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学校を出よう! ◆5xPP7aGpCE



私は見てわかる通りの普通の女の子だよ?
年の割りに子供っぽいってよく言われるけど……
名前はちゃんとあるのに、『キョンの妹』なんて名簿に書くなんて酷いよ有希ちゃん。

それなのにいきなり殺し合いしろって訳がわからないよ。
さっきまで家の中に居たのに、普通に遊んでいたのに。
どうやって連れてこられたのかもわからないんだよ。

初めは怖くて、次に池に落ちちゃって冷たくて……

温泉があったから入らせてもらったけど、早くキョン君やハルにゃんと会いたかった。
でも周りには誰も居なくて、とってもさみしくて―――

そんな時出会ったのがゲンキ君だったの。

『お前の事、俺が守ってやるから』

最初は裸を見られた責任とってもらおうと思ったんだよ。
すぐそんな事はどうでも良くなっちゃった。

一人じゃ何も出来ない私を引っ張って、そして何回も励ましてくれた。
私と殆ど変わらないくらいなのに、鈍いところもあるのに、とっても頼りになってくれた。

けど辛い事もいっぱいいっぱいあったりしたんだよ。
ハルにゃんは一度も会えない内に放送で名前が呼ばれて、ゲンキ君の大事な人も呼ばれて一緒に泣いて……
会いたかったキョン君はあんな怪物みたいな身体になって、私とゲンキ君に酷い事をして。

ゲンキ君の怪我は酷くて、私は励ましてあげる事ぐらいしか出来なくて。
それだけじゃなくて、パソコンの変な書き込みを見たせいで怖くなって喧嘩までしちゃって。

……本当にごめんね、ゲンキ君

でも本当に辛いのはそれからだったの。

あの人、アスカが学校に来てから私とゲンキ君は本当に大変な目に遭ったんだよ。
自分は危なくないって嘘ついて私とゲンキ君を騙して、突然訳のわからない事言い出して。
怖かった、本当に怖かったんだよ。

ゲンキ君が水着の事教えてくれなかったらきっと私は死んじゃっていた。
お前が居てくれて良かったって言ってくれた時は嬉しかった。
だけど結局私は何も出来ない子供なんだって辛かったの。



ゲンキ君。
自分と大切な仲間の事、旅していた事なんかを楽しそうに話してくれた。
そして一緒に帰ろうって励ましあったのに。
嫌だよ! 死んじゃったなんて嫌だよ!

そしてアスカ、あの人は。
ゲンキ君がかばってくれたのに、自分の命を賭けてくれたのに。
なんで、なんで―――

顔を切られた事なんてもうどうでもいいよ。
こんな痛みなんてゲンキ君の痛みに比べたらとっても小さいんだから。

許せないの。
ゲンキ君が死ぬ原因になったあの人の事。
あの人の心、大っ嫌い!

あの人にはゲンキ君の命のこれっぽっちの価値も無いよ。
それにゲンキ君を殺した小砂って人も許せないの。

普通なら悪い人は警察が捕まえてくれるんだよね?
でもここにはそんな人いないの、だから悪い人は好き勝手しているんだよ。
ゲンキ君を死なせた二人がそのままでいるなんてどう考えてもおかしいよ!


―――だから私は仇を討つって決めたの


今までは仲の良い人に会いたい、頼りになる人に助けてもらおうって事ぐらいしか考えてなかった。
でも今一番やりたい事はゲンキ君の仇を殺したいって事なんだよ。
さっきまで怖がって怯えちゃっていたのに、どうしてもやりたい事が出来たら怖くなくなったんだよ。

ゲンキ君は怒るかもしれないけど……
絶対このままじゃ駄目だよ、ゲンキ君だけ死ぬなんて納得できないよ!


