2010年度の活動-1

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2010年5月の活動報告

■「みどり豊かな街づくりのために」

・・・よりよい街づくりを目指し、手法とシステムを考える・・・


当会月例会での廣田邦夫氏(エクステリアプランナー)による講演会内容をご紹介します。
皆様方のまちづくりに役立てて頂ければと思います。

月例会開催日: 2010年1月23日(土)10時~12時

場所: 鵠沼公民館 第1談話室

講演では、街づくりに関する都市計画法、都市緑地法などの関係法令の制定経緯と藤沢市の取り組み経緯、各種街づくり制度の紹介や地方分権一括法以降における各市の街づくりの取り組み事例の紹介、市民の自主的な街づくり活動を支援するための「街づくり形成基本条例」に関するご提案も頂きました。

1 街づくりに関する法令、計画の経過

 国における街づくりの根幹は大正8年に制定された「旧都市計画法」に始まります。この法律ですでに、風致地区(ふうちちく)制度が創設され、各都道府県または各市町村が条例(いわゆる風致地区条例)を定めるものとされました。現行の「都市計画法」は、昭和43年に制定されています。
 また、都市計画法の姉妹法として「市街地建築物法」が制定され、国における最初の建築法規となり、昭和25年に「建築基準法」が制定されるに至ります。
 その後、昭和48年までの間に「宅地造成等規制法」、「古都保存法」、「都市公園法」、「急傾斜地法」、「都市緑地保全法」などが制定され、秩序ある都市形成を図る基本的な制度ができ上がりました。
 平成に至ると環境や行政手続きの明確化、住民との協働などの視点から平成5年に「行政手続法」、「環境基本法」が、また平成11年には「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」いわゆる地方分権一括法が制定されました。
 さらに、平成16年には「景観法」の制定を含め『景観緑三法』が、平成18年には「中心市街地活性化法」の制定を含めた『まちづくり三法』の改革が行われ、この間に地方分権を進める多くの法律の一部改正が進められてきています。
藤沢市における街づくりの根幹は秋田市の都市計画を手がけられた菅原文哉氏を中心に、昭和32年に策定された「藤沢総合都市計画」に始まります。その後、北部工業地域を位置付けるなどの変更がありましたが、現行都市計画法に基づき昭和45年に行われた都市計画施設配置の決定はこの藤沢総合計画を尊重したものとなりました。
 昭和45年には県の「風致地区条例」、市では「建築協定に関する条例」が制定され、その後、人口急増を背景に「緑の保全および緑化の推進に関する条例」、「開発行為及び中高層建築物の建築に関する指導要綱」、「建築物の建築に関する指導要綱」、「中高層建築物の日影に関する条例」が昭和53年までの間に制定されています。
 都市計画法に地区計画制度が創設されたのを受け、昭和63年に「地区計画等の案の作成手続きに関する条例」が、また、平成元年には全国に先がけ「都市景観条例」が制定され、江の島特別景観形成地区指定をはじめ市民との協働による地域景観ルール作りが展開されてきました。
 平成8年に「環境基本条例」、「行政手続き条例」が制定され、その後「環境基本計画」、「都市マスタープラン」、「緑の基本計画」が平成10年から平成12年にかけて、平成13年には「ふじさわ総合計画2020実施計画」が策定されています。
 平成20年に新たに景観まちづくり課が設置、「特定開発事業等に係る手続き及び基準に関する条例」の制定により、開発における指導要綱行政から手続きの明確化と審査基準の明確化が図られることとなりました。また、平成21年には「緑の保全及び緑化の推進に関する条例」が緑の減少を食い止めるべくみどりの基本条例として大幅改正されました。

2 各地で立ち上がる街づくり活動の背景

2-1 地方分権一括法の成立

 地方分権一括法の正式名称は「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」で、地方公共団体の事務に関する記述のある法律のうち、改正が必要な475本の法律の改正部分を、1本の法律として改正したもので、主な内容は次のとおりです。
(1)地方公共団体の事務について機関委任事務を廃止し、法定受託事務と自治事務とする。
(2)国は地方公共団体に対し包括的な指揮監督権を廃止する。
(3)国は権限委譲を推進し、国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市町村に積極的に委譲する。

2-2 行政手続き法の改正

 行政手続法は行政機関が守るべきルールを定めたもので、平成6年10月1日から施行されており、主な内容は次のとおりです。
(1)許可、認可、免許等の申請に対してそれを認めたり又は拒否したりする処分の手続
(2)許可を取り消したり、一定期間の営業停止を命じたりする「不利益処分」の手続
(3)「行政指導」は相手方の任意の協力が不可欠のものであり、従わないことによる不利益な扱いの禁止
(4)「届出」の手続
(5)「命令等」を定める際の手続(意見公募手続等)
ただし、(5)については「行政手続法の一部を改正する法律」による改正内容です。

