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なるか脱出!? 神社の罠(後編) ◆YsjGn8smIk



「ほう、私の一撃を食らって生きていたとはな。そうか、そういえば貴様も戦闘機人だったな」

ギュオーがそんな言葉を漏らすが、それに返事をする余裕なんてスバルにはなかった。
キョンの悲鳴を聞いて意識を取り戻しのだが、咄嗟に撃った魔法が当ったのは奇跡に近い。
視界が揺れ、ふらつく身体に何とか活を入れる。

(痛っ~……!)

木の幹に強かに叩きつけられたせいで背中が酷く痛んだ。でも背骨が折れていなかっただけ幸運だったのかもしれない。
それほどギュオーの一撃は凄まじかったのだ。

「く、ちくしょう!」

スバルがギュオーと睨みあって出来たその一瞬の合間を拾い、キョンが駆け出す。
神社の外を目指して一目散に。

「ええい、往生際の悪い! 逃がさんといってるだろうがッ!!」

ギュオーが咄嗟に重力指弾を放とうとしたが、その隙を逃すわけにはいかなかった。

「うおおおおおおおおおっ!」

スバルは残った力を振り絞って真正面から飛びかかった。
そして叫びながら全力で打ち出したスバルの右拳が今度こそギュオーの顔に突き刺さった。

「お……のれッ!」

だがギュオーは顔面を歪ませながら僅かに後退しただけだった。
そしてその巨体から繰り出される拳をなんとか避けながらスバルはうしろへと大きく跳ぶ。
信じられないタフネスだった。
しかしキョンにはそれで十分だったのだろう。
スバルがちらりと視線を動かすと、キョンはすでに神社の境内から姿をくらませていた。

「そんなに先に死にたいのなら、望みどおり貴様から先に殺してくれる!」

獣神将のその殺気に押され、一歩だけ後ずさる。
だけど、なんとかそこで踏み止まる。身体は既に限界に近い。
時間をかければかけるだけ勝率が下がっていく事をスバルは悟っていた。
故に――狙うは一撃必倒。

(接近してバリアブレイク、そのままディバインバスターでノックダウン……それに賭けるしかない)

それにはデバイスの――レイジングハートの協力がどうしても必要だった。
スバルはそっとレイジングハートに問いかける。

「レイジングハート、戦える?」
『はい。ただしリカバリーは60%程度しか終わっていません。
 今の状態では魔法が安定しない可能性がありますので、注意を』
「わかった。レイジングハート……セットアップ!」
『stand by ready.set up.』

刹那の後、スバルの左手には杖状のレイジングハートが、そして身体にはバリアジャケットが現れた。

「ほう、それがベルカ式魔法という奴か?」
「……?」

ギュオーのその言葉に僅かに疑問が湧くが、スバルはそれをあえて思考から追い出す。
一点集中、それしか活路はないのだから。

「いっくぞおおお!!」

だんっ! と、地面を踏み抜き前進する。
だがギュオーはスバルの接近を許さず、重力指弾でこちらの接近を阻む。

(これじゃあ、近付けない……!)

間断なく襲い掛かってくる重力の弾丸を避けているうちに、次第にギュオーとの距離が開いていくのを自覚する。
距離が開けば開くだけ不利になる――こちらの切り札は接近しなければ使えないのだ。
ジリジリと追い詰められるスバルにギュオーがじっとこちらを見据えて低く笑った。

「もう接近などさせんよ。IS『振動破砕』だったか? そんなものを使われては堪らないからな」
「……なんで」

それを知っているの?
その言葉にスバルは一瞬、気を逸らされた。――刹那、ギュオーが手を振り上げて衝撃波を放つ。

「――――っ!」

レイジングハートの自動防御が……僅かに間に合わない。
衝撃がバリアジャケットを通り抜けていくのを、スバルは声なき悲鳴をあげながら理解した。
痛みとショックに耐えながら、地面の上を転がり、スバルはその場に倒れこむ。