朝倉さんとヴィヴィオちゃん。
二人とも会ったばかりの私を助けてくれた人だよ。
ゲンキ君も二人を信じて、私の事をお願いして引き受けてくれたの。

私、話してみた。
二人に仇を討ちたいって、そしたらナビ達も一緒になってみんなで反対されてしまった。
朝倉さんは怒って、ヴィヴィオちゃんは泣いてしまった。

『力が無い』、朝倉さんがそう言って私を責める。
確かに小学生の女の子の力なんてたかが知れてるってわかってる。
でも、この水着なら―――もっと強い人は無理でもアスカには勝てると思うんだよ。
それにゲンキ君が遺してくれた銃だって―――



その事を言おうとしたら朝倉さんに遮られてしまった。
朝倉さんは私の言いたい事がわかっていたみたい、厳しく言われた。
覚悟が無い?―――出来てるよ!

「覚悟はあります!! 二人を殺して、私もゲンキ君のところへ、行くっ!!!」

本当に本当の私の気持ち、本心だよ!
それでも朝倉さんは許してくれなかった。

「甘ったれるな小娘」

お母さんより怖い顔で私の気持ちは無視された。
馬鹿とまで言われる。
言いたい事はわかるよ、でも私の気持ちは理屈なんかじゃ全然納得できないんだよ。

前に言ったけど私は子供だよ。
口喧嘩で大きいお姉ちゃんに勝てるはずなくて、唇を噛んで黙ってるしか出来なかった。

でも、全く諦めようなんと思わなかった。
許してもらう必要なんて無い、このまま飛び出してしまおうと決めかけたその時だった。
朝倉さんがこう私に言ってきた。

「でも、どうしても貴方が仇を討ちたいって言うのなら……それ相応の覚悟を見せて頂戴」

クロスミラージュという名前の銃が私に投げ付けられる。
そして覚悟があるなら殺してみなさいって朝倉さんが言いました。

鉄砲の撃ち方ぐらい小学生の女の子だってわかる。
当たれば本当に死ぬって事もわかってる。
初めて握った銃、クロスミラージュは重かった。

―――急に怖くなってしまいました

私、どうしちゃったの?
さっきまであんなに強気になれたのに。
これじゃ前の私に逆戻りしたみたいだよ。

(人殺し、そんなものになっちゃ駄目だよ)
(痛いのは誰だって嫌だよ、だから人を傷付けるのも駄目なんだよ)

昨日まで当たり前と思えた気持ちが聞こえる、ここでは全然関係無いのに。
まるで今の私を責めてるみたいに思えるよ。

(いいの? 本当にそれでいいの?)

頭でそんな声がする。
でも、ゲンキ君の事を考えるとどうしようもない気分になって。
頭が本当にごちゃごちゃして泣きそうになった。



「ほら……私を殺してみなさいよ」

そんな私の様子を見て朝倉さんがまた馬鹿にしてきた。
身体は自分でもわかるぐらい震えちゃってる。
こんな状態で無理に引き金を引いても絶対当たらないよ。

(私、やっぱり何も出来ない女の子なのかな……)

目の前には朝倉さんの勝ち誇った顔が見えた。
このまま腕を下ろそうかな、なんて弱気になりかける。
言われた通り大人しくすれば怒られるけど許してくれるかもしれない。

それで何も無かった事にして二人で私を励まして守ってくれる。
たぶん、ううん間違いなくそうしてくれる。

……でも、それだと結局私は何なの?

今までの私。

何も出来なくてただゲンキ君に守ってもらうだけの子供の私。
悪い人に人質にされる役立たずの私。
助けられるはずだったゲンキ君を助けられなかった頭の悪い私。

―――そして、ゲンキ君が死んだ後も仇さえ討てない口だけの私。


惨めだよ、このままじゃ惨めなだけだよ……


私、そんなの嫌だよ!
このまま何も出来ない子供でいるのは嫌!
ゲンキ君が私にくれた勇気は何だったの?

ナビも言ってくれたよね、『諦めたらそこで試合終了でありますよ』って。
私、諦めたくない!
本当に敵討ちがしたいんだよ!

ゲンキ君の事を思い出す、アスカの事、自分の事も思い出す。
そうだよ、もうあんな自分に戻りたくないよ!

気持ちがだんだん落ち着いてくる。
震えが治まって、ちゃんと銃を構えられるようになった。

「ごめん、朝倉さん……死んでください」

大丈夫、私銃を撃てるよ。
朝倉さんには恨みなんて無いけど、このままじゃ行かせてもらえないから。
だから―――その命、貰います。

もう怖くなかった。
落ち着いて引き金を引いたら銃声がして朝倉さんの身体が揺れた。
私は学校を出ようと走り出して―――すぐ足を止めてしまった。




……どうして私止まっちゃったの?


