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そして私にできるコト ◆EFl5CDAPlM



ゼロス、朝倉涼子、キン肉スグル、ヴィヴィオ。
この4人は今、中学校の保健室を目指している。
そこで治療のため休息をとっているゼロスの同行者と合流するためだ。
そこには名簿上ではキョンの妹と書かれた少女とゲンキという少年がいる。
二人とも殺し合いに乗るような人ではないことはゼロスから聞いているし、
ゲンキに関しては死んだモッチーを通じてヴィヴィオ達が知っており、
キョンの妹に関しては朝倉が知っているため皆いぶかしむ様子はない。
まあ最も彼らはゼロスの同行者であるし、ヴィヴィオやスグルは人を疑うことをあまりしない。
いぶかしむような慎重な人間は朝倉ぐらいしかいないのだが。


前を行く朝倉とゼロスはこの舞台に対する考察を話している。
そしてその後ろを歩くスグルとヴィヴィオであるが、
スグルが別行動をヴィヴィオに進めた後は、会話が途切れている。
見た目は落ち込んだようにしているヴィヴィオに、スグルはこれからあう少女に話すことを整理しているのだろうと考え、
無言でヴィヴィオを気遣う。






ヴィヴィオはスグルが考えている以上に色々なことを考えていた。

まずはスグルの予想通りキョンの妹のこと。
半ば勢いで彼女に話さなければならないことがあると言ったものの、どう話したらいいのか。
自分の兄が殺し合いに乗り、親しい友人を殺したなどと、言って信じてもらえるか。
そもそもこんなことを彼女に話してしまっていいのか、と考えていた。

だがその話については既にヴィヴィオの頭の隅に追いやられている。


(キョンさん……)

今現在考えているのは、この話をする原因となる彼についてだ。
ヴィヴィオは未だに、彼がハルヒを殺したことを信じられないでいた。
確かにハルヒは彼に殺された。それは事実だ。
ハルヒがかばってくれなかったら、死んでいたのはヴィヴィオだっただろう。
そして彼がハルヒに向かって言った言葉も、ヴィヴィオは震える心で聞いた。
そこだけを……自分に襲いかかる彼を、ハルヒを殺す彼だけを知っていたのなら、
ヴィヴィオも彼が本心から殺し合いに乗ったことを信じたであろう。


(でも、ハルヒお姉ちゃんの話だと、そんなことする人じゃなかった…)

だがヴィヴィオはハルヒと行動を共にしており、話をした。
まだモッチーも死なず、アスカも共にいたころ、情報交換とも言えないようなギスギスした空気の中で。
4人の中で、一番喋っていたのはハルヒだ。


話の中に一番出てきたのはSOS団の話。
というか、現在同行している朝倉について少し触れた以外は、全部SOS団の話といってよかった。
SOS団という、宇宙人や未来人や超能力者を探し、一緒に遊ぶ団。
それについて話すハルヒは、とても楽しそうで、きいているこっちもわくわくした。


そしてハルヒと、彼が共にいた団のことを想う。

(ハルヒお姉ちゃんとキョンさんと、メイドさんのみくるさん、ふくだんちょうのこいずみさん、それに……ゆきさん)

その五人がいて、活動していた団。それがSOS団。
一番最初にいたハルヒと同じ服を着ていた女の人……彼女が有希。

(ハルヒお姉ちゃんはゆきさんがこんなことをするはずがないって言ってた)

ハルヒはヴィヴィオ達に長門有希が草壁タツヲに操られているのだと主張していた。
そして、その時はヴィヴィオもハルヒの友達がこんなことをするはずがない、
きっとハルヒが言うとおりそうなのだろうと信じていた。

(だけどあのおじさんの子供も、ここに、いる)

ゼロスと会う少し前にも朝倉とスグルとヴィヴィオは情報交換をした。
そして朝倉が一緒にいたメイちゃん――その父親があの場所にいた男だというのだ。

実際には朝倉は断定はしておらず、憶測で話していたのだがヴィヴィオは気付かない。
だが、親子の絆を信じたい彼女にとって、その事実は衝撃的だった。


(わたしはどうすればいいんだろう……)

そこまで考えたことで、自分はどうするべきなのか、とまた振り出しに戻る。
さしあたって、これから会う彼の妹に何を話したらいいか、
そして、その後自分はどうすればいいのか。