「貴様の事は全て知っているぞ、スバル・ナカジマ――いや、タイプゼロ・セカンドよ!」

獣神将がにやりと笑った。それを見て、スバルの背筋にぞくりと冷たい物が走る。
圧倒的な力と全てを見通すようなその眼差しにスバルは確かに恐怖を覚えてしまったのだ。

(勝てない……の? あたしの力じゃ……)

膝が震えて立ち上がることは出来ない。目が霞んで視界がぼやける。

「さて、私も忙しい。そろそろ死んでもらうとしよう」

ギュオーの全身に埋まっている球体が発光し、その腕の中に力が渦巻くのを感じた。
ウォーズマンを倒したあの技だと――そう意識した瞬間。

スバルの脳裏に急激にさまざまな思い出が浮かんだ。

ウォーズマンの顔が。
ナーガの顔が。
ガルルの顔が。
アシュラマンの顔が。
フェイトの顔が。

死んでいった人たちの顔が思い浮かぶ。

(これって……走馬灯?)

そして中トトロの顔が。
キョンの顔が。

思い浮かんではまた消えた。

(やだ……まだ、死にたくない。まだ、死ぬわけにはいかない)

まだ助けられてない、まだ何も出来ていない、まだ……まだっ! 
歯を食いしばり、足に力を込める。
その意思に――身体が応えてくれた。

(まだ……立てる。そうだよ、今のあたしは……泣いてるだけのあの頃のあたしじゃないんだから!)

厳しい教導に耐え抜いた身体はまだ動く、動いてくれた。
地面に手をつき、身体を支える、ゆっくりと立ち上がってレイジングハートを構える。
レイジングハートも応えてくれた。魔力がスバルの眼前に障壁を生み出す。

防げないかもしれない――そんな弱気が脳裏に閃くが、負けるもんかと歯を食いしばって弱気を振り払う。
スバルとは逆にギュオーは勝利を確信しているのか――笑みを浮かべていた。そして。

「では、さらばだ――ん?」

と。
収束した力をこちらに向けた瞬間。突如ギュオーの身体がぐらついた。彼の足元が揺れていたのだ。

「……地震か?」
「ギュオオオオオオオオォォォ――――っ!!」

地震――ではなかった。
それはドリル、それは竜巻、それは――螺旋回転する超人だった。
地下から飛び出してきた黒い竜巻は土を吹き飛ばしながらギュオーの身体をも弾き飛ばす。

「なんだとッーーー!?」

叫ぶギュオーと驚くスバルの間にその超人は着地し――呼吸する。

「コーホー」

と、腕を交差させてしっかりと。
そこには確かに彼が居た。死んだと思った黒い伝説超人(レジェンド)が。

「ウォーズマン! 馬鹿な、なぜ貴様が生きている!?」
「簡単な事だ。オレはセンサーが重力異常を感じたその瞬間、
 自ら超人削岩機(マッハ・パルバライザー)で地面の奥へと潜ることで、ダメージを最小限に抑えたのだ」

平然とそんな事を言われてギュオーが絶句する。

「ウォーズマン……さん?」

倒れそうになりながら名前を呼ぶと、黒い伝説超人は大きく頷いてくれた。

「遅れてすまない。固くなった地盤から抜け出すのに時間が掛かってしまった……大丈夫か?」
「はい……なんとか!」

さっきまでは本当に立ってるのがやっとな状態だったが……今は違う。不思議と力が沸いてくるのを感じていた。
自分が決して一人じゃない、その事が挫けかけていたスバルの心に不屈の力を与えてくれていた。

「リインとキョンは?」
「空曹長は……ここです」

すぐ近くで気絶していたリインをそっと手のひらの上に乗せながら、そう答える。
そして少し躊躇しながら、もう一人の行方も告げた。

「キョン君は……その、逃げました」
「なんだと!?」

ウォーズマンが驚愕すると同時に、超人の凄まじさに絶句していたギュオーもそこでようやく立ち直ったのか

「ぐううッ、このくたばりぞこないどもがッ!!」

怒鳴りながら猛然と重力指弾を撃ち出してきた。
ウォーズマンはスバルの身体を抱きかかえながら、大きく飛び退き重力指弾の雨から逃れる。
そして追うようにとんできた重力指弾が様々な物を破壊していく。
神木を、鳥居を、そして狛犬を……ギュオーとの射線上にあったあらゆるモノが破壊されていった。