2-3 都市計画の提案制度の創設と地区計画制度の充実

 平成14年の都市計画法の改正によりまちづくりに関する改正が行われました。改正の主な内容は次のとおりです。(1)(1)都市計画の決定等の提案制度として、住民等の自主的なまちづくりの推進や民間等による都市再生の推進を図るため、土地所有者、まちづくりNPO等あるいは民間事業者等が、一定の条件を満たした上で、地方公共団体に都市計画(用途地域など)の提案ができる。
(2)
地区計画について、地方分権一括法(H11)で市民提案制度が制度化されていたが、昭和55年創設以来、経済社会情勢の変化に対応して、改正を繰り返した結果生じた類似の制度や類型分化に伴う複雑化を整理,合理化した。

2-4 景観法の成立

良好な景観の形成を促進するため、良好な景観の形成に関する基本理念を定めるとともに、規制や支援措置等を行い、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創造、個性的で活力ある地域社会の実現などを図るため、各自治体がこれを条例で定めるものです。主な内容は次のとおりです。
(1)景観行政団体である都道府県もしくは市町村が景観計画を作成する。住民やNPOから土地所有者等の3分の2の同意を得て提案することもできる。
(2)景観計画で定める景観計画区域には、・景観地区又は準景観地区・景観重要公共施設・景観協定・景観農業振興地域整備計画・景観重要建造物・景観重要樹木等を定めることができ、規制等の違反に対して罰則を科せられる。 

3 各種の街づくり制度と取り組み事例

3-1 建築協定  建築基準法第69~77条

 都市計画法や建築基準法では、まちづくりを進める上での建築物 の最低限の基準を定めているため、 住民全員の合意によって、建築基準法等の最低限の基準に、建物の用途・高さ・壁面後退等の一定のルールを定め、お互いに守り合っていくことを約束する制度です。


3-2 緑地協定  都市緑地法第45条~第54条

 土地所有者等の合意によって緑地の保全や緑化に関する協定を締結する制度で、地域の方々の協力により、街を良好な環境にすることができます。



3-3 景観協定  景観法第81条~第91条

 「景観計画」が同区域内のすべての建物に一律に課せられるルールなのに対し、「景観協定」は同区域内で協定を結んだ住民(全員)の合意による自主的なルールです。景観協定も自治体の許可が必要で、景観計画より細かく制限することができます。また、土地の所有者が変わっても、協定の内容は引き継がれます。



3-4 住民協定   法に規程なし

 地域住民の皆さんが、住環境や利便の維持・増進等を図るため、法律で定める基準以上の基準や土地・建物についての取り決めを定めるもので、自治会、町内会や一定の居住区域単位で、自主的に取り決めを定めたものであり、法に基づかない制度です。近年、自治体が住民協定の認定を条例で制度化する動きが増加しています。



3-5 景観形成地区    景観条例第5条 景観法第8条~第18条

 閑静な住宅地や個性ある商店街といった身近な生活環境の質の向上と美しく魅力ある町並み景観の形成を図るため、地区のまちづくりのルールを自分たちでつくる制度です。 また、特別景観形成地区は、良好な都市景観の形成を推進する上で、特に重点的に取り組む必要がある地区について自治体が位置づけるものです。
 景観形成地区内において、対象行為を行おうとする場合は、景観法第16条に基づく届出が必要となります。



3-6 景観地区   景観法第61条~第71条 都市計画法第8条

 都市計画法には従来から 「美観地区」 という地域地区の規程がありましたが、法改正 (平成17年6月1日施行) によりこの 「美観地区」 が廃止され、その代わりに新設されたのが 「景観地区」 で都市計画に定めることができます。



3-7 地区計画    都市計画法第12条の5

 「地区計画等」は、都市計画法に定められた都市計画の種類の一つで、住民の生活に身近な地区を単位として、道路、公園などの施設の配置や建築物の建て方などについて、地区の特性に応じてきめ細かなルールを定める都市計画決定されるまちづくり計画です。



3-8 風致地区     都市計画法第8条

都市に残された水や緑など、良好な自然的景観を守り、都市における風致を維持することを目的として、都市計画法による地域地区には 「風致地区」 が定められています。風致地区の制度は、大正8年の旧都市計画法制定と同時に創設されており、都市の緑地保全に関する制度ではわが国最古のものです。



