§18 強制振動

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変化する外場の作用を受ける系の振動、いわゆる強制振動について考察する。この節を学ぶことで共鳴やうなりといった現象についての理解を深めることができる。系のエネルギーは強制力のパワースペクトルで記述されることになる。 弱い外場による系のポテンシャルエネルギーは <math>U_{e}(x,t)\simeq U_{e}(0,t)+x[\frac{\partial U_{e}}{\partial x}]_{x=0}</math> 第1項は時間だけの関数なので、ラグランジアンから落とせる[[§2 最小作用の原理]]。第2項はつり合いの位置で系に働く力であり、<math>-xF(t)</math>と書くことにする。 系のラグランジアンは <math>L=\frac{m}{2}\dot{x}^{2}-\frac{k}{2}x^{2}+xF(t)</math> 運動方程式は <math>\dd{x}+\omega^{2}x=\frac{1}{m}F(t)</math> この微分方程式の解は同次方程式の一般解([[§17 1次元の自由振動]]参照)+非同次方程式の特殊解で記述される。この特殊解を見出すことに我々物理学徒はある種の快感を感じることができる(当然、一番下の広告の「今年こそ彼女がほしい」などを見ている場合ではないのである)。 ここで、強制力を振動数<math>\gamma</math>の周期関数とおく。すなわち <math>F(t)=f\cos(\gamma t+\beta)</math> さらに特殊解は <math>x_{1}=b\cos(\gamma t+\beta)</math> これを運動方程式に代入して、 <math>b=\frac{f}{m(\omega^{2}-\gamma^{2})}</math> となる。一般解と合わせて、 <math>x=a\cos(\omega t+\alpha)+\frac{f}{m(\omega^{2}-\gamma^{2})}\cos(\gamma t+\beta)</math> となる。 強制力の振動数と、系の固有振動数が一致する場合、共鳴と呼ばれる。ここはロピタルの定理を用いて
変化する外場の作用を受ける系の振動、いわゆる強制振動について考察する。この節を学ぶことで共鳴やうなりといった現象についての理解を深めることができる。系のエネルギーは強制力のパワースペクトルで記述されることになる。 弱い外場による系のポテンシャルエネルギーは <math>U_{e}(x,t)\simeq U_{e}(0,t)+x[\frac{\partial U_{e}}{\partial x}]_{x=0}</math> 第1項は時間だけの関数なので、ラグランジアンから落とせる[[§2 最小作用の原理]]。第2項はつり合いの位置で系に働く力であり、<math>-xF(t)</math>と書くことにする。 系のラグランジアンは <math>L=\frac{m}{2}\dot{x}^{2}-\frac{k}{2}x^{2}+xF(t)</math> 運動方程式は <math>\dd{x}+\omega^{2}x=\frac{1}{m}F(t)</math> この微分方程式の解は同次方程式の一般解([[§17 1次元の自由振動]]参照)+非同次方程式の特殊解で記述される。この特殊解を見出すことに我々物理学徒はある種の快感を感じることができる。 ここで、強制力を振動数<math>\gamma</math>の周期関数とおく。すなわち <math>F(t)=f\cos(\gamma t+\beta)</math> さらに特殊解は <math>x_{1}=b\cos(\gamma t+\beta)</math> これを運動方程式に代入して、 <math>b=\frac{f}{m(\omega^{2}-\gamma^{2})}</math> となる。一般解と合わせて、 <math>x=a\cos(\omega t+\alpha)+\frac{f}{m(\omega^{2}-\gamma^{2})}\cos(\gamma t+\beta)</math> となる。 強制力の振動数と、系の固有振動数が一致する場合、共鳴と呼ばれる。 この場合、 <math>x=a'\cos(\omega t+\alpha)+\frac{f}{m(\omega^{2}-\gamma^{2})}[\cos(\gamma t+\beta)-\cos(\omega t+\beta)]</math> と書き換えて、ロピタルの定理(後述)を用いて <math>x=a\cos(\omega t+\alpha)+\frac{f}{2m\omega}t\sin(\omega t+\beta)</math> となる。共鳴の場合、振動が小さく理論の適用範囲内において振幅が時間に線形に増大する。 共鳴の近くの微小振動のついて考えてみよう。 微小量<math>\epsilon</math>を用いて、強制力の振動数を<math>\gamma=\omega+\epsilon</math>とする。一般解は <math>x=Ae^{-i\omega t}+Be^{-i(\omega+\epsilon) t}\\ =(A+Be^{-i\epsilon t})e^{-i\omega t}</math> と書いてみる。共鳴近くでこの振幅部分の変化は微小であるとみなせる。 ==ちょっと省略== 計算がまだ追いついていないんだよ・・・ 任意の強制力<math>F(t)</math>に対する一般的な解を求める。方程式を <math>\frac{d}{dt}(\dot{x}-i\omega x)+i\omega(\dot{x}-i\omega x)=\frac{1}{m}F(t)</math> とおく。ここで、<math>\xi=\dot{x}-i\omega x</math> を導入した。この方程式は一階の方程式であり、解を<math>\xi=A(t)e^{-i\omega t}</math>の形におくと、方程式は <math>\dot{A}(t)=\frac{1}{m}F(t)e^{i\omega t}</math> となる。よって解は <math>\xi=e^{-i\omega t}\{ \int_{0}^{t}\frac{1}{m}F(t)e^{i\omega t}dt+\xi_{0} \}</math> となる。右辺第2項は<math>t=0</math>のときの値である。 外力を受けている間に系が得る全エネルギーを求める。 <math>|\xi(\infty)|^{2}=\frac{1}{m^{2}}|\int_{-\infty}^{\infty}F(t)e^{i\omega t}dt|^{2}</math> となるので、系のエネルギー <math>E=\frac{m}{2}(\dot{x}^{2}+\omega^{2}x^{2})=\frac{m}{2}|\xi|^{2}</math> に代入して、 <math>E=\frac{1}{2m}|\int_{-\infty}^{\infty}F(t)e^{i\omega t}dt|^{2}</math> となる。すなわち、力<math>F(t)</math>のパワースペクトルとなる。 外力がごく短い時間しか働かないとき、 <math>E=\frac{1}{2m}(\int_{-\infty}^{\infty}F(t)dt)^{2}</math> となる。この積分は運動量なので当然の結果なのである。

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