そしてその時、不思議な事が起こった。
急に大地が鳴動し始めたのだ。

「な、なんだ!?」

再度振動する地面に流石に警戒したのかギュオーは空中へと浮かび上がった。
だが、今度はギュオーの足元だけではなく神社全体が鳴動していた。
物陰に隠れながらそれを見ていたウォーズマンが口を開く。

「スバル。ここはオレに任せてお前はキョンを追え」
「え、でも……ウォーズマンさんは?」
「オレは正義超人としてギュオーとの決着をつけなければならない。
 ……だが、このままキョンを放っておくわけにもいかないんだ」

そこまで厳しい表情だったのだがふと、表情を緩めてウォーズマンは続ける。

「元・残虐超人だったオレにはわかる。
 放送時のあの動揺……奴は自らが行った残虐行為を後悔している。
 だが、一人になれば奴はまた罪を犯してしまうだろう。しかし……お前が居れば。
 お前のテンダーハート(優しい心)が隣にあれば……奴は正道へ帰る事が出来るかもしれないぜ!」

そのウォーズマンの言葉に、スバルは嬉しさと不安がない交ぜになる。

「で、でも! いくら何でもウォーズマンさん一人じゃ!」
「行けスバル! これはギュオーを信じたオレの責任。お前はお前が出来る事をするんだ!」

その強い言葉に押されるようにスバルは吹っ切る。

「わかり……ました! ウォーズマンさん、どうか無事で!」
「ああ、お互いやるべき事が済んだら先ほどのリングで合流しようぜ!」
「はい!」

そしてギュオーが振動する神社に気を取られているのを確認するとウォーズマンが叫ぶ。

「いまがチャンスだ。行けっ、スバーーール!」

ギュオーの注意が逸れているその隙に――スバルはキョンが消えた草むらへと飛び込んでいった。


☆ ☆ ☆ 


沈みかけの太陽の光が木々の隙間から僅かに漏れる。
そんな薄暗い山道を俺はひたすら走り続けた。
視界ははっきり言って悪い。何度も木の根に足を取られて転びかけていたぐらいだ。

こういう薄暗い夕暮れ時の事を逢魔時とか言うんだったか。
確か魔物が出るような時間帯って話だったはずだが――現状では洒落にもならない。
いま現在、俺は魔物から命がらがら逃げ出しているんだからな。

逃げる、逃げる、後ろも見ずにひたすら逃げた。
魔物から?

いや、何も考えたくないのに次から次へと襲い掛かってくるこの現実からもだ。
頼むから休ませてくれよ。今だけは何も考えたくないんだ。
だというのに、なんであんな怪物に命を狙われなきゃならないんだ。
ああ、ハルヒの声が聞きたい。……そう思わずにはいられない。
一日前の俺が聞いたら笑っちまうだろうが今だけは真剣にあいつの声を聞きたい……強く、そう思った。
あいつの声が聞こえたら、何も考えずに済むんだ。
ただあいつを生き返らせるために、ゲームを終わらせる事だけを考えてればいい。
あいつの為に殺せばいいんだ。

そしてまた後悔するのか?

胸が軋む。
朝比奈さんと妹が死んだ、たったそれだけの事で俺はおかしくなっちまった。
なんだか知らんが、妙な事ばかり思い浮かぶ。

もう止めようぜ、俺には無理だったんだ。
古泉を殺せるのか? それにたとえば長門を殺せるか?
無理だ。朝比奈さんと妹が死んだと知ったぐらいでこんなに無様に迷っている俺が、殺せるわけがない。
それともまた雨蜘蛛のおっさんにでも頼むか? 殺してくれって。

胸が軋んだ。
そして激しい胸の痛みに思わず足を止めて胸を押さえていたら――バクン、と。
突然、強殖装甲が解除された。

「う……がっ」

殖装が解けて俺の身体に強烈な痛みが襲いかかってくる。
ガイバーじゃなくなったからだ。……気が遠くなる。
なんで……ガイバーが解除されちまったんだ? 
なんだよ、これは……わけがわからねえよ!

