうとしながら、少年は叫んだ。
その涙に濡れた頬に手を伸ばそうとしながら、少年は叫んだ。
――だけど俺、頑張るから。
ホリィの分も、モッチーの分もみんなを、ゼロスさんを、『 』を助けるから……
ホリィの分も、モッチーの分もみんなを、ゼロスさんを、『 』を助けるから……
そして、少年の意識はゆっくりと浮上する。
少女が少年の最後の言葉にどんな表情を浮かべたか、知らないままに。
少女が少年の最後の言葉にどんな表情を浮かべたか、知らないままに。
そしてゲンキは、冷たい保健室の床で目を覚ます。
◇ ◇ ◇
「……あ、遅かっ――うわぁっ!?」
『 』が保健室に駆け込んだとき、ちょうどゲンキは体を起こしたところだった。
そのゲンキの体に、躊躇なく少女は抱きつく。
なぜベッドで寝ていたはずの彼が床にいるのかなど、まったく気にならなかった。
そのゲンキの体に、躊躇なく少女は抱きつく。
なぜベッドで寝ていたはずの彼が床にいるのかなど、まったく気にならなかった。
「お、おい?」
「はぁ、はぁっ、はぁ……」
「はぁ、はぁっ、はぁ……」
息も荒く胸元に縋りつく少女に戸惑いながらも、ゲンキは優しく彼女の背を撫でてやる。
その掌にゆっくりと呼吸が落ち着くのを感じながらも、少女の心は一瞬たりとも安らぎはしない。
その掌にゆっくりと呼吸が落ち着くのを感じながらも、少女の心は一瞬たりとも安らぎはしない。
「どうしたんだ?何かあったのか?」
必死に背をさすり、ゲンキが問う。
さすがに少女の様子が尋常でないことに気がついたらしい。
さすがに少女の様子が尋常でないことに気がついたらしい。
「おい、どうした?何があったんだ?」
『ゲ、ゲロリ、ええと……』
「ねえ!」
『ゲロ!?』
「ねえ!」
『ゲロ!?』
何か言おうとした胸元のナビを遮り、『 』は自分でも驚くほどの声で叫んだ。
目の前の困り顔の少年の頭には、いつのまにかたんこぶが出来ている。
それを頭の片隅で不思議に思いながら、少女は再び口を開こうとした。
開こうとして、止まった。
目の前の困り顔の少年の頭には、いつのまにかたんこぶが出来ている。
それを頭の片隅で不思議に思いながら、少女は再び口を開こうとした。
開こうとして、止まった。
(……言うの? 何を、言うの?)
ここを出て行った時とは違う意味で、少女の頭は沸騰しそうだった。
何かを言わなくてはならない気がする。
だが、何を言ったらいいかわからない。
何かを言わなくてはならない気がする。
だが、何を言ったらいいかわからない。
――ゼロスが実は人殺しかもしれないことを?
――あんなに丁寧に手当てをして、励ましてくれたのに。
――あんなに丁寧に手当てをして、励ましてくれたのに。
――ここに怖い人が潜んでいるかもしれないことを?
――例え逃げるにしてもゲンキはまだまともに動けず、自分は戦えないのに。
――例え逃げるにしてもゲンキはまだまともに動けず、自分は戦えないのに。
――あの、嘘つきのコンピュータのことを?
――しかし、ケロロ達はあそこに書いてあるのは本当だと言っている。
――しかし、ケロロ達はあそこに書いてあるのは本当だと言っている。
「なぁ、おい、どうしたんだよ、『 』!?」
どこか泣きそうに眦をゆがめて、ゲンキが『 』の肩をつかむ。
つかまれた肩が揺さぶられて痛い。
言わなくては、と思った。
言ってはいけない、とも思った。
そのどちらが正しいのかも、何を言うのかもわからないまま、『 』は再度、ゆっくりと口を開く。
つかまれた肩が揺さぶられて痛い。
言わなくては、と思った。
言ってはいけない、とも思った。
そのどちらが正しいのかも、何を言うのかもわからないまま、『 』は再度、ゆっくりと口を開く。
「あのね、ゲンキくん、わたし――――」
【C-03 中学校・一階・保険室/一日目・昼過ぎ】
【佐倉ゲンキ@モンスターファーム~円盤石の秘密~】
【状態】重傷(全身強打、行動に支障)※処置済み、頭にたんこぶ
【持ち物】S&WM10(リボルバー)、デイパック、基本セット一式
【思考】
0.なぁ、どうしたんだ!?
1.キョンの妹を守る。キョンの行動に疑問。
2.自分とキョンの妹の知り合いを探す。
3.ゼロスをそれなりに信頼。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者は絶対に倒すが、長門有希に関してはもう少し情報が欲しい。
【備考】
※キョンがハルヒを殺したのではないかと疑っていますが、キョンの妹にはまだ言うつもりはありません。
【状態】重傷(全身強打、行動に支障)※処置済み、頭にたんこぶ
【持ち物】S&WM10(リボルバー)、デイパック、基本セット一式
【思考】
0.なぁ、どうしたんだ!?
1.キョンの妹を守る。キョンの行動に疑問。
2.自分とキョンの妹の知り合いを探す。
3.ゼロスをそれなりに信頼。
4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。
5.主催者は絶対に倒すが、長門有希に関してはもう少し情報が欲しい。
【備考】
※キョンがハルヒを殺したのではないかと疑っていますが、キョンの妹にはまだ言うつもりはありません。
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】健康、ジャージに短パン、混乱
【持ち物】KRR-SP@ケロロ軍曹、『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン、
地球人専用専守防衛型強化服(装備解除)@ケロロ軍曹、デイパック、基本セット一式
【思考】
0.わたし、あのね、あのね――
1.ゲンキを守る。
2.自分とゲンキの知り合いを探す。
【状態】健康、ジャージに短パン、混乱
【持ち物】KRR-SP@ケロロ軍曹、『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン、
地球人専用専守防衛型強化服(装備解除)@ケロロ軍曹、デイパック、基本セット一式
【思考】
0.わたし、あのね、あのね――
1.ゲンキを守る。
2.自分とゲンキの知り合いを探す。
【備考】
※キョンはハルヒの死を知って混乱していたのではないか、と思っています。
※kskネット内の「掲示板」のシンジの書き込みのみまともに見ました。
ゼロス以外のドロロの一回目の書き込み、および二回目の書き込みについては断片的にしか見ていません。
※地球人専用専守防衛型強化服の装備が使えるようになるまで、あと一時間ほどかかります。
※キョンはハルヒの死を知って混乱していたのではないか、と思っています。
※kskネット内の「掲示板」のシンジの書き込みのみまともに見ました。
ゼロス以外のドロロの一回目の書き込み、および二回目の書き込みについては断片的にしか見ていません。
※地球人専用専守防衛型強化服の装備が使えるようになるまで、あと一時間ほどかかります。
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