§11 換算質量

相互作用している二つの質点だけからなる系における運動、いわゆる2体問題について解くために我ら物理学徒は換算質量について学ぶことにする。

相互作用している2つの粒子系のラグランジアンは

L=\frac{m_{1}}{2}\mathbf{\dot{r}}_{1}^{2}+\frac{m_{2}}{2}\mathbf{\dot{r}}_{2}^{2}-U(|\math{r}_{1}-\math{r}_{2}|)

であらわされる。ここでベクトル

\mathbf{r}=\mathbf{r}_{1}-\mathbf{r}_{2}

を導入し、原点を重心にとる。

m_{1}\mathbf{r}_{1}+m_{2}\mathbf{r}_{2}=0

この二つの式から、

\mathbf{r}_{1}=\frac{m_{2}}{m_{1}+m_{2}}\mathbf{r}\mathbf{r}_{2}=-\frac{m_{1}}{m_{1}+m_{2}}\mathbf{r}

これらをラグランジアンに代入して、

L=\frac{m}{2}\mathbf{\dot{r}}^{2}-U(r)

を得る。ここで、換算質量

m=\frac{m_{1}m_{2}}{m_{1}+m_{2}}

を導入した。

この式は、2体問題は場の中の1つの質点の運動の問題として解くことができることを示している。

ここの読者なら当然、3体の場合も同様に解けるだろう

ぜひチャレンジしてほしい

最終更新:2008年09月09日 23:36