「ガイバーーーーー!」

地面に転がりながら俺は力の限りガイバーを呼んだ。
呼んだと言うのに――何も変わらない。
たしか解除されても呼べば次元の狭間から来るはずだろ。なんで来ないんだよ?
説明書に書いてあったあれは嘘だったのか?

くそ、痛みで気が遠くなる。
どうなってるんだ……ガイバーがなければ、殺せない。
ああ、気が遠くなる、だが意識は……失いたくはない。
また『俺』に……会うのはごめんだ、せめて、ハルヒに会わせてくれ。
そうすれば……俺は……。

☆ ☆ ☆ 

何か声の様なものが聞こえて思わず振り向いた。

「?」

そしてトトロが声が聞こえたほうへと歩いていくと、そこには人間が倒れていた。

「ガルッ!」

血の臭いを感じてライガーが唸る。
その人間の体から濃い血の臭いがしたからだ。
びっくりした顔でトトロが見ていると、その横をすり抜けピクシーがその人間に近づく。

「~~?」

ピクシーはその人間が動かない事を確認すると、抱き起こした。
その拍子にうつ伏せに倒れていたその人間の顔がトトロにも見えた。

「!」

トトロの目が見開かれる。
その顔が……見た事のある顔だったからだ。

「――ハァ!」

ピクシーがその人間に気合を込めて回復魔法をかける。
トトロはそれを横目に手のひらに僅かに残っていた手紙の切れ端をじっと見つめていた。

「キュクルー?」
『それは……先ほどの手紙。もしかしてこの人物が?』

フリードとその首にかかっているケリュケイオンがトトロに尋ねる。
それにトトロは無言で頷き、倒れている人間に近寄った。
近くで見るとその人間が負っている傷は――深い。

「フ~~」

回復魔法を使い続けていたピクシーも、そんな声をあげてへたり込んでしまう。
どうやらこれ以上、回復魔法を使うのは無理みたいだった。
人間の傷は、まだ治りきっていない。

「…………」

トトロはゆっくりとその両腕でそっとその人間を抱え上げた。

『どうするのですか?』

ケリュケイオンの言葉にトトロはにっ、と笑って駆け出した。
風のように、疾風のように。
木々がつくり出す森の抜け道を全力で走り続ける。
トトロは知っていたのだ。

傷ついた動物が温泉で療養するという事を。


【G-3 森(F-4との境界線付近)/一日目・夜】

【トトロ@となりのトトロ】
【状態】腹部に小ダメージ
【持ち物】ディパック(支給品一式)、スイカ×5@新世紀エヴァンゲリオン
     フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     ライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~、ピクシー(疲労・大)@モンスターファーム~円盤石の秘密~
     円盤石(1/3)+αセット@モンスターファーム~円盤石の秘密~、デイバッグにはいった大量の水
【思考】
1.自然の破壊に深い悲しみ
2.誰にも傷ついてほしくない
3.キョンを温泉にいれて療養させる
4.????????????????

【備考】
※ケリュケイオンは現在の状況が殺し合いの場であることだけ理解しました。
※ケリュケイオンは古泉の手紙を読みました。
※大量の水がデイバッグに注ぎ込まれました。中の荷物がどうなったかは想像に任せます


【名前】キョン@涼宮ハルヒの憂鬱
【状態】気絶、ダメージ(中)、疲労(特大)
【持ち物】デイパック(支給品一式入り)
【思考】
0:ハルヒの声が聞きたい。
1:手段を選ばず優勝を目指す。参加者にはなるべく早く死んでもらおう。
2:ギュオーから逃げる。
3:採掘場に行ってみる?
4:ナーガが発見した殺人者と接触する。
5:ハルヒの死体がどうなったか気になる。
6:妹やハルヒ達の記憶は長門に消してもらう。

※ゲームが終わったら長門が全部元通りにすると思っていますが、考え直すかもしれません。
※ハルヒは死んでも消えておらず、だから殺し合いが続いていると思っています。
※みくると妹の死に責任を感じて無意識のうちに殺し合いを否定しています。
 殺す事を躊躇っている間はガイバーを呼び出せません。

