§12 <中心力の場>における運動

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===ケプラーの第2法則の導出=== 我々物理学徒は[[§11 換算質量]]で2体問題を1個の質点の運動に帰着させることに成功した。ここではいよいよ中心力場における質点の運動を決定することになる。 中心力は <math>\mathbf{F}=-\frac{\partial U(r)}{\partial \mathbf{r}}=-\frac{dU}{dr}\frac{\mathbf{r}}{r}</math> であらわされる。 [[§9 角運動量]]で学んだように、このような中心力場では角運動量 <math>\mathbf{M}=\mathbf{r}\times \mathbf{p}</math> は保存する。つまり、粒子の位置ベクトルは角運動量ベクトルに垂直な位置平面内をずっととどまることになる。 このような粒子の軌道に関して、ラグランジアンは <math>L=\frac{m}{2}(\dot{r}^{2}+r^{2}\dot{\phi}^{2})-U(r)</math> とあらわされる。 以下の議論はもう一度勉強しなおしてきます。 ===中心力場における粒子の軌道=== このラグランジアンは座標<math>\phi</math>を陽には含んでいない。このような座標は循環的であるという。循環的な座標のラグランジュ方程式は <math>\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}=\frac{\partial L}{\partial q_{i}}=0</math> となる。循環座標が存在する場合、その座標に共役な一般化運動量は運動の積分となる。 今回の場合、 <math>p_{\phi}=mr^{2}\dot{\phi}=const.</math> これは角運動量保存則に相当する。さらに、この粒子が微小時間に運動したときのいわゆる面積速度は<math>df=\frac{1}{2}r^{2}d\phi</math>なので、 <math>M=2m\dot{f}</math> は面積速度が一定であることを意味しており、すなわちケプラーの第2法則が証明される。 次に粒子の軌道を決めることにする。粒子のエネルギーは <math>E=\frac{m}{2}(\dot{r}^{2}+r^{2}\dot{\phi}^{2})+U(r)\\ =\frac{m}{2}\dot{r}^{2}+\frac{M^{2}}{2mr^{2}}+U(r)</math> なので、 <math>\dot{r}\equiv \frac{dr}{dt}=\sqrt{\frac{2}{m}[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{m^{2}r^{2}}}</math> この微分方程式を解いて <math>t=\int \frac{dr}{\sqrt{\frac{2}{m}[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{m^{2}r^{2}}}}+const.</math> ここで、 <math>d\phi=\frac{M}{mr^{2}}dt</math> なので、これを代入すると、 <math>\phi=\int\frac{\frac{M}{r^{2}}dr}{\sqrt{2m[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{r^{2}}}}+const.</math> この式が軌道の一般解となる。[[§13 ケプラー問題]]ではいよいよこの積分を解くことになる。楽しみに待っていよう! ===軌道が閉じるために・・・=== 難解なのですぐには手がつかないです。
===ケプラーの第2法則の導出=== 我々物理学徒は[[§11 換算質量]]で2体問題を1個の質点の運動に帰着させることに成功した。ここではいよいよ中心力場における質点の運動を決定することになる。 中心力は <math>\mathbf{F}=-\frac{\partial U(r)}{\partial \mathbf{r}}=-\frac{dU}{dr}\frac{\mathbf{r}}{r}</math> であらわされる。 [[§9 角運動量]]で学んだように、このような中心力場では角運動量 <math>\mathbf{M}=\mathbf{r}\times \mathbf{p}</math> は保存する。つまり、粒子の位置ベクトルは角運動量ベクトルに垂直な位置平面内をずっととどまることになる。 このような粒子の軌道に関して、ラグランジアンは <math>L=\frac{m}{2}(\dot{r}^{2}+r^{2}\dot{\phi}^{2})-U(r)</math> とあらわされる。 ===中心力場における粒子の軌道=== このラグランジアンは座標<math>\phi</math>を陽には含んでいない。このような座標は循環的であるという。循環的な座標のラグランジュ方程式は <math>\frac{d}{dt}\frac{\partial L}{\partial \dot{q}_{i}}=\frac{\partial L}{\partial q_{i}}=0</math> となる。循環座標が存在する場合、その座標に共役な一般化運動量は運動の積分となる。 今回の場合、 <math>p_{\phi}=mr^{2}\dot{\phi}=const.</math> これは角運動量保存則に相当する。さらに、この粒子が微小時間に運動したときのいわゆる面積速度は<math>df=\frac{1}{2}r^{2}d\phi</math>なので、 <math>M=2m\dot{f}</math> は面積速度が一定であることを意味しており、すなわちケプラーの第2法則が証明される。 次に粒子の軌道を決めることにする。粒子のエネルギーは <math>E=\frac{m}{2}(\dot{r}^{2}+r^{2}\dot{\phi}^{2})+U(r)\\ =\frac{m}{2}\dot{r}^{2}+\frac{M^{2}}{2mr^{2}}+U(r)</math> なので、 <math>\dot{r}\equiv \frac{dr}{dt}=\sqrt{\frac{2}{m}[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{m^{2}r^{2}}}</math> この微分方程式を解いて <math>t=\int \frac{dr}{\sqrt{\frac{2}{m}[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{m^{2}r^{2}}}}+const.</math> ここで、 <math>d\phi=\frac{M}{mr^{2}}dt</math> なので、これを代入すると、 <math>\phi=\int\frac{\frac{M}{r^{2}}dr}{\sqrt{2m[E-U(r)]-\frac{M^{2}}{r^{2}}}}+const.</math> この式が軌道の一般解となる。[[§13 ケプラー問題]]ではいよいよこの積分を解くことになる。楽しみに待っていよう! 以下の議論はもう一度勉強しなおしてきます。 ===軌道が閉じるために・・・=== 難解なのですぐには手がつかないです。

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