自身が無力であることを自覚する少女は、無力故に悩む。
自分には、一体何ができるのかと。

あるいは、自分のママならどうするかと。
ハルヒならどうするかと。

「キン肉マンさん」
「グム?」
「ハルヒお姉ちゃんの持ってた赤い布、貰っていいかな?」
「む、ちょっと待っておれ……これかの?」
「うん、ありがとう」



それはふとした思いつき。
スグルに頼み、出してもらったそれを手に取る。
生前ハルヒが大事にしていたもの。SOS団団長の腕章。
なにせそれを捨てたアスカに襲いかかったぐらいだ。とても大事なものに違いない。

ヴィヴィオはそれを、ギュッと握りしめる。

少しだけ、ハルヒの勇気をもらった。

そんな気がした。







「そういえばここの三階にあった箱にSOSと読めるマークがあったのですが……」

そんな彼女に、さきほどから前で朝倉と話していたゼロスの言葉が届く。

「「「SOS!?」」」

そしてその言葉に、ゼロス以外の3人が同時に叫んだ。

「グムー! 誰かが助けを求めているのか!? それはすぐに向かわなければ!」
「あなたはちょっと黙ってて」
「グ、グムー……」

SOSの本来の解釈でその言葉を聞いたスグルは、
当然のことながらそれが誰かの救難信号と判断し、叫んだ。
そして朝倉に冷たくあしらわれるのはある意味お約束か。

「どうやらリョーコさんはそれの意味を把握しているようですね?
 それにヴィヴィオちゃんも」
「あ、うん……」
「私とかなりかかわりを持つ言葉よ、それ。
 ゼロスさん、悪いけど先にそれの場所を教えてもらえるかしら?」
「あまり二人を待たせるわけにもいきませんが、少しだけならいいでしょう。こっちです」





   ※   ※





ゼロスさん先導の元、SOSのマークのある箱……恐らくパソコンへ向かう私たち。
道中で考えるのは、そのSOSマークのことである。
恐らく、十中八九それは涼宮ハルヒの作ったSOS団と関係のある代物であろう。
この場所にあるということは、長門さんがわざわざ設置したということだ。
つまり何らかの罠である可能性が高い。
それなのに、あえて私はそこに向かおうとしている。
まあ虎穴に入らずんば虎子を得ずともいうし、こう情報が少ない中では多少の危険はしかたない。
やらずに後悔するよりやって後悔する方がいいっていうしね。


そうこう考えながらSOSマークのある箱のある部屋についたんだけど……

「……っつ!」
『これは……』
「ほお……」
「ぁ……」
『異常空間が発生しました』
「なになに? どったの?」

私たちが部屋に入った瞬間感じた違和感。
それにキン肉マンを除く全員が気付いた。

局地的非侵食性融合異時空間が制限条件モードで単独発生している
いや、ここはわかりやすく古泉くんたち「超能力者」の言葉を借りて、
閉鎖空間に似た何かがこの部屋の中に発生しているって言った方がいいかしらね。
だけど、普通の閉鎖空間は涼宮さんが発生させているはず。
これがそれとは違う何かだということは確かだけど、涼宮さんは既に死んでいる。
まさか、これも長門さんが作り出した空間なのかしら?

情報統合思念体と連絡が取れればこれが何なのかの詳細がわかるんだろうけど、
それができない今、私自身の憶測でこれについて考えるしかない。

涼宮さんの未練やらがこういう形で発生した?
だけどゼロスさんはこの違和感については何も言わなかった。
ゼロスさんが調べた時にはこの空間は発生していなかったってことかしら?
それならば、ゼロスさんが出ていった後にこの閉鎖空間(仮称)は発生したことになる。
ということは、時期で考えるとこれは涼宮さんと関係ないってことになるけど……
そうなると、長門さんが設置したっていう結論にしかならないわね。

しかしだとしたらどうしてこんなギミックをわざわざ設置するのかしら?
支給品に関してもそう。長門さんだけの考えにしては、無駄なものが多すぎる……
あの草壁って人の発案かしら。

でもこういうお遊びを入れれば入れるだけ、システムには無駄が生じ、隙ができるというのに。
それともわざわざつけいる隙を作ってこちらが足掻く様でもみているのかしら。
だとしたら、長門さんも随分と変わってしまったみたいね。

「ゼロスくんのいっとったSOSマークってのはこれかの?」

各々が奇妙な空間に戸惑ったり考えたりしている間に、
この異常性に全く気付いていないキン肉マンが、平然と件のマークのあるパソコンの方へ向う。

「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「へ?」


罠かもしれないものに不用意に近づくなんて信じられない。
咄嗟に私はそれを止めようと声を出したのだが、それが悪かったのだろうか。
彼は振り向いた拍子に足を滑らし、パソコンの方へ倒れる。
その時に変なところを押してしまったのか。

パソコン上の確かにかろうじてSOSと読めなくもないマークが光だした――









   ※   ※







「……ふむ」

気がつけば見たことのない場所、みたことのない部屋にいたゼロスは考える。
此処がどこなのかではない。それはすでに把握した。

窓から見た景色が山に近いことと、この部屋のさびれ方から、ここがE-5の廃屋であることは想像に難くない。
ゼロスがかんがえるのは、何故自分がここにいるのかということだ。

原因は恐らくあのマーク。
キン肉スグルが不用意にあのマークに触れたことで自分達はここに転位してしまったのだろう。
それはいい。いや、よくはないが原因は分かっているので置いておく。

では、自分があの部屋に再度訪れた時に感じた違和感は一体何か。
最初に訪れた際は感じることのなかった違和感。
これは恐らく、最初と次とで違う状況に陥ったから発生したのだろう。
ではその異なる状況とは何か。

複数人であの場所にはいったからか、
あのマークと因縁があるらしい朝倉涼子がいたからか、
もしくは、二回目の放送を迎えたからか。


もし時間経過で発生するトラップなのだったとしたら、これはパーティ分断の罠なのだろう。
時間経過とともに、主催にあらがう者たちは手を組み、軍団を作っていく。
それを防ぐために、パーティが分断される仕掛けを主催が作ることは、確かにありえる。
現に現在共にいるのはキン肉スグルだけなのだから。



そう、今この場には朝倉涼子もヴィヴィオもいない。
自分たちだけがこの場に飛ばされ、あの二人は違う場所に転移したか、元の場所にいたのか。


だが主催者によるパーティ分断の罠だという可能性を、ゼロスは捨てた。
何故なら転移する瞬間、ゼロスは確かに感じたからだ。
自分たちが光に包まれる際、ヴィヴィオから発生した力を。

その力が原因で、本来なら彼女らも共に転位するはずが、それが防がれたのではないか、とゼロスは推測する。
朝倉はヴィヴィオの近くにいた。そしてキン肉マンはパソコン前、自分はヴィヴィオ達とは離れていた。
故にゼロスは、彼女らはこの転移の影響を受けておらず、未だ学校の中にいるのだと推測した。

ヴィヴィオの力がどのような形になるのか確認する前に、ここに転位してしまったため、
その力の詳細を把握することはできなかったのが残念だ。
彼女の力は、非常に興味深い。

彼女の力に関しては彼女に会った時からうっすらと感じていた。
微弱な魔力。だがそれは、ゲンキと同様、可能性を感じさせる力であった。
故にゼロスは、ヴィヴィオも「セイギノミカタ」の候補として挙げていた。

(先にヴィヴィオちゃんのことを聞いておくべきでしたかね……)


思考を切り替え、周囲を見渡す。

足跡がある。ということは、ここには既に誰かが入った後ということである。
自分の前にはピアノ。そして後ろには気絶しているキン肉マンと謎のマーク。

(ZOZと、読めなくもないですね。少なくとも先ほどのマークとは形が違う……)

そこには、先ほど箱の中で見たマークと似たようで、若干異なるマークが描かれていた。
恐らくは、あのSOSマークに触れるとこのZOZマークに転移するということなのだろう。

単純にこれはワープ装置の到着点だったと考えるのがよさそうだ。
ワープ先がここであるということは、ここに何かあるのだろうか。

「はあ……ゲンキさんたちとも離れてしまいましたし、どうするべきですかね……」

マークに関しての考えはそこそこに、置いてきた同行者について考える。

とはいえ、ゲンキと妹にはそれほど執着はない。
有望なセイギノミカタとはいえ、知識面で役に立つかどうかは微妙だ。
もともとゲンキの怪我が治ったら別れるつもりだったし、こだわる理由はない。
自分の持っている原稿を読ませたかったが、それはここにいるキン肉マンや、他の人にもできる。

だが朝倉とは早急に合流したい。
彼女は今まで会った他のセイギノミカタと違い、ある程度非情さも持っている。
どちらかというと、自分に近い感じである。
そしてこの首輪を解除する見込みもあるときた。


今まであった誰よりも利用価値はある。戦力的にも、知識的にも。

それにヴィヴィオの力の詳細も知りたいところだ。
ここに呼ばれた人達はそれぞれ数人の知り合いがいるようだし、事情を知る人に聞くのもいいかもしれない。
できるならばもう一度会って、直接本人から聞きだしたいが……

「まあ、ひとまずはスグルさんが起きてからですかね」

一方のこちらは、知識は全く当てにできない。ゲンキ達と同じだ。
しかも彼が不用意にもあのマークのある箱をいじったおかげで朝倉やヴィヴィオと別れることになったのだ。
不用心もいいところである。
これで戦力がなければ完全に役立たずだ。
彼が強いことは知っているので、ここで殺すことはしないが、
彼とは早急に別れるべきだろう。

ゼロスは人知れずはあ、と溜息を吐く。

ふとそんな彼は、落ちている紙束に目をくれる。
拾い上げるとどうやらこれは楽譜のようだ。


「これはタイトルでしょうか……First Good-Bye?」


その歌が何を意味するのか、彼は知らない。


【E-5 廃屋/一日目・昼過ぎ】

【ゼロス@スレイヤーズREVOLUTION】
【状態】わずかな精神的疲労
【持ち物】デイパック(支給品一式(地図一枚紛失))×2、不明支給品1~4
     草壁タツオの原稿@となりのトトロ、First Good-Byeの楽譜@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
0:首輪を手に入れ解析するとともに、解除に役立つ人材を探す
1:なんでしょう、この楽譜は……
2:朝倉と合流する。可能ならヴィヴィオとも。
3:ゲンキとヴィヴィオの力に興味。
4:ヴィヴィオの力の詳細を知りたい。
5:セイギノミカタを増やす。
6:原稿をキン肉マンに読ませてみる。

【備考】
※簡単な漢字を少しずつ覚えていっています
※ウォーズマンの名前と容姿を覚えました。



【キン肉スグル@キン肉マン】
【状態】両方の二の腕に火傷跡と切り傷、脇腹に中度の裂傷(処置済み)、気絶中
【持ち物】ディパック(支給品一式)×4、タリスマン@スレイヤーズREVOLUTION、
      ホリィの短剣@モンスターファーム~円盤石の秘密~、
      金属バット@現実、100円玉@現実、不明支給品0~1
【思考】
0:気絶中
1:今のところはゼロスと協力。だがヴィヴィオのためになるべく早く別行動をしたい。
2:ヴィヴィオは保護する。
3:ウォーズマンと再会したい
4:キン肉万太郎を探し出してとっちめる。
5:一般人を守り、悪魔将軍を倒す。












   ※   ※






気がついた時には、わたしは見たこともない部屋にいました。
わたしの左には、難しそうな本がたくさん入った本棚。
右には、キレイな服がたくさんかかってます。
そして前には机があって、その奥には白い箱がありました。
その横には……「団長」と書かれたものが置いてあります。
きっと「だんちょう」って読むんだと思います。
私の持っているハルヒお姉ちゃんの大事な布と同じ文字です。


ここは一体どこなんでしょう。
わからないけど、さっきまでいた場所みたいに、変な感じはしませんでした。
むしろ、温かい感じがします。

わたしは確か、リョウコお姉ちゃんやキン肉マンさんと一緒にゼロスさんのいうSOSのマークの所に向かっていました。
SOSの意味は知っています。ハルヒお姉ちゃんに教えてもらいました。
ハルヒお姉ちゃんが作った、すごいそしきです。
宇宙人や未来人や超能力者を集めて、遊ぶところです。

たぶんママたちのいる機動六課と同じぐらいすごいところなんだと思います。
だからそのSOSのマークがあるって聞いて、そのマークというのを見たくなりました。
そのマークのある部屋に行ったら、急に変な感じがして、気付いたらここにいました。

リョウコお姉ちゃんもキン肉マンさんも、ゼロスさんもここにはいません。
ここは本当に、どこなんでしょう。


ふと、人の気配を感じました。
あの箱の向こうに誰か座っているみたいです。
行ってみると、そこにはハルヒお姉ちゃんがいました。
その左腕には、私がキン肉マンさんからもらったはずの赤い布がついてました。
ちゃんと「団長」って書かれてます。


どうしてハルヒお姉ちゃんがここにいるんだろう?
もしかして、またわたしを励ましにきてくれたのかな?
だったらもしかして、ここにはフェイトママやモッチーもいるのかな?
そう思っていたんだけど、ハルヒお姉ちゃんの顔をみて、そうじゃないって気付きました。

ハルヒお姉ちゃんはとても悲しそうな顔で、白い箱を見つめています。

ハルヒお姉ちゃんは、ずっと笑って私を励ましてくれてました。
アスカお姉ちゃんにはいつも怒った顔をしていました。
でもこんな悲しい顔は、見たことがありません。


「……ハルヒお姉ちゃん?」

私はハルヒお姉ちゃんに声を掛けました。
ハルヒお姉ちゃんは悲しそうな顔のまま、わたしのことを見ました。

なんでハルヒお姉ちゃんがこんな悲しい顔をしているのか、解りません。
わたしが悪いのかな?
なにかわたしが悪いことをしたんじゃないかと、よく考えます。

わたしは、少しだけ思い出しました。
ハルヒお姉ちゃんが死ぬ時のことです。
わたしに謝る前に、言っていました。

泣いたらだめだって、団長命令だって。
だから、私が泣いてばかりいるのに悲しんでいるんだろうって思って言いました。


「わたし、泣いてないよ? ハルヒお姉ちゃんに言われたとおり、がんばるよ?」

でも、ハルヒお姉ちゃんは悲しい顔のままです。
わたしは悲しい顔のままのハルヒお姉ちゃんを見ながら、何でこんな顔をしているのか考えます。
するとだんだん、ハルヒお姉ちゃんのこの顔を、どこかで見た気がしてきました。


……そうです。私はこの顔を、知っています。思い出しました。

キョンさんがハルヒお姉ちゃんを殺す前に、いろいろと言っていました。
私を殺す……とか、
ハルヒお姉ちゃんがずっと迷惑だった……とか、
そんな感じなことをいっていたような気がします。
その言葉を聞いた時のハルヒお姉ちゃんの顔によく似ています。


自分の好きな人にそんなことを言われたら、すごく悲しくなると思います。
私もなのはママ達にそんなことを言われたら、死んじゃいたいくらいつらくなると思います。
だからハルヒお姉ちゃんが悲しむ理由は、これだと思いました。


「ハルヒお姉ちゃんは、キョンさんにあんなことを言われて、悲しいの?」

だからわたしはそう聞きました。
でも、ハルヒお姉ちゃんは返事を返してくれません。
もしかして、違うのかもしれません。


「……キョンさんがあんなことをしちゃって、悲しいの?」

ハルヒお姉ちゃんの話だと、キョンさんはあんなことをする人じゃありませんでした。
そんなキョンさんが、わたしやハルヒお姉ちゃんを殺すことが信じられないのかも知れません。

わたしの言葉を聞いて、ハルヒお姉ちゃんはもっと悲しそうになりました。
たぶん、これが正解なんだと思います。

ハルヒお姉ちゃんは、たくさん話をしてくれました。
そのほとんどはSOS団の人達の話でした。
みくるさんのいれてくれるお茶はおいしいとか、
こいずみさんはいつもキョンさんにゲームで負けてばかりだとか、
ゆきさんはいつも本を見ているとか、
ハルヒお姉ちゃんがSOS団の人たちを大切に思ってるってすごくよくわかりました。

その中でも一番キョンさんのことを話していました。
いつもけだるそうだとか、
あいつにはやるきがあるのかとか、
なんだかんだいうけどてつだってくれるとか、
言葉の意味はよく分からないけど、
ハルヒお姉ちゃんがキョンさんを大好きだっていうのはすごく分かりました。


ハルヒお姉ちゃんの悲しい顔は、キョンさんがあんなことをするはずがないって言ってます。
あの時はわたしは怖くてそんなことは考えられなかったけど、今は私もそう思います。

きっと、キョンさんは誰かに操られていたんだと思います。
あの鎧はとても怖かったし、キョンさんの顔も見えませんでした。
たぶん、あの鎧がキョンさんを操ってるんだと思います。


けど、それがわかってもわたしに何ができるかわかりません。
わたしには、なのはママのような力はありません。
大事な人を傷つける力しか………ありません。


だけど、ハルヒお姉ちゃんが悲しい顔なままは嫌です。
だから私は、何ができるかわからないけど、こう言いました。


「……わたしが助ける。キョンさんのこと、私が助ける!
 それからゆきさんも、私が助けてみせるよ!」

ゆきさんも、ハルヒお姉ちゃんの大切な人です。
だからこんなことをするはずがありません。
あのおじさんは、メイちゃんのパパです。
自分の子供をこんなところに連れてくるはずがありません。
たぶん、二人とも誰かに操られてるんだと思います。


ハルヒお姉ちゃんは、わたしの言葉に驚いて、心配そうな顔をしました。
わたしのことを心配してくれているのかな?
確かにわたしにはなにもできないかもしれない。
頑張っても、お姉ちゃん達に迷惑をかけるかもしれない。

だけど、わたしも誰かを守りたい。
なのはママみたいに、大切な人たちを守れる人になりたいです。

「ハルヒお姉ちゃんはわたしを命がけで守ってくれた。
 だからわたしは、ハルヒお姉ちゃんの大切なSOS団を守るよ」

ハルヒお姉ちゃんは死んでしまいました。
わたしを助けるために、ハルヒお姉ちゃんは自分の命をぎせいにしました。
だから、わたしはもうハルヒお姉ちゃんを助けることはできません。
それはすごく悲しいです。
死んじゃったハルヒお姉ちゃんを思い出すと、悲しくなります。
だけど、泣きません。ハルヒお姉ちゃんとの約束です。

ハルヒお姉ちゃんの大切なものを、守りたいです。
ハルヒお姉ちゃんの大切なSOS団を、わたしは守りたいです。
わたしにとってのママたちが、ハルヒお姉ちゃんにとってのSOS団だと思うから。
それを守れば、きっとハルヒお姉ちゃんは笑ってくれると思うから。


ハルヒお姉ちゃんは心配な顔のままでしたが、しばらく目をつぶると腕に付けた赤い布を外しました。
そしてそれを、私の方に持ってきます。
ハルヒお姉ちゃんが、私の手をとりました。

「ハルヒお姉ちゃん……?」


ハルヒお姉ちゃんの方を見ると、ハルヒお姉ちゃんは笑っていました。
そしてハルヒお姉ちゃんは腕につけていた大事にしていた布を、わたしの腕に通します。

その瞬間、周りが真っ白になってきました。
周りの景色も、白くなって見えなくなります。

ハルヒお姉ちゃんも消えていって、よく見えません。
だけど、最後に呟いたハルヒお姉ちゃんの言葉は、はっきりと聞こえました。



―――キョンを、SOS団を助けて。
















彼は明確な目的を持って、ヴィヴィオ達に会う前に人を殺した。
ハルヒを殺す際にもハルヒを拒絶し、嫌悪を込めた言葉を放った。

長門有希や草壁タツヲはこの場を作り出した張本人であり、
自身を大切な二人の母親から引き離し、
直接ではないが、ヴィヴィオの母であるフェイトを殺した犯人だと言っていい。

普通ならば、彼女が彼らを心配する理由なんてない。
彼らは自分の大切な人を奪った人間。そう考えるだけである。

だが彼女はまだ思考も幼い子供だった。
複雑な身の上ではあるが、暗い感情をそれほど多く知らない子供であった。
信じる力を知り、不屈の心を持つ母を持つ子供であった。


そして彼女は、彼や彼女のことを信じている人から彼らのことを聞いていた。
恐らくこの場で一番彼女を信じていた人間と触れあった。
一番彼を想っていた人に、命を助けられた。


子供を大切に思わない親が、いるはずがない。

自分の好きな人の友達が、悪い人なわけがない。

自分を命がけで助けてくれた人が一番好きだった人。
そんな人が、あんなひどいことをするはずがない。


その想いの元、彼女はそういう結論に至ったのだ。
そこに過程も筋道も存在しない。
理屈じゃない。彼女にはそれで十分だった。




だが少女の決意した道は厳しい。

団長は大切な人に殺され、
副団長は復讐鬼となり、
メイドは復讐鬼の生贄となり、
雑用係は団を捨て殺人者となり、
彼女らと無言で共にいた者はこの殺し合いの主催者。

S 世界を
O 大いに盛り上げる
S 涼宮ハルヒの団

退屈を嫌った……そんな理由で作られたこの団
しかしそこにいる彼らの心に残る思い出をたくさん作り上げた団。
この団は、所属していた団員が消え、もう滅びの道を進み続けるしかなかったであろう。



だが………









『これは……』
『ヴィヴィオ! Ms朝倉!』

中学校の3階。
そこに倒れる少女が二人。

彼女らの持つデバイスは、光が収まった後に、気絶している二人と、
突然消失した二人に戸惑うばかり。

既に彼らの感じていた異常空間は消え去っていた。


これらの異常の原因と思われる目の前のパソコンは、
SOSのマークが消え、通常通りの画面を開き、操作する人間を待っている。


そして……
だれも気付いていないが、ヴィヴィオが手に持っていた腕章は、
ハルヒがしたように、ヴィヴィオの腕がその中を通っている。
それはふとした偶然か、それとも――







SOS団は、消えていない。
何故ならこの少女もまた、SOS団の特別団員なのだから。



【C-3 中学校3階/一日目・昼過ぎ】

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】気絶
【装備】メイド服@涼宮ハルヒの憂鬱、新・夢成長促進銃@ケロロ軍曹、
    クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【持ち物】デイパック(支給品一式)、ボウイナイフ、鬼娘専用変身銃@ケロロ軍曹、
     不明支給品0~1(武器では無い)
【思考】
0:気絶中
1:キョンを殺す
2:長門有希を止める
3:古泉、みくる、サツキを探すため北の施設(中学校・図書館・小学校の順)を回る
4:ゼロスたちと情報交換
5:基本的に殺し合いには乗らない
6:まともな服が欲しい
7:できればゲーム脱出時、ハルヒの死体を回収したい

※長門有希が暴走していると考えています
※クロスミラージュを改変しました。元に戻せるかどうかは後の書き手さんにお任せします。


【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】気絶、疲労(小)
【装備】SOS団団長の腕章@涼宮ハルヒの憂鬱
【持ち物】バルディッシュ・アサルト(6/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
【思考】
0:気絶中
1:キョンを助けたい。
2:ハルヒの代わりに、SOS団をなんとかしたい。
3:なのはママ、スバル、ノーヴェをさがす
4:ゼロスが何となく怖い。


【備考】
※長門とタツヲは悪い人に操られていると思っています。
※キョンはガイバーになったことで操られたと思っています。
※ヴィヴィオの力の詳細は、次回以降の書き手にお任せします。








    ※    ※








何処かのパソコンに、彼女らが見たマークと同じものが浮かび上がる。
それが何を意味するか、それに触れるとどうなるか。
そもそもそのパソコンのある場所に、人が訪れるのかどうか。


そして、その仕掛けを作ったのが誰なのか……



それは今は、明かされていない。
これから明かされるのかも、わからない。







※中学校のパソコンのSOSマークが消滅し、何処かのパソコンに出現しました。
※廃屋にあった謎のマークはSOSマーク改訂版(ZOZマーク)でした。
これらのマークの具体的効果は他の書き手にお任せします。


【First Good-Byeの楽譜@涼宮ハルヒの憂鬱】
ドラマCDにてハルヒが作成した歌の書かれた楽譜。
きちんとした処理をしなければ非物質拡散性振動型感知音波が発生する。
ようするにこの歌の幻聴が聞こえてくる。
このロワでも同様の効果が発生させるかは次の書き手に任せます。


時系列順で読む


投下順で読む


会議は笑う ゼロス もしもふたり逢えたことに意味があるなら
キン肉スグル
朝倉涼子 Scars of the War(前編)
ヴィヴィオ




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