☆ ☆ ☆ 

『スバル。対象が移動を開始しました』

エリアサーチでキョンらしき『複数』の反応を捉えていたレイジングハートがそんな報告をしてくる。
あと数十メートル程度の距離まで追い付いていただけに、その報告はスバルの気勢を僅かに削いだ。
そんなスバルの頭の上から悲鳴があがる。

『キョンとその人たちが一緒に歩き始めたって事ですかぁ? ……それって危険ですぅ!』

それは少し前に意識を取り戻したリインだった。
ダメージが大きく、自力での飛行が困難なためスバルが頭の上に乗せていたのだ。

スバルはふらつく身体をなんとか前進させながらその言葉の意味を考え、ふいに理解した。
確かにリインの言う通り――危険だった。
キョンと一緒に居るのが殺し合いに乗っている人間だったら、キョンが。
そして乗ってない人間だったら場合は、その人たちの命が。
スバルは迷路のような木々の間を、早足ですり抜けながらレイジングハートへと問いかけた。

「レイジングハート、まだ……見失ってないよね?」
『はい。ですが対象は異常な速度で移動をしています。
 現在の速度差ではあと十数秒ほどでサーチエリアの外へと離脱されてしまいます』
「もっと速度を上げないと……追いつけないって事だね」

萎えた足に力を込める。大丈夫――走れる。
身体も魔力も限界なんてとっくに超えていた。
だけど、それでも――走る。まだ走れた。

闇に覆われ始めた漆黒の森をレイジングハートの誘導に従いスバルは駆け続けた。
足はしっかりと動いてくれていた。だけど。

「ごほっ……ごほっ」

突然、咳が出る。
息が詰まり、流石に立ち止まって手で口を押さえた。

『スバル!?』

頭上からリインの驚いたような悲鳴が聞こえる。
そしてリインが何に驚いているのか、スバルにもすぐに判った。
口に当てた手のひらが――赤く染まっていたのだ。
一瞬、何が起こったのかまったく理解できず、スバルは硬直する。

『危険です、スバル。すでにダメージは危険領域を越えています。休息を進言します』
『ですぅ! 無茶はいけませんよ。もしかしたら内臓にダメージがあるのかも……』

レイジングハートとリインがそう警告してくれたが、スバルは笑って言った。

「大丈夫ですよ。さっきの戦いでちょっと口の中を切っただけですから」
『でもぉ……』
「ここで止まれません。止まるわけには行かないんです!」

ギュッと腕で口を拭いながら、心配そうなリインを安心させるように力強く、宣言するように言った。

『キョンの為ですかあ?』
「それもあります……でも、それだけじゃないんです。これは自分の為でもあるんです。
 今ここで止まったら、今ここで出来る事をやらなかったら、絶対後悔するって思うんです」

理想を信じてくれたウォーズマンやガルルの為にも……止まるわけにはいかなかった。

『スバルの決意はわかりました……。でもキョンを捕まえたら絶対に休んでくださいね?』

心配そうに、だがそれでもリインはそう言って認めてくれた。
それにしっかりと頷いてスバルは再び駆け始める。自身の信じるモノの為に。


【F-4 森(G-3との境界線付近)/一日目・夜】

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(特大)、魔力消費(特大)、今の状態で身体を酷使すると吐血します
【装備】メリケンサック@キン肉マン、レイジングハート・エクセリオン(修復率60%)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【持ち物】支給品一式×2、 砂漠アイテムセットA(砂漠マント)@砂ぼうず、ガルルの遺文、スリングショットの弾×6、
     ナーガの円盤石、ナーガの首輪、SDカード@現実、カードリーダー
     大キナ物カラ小サナ物マデ銃(残り7回)@ケロロ軍曹、
     リインフォースⅡ(ダメージ(中))@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
0:キョンを追う。殺し合いに戻るようなら絶対に止める。
1:機動六課を再編する。
2:何があっても、理想を貫く。
3:人殺しはしない。なのは、ヴィヴィオと合流する。
4:I-4のリングでウォーズマンと合流したあとは人を探しつつ北の市街地のホテルへ向かう (ケロン人優先)。
5:オメガマンやレストランにいたであろう危険人物(雨蜘蛛)を止めたい。
6:中トトロを長門有希から取り戻す。
7:ノーヴェのことも気がかり。
8:パソコンを見つけたらSDカードの中身とネットを調べてみる。