4 地域街づくり活動の課題


 地域まちづくり活動の課題として次の事項があげられます。
  •  多くの法律や条例があり理解するのに時間がかかる。
  •  専門用語が多用されており、専門家による解説などの支援を必要とする。
  •  市の総合計画、都市マスタープランなど基本政策の関連について全体像が見えにくい。
  •  地域に開発事業計画の動きがある場合、地域の意見をとりまとめるために時間を要する。
  • 各種の複雑なまちづくり手法があり、地域の特性に合ったまちづくりの進め方に苦慮する。


5 各市の街づくりを推進するための条例

5-1 練馬区まちづくり条例  平成17年12月制定

条例の構成内容は次のとおりです。
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 まちづくりの計画(第4条―第6条)
第3章 都市計画等の決定等における住民参加
第4章 地区まちづくり・テーマ型まちづくり等の推進
第5章 開発調整の仕組み
第6章 まちづくりの支援等(第122条―第126条)
第7章 組織(第127条―第138条)
第8章 補則(第139条―第151条)
第9章 罰則(第152条・第153条)
付則


5-2 世田谷区街づくり条例   昭和57年6月制定

条例の構成内容は次のとおりです。
第1章 総則(第1条―第7条) 
第2章 街づくりに関する方針等の策定 
    第1節 総合基本方針等の策定(第8条―第10条)
    第2節 地区街づくり計画の策定(第11条―第15条)
    第3節 地区計画等の案の作成手続(第16条―第18条)
第3章 街づくりの推進等
    第1節 地区街づくり事業(第19条)
    第2節 街づくり誘導地区(第20条・第21条)
    第3節 街づくり推進地区(第22条―第24条)
第4章 街づくりの支援(第25条―第29条)
第5章 雑則(第30条・第31条)
附則


5-3 横浜市地域まちづくり推進条例  平成17年2月制定

条例の構成内容は次のとおりです。
第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(基本理念)
第4条(市民等の責務)
第5条(市の責務)
第6条(情報の共有等)
第7条(市の支援施策)
第8条(地域まちづくりグループ)
第9条(地域まちづくり組織)
第10条(地域まちづくりプラン)
第11条(地域まちづくりプランの推進)
第12条(地域まちづくりルール)
第13条(建築等の誘導)
第14条(まちづくり支援団体)
第15条(表彰)
第16条(地域まちづくり推進委員会)
第17条(公表、閲覧等)
第18条(委任)
附 則


5-4 小田原市まちづくりルール形成促進条例  平成18年3月制定

条例の構成内容は次のとおりです。
目次
第1章 総則(第1条~第5条)
第2章 街づくりルール改革計画(第6条~第8条)
第3章 地域における街づくりルールの形成の促進(第9条~第15条)
第4章 都市計画法に基づく都市計画の決定又は変更の提案等
第1節 都市計画の決定又は変更の提案に係る手続等(第16条~第18条)
第2節 地区計画等の案の作成に係る手続(第19条~第21条)
第5章 支援及び表彰(第22条・第23条)
第6章 雑則(第24条)
附則



6 新たな街づくりシステムへ向けて

6-1 条例制定の必要性

  • 街づくりに関して市民参加の促進、役割・責任の明確化が必要である。
  • 都市マスタープランを本市街づくりの基本計画と位置づけ実効性を図る必要がある。
  • 現在ある法律や市条例より広がりある街づくりのルール化と、市がそのルールを認定するなどの制度化が必要である。
  • 市の総合計画、都市マスタープランに影響ある開発事業に関して、審査、検討する機関が必要である。
  • 法に定める提案制度について手続きを明確化する必要がある。
  • 地域の街づくり活動に対する市の支援制度が必要である。

6-2 条例制定の目的

  • 本市街づくりの基本方針を定め、その方針に基づき地域街づくりを推進する。
  • 街づくりに関して市民参加の制度化を図る。
  • 法に定める提案制度について手続きを明確にする。
  • 大規模開発事業計画に対してその内容を調査検討する機関を設置する。

6-3 (仮称)街づくり形成基本条例の骨子案

(1)総則 
  • 目的 定義 権利と責務について規程する。
(2)街づくり計画
  • 都市マスタープランを市の基本計画として位置づけ、策定・改定時は市民参加によるものとする。また、大規模開発事業に対して調査審議する街づくり審議会を設置する。
(3)都市計画法に基づく都市計画の決定・変更
  • 住民、事業者、NPO法人からの提案制度の手続きを定める。
(4)地域街づくり計画 
  • 市民による作成と市の認定手続きの審査機関として街づくり審議会を設置する。
(5)街づくり支援・表彰 
  • 街づくり推進団体に対する専門家派遣・助成と街づくり貢献者への表彰制度を創設する。


(2010年4月記)

会報にも詳しく載せています、ぜひご覧下さい。

松ぼっくり第5号-1

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