自分でもわからないけど、何かおかしいって頭に引っ掛かっている。
振り返ると朝倉さんはちゃんと倒れてた。
そしてヴィヴィオちゃんが傍に近寄って泣いている。
ナビ達も何か言っているみたいだけど私の耳には全然入ってこなかったよ。

私、今度は気付かなくちゃいけない。
あの時、小砂って人に気付かなかったばっかりにゲンキ君を死なせちゃったからもう繰り返したくない。
気のせいだって片付けたら何も変わってない事になるよ。


朝倉さん、これで死んでくれたのかな?

確かに当たったと思う。
そして倒れて動かなくなってる。
でも、ゲンキ君が撃たれた時となにか違う。
あの時の光景と今見てる光景を頭の中で比べてみた。

―――そういう事なんだ

ゲンキ君の時との違いに気付いて私は近くのティバッグを開けました。
たぶん朝倉さんのものだったと思う方、中を探すとちょうど良い物が見付かった。
私はそれを取り出してもう一度朝倉さんに近付いた。

あの時、ゲンキ君は撃たれて体からたくさんの血が出たんだよ。
でも朝倉さんの身体はきれいなままだよね。
これってどういう事?
答えは簡単だよ。

―――本当は、朝倉さんは生きているって事だよね?

ヴィヴィオちゃんは相変わらず泣いていて私に気付きません。
泣き声でナビ達の声も全然聞こえてないみたいだよ。
もうこんな近くに居るんだけど。

「なーんちゃって! びっくりした?」

やっぱりでした。
突然朝倉さんが目を開けてそんな事を言ったの。
それを見てヴィヴィオちゃんが驚いて泣き止んだ。
けど、すぐ私に気付いたみたいで本当に驚いた顔してました。

私は本当に落ち着いて動けました。
すぐ朝倉さんに馬乗りになって今度こそ本当に殺そうと大きなナイフを振り下ろした。
ヴィヴィオちゃんに見られちゃうけど仕方ないよね。


―――ねえゲンキ君、私今度は気付く事が出来たよ?




       ※       ※       ※



『Ms.朝倉、すぐに起きてください!』

驚かしてごめんね、と目を開けたらヴィヴィオちゃんはぽかんとしていた。
悪い事したわね、と心の中で謝罪している最中に突然聞こえたのがバルディッシュの警告だった。

けど起き上がる間も無く妹ちゃんが私の胸の上に乗っかってきた。
世間ではマウントポジションって言われてるアレね。

そして振り下ろされるボウイナイフ。
ちょっと! この展開はイレギュラー過ぎるわよ!

即座に首を捻る。グギッとした、あー痛い。
でもナイフはグラウンドに突き刺さってくれた。
警告が無かったら目から頭の中までズブリだったわね、これは妹ちゃんも本気って事か。

妹ちゃんがナイフを振り上げる前に爆発的に胸を跳ね上げてブリッジ。
持ち上げと捻りの運動量を同時に与えて振り払う、狙い通り妹ちゃんの身体は飛んだ。
突然肩に走った鋭い痛み、跳ね上げられながら切り掛かるとはね。

すぐさま距離を取って対峙する。
妹ちゃんはもうナイフからクロスミラージュに持ち替え構えてた。

「……やってくれるじゃないの、小娘の分際で」

ロングにしてた髪がバッサリ斬られりゃ女なら誰だって怒る。
肩の傷はメイド服ごと修復しながら妹ちゃんを睨みつけた。
(こっそり首も治したのは内緒だけど)

「小さいからって甘く見ないで下さい、嘘つきお姉さん」

睨み返すとは随分生意気になっちゃって。
読み違いも読み違いだわ、こりゃ。

「朝倉さんは覚悟を見せろって言ってたよね、だから撃ったのにそんな事言われるなんて酷くないですか?
 本当に殺すまで私の覚悟は認めてくれないですか? それなら続けてもいいですよ」

これまた威勢のいい事言う様になったわね。
う~ん、でも実際嘘付いたのは確かだし、殺しなさいって言っちゃったし……
困った、うまい言い訳が思いつかないわ。

かといってここで戦うのも無益よね。
今の妹ちゃんは殺す満々でおまけに武器持ち、こっちは丸腰。
勝てる自信がない訳じゃないけどはっきり言って下策だわ。

―――別に妹ちゃんを殺す理由も無いし。




「ふ、二人共落ち着いて、ね?」

睨み合っていたら慌てたヴィヴィオちゃんが割り込んできた。
私と妹ちゃんを交互に見て『お願いだから止めて』って目で訴えている。
さすがにこれ以上この子を不安がらせる事はしたくないか。

「わかった! 私の負け、妹ちゃんの覚悟は認める!」

両手を上げて全面的降参。
どんなものでも現実は認めるしかないわね。
全く、うまくいかない事ばかりなんだから……

「本当ですか!?」
「ええっ!! ふ、二人共考え直してよ!」
『ゲローッ! なんて事に!』
『フン、あんなモン見せられりゃ俺には何も言えねえな!』

反応は様々だけど喜んでいるのは妹ちゃんだけでヴィヴィオちゃんとその他大勢は反対か、当然でしょうね。
……そんな事言うなら自分達で妹ちゃんを何とかしてみなさいよ。
全く、余計な事しなきゃ良かったわ。

ま、とにかくこれでアスカを追いかける目処はついたか。
足手まとい二人がいちゃ無理って諦めかけてたけど、妹ちゃんの変化はそっちに都合が良いしね。

残るはヴィヴィオちゃんの扱いね。
一人ぐらいならフォローできるけど、学校でキン肉マンとゼロスさんが戻るのを待ってもらうという選択肢も一応有る。
ここは本人の希望を聞いてみるとするか。

「ヴィヴィオちゃん、私と妹ちゃんはこれからアスカと小砂を追うつもりよ。貴方はどうしたいのかしら?」

私自身は連れて行きたいんだけどこればかりは無理言う訳にもいかないしね。




       ※       ※       ※




ゲンキ君、ひとまず朝倉さんに認めてもらう事には成功したよ。
ナビさん達にヴィヴィオちゃんは何度も考え直してって頼んでくるけど私は変えるつもりは無いよ。

でも断るのも疲れるからいい加減諦めてほしいな、って思ってたら朝倉さんからヴィヴィオちゃんに声が掛かったの。
私と朝倉さんと一緒に行くか、学校で他の人の帰りを待つかって。
私はどっちでも良かったけどヴィヴィオちゃんはすぐ答えた。



「私も一緒に行くよ。妹さんが……心配だし」

心配してくれるのは嬉しいけど、私よりヴィヴィオちゃんの方が心配そうに見えると思うよ?
ほら、そんな泣きそうな顔してちゃ駄目だよ。

「その前に……ゲンキ君って、言ったわね。まず彼をどこかに移してあげましょうか」

そうだよ、ゲンキ君をいつまでもこんな場所に寝かせておくなんて可哀想だよ。
でも時間は掛けられないって朝倉さんは言ってる、そうだ!

バッグを見て思い出したよ。
あの時、私が中に隠れようって試したら失敗しちゃったよね。
でも今なら……

慎重にゲンキ君を足からバッグの口に入れてみる。
ゆっくり入れてもゲンキ君は飛び出して来ない。
うん、大成功!

チャックを閉めて持ち上げる。
全然重くない、開ければちゃんとゲンキ君が居るよ。
これなら一緒に居られるよね。

……あれ? 何でヴィヴィオちゃんさっきより悲しそうな顔しているの?
ナビさん達も何か言ってるけど重くないんだし問題ないと思うよ。
朝倉さんはちょっと怖い顔していたけど、それだけでした。

探すとあの時落ちたゲンキ君の銃も見つかったよ。
私はますます敵討ちがうまくいくって気がしてきた。
ソーサーは壊れちゃってたから置いて行く事にするね。

朝倉さんとヴィヴィオちゃんの準備はすぐ終わったみたいで校門で待ってくれてた。
私が最後だ、待たせちゃってごめんなさい。
そう謝ったら朝倉さんが私に手を差し出してきた。

「借りたものは返しなさいって習わなかったかしら?」

あ、そうだった。
クロスミラージュ、私が持ったままだったんだ。
やっぱり返さなくちゃいけないよね。

「……ごめんなさい」
「もう一つは?」
「あ……勝手に取っちゃってごめんなさい」

バッグを開けたの怒られるかもしれないってヒヤヒヤしながら二つとも朝倉さんに出す。
すると朝倉さん、クロスミラージュは受け取ったけど大きいナイフの方はすぐ私に戻してきた。
え? これ私が持っていていいの?
驚いてる私の肩に朝倉さんが腕を置いた。

「いい? これからあんたにはキリキリ働いてもらうから覚悟しときなさいよ?」
「は、はいっ!」

慌てて返事する。
つまりその為のナイフって事なんだ。
でも朝倉さん人使い荒そうで心配だよ……。

そしたら最後、ボソッと耳元で言葉が聞こえた。




(……小娘なんて言って悪かったわね、期待してるわ)

え? えっ?
本当にそう言ったの?
私、嬉しいよ。
思いっきり頑張るね! 見ててねゲンキ君!

喜んでると朝倉さんの手が顔に当てられた。
なんだか暖かい、それに痛かったのが消えちゃってる。
でも途中で止めてもらった、あの時の失敗を繰り返すのは嫌、忘れないように残したいって言ったの。
家に帰らないんだからこれでもいいよね。

そしてみんなで学校を出たよ。
朝倉さんが前を行って私とヴィヴィオちゃんが一緒にその後を付いて行くの。

私と朝倉さんは周りを見てるけどヴィヴィオちゃんは何故かずっと私を見ているよ。
う~ん、私もいろいろお話してもっと仲良くなりたいんだけど今は無理なの、ごめんね。

でも手は繋いでいるからその分仲良くなれたかな?
笑うとヴィヴィオちゃんも少し笑ってくれたんだよ。

一緒に居られるのはあと少しだと思うけどよろしくね。

きれいな夕焼けだよね。
私、随分学校に居たって事なんだ。
入った時はゲンキ君が死んじゃうなんて思わなかった。

でも。

あそこでゲンキ君やハルにゃんが待っててくれてるんだね。
アスカや小砂が居なくなればまたお話できるね。


―――早く会おうね、ゲンキ君




       ※       ※       ※





豚もおだてりゃ木に登る……か。
ま、妹ちゃんは当分これで何とかなるかな?

一見機嫌の良さそうな妹ちゃんとヴィヴィオちゃんが後ろを付いて来ているのを確かめてそんな事を考えた。
クロスミラージュはまだ誰も探知していない、もっと先に進んでからが本番か。

あの変わりようからして恐らく、ううんかなりキてる。
無理に説得を続けても良い結果が得られる可能性は高くなかった。
なら暴れられたり一人で行かせるよりコントロールできる形で暴走させるのが今は一番かしら。

ま、気絶したりしてかなり時間を無駄にしたからこれ以上足止めされたくないって気持ちも確かにあったしね。
それに私が余計なことするよりヴィヴィオちゃんの方が妹ちゃんの心証が良いって正直に認めるしかないか。
少なくとも妹ちゃんには時間が必要だわ。

……せめて髪の分は働いて返してもらわないとね

そっと手ぐしで一部が短くなった髪をすく。
服は直せても髪の長さまでは直せなかった、やってくれるじゃないの根暗女め。

そして私は視線を前に戻す。
日没が近くなって街路灯が点灯し始めている。
夜でも市街地は完全な闇にはならないみたいね。


―――さて、アスカと小砂ならどこに隠れようとするのかしら?




       ※       ※       ※




(涼子お姉ちゃん一体何考えてるの? 妹さんを止めなくちゃいけないと思わないの?)

ヴィヴィオには妹だけではなく朝倉の気持ちも解らなくなってきた。
敵討ちしますって言い出してからの妹の様子はヴィヴィオの目から見ても健全から外れていると思う。

(そんな事したって絶対ゲンキ君は喜ばないし、妹さんのママだって悲しむのに)

他の行動を遅らせても説得するなり抱きしめるなりして考えを改めさせるのが正しいやり方ではないかと考えてしまう。
だがナビ達と一緒になって妹を説得しようと何度やっても通じてくれない
妹がうんざりした顔を見せ始めて、さすがにこれ以上続けられないと今は黙っているしかなかった。

(でも……続けてれば妹さんも解ってくれるよね)

繋いでいる手に力を込めると妹がギュッと握り返してくれる。
心配ないよ、と笑顔を向けてくれる妹にヴィヴィオも笑い返した。

言葉の説得は不調に終わった。
だからこそヴィヴィオは妹の手を握っていようと決めた。
生きている人は、こんなにも温かいんだって伝えるために。







【C-3 中学校高校付近/一日目・夕方】



【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】健康、疲労(中) 、ダメージ(小)
【持ち物】鬼娘専用変身銃@ケロロ軍曹、クロスミラージュ@リリカルなのはStrikerS
     不明支給品0~1(武器では無い)、メイド服@涼宮ハルヒ、ディパック(支給品一式)、新・夢成長促進銃@ケロロ軍曹
【思考】
0、アスカと小砂を追う
1、キョンを殺す
2、長門有希を止める
3、古泉、みくる、サツキを捜すため北の施設(中学校・図書館・小学校の順)を回る。
4、基本的に殺し合いに乗らない。
5、ゼロスとスグルの行方が気がかり。
6、小砂とは交渉したい
7、まともな服が欲しい。
8、できればゲーム脱出時、ハルヒの死体を回収したい。
9、ヴィヴィオの変化が気になる。
【備考】
※長門有希が暴走していると考えています。
※クロスミラージュを改変しました。元に戻せるかどうかは後の書き手さんにお任せします。
※制限に気づきました。
肉体への情報改変は、傷を塞ぐ程度が限界のようです。
自分もそれに含まれると予測しています。
※アスカと小砂(顔は未確認)が殺しあいに乗っていると認識。




【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】顔に傷跡(鼻より上の位置を横一線に斬られている、治療済み)、地球人専用専守防衛型強化服(起動中)、強い決意
【持ち物】『人類補完計画』計画書、地球人専用専守防衛型強化服(起動中)@ケロロ軍曹、ディパック(基本セット一式×2)
     ボウイナイフ、S&WM10(リボルバー)(3/6)、佐倉ゲンキの死体入りディパック
【思考】
0、アスカと小砂を殺して自分も死ぬ
1、目的の邪魔にならない間は三人で行動する

【備考】
※キョンはハルヒの死を知って混乱していたのではないか、と思っています。
※kskネット内の「掲示板」のシンジの書き込みのみまともに見ました。
ゼロス以外のドロロの一回目の書き込み、および二回目の書き込みについては断片的にしか見えていません。
※アスカと小砂(顔は未確認)が殺しあいに乗っていると認識。



【ヴィヴィオ@リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(小)、深い悲しみ
【持ち物】バルディッシュ・アサルト(6/6)@リリカルなのはStrikerS、SOS団の腕章@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
0、キョンの妹をなんとかしたい
1、キョンを助けたい。
2、ハルヒの代わりに、SOS団をなんとかしたい。
3、なのはママ、スバル、ノーヴェをさがす。
4、スグルとゼロスの行方が気になる。
5、ゼロスが何となく怖い。
6、アスカお姉ちゃんが殺しあいに乗ったなんて……


【備考】
※ヴィヴィオの力の詳細は、次回以降の書き手にお任せします。
※長門とタツヲは悪い人に操られていると思ってます。
※キョンはガイバーになったことで操られたと思っています。
※149話「そして私にできるコト」にて見た夢に影響を与えられている?
※アスカと小砂(顔は未確認)が殺しあいに乗っていると認識。




※中学校グラウンドのどこかに、KRR‐SP(被弾により故障)があります。
※中学校の玄関の一部が、消火器の粉で汚れ、近くには消火器が転がってます。


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びっくりした? キョンの妹 Nord Stream Pipeline -on stream-
朝倉涼子
ヴィヴィオ




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