※大キナ物カラ小サナ物マデ銃で巨大化したとしても魔力の総量は変化しない様です(威力は上がるが消耗は激しい)
※リインフォースⅡの胸が大きくなってます。
 本人が気付いてるか、大きさがどれぐらいかなどは次の書き手に任せます。


☆ ☆ ☆ 


それはある意味ショッキングな光景だった。
特にギュオーにとっては。

「神社が変形する……だと……!」

ギュオーが呆れたような驚いたような微妙な呻きを漏らした。
そう、ギュオーの言うとおり神社は機械的な動きで変形をしていった。
屋根だけは原型を留めているが、他は壁だろうが床だろうが関係なく、動き、曲がり、合体していく。
そして神社だったものはウォーズマンにとって見慣れたある物へとその姿を変態し終える。
それは。

「……リングか」

思わず呟く。
そう、スポットライトに照らされたそれは――どう見てもリングだった。
屋根とそれを支える柱だけを残して神社の壁や床は変形してリングとなっていたのだ。

「な、なんだこの……ありえん変形は……!」

変形してリングに変わる神社など始めて見たのだろう。ギュオーはその瞬間、完全に戦いを忘れていた。
だが、長い年月様々なリングを見てきたウォーズマンはその驚愕から立ち直るのもまた早かった。

「スクリュー・ドライバー!」

ウォーズマンは大きくジャンプをするとその身を黒い竜巻へと変えて空中で佇むギュオーに襲い掛かった。
しかし、ギュオーはやはり只者ではなかった。
直前でそれに気付くと咄嗟にバリアを張って受け止める――が。

「なにいッ!?」

それでも尚、ギュオーは驚愕の声をあげた。
確かにバリアで受け止めはしたのだが――黒い竜巻はバリアごとギュオーを押し始めたのだ。

「ぬ……!」

荒れ狂う黒の奔流に押しやられるようにギュオーはリングの上へと着地した。
そしてウォーズマンも回転を止め、リング上へと身を躍らせながら宣告する。

「ギュオーよ。このリングで相手をしてやる!」

ウォーズマンは超人レスラーだ。
リングの上でこそ100%の力を発揮できる。故にリングでの決着を望んだ。
ただ、それだけだったのだが――それはウォーズマンにも予想しえない事態を引き起こした。

『警告。シールデスマッチモードの発動を確認。現時点からリング外は全て禁止エリアとなる。繰り返す。警告――』

いきなり首輪からそんな警告が発せられ

「……!」
「なんだとッ!」

図らずも二人の動きが同時に止まった。
そして首輪は数度警告をすると完全に沈黙してしまい、それ以上の情報は何も得られなかった。

「どういう事だ……まさか主催者どもは私達をこのリング上に閉じ込めたのか?」
「首輪の警告を信じるならばそういう事になるな……」

敵同士だというのにギュオーが漏らした独白に思わず返事をしてしまう。
距離を取りながら、思考の迷宮に入りかけていた二人だが……異常事態は止まる事をしらず、更に襲い掛かってきた。

ゴゴゴゴ。

と。
再び地面が鳴動する。

「今度はなんだ?」

ギュオーが呻きながら尋ねてくるがウォーズマンに答えられる筈もない。
そしてしばらくするとリングの中央の床から何かがせり出してきた。



 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 | 僕は実況中トトロ!,|
 |_________|
    .∧ | ∧     
   ,i  |_,! i、    
   i .。 |_ 。, `i    
   i -ー、―-、 |    
   i ,/"^ヘ^i i   
   i i'       | |   
   i ヽ_,._,/ ,'   
    ゙ー---―'  


呆然とした二人が正気に戻るのには数分を要した。

☆ ☆ ☆ 

「そうか、お前がスバルが言っていた中トトロか」
『スバルを知ってるの?』
「ああ。少し前までこの場に居たぜ」
『スバル……元気だった?』
「ええい、関係ない話をしている場合か! 動物ッ! つまり貴様はこの試合のジャッジをするというのだな?」

ウォーズマンが主導となり中トトロから事情を聞きだしていたのだが、話が逸れた事に苛立ったギュオーが割り込んで来た。
その苛立たしげな様子は先ほどの放送で『主催者への攻撃のペナルティ』、『かわいい部下も対象』という
あの警告がなければ中トトロを締め上げていただろう、とウォーズマンが確信するぐらい荒々しかった。

『実況役でもあり、観客でもあるよ』
「なるほど、つまりは先ほど長門がやっていた――」
「貴様の立場は判った。それでシールデスマッチモードとはなんだ? 何故リング外がすべて禁止エリアとなったのだ!」

などと、ウォーズマンを押しのけて、またギュオーが質問をする。
言葉を遮られ、内心で思うところもあったが――その疑問はウォーズマンも持っていたので黙って見守る。

『じゃあ説明するね』

と、二人の視線を浴びた中トトロは軽く頷きながら説明をはじめた。
たどたどしいその説明を簡単に纏めるとこうだ。

  • シール(封印)デスマッチモードとはリング上での決着がつくまでリングの外が全て禁止エリアとなり、
 勝負から逃げ出す事が出来ない特殊なデスマッチである。
  • ただしリングアウトしたからと言って即座に首輪が発動する事はない、一分間だけ猶予が与えられる。
  • 勝者がリングの上に設置されている籠の中に敗者を入れることで試合終了。
 その時点でシール・デスマッチモードは解除され、リング外全禁止エリア化は消滅する。

「なるほどな、大体わかった。つまり変則のケージマッチみたいなものだな?」

ウォーズマンは天井から吊るされていた鉄柵で出来た籠の様なものを見ながら尋ねる。
気になってはいたのだが、恐らくあれが敗者を放り込む檻なのだろう。

『その通りだよ! それで、あの……』
「まだ何かあるのか?」

僅かに躊躇ったような中トトロの言葉を聞いてウォーズマンは先を促す。

『今回は少し問題があって、その、あと三十四分以内に勝負がつかなかった場合、二人とも……溶けちゃいます』

あっさりと告げられた、そのとんでもない言葉にギュオーが驚愕したように絶叫する。

「な ん だ と !」
「……! しまった、そういう事か~~っ!」
「そういう事とは……どういう事だウォーズマン!?」

接近してくるギュオーに思わず先制攻撃をしそうになったが、
ウォーズマンのフェアプレイ精神がそれを辛うじて押し留める。
それでも流石に冷静ではいられず早口でその事実をギュオーへと伝えた。

「ギュオーよ、先ほどの放送を思い出せ。
 このエリアはあと三十四分……いや、正確にはあと三十三分二十四秒後には禁止エリアになるんだぜ――っ!」
「そうか! つまりそれまでに決着をつけ、このエリアから離れなければ二人して液体化する……そう言う事か!?」

ギュオーの問いかけに中トトロが頷く。

『そういう事です。なので早く試合を開始して決着を――』

そんな中トトロの言葉を最後まで聞くまでもなくギュオーは動いた。

「うおおおおおおおお! いくぞ、ウォーズマンッ!!」
「よかろう、来いギュオーーーっ!!」

カーン、と。高らかに試合開始のゴングが鳴り響いた。
今、主催者すら予測しなかったであろうデスマッチが始ったのだった。

F-5が禁止エリアになるまであと――三十三分。



【F-5/神社/一日目・夜】

【リヒャルト・ギュオー@強殖装甲ガイバー】
【状態】 全身軽い打撲、ダメージ(中)、疲労(中)
【持ち物】参加者詳細名簿&基本セット×2(片方水損失)、首輪(草壁メイ) 首輪(加持リョウジ)、E:アスカのプラグスーツ@新世紀エヴァンゲリオン、
     ガイバーの指3本、空のビール缶(大量・全て水入り)@新世紀エヴァンゲリオン、
     毒入りカプセル×4@現実、博物館のパンフ
     ネルフの制服@新世紀エヴァンゲリオン、北高の男子制服@涼宮ハルヒの憂鬱、クロノス戦闘員の制服@強殖装甲ガイバー
【思考】
1:優勝し、別の世界に行く。そのさい、主催者も殺す。
2:ウォーズマンを倒しこの場から脱出する。その後、キョンを殺してガイバーを手に入れる。
3:自分で戦闘する際は油断なしで全力で全て殺す。
4:首輪を解除できる参加者を探す。
5:ある程度大人数のチームに紛れ込み、食事時に毒を使って皆殺しにする。
6:タママを気に入っているが、時が来れば殺す。

※詳細名簿の「リヒャルト・ギュオー」「深町晶」「アプトム」「ネオ・ゼクトール」「ノーヴェ」「リナ・インバース」「ドロロ兵長」「加持リョウジ」に関する記述部分が破棄されました。
※首輪の内側に彫られた『Mei』『Ryouji』の文字には気付いていません。
※擬似ブラックホールは、力の制限下では制御する自信がないので撃つつもりはないようです。
※ガイバーユニットが多数支給されていると推測しました。
※名簿の裏側に博物館で調べた事がメモされています。
※詳細名簿の内容をかなり詳しく把握しています。


【名前】ウォーズマン @キン肉マンシリーズ
【状態】全身にダメージ(中)、疲労(大)、ゼロスに対しての憎しみ、サツキへの罪悪感
【持ち物】デイパック(支給品一式、不明支給品0~1) ジュエルシード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     クロエ変身用黒い布、詳細参加者名簿・加持リョウジのページ、タムタムの木の種@キン肉マン
     日向ママDNAスナック×12@ケロロ軍曹
     デイバッグ(支給品一式入り)
【思考】
1:ギュオーを倒し、この場から脱出する。その後はI-4のリングでスバルを待つ。
2:タママの仲間と合流したい。
3:もし雨蜘蛛(名前は知らない)がいた場合、倒す。
4:スエゾーとハムを見つけ次第保護。
5:正義超人ウォーズマンとして、一人でも多くの人間を守り、悪行超人とそれに類する輩を打倒する。
6:超人トレーナーまっくろクロエとして、場合によっては超人でない者も鍛え、力を付けさせる。
7:機会があれば、レストラン西側の海を調査したい
8:紫の髪の男だけは許さない。
9:パソコンを見つけたら調べてみよう。
10:最終的には殺し合いの首謀者たちも打倒、日本に帰りケビンマスク対キン肉万太郎の試合を見届ける。

【備考】
※ゲンキ、スエゾー、ハムの情報(名前のみ)と、サツキ、ケロロ、冬月、小砂、アスカの情報を知りました。
※ゼロス(容姿のみ記憶)を危険視しています。
※加持リョウジを主催者側のスパイだったと思っています。ただしその事を他言する気はないようです。
※状況に応じてまっくろクロエに変身できるようになりました(制限時間なし)。
※タママ達とある程度情報交換をしました。
※DNAスナックのうち一つが、封が開いた状態になってます。


※【シールデスマッチ用特設リング】
神社が変形して出現したリングです。
リング起動用のスイッチは神社にあった狛犬の石像の口の中……だったのですがギュオーの攻撃で破壊され、運悪くスイッチが入ってしまいました。
名前の通りリングの外に逃げられないようにリング外が全て禁止エリアになるというシール(封印)されたリングです。
リングに二人以上の人間が立つとシール(封印)が発動。
リング外禁止エリア化という封印を解除する為には天井付近に設置されている檻に敗者を叩き込むか、あるいはリングアウト等で敗者が死亡した場合のみ解除されます。
敗者を放り込む檻は頑丈で、一旦閉まると簡単には脱出できないようになっています。


時系列順で読む


投下順で読む


走る二等兵・待つ獣神将 リヒャルト・ギュオー カッコつけた言葉じゃない強さを見せてくれ
囚われ人は嘘をつく ウォーズマン
スバル・ナカジマ 揺るぎない力と意志貫くように(前編)
キョン 耐えきれる痛みなどありはしない
この温泉には野生の参加者もはいってきます